日本でハリウッドVFXを制作! 「経産省アイディアボックス」 結果:  
●まとめエントリはこちら ●FAQ ●お問い合わせは左のメールフォームから

2012年2月23日木曜日

メモ:ピカソから7つの助言

元: DDN Japan

1. 必ずできると信じろ
「思いついたことは出来る。思いつかないものは出来ない。これは避けがたく、明白なことだ。」


2. 限界を超えろ
「私はいつも自分の出来ないことをする。どうやればいいのかわかるからだ。」


3. 「その時」を待つな
「インスピレーションは常に存在する。見つけに行くんだ。」


4. 動け
「明日に引き伸ばせば、それは死んでしまう。」
「行動がすべての成功の鍵だ。」


5. 正しく問え
「他の人間はなぜそうなったかを問う。私はいつも何ができるのか、なぜできないのかを問う。」


6. ジャッジせず、隠された美を見ろ
「我々は脳をブン投げて、ただ目だけで見ることができればいいのだが。」


7. 遅すぎるなんてことはない。
「若さと年齢は無関係。」

2012年1月19日木曜日

オブジェクト位置をパーティクルのポジションから取得する

条件:particle1、pCube1がシーンに存在すること。

以下の内容を実行するか、エクスプレッションとして入力する。
(エクスプレッションにすればアニメーションの進行に合わせてオブジェクト位置も移動する)


{
float $particlePosition[] = `xform -q -t -a -ws particle1.pt[0]`;
setAttr "pCube1.translateX" $particlePosition[0];
setAttr "pCube1.translateY" $particlePosition[1];
setAttr "pCube1.translateZ" $particlePosition[2];
}

※上記のスクリプトではパーティクルIDが「0」のケース

2011年10月27日木曜日

キャメロンの新しいスタジオはVFXアーティストの大量雇用を生むのか?

ソース:PasteMagazine.com「Avatar Sequels To Shoot in Manhattan Beach, Calif.」Apr12/2011

ここで書かれていることをざっと見ると、キャメロンと20世紀フォックスがマンハッタンビーチ・スタジオとして知られていたMBS Media Campus のスタジオとオフィススペースのリース契約書にサインしたそうです。


585,000平方フィート(この記事では58000平方フィートとなっていますが間違いと思われます)のスペースで15のサウンドステージをもっているとなっています。
58万5千平方フィートとは、約5万4000平方メートル、坪数にして16440坪です。
1万坪がサッカーのコート4つ分なので、だいたいサッカーコート6つと半分ぐらいでしょうか。
(参照:10000坪はどれくらい?
ホテルニューオータニの日本庭園も1万坪だそうです。


サウンドステージというのは、映画の撮影などに使われるおおきな飛行機の格納庫みたいなところで音響処理がほどこされているところのことをそうよぶらしいですね。初めて知りました。(Wiki)http://en.wikipedia.org/wiki/Sound_stage
アバター時はこんな感じでした。
今回もキャメロンは改築のための投資をしているようです。


サッカーコート6.5個分の広さの所に15のサウンドステージを持っているって事は、サッカーコート一つ分に2.5個ぐらいのステージがあるって事か。
たぶん、全体の広さにはオフィスや、試写室、後述するジムなどもあるので、たぶん、サッカーコート一つ分に3~4ぐらいのステージがあるって感じでしょうかね。
なるほど大量のモーキャプを一気に平行して撮影するにはこれぐらい必要なんでしょうね。

MBS Media Campusはモーキャプの撮影に使われる予定だが、ライブアクションの部分もそこで撮影されるかどうかはわからないそうです。アバターでは、ライブアクション部分はニュージーランドで撮影されました。
キャメロン自身はニュージーランドで今回のライブアクションの撮影をするかどうかは定かではないとの事。

--------------
今回のこのスタジオをリースしたのはいくつか理由があるようです。
前作のアバターを撮影した場所はPlayaVistaにあるHercules Campusということころですが、これは改築のために取り壊し中だそうです。(こちらは9万平行フィート)
(ソース1:Hollywood Reporter
(ソース2:Film




サンタモニカには、長年キャメロンが使っているライトストーム本部がありますがこちらは、約26万平方フィート。
キャメロン自身はマリブ-に住んでいて、アバター撮影中はサンタモニカではなく、こちらのPlaya vistaのほうでメインの作業をしたそうです。

