日本でハリウッドVFXを制作! 「経産省アイディアボックス」 結果:  
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2009年6月26日金曜日

マイケル・ジャクソン

マイケル・ジャクソンのニュースが入ってきたのは、2時頃だったろうか、その時点では、TMZ.comのみから「マイケル・ジャクソン死去」のBreakingNewsが流され、他のニュースサイトはすべてその情報をもとにしていた。このニュースはポストされたのがPM5時20分となっているがNY時間のことであり、LA時間ではPM1時20分だ。

CNNも、「マイケルジャクソンが救急車で運ばれ入院した」ということだけをかろうじて確認できていただけだった。

徐々にインターネット上で情報が広がりをみせたが、「死亡」と報じているソースはすべてTMZ.comの最初のニュースだけだった。

うちのプロデューサーも「まだインターネット上でのうわさしかないので、事実はわからない」としていた。

1~2時間うち、死亡が確認されたとのオフィシャルな発表があり、悲しいニュースは現実の物となった。
直後からYoutubeに徐々に彼のビデオが集まり始め、数十分でマイケルの映像であふれた。

7月にはロンドン公演が控え、期待がたかまっていただけに、残念なことになってしまった。
日本語記事:Yomiuri online

マイケルのことは、仕事にも関係してくるのだが、その詳細は言えないので、ここでは自分が経験したことの一部だけを書いておくにとどめる。



実は当日、数時間前には、初代チャーリーズエンジェルの「ファラ・フォーセット」も長い癌との闘病生活をおくっていたが、亡くなったと発表されていた。
日本語記事: Nikkei.net



そういった悲しいニュースの裏では、「史上初の宇宙港「Spaceport America」ついに着工開始! from Gizmode japan」という宇宙時代の幕開けを告げるニュースもある。


二人の有名人が亡くなったことで、20世紀の終わりを感じると共に、新しい21世紀の時代を感じた日となった。

 

2009年6月24日水曜日

パーティクル・メモ

パーティクルで自然現象のエフェクトを作るときにチュートリアルなどにある方法が、かならずしも役に立つわけではないことは仕事をやったことがある人ならだれでも知っていると思う。

たとえば雨。
チュートリアルだとプレーンからエミット。グラビティーとタービュランスで味付けして、ストリークでレンダーで終わる。

実際のショットでは、雨がただ画面上で上から下へ横切るだけのショットでも、
雨粒のスペキュラが必要。スペキュラが明るいところと暗いところで角度や大きさを変える必要がある。
これは雨に限らず、隕石の尾となる煙などにも言える。煙にも明るいところ暗いところが必要となる。


そもそもそんな、やさしいショットはまれだ。
たいていは、雨がどこかにコライドする必要がある。
まぁ、気の利いたチュートリアルなら、そのあたりもフォローしてあるが、
雨が屋根にあたり、屋根を伝い屋根の端まできたらしずくとなって落ちるというようなのはどうだろうか?


雪なら、車のフロントガラスに当たって少ししたらガラスの熱でとけて消えるというのはどうだろう?


雲の中を突き進むときに雲をスプライトで作ってしまうと、一つのスプライトを通り抜けた瞬間に雲のノードが急にかわり、ぱたぱたした画面になる。

煙がオブジェクトから立ち上るときもスプライトで作ってしまうとジオメトリマスクで抜いたところが、いくつもの平面で輪切りにしたような線がいくつもでてくる。

こう考えてみると、パーティクルの実用的なチュートリアルは少ないなと感じる。

 

2009年6月22日月曜日

Visual Effects For Director

少し前だがHollywood Camera work より「Visual Effects For Director」のDVDセットがついに発売された。

CommingSoonと予告がHPに掲載されてから4~5年かかったような気がするが、なんとか企画倒れに終わらずに発売されたのはうれしいことだ。

いまではもう、すでに知っている知識も多いが、これからVFXの世界に入ろうという人や、VFXの過程で何が重要かをおさらいしておくのにはいいかもしれない。

このDVDの紹介サイトでは、それぞれのサンプルクリップもみれるようになっている。
内容的にはタイトル通り、監督を始め、プロデューサー、コーディネーターなど、VFXの現場にいてアーティストと共同して作業をすることが多い立場にもかかわらず、VFXの具体的な作業については知らない人たちに必要な知識を与えてくれる。