ちなみに、このHercules Campusの名前の由来は、映画「Aviator」の最後に出てきた巨大飛行艇「ハーキュリーズ」からきている。



キャメロンはこのオフィスとスタジオを一カ所に合併することを望んでいるそうです。
まぁオフィスが二カ所にあるため、二つの箇所のタイムテーブルを気にして管理しなくてはいけなかったので大変だったみたいです。


ちなみにPlayaVistaからサンタモニカまでは5マイル
サンタモニカからマンハッタンビーチまでは12マイル。
各地点を地図で見ると北から南へ以下の順序で並びます。
マリブ-(キャメロンの自宅):http://goo.gl/Waj3J
SantaMonica(現在のライトストーム):http://goo.gl/pFKru
Playa vista(前作のアバター撮影所): http://goo.gl/3aW2c
マンハッタンビーチ(新しく借りたところ):http://goo.gl/dWQio


サンタモニカのオフィスは11.85ミリオンで売りに出されているが、キャメロンの話によると、彼の会社Lightstormがどこへ引っ越す事になるかという詳細は明らかにされていない。


前作アバターの時は二カ所合わせて35万平方フィート。
今回は58万5千平方フィートと約1.7倍のスペースになるようです。
しかも場所が一カ所にまとまるのでかなり楽。



MBS Media Campusはモーキャプの撮影に使われる予定だが、ライブアクションの部分もそこで撮影されるかどうかはわからない。
アバターでは、ライブアクション部分は、WETAのあるニュージーランドで撮影された。
WETAは続編にも関わる事を予測している(まだ確定ではない)が、キャメロン自身はニュージーランドでライブアクションの撮影をするかどうかは定かではないとの事。


一方こちらの情報(ソース:XYDO 5月25日付)では、キャメロンの会社ライトストーム・エンターテイメントがMBS Media Campusに115,000平方フィーとのオフィススペースの5年リース契約をしたとの話がでています。

最初に伝えられた58万5千平方フィートは20世紀フォックスと共同で借ると伝えられていたので、ライトストーム自体はそのうちの11万5千平方フィートを借りるようですね。
(残り47万フィート)

ここにはスタッフ用とキャメロンのプライベートという二つのジムも設立され、サウンドステージ、プライベート試写室も含まれているそうです。
プロダクションは来年の夏に始まると思われており、ライトストームはこの11月には引っ越しを始める。
ライトストームのスペースはすでに売りに出されているようです。


----------
アバター2と3のためにたくさんの雇用が生まれるという話があり、それに触れたキャメロンの話がありました。
(ソース:REELZ Channel
(700人を超えるスタッフが撮影やVFXに必要となるようです。)
「すでに新しいソフトやアニメーション技術の開発を行っており、マンハッタンビーチに新しいファシリティーを設立しているところだ、まだ死んでない人達はすでに戻り始めているよ」


鍋順さんもレポートしてますね。
【ハリウッド通信】ジェームズ・キャメロン監督が大規模VFXスタジオをLAに設立 映画「アバター」続編の制作体制構築へ ~700人規模の新雇用に期待~




--------------
さてさて、ここまではプロダクション全体の話で、「アバター2」と「アバター3」という映画を完成させるために必要な事の話です。
私が知りたいのはVFXプロダクションの部分です。
しかもモーキャプ撮影やデータ・クリーンアップなど部分を抜いた、VFX作成部分。
VFXアーティストの雇用数が増えるのかどうかと言うことです。

その辺りは、まだ一切触れられていません。


これを現在のデータから推測できるかどうかトライしてみました。

前作の作業エリアは:合計35万平方フィート。
今回は        :合計58万5千平方フィート

差は22万5千平方フィート(20900平方メートル:6300坪)
1万坪がサッカーのコート4つ分なので、これだと半分強でコート2.5つ分ぐらいでしょうか。
サッカーコート一つ分に2.5個ぐらいのサウンドステージがあると考えると、6個ぐらい多いという感じでしょうか。
といってもこの計算が合っているかどうかわかりませんし、全部がサウンドステージではないでしょうしね。



ライトストームの場所は約26万平方フィートから半分の11万5千平方フィートに減少。
これは共有して作業できるスペースがふえるからでしょうね。

自分の推測では前作のアバターでは、ライトストームがコンセプトレベルのことを扱い、ライトや色やカメラアングルその他重要な指示をここで決めてその結果がILMやWetaに送られたと見ています。


今回増えたスペースに何がはいるのかわかりません。
2作目と3作目を同時撮影するとしたら、モーキャプ設営のためのセットは沢山必要でしょうし、そのために機器のセッティングやソフトの調整、データ管理、モーキャプデータのクリーンアップをする部署に、前作以上に人が必要と言うことになるかなと思います。

したがってスペースが増えるからと行って、モーキャプ関連以外のVFXアーティストの雇用が増えるかどうかと言うのは微妙なところです。


もちろん、Weta抜きで全部うちでやると行ってくれるなら期待できますが、DDの時のように永続的、本格的なVFXプロダクションを作成するわけではないような気がします。
リースは5年契約ですから、アバターの制作しか考慮に入れてないんじゃないでしょうか。

まぁ、それでも(アバターだけでも)コンセプトではなく実際にポスプロのエフェクトを最後までやるならうれしいところです。
700人近い雇用がみこまれていますが、そのうち大半は撮影や管理、モーキャプ関係のスタッフでしょう。

VFXアーティストがどれぐらい雇用されるかは、キャメロンがどういうやり方をとるかによりますが、
「キャメロンが新しい大きな会社を作る=VFXアーティストの雇用が爆発的に増える」
という図式は成り立たない可能性が高いと思われます。
もちろん、前作でも何人かはVFXアーティストが雇われたはずで、今回はその数も二倍以上に増えるかもしれません・
でも、まるっきりVFXをすべてやるほどの規模では雇われないと(個人的には)思います。



上記のソースからですが、
WETAは続編にも関わる事を予測している(まだ確定ではない)。
ということです。

2011年10月4日火曜日

アメリカ永住権抽選の応募について

アメリカ永住権抽選の応募受付が開始されました。
https://www.dvlottery.state.gov/

前々から、口を酸っぱくして言っているのだが、
ハリウッドで働くことに興味ある人は具体的にアメリカに行く予定はなくてもいいから
「とりあえず応募すべき!」
(もちろん、応募資格を満たしている人に限られる)


この永住権の「抽選」というのはどういう意味かわからない人も居るかも知れないが
読んで字のごとくで、応募した人の中から選んで、無料でアメリカの永住権を差し上げますという話である。

宝くじみたいなものである。

宝くじより良い点はお金がかからない。
たぶん、宝くじよりは確率も高い。(推測、未確認)


応募してみたら?と勧めても応募しない人は多い。
理由を聞いてみたら、どうやって応募すればいいかわからないという答えは別として
※)就職先が決まってない
※)渡米するお金がない
※)渡米して頼る人が居ない
※)また今の仕事を辞める決心がつかない
※)アメリカで仕事がしてみたいんであって永住したいわけではないから
※)結婚して子供も居るし....。(これは、少しわかる)

などなど当選後、渡米後の心配をして応募しないという人が多い。


宝くじに当選する前から税金の心配をして、宝くじを買わないというのと似ているかも知れない。


では、なぜそんなに強く勧めるのかというと、当たればもうけもの。
まぁこれも最近のアメリカの就職事情を考えるともうけものとは言い難いのかも知れませんが。
次のことを考えてみて下さい。



<永住権をもらう一般的なプロセス>
*労働Visaでアメリカに就職する。
*その期限内に永住権の申し込みをする。
*そのプロセスのステップに非常に時間がかかる。

長ければ5年待っても進まないという人も居るぐらい。
しかも申請する人が多くて、審査の順番を待っているというだけの理由です。
ようするに数年分の仕事が山積みになっていてなかなか追いついていないのです。

労働Visaは最大で5年有効ですが永住権の申請をしていると5年過ぎても毎年更新することができます。
ようするに労働Visaの5年という期間でとれないことがあるということです。
いいかえれば毎年更新するための書類手続きと数十万円の手続き費用がかかります。

また労働Visaは給料をくれる会社に属するモノなので、会社がつぶれたりレイオフされて転職するときには
会社を変わる手続きをしないといけません。
そうなるとその時、申請していた永住権のプロセスは白紙に戻ります。
もう一度最初からやり直しです。

現在のカリフォルニアのCG業界は非常に戦々恐々としており、労働Visaで働いていても首を切られることもあります。
永住権がとれるまで同じところで雇ってもらえるようにするには大変だと言うことがわかると思います。
また、いつそのプロダクションがつぶれるかもわかりません。

通常の手順ではこのように、長い時間、神経をすり減らすプレッシャーに耐えなくてはいけません。
そしてVisaの申請のための費用もばかになりません。

もちろん例外もあり、卓越した能力の持ち主であることが証明できれば1年で永住権がもらえる道もあります。
ただこれはなにか賞をもらったり、人に教える立場だったり審査する立場だったり有名な作品を作っていたりと
なかなか普通には難しいモノです。

なにより年々、Visaも永住権も審査が厳しくなってきています。
そもそも労働Visaももらえるかどうかわからないんですからねw


永住権に当選したら、こういった長たらしいプロセスを最終審査(面接)以外パスできるのです。
アメリカに入国するときも、Visaの列とは違うところにならぶのでプロセスも早いです(たぶん)。

もうひとつの利点は。
まぁそこまでしてアメリカで働きたいかどうかはわかりませんが。
フリーランスとしてアメリカで働ける。
ようするに技量次第で一つの会社に縛られずにいろいろな会社で仕事をすることが出来ます。

これは一時的に人を必要としているようなケース。たとえば数ヶ月だけ必要という場合。
これが以外と大手のプロダクションでも多いのですが、そういったときもVisaを取得する必要がないという
ことであれば働かせてもらえる可能性は高くなります。
ようするに現地人と同じ扱いですね。



<永住しなくてはいけないのか?>
永住権をもらうことのメリットはいろいろありますがわれわれにとって重要なのは
「Visaをとらなくても、アメリカ国内のどこでも働ける」
ということではないでしょうか。
その気になれば、マクドナルドのバイトも出来ますし、Fedexの配達も出来るでしょう。

永住権というのは、「永住しなくてはいけない」ということではありません。
永住権にも期限があり、更新しなければ無効になります。
またアメリカはいつでも永住権を取り消す権利があります。
もうこれ以上アメリカに住みたくないと思えば、権利を返上して日本に帰国できます。
届けを出せば、1年などの長期間、永住権を維持したまま日本に住むことが出来ます。

永住権はVisaなどを取得せずとも無条件で入国でき、居住し、働ける権利です。
いつまでも好きなだけ居て良いという権利です。

Visaではできませんが永住権があたればとりあえず半年ほど働いてみてその後のことはその時決めるかということも気軽に出来ます。(永住権がもったいないですが)



<永住権に当選してもすぐにもらえるわけではない>
永住権に当選してもまだ喜んでは居られません。

当選者は確実にもらえるプライマリーと、呼び軍であるセカンダリーに分けられています。
(プライマリー、セカンダリーという呼び方は正式ではありません、正式には番号が振られているだけです)

毎年5万人に永住権が与えられているのですが、当選通知がぐるのは10万人といわれています。
それは当選通知が来ても最終審査に通らなかったり、最終審査に応募してこなかったりという人が居るため
それを見越して送られてくるからです。

当選通知には番号が振られており、当選発表後に、毎月どの番号までの人が最終審査をうけつけてもらえるか発表されます。
今月は0~10000番までという感じです。

そして、ある程度の月がすぎたら「この番号以降の人はすべて審査受け付けます」という発表がされます。
これを仮に43000番としましょう。
ようするに43000番~100000番までのひとは審査受け付けます。ただし「早い者勝ち!」という感じですね。


この「すべて受け付け開始」の番号以前の人はいいですが、この番号以降の人はちょっとした遅れで審査を受けられなくなる(よいいうするに永住権がもらえない)可能性があるわけです。


このように当選してもこの過程を通り過ぎ、そして審査を通って初めて永住権がもらえるわけです。
そして今応募しても、当選発表は7月です。
審査が始まるのはモット先です。

ちなみにうちは実際の審査などの手続きをしたのは12月です。


まぁ当選したら急がないといけない。
ある程度お金が必要などというのはありますが、それは応募した後で調べても充分じゃないかなと。


1)そもそも当たるかどうかわからない。
2)当たっても永住権がもらえるとは限らない
3)当たったらVisaから永住権を申請するよりもはるかに簡単にもらえる。
4)毎年おくってれば当たる確率も増える。(かもしれない)



これがとりあえず応募しておいた方が良いんじゃないかとお勧めする理由です。
ちなみに今すでに永住権のプロセスを申し込みされている方。
保険の意味でこの抽選に応募しておいても良いと思います。現在のプロセスには何も影響しないどころか、もし当選すればそちらのプロセスはキャンセルして当選した方で先へ進めることが出来ます。

とりあえず応募して、当選後のことはそれから考えても良いんじゃないかなと思います。
宝くじを買った時って当選したら何しようって考えますよね。同じですw

それに、具体的にアメリカ行きのことを考えるよいきっかけにもなるかもしれません。




 <その他>
 永住権申請をお金取って代理でやってくれるサイトとかありますが、金の無駄です。
唯一の利点は日本語で手続きできることですがやることは自分で正規のサイトからやることと同じです。

アメリカで仕事したいんでしょう?これぐらい自分でやりましょう。
ダメならまた来年応募すれば良いんです。
わからないことは検索したり人に聞きましょう。


とりあえず参考リンク
アメリカ抽選永住権 DVプログラム
http://www.interq.or.jp/tokyo/ystation/americadvp.html

体験談!DVアメリカ抽選永住権 グリーンカードロッタリー 当選後の手続き
http://www.geocities.co.jp/SilkRoad/3712/



あと書くまでもないですがアメリカに少しでも行く気がある限り、
当たるまで毎年応募しましょう。


当たればもうけもの、あたらなくても何も損はしません。


それからご結婚されている方は夫婦二人で応募すると当選確率が二倍になります。


書き忘れてたので追記:
<当選したけど行きたくない。行けない>
自分の意志で決めて良いのです。
当選通知が来ても返信せず、その後のプロセスをすすめなければ自動的に無効になります。
当たったからと一定か無くてはいけない理由はどこにもありません。
そして、その後もまた応募することは出来ます。


追加情報:
IE6またはIE7でないと応募ページがうまく機能しない可能性があるとのご報告を頂きました。
OS、ブラウザによる相性問題にはくれぐれもご注意下さい。

2011年7月27日水曜日

「ハリウッドCG業界 就職の手引き」 リビュー (その2)

前回の続きで、今回で完結しています。


「第4章 英語習得のためのTIP」
これは溝口氏による内容となる。
直接の面識はないのだが、さすがに海外でご活躍されてきただけにそのアドバイスも具体的で、参考になる。
おそらく通常の英会話は発音や文法に絞ってのアドバイスが多いが、このTIPは実際に英語圏で暮らし、英語を使って仕事をする上で必要となってくるTIPが多い。

その分、日本国内にいるとリアリティーがわきにくい内容もあるかもしれないが、これらに留意して英会話を勉強するとしないとでは渡航した後に違いが出てくると思う。

その理由は全てを身につけることが出来なくとも、いつもそういったポイントに注意を向けることが癖になっていれば、現地のネイティブの会話から自然と学べることが増えてくると思うからだ。

さて、溝口氏のTIPは、自分も知らず知らずのうちにやっていることもあったがこれは普通の英会話の本では出てこないだろうなと言うような内容もあり、まさに英語圏で仕事を通じ、四苦八苦してきた人ならではのTIPとなっているように感じた。
まさに実践的である。


「第5章 日米CGプロダクションはここが違う」
これは非常に参考になりました。
タイトルからすると違いを述べているだけのように見えますが、アメリカの(中堅以上の)CGプロダクションというモノがどういうものか、詳細に述べられています。
自分は、中堅以下の会社でしか働いたことが無くほとんどが小さいところだったので、大手ではどんなシステムで動いているのかが見えてこない部分があったのですが、この章をよんで多くの事がわかりました。

「第6章 ハリウッドでは「主流」の分業制を理解する」
ハリウッド映画の制作ではアメリカを問わず分業制が主流ですが、就職活動で自分の職種を決めるのに迷うことはよくあります。
もちろん最終的には自分の興味、スキルなどのバランスを考えて決定することになるのですが、それ以前になぜ分業制なのかと言うことを理解しておくことで,
スタジオにどういったニーズがあるのかということを推測しやすくなる部分はあると思います。
この章はハリウッド映画の制作体制をより深く理解するだけでなく、どうしてそうなっているのかまで説明されており、非常に勉強になりました。


「第7章 ハリウッドでの就職活動」
応募の際に「何ができるか」を見せようとしてきたのですが、これを読んで「何をしたいか」を見せようとしても良いのだとわかり、ちょっと安心したというか納得しました。
他にもデモリールやレジュメなどの注意事項が満載。
これを駆け出しの頃に知っていたらかなり助かっただろうなと思います。


「第8章 今すぐ行動に移す」
こちらも溝口氏によるもの。
これが結構、誤解されたり、出来ない人が多いわけですが、これが出来ないと実現もしないというポイントですね。
自己実現の本や多くのビジネス書を読んできた人には、お馴染みのことが書かれていますが、ポイントを押さえて数ページにまとめられており読んで実行するだけです。
多分、これを読んで実行に移せなければ、どんな本を読んでも同じ事でしょう。それほどポイントが押さえられているように思います。

--------------------------------
<読み終えてみて>
これで一通り読み終わったのですが、後半は非常に内容が濃いもので、9年もこちらで働いていて知ったつもりになっていましたが、まだまだ知らないことはたくさんありました。
まさに本のタイトル通りで、ハリウッドCG業界就職への道標です。

著者の鍋氏が友人だから、売り込もうとしているわけではなく、正直な自分の感想として、現在学生の方、そして現在プロとしてご活躍の方、ハリウッド業界を知るためにも、そして就職するためにもこれは必須の一冊だと思いました。

鍋氏自身も、様々な危機を乗り越えてハリウッドで継続してポジションを維持し続けており、その知識の実践を目の当たりにしてきました。


それはこの本にまとめられた内容でもあり、自分もこれからの就職活動に再度読み直して使っていこうと思いました。

なおこの書籍についての詳しい情報は下記のリンクからご覧いただけます。
ハリウッドCG業界 就職の手引き (国内版)

2011年7月26日火曜日

「ハリウッドCG業界 就職の手引き」 リビュー (その1)

友人でもある映像ジャーナリストの鍋潤太郎氏より冊子版「ハリウッドCG業界 就職の手引き」をいただいたので早速リビューを書かせていただいた。
(といっても実は書いたきり、ブログには投稿してなかったので今回、再読して多少訂正後の初掲載です)
--------------------------------




「第一章 北米CG業界の現状」
自分が持っている冊子は多少古い(2008)ので、第一章の情報は現在の動向には沿わないところが多い。
とくにここ数年でハリウッド映画を取り巻く状況は大きく様変わりした。
ILMはDigitalDomainまでもがCGアニメーションに参戦し、VFX組合の発足も噂され、もはや衰退の一途かとおもわれた西海岸のVFX業界も、「アバター2」、「アバター3」のためにジェームスキャメロンが新しいスタジオを設立するという話も持ち上がってきており、まさに先行きが見えない状況になっている。

しかしながら第一章を読むだけでも、通常のCG雑誌やWebサイトではえるのが難しいほどの質と量で海外スタジオの動向を見ることができる。
これは著者である鍋氏の姿勢であり、情報収集力の強さでもあるので、最新刊ではその質と量を保ち最新情報がぎっしりと詰め込まれているのではないかと思うので、(お金に余裕があれば)ぜひ最新刊も読んでみたいと思ってしまう。
おそらく日本語で読めて、ハリウッドのCG業界の概略を知ることができるのはこの本ぐらいではないかと思う。


「第二章、就労VISAの基礎知識」:
ここでは海外で働く為に必須のVisaについて書かれている。
実は自分は、渡米したときにはVisaといえばクレジットカードのことぐらいしか知らなかった。
要するにアメリカで働くには就労VISAが必要と言うことを知らず、学校の卒業間近に青くなったことを思い出す。
こちらのCG学校に通った(6ヶ月コース)ですが、そこで良い成績を出せば学校の求人情報の掲示板にでも貼り出された求人に応募すれば就職できるだろうと考えていたのです。
実際にはそんな甘い物ではなく、学校は求人情報の張り出しはおろか、紹介でさえしてくれませんでした。
この本には、Visaのことも詳しく書かれていて、渡米前に読んでたらくじけていたかもしれません(笑)
多彩な事例が乗っていて自分が就労VISAの条件に合うのかどうか、照らし合わせてみることが出来ます。

補足しておくと、小さい会社だと今までVisaが必要な人を採用したことがないところがあります。
そういう会社ではまずVisaの手続きについて説明しないといけないことがありますが、
ポイントをおさえて会社の負担が出来るだけ少ないことを説明する必要があります。
そういう意味では、Visa手続きについて詳しくないと説明も出来ません。
たとえば移民弁護士を見つける作業、弁護士費用、その他必要な費用は自分が負担するので、必要書類の提出だけをお願いするというのも一つの手です。
小さい会社ではこういった作業がすべて初体験ではそれを調べるだけで多くの負担になってしまうため敬遠されることもありえます。また会社の経営に影響を及ぼす可能性のあるリスクも避けたがります。
なのでそういったリスクで自分が負担できるモノは負担し、最低会社が必要なところだけをやってもらうという感じです。
こういった交渉でうまく了承を得ることが出来る可能性はないとは言えません。
Webサイトを検索すれば日本人を対象としたVisa手続きをしてくれる移民弁護士さんのサイトがいくつか見つかります。
中には詳しくその手続きを説明しているところもありますので

また移民弁護士も、事務手続き的なところもあれば、Visaがとれるように最善を尽くしてくれるところ、CG関係になれたところなどいろいろです。
大手のCG会社などは、やり手の移民弁護士を雇っており全ての手続きがスムースに進むようですが、なれていない小さな会社などでは移民弁護士はだれでも同じと考えている(というか移民弁護士がどんなモノか知らなかったりする)ことがあるので、会社だけに任せきれないところもあります。

まぁ日本から応募する人はこのような情報を必要とするようなケースはほぼ皆無だとは思いますが、アメリカの大学をでてOPTで働いた後にVisaサポートを考えているようなケースでは、もしかしたら参考になるかも知れません。

あいにく私はどの弁護士が良いかと言うことは知りませんので、こればっかりは現地で情報を集めていただくしかありません。
大手の会社に知り合いが居れば、その人が手続きしてもらった弁護士さんの連絡先を教えてもらうのも手かもしれません。
先ほど述べたように大手のCG会社ではその手続きに慣れた移民弁護士を採用していることが多いからです。

一つだけ追加しておくと、良い弁護士だからといっても、かならずうまくいくとは限りません。
Visaの取得資格がグレーゾーン(あいまい)な場合はそもそも拒否される可能性もあります。
弁護士はその成功したケースの数によってポイントが上がるようなんですが、良い評価を気にする弁護士は、確実なケースしか受けないこともあるからです。

もし自分のケースが心配なら、それと似たケースで解決した人に意見を聞くのも良いでしょう。

「グリーンカードの抽選には必ず毎年応募すること!」
それから、グリーンカードの抽選には、渡米するしないにかかわらず、将来海外で働く気が少しでもあるなら、毎年必ず応募しておいた方がよいです。
たとえ「英語が出来ないから」という理由があったとしてもです。
理由はいくつかあります。
1)海外で働く為に無条件で労働許可がもらえるのはグリーンカードだけ。
2)グリーンカードが抽選でもらえるのはアメリカだけ。
3)はずれて当然、あたればもうけもの
4)当たっても行く気がなければキャンセル可能
5)キャンセルした後もまた抽選に応募できる(再度当たる確率は低いとは思いますが)
6)サブプライム以降、応募者が減少している。

またグリーンカードは当選しても、即座に手続きを進めないともらえるとは限りません。
キャンセルする人数を考慮し、グリーンカード配布数の約二倍の人数に当選通知を出すからです。

詳しくはこちらを「アメリカ抽選永住源 当選後の手続き




第三章「ハリウッド就職のためにキャリアを磨け」
これは先ほどのVisaの取得を念頭においてどのようにキャリアを薦めていけばよいか書かれていて、自分がどのように海外での就職(CG)へむけて進んでいけばよいかを考えるために非常に参考になると思う。
ただ学校などの選択方法だけでなく、将来の就職活動にむけてどのようなジャンルを選択すればよいのかというアドバイスもされている。
自分はただがむしゃらにCGさえできれば良いと思っていましたが、今となれば的を最初から絞っておけば良かったと後悔もあります。
大きな目標は実際に達成するまでに多くの経験と努力、そして忍耐を必要とすることもありますがそれは最初から目標として絞ってあれば、今より早期に達成できたであろうからです。

デモリールの重要性についても述べられていますが、自分の採用される側、採用する側、両方からの経験からいってほとんど経歴とかよりもデモリールです。
これですべてのセンスと技量が見て取れるからです。まさに「百聞は一見にしかず」。
大手ほど、そしてすぐれた会社ほど、その人のセンスと技量を見抜く力はしっかりしているように思います。

さらに求められるスキルについても書かれています。
これはハリウッドの業界を知らない場合は、非常に為になると思います。
自分も渡米前に読めたらよかったなと思います。

なおこの書籍についての詳しい情報は下記のリンクからご覧いただけます。
ハリウッドCG業界 就職の手引き (国内版)

2011年7月4日月曜日

海外就職に使えるジョブ掲示板

VFX Job Hunt
http://www.vfxjobhunt.com/
たくさんのジョブボードに投稿された求人情報をまとめているサイト
Twitterでフォローしておくと投稿された情報をTLで見る事が出来ます。
VFXに限らず、モーグラ系のジョブボードにもリンクしているのでいろんな仕事が見つかります


2-PopForums.comのジョブ掲示板
http://www.2-popforums.com/forums/forumdisplay.php?f=180
老舗のジョブ掲示板。7-8年ほど前にCG系の就職というとここが主流でした。
ほとんどの仕事はここで見つかります。


CREATIVE HEADS. NET
http://www.creativeheads.net/
一時期はVES(米視覚効果協会)のメンバー向けジョブボードはここの情報をのせてました。
(今はVESのHPからはなくなったようです)
Twitterで配信もしてますし、メール登録しておけば定期的に情報が送られてきます。
このサイトはは、自分のプロファイルページを作成しデモリールやレジュメなどをアップロードしておけば直接サイトから応募できます。
情報をみるには検索条件を指定して検索する必要があります。
Animation&VFX /Television / Film / Art /Animation /Graphic Design /Californiaで絞り込んだ結果はこちら
経験からですが、以前DreamWorksやDisneyの求人では他のジョブボードには無い情報が合ったりしました。
またDreamWorksなどは、このサイトから応募しても、あとでアーティストは直接デモリールを送ってくれというメールが来たりして多少混乱したことがあります。


ani-jobs.com 
http://www.ani-jobs.com
Jobs Forumから求人情報が見れます。



VFX RECRUIT
http://www.vfx-recruit.com/
あまり使った事は無いんですが、大手からも投稿があるようです。


VFX WAGES
http://www.vfxwages.com/
JOBSをクリックすれば求人情報が見れます。
「WAGE」とは賃金、すなわち給料(ここでは時給)のことです。
このサイトが業界にとって、画期的なのはこの機能です。

実際に勤務した人達からの情報がよせられています。
WAGESをクリックすれば各社の時給がどのぐらいか見る事が出来ます。(要無料会員登録)
会社によっては報告が少なすぎて偏っていたり、あきらかに嘘だろうというぐらい高額な報告もみられるので、信頼度は70-80%ぐらいです。あくまで参考程度に。

(補足)
日本と比べて時給が高いと驚く方も居るかも知れませんが、家賃やその他の必要経費は日本よりも高いことが多いようです。その辺りを計算にいれると生活レベルは同等か、やや良いぐらいです。
例えばアメリカなどでは保健にかかる費用、医療費は日本とは比較にならないほどたくさんかかります。保険に入っていても子供の定期検診で毎回$20とられるとかは普通です。
一度、救急車を呼べば数百万かかるとか。保険も高い費用を払っていても、全ての場合に適用できるとは限らず救急車の費用が自腹になるケースも。
説明書には細かな条件がびっしりと書かれています。
またほとんどのケースはフリーランスの価格だと思われます。
フリーランスは自営業なので、支払う税金の比率が高くなり、保険も自腹です。その辺りは雇用側もわかった上での価格設定ですので、VISAサポートを受けて社員(スタッフ)として雇用される場合は金額がフリーランスよりも低いのが一般的です。


ーーーーーーーーー
補足:
以上、サイトによってはアメリカに限らず、インドなども含めて各国から採用情報が寄せられています。
また、仕事内容もVISAサポートを前提とした企業、交渉可能な企業、地元の人のみもしくはVISAサポート不要な人のみの場合が混在しています。
特に2週間などの短期なものはVISAサポートはないとおもって間違いないでしょう。