しかも応用の利かない一般的な知識ではなく、もう少し踏み込んで具体的な作業を理解できる内容となっている。

映画のDVDを買うとメイキング映像とかが特典でついているが、それだけでは具体的にどのような作業をしているのかは断片的にしかわからない。
特にみていておもしろくないところは、出てこないので、実際のところそれを仕事に生かすのはある程度経験を積んでからでないとむずかしい。

このDVDだと、そのメイキング映像をさらに具体的にステップをはしょらずに、説明してくれているような感じだ。(ただ完成映像は、もう少し頑張って欲しい感じはあるが...。)


こちらで仕事をしていると、3Dやコンプ作業をまるでPhotoshopでの作業と同じぐらいの時間でできると考えているような監督やプロデューサーによく出会う。
そういった人がクライアントになると悪夢をみる。

まず、CGはを使うことで「簡」「単」にリアルな物を追加したり変更することができ、それがここ数年でソフトが向上したことで、もっと簡単にできるようになっていると思っている。
そういった人と仕事をするとそもそも時間の見積もりの認識にかなりギャップがある。
また変更が簡単にできると思っているので、アイデアを変えることが多い。

(あくまで自分の経験からの感想ですが)こちらでの仕事のやり方は、日本のように前もって十分アイデアを練って作るというのは予算が十分あり、経験のあるプロデューサーに管理されたときのみではないかと思う。
うちのような会社の低予算作品に関わっている人たちの場合、まずおおざっぱなアイデアがきて、なんとか形にする(ショットを作る)、それをもとに、新たなアイデアを盛り込んだり修正を入れたりして、だんだんショットを詰めていくような感じ。
なので、シーンファイルを作るときも、ある程度柔軟性を盛り込まないと、大体おわりごろには二度と作れないような複雑怪奇なシーンファイルになっている。
ただ、低予算のものは大体、納期も早いので、ほとんどのシーンファイルは二度と見たくないような混乱状態になることが多い。

アメリカと日本の仕事の進め方のギャップは東京ディズニーランドの建設時にも問題となっている。
(本:東京ディズニーランドをつくった男たち  野口 恒 )

だが「東京ディズニーランド」の問題は日本で起きたこと、日本国内ならまだ文句の言いようもあるが、こちらはアメリカでアメリカ人の経営し、アメリカ人スタッフが大半の会社なので、そういったやり方さえ、しぶしぶながら受け入れてしまうのだから始末が悪い。
しわ寄せはアーティストにやってくる。
それでもこちらの人はそれが最低限ひつような映像制作のプロセスだと思っているので、どうしようもない。

日本の仕事のやり方になれている人は、かなりストレスを感じることだろう。

いままで、それが当たり前なのか、この業界の人はそれを受け入れているのかと思っていたが、どうやら層ではないらしいw
このDVDのある章では、PhotoshopとCompositソフトの違いに、ついてきちんと説明してある。
よくぞ言ってくれた!!とうれしくなってくる。
願わくば、コンピュータ化により全てが簡単にできると思っている方々の目に届いて欲しい。


話がそれたが、内容的には、VFXの一般的なパイプラインと、そこで使用されるソフトを一通り押さえてあるようで、まさにタイトル通りの内容となっているし、アーティストにとっても役に立つ知識を与えてくれる。

具体的なソフトの名前や画面が出てくるが、あくまで作業の内容を説明するためでソフトのチュートリアルではないので、個々のソフトの使い方については詳しく説明していない。。

しかしながらVFXの行程における共通する問題点はかなり細かなところまで掘り下げてある。
どのソフトでも共通する言葉や作業工程を使っているので、応用が効く内容となっている。

具体的な例をあげると、マスクのキーフレームや、キーイングにおける問題や解決策、シャドーパス、トラッキングのポイントなど。


サンプルを見た感じでは、クオリティーは別として、実際のプロダクションで使われる基本テクニックは網羅してあるように思う。
ちょっとだけ「VFXの仕事」を知りたい程度で見るには長すぎる内容だと思うが、
VFXを仕事にしたくて、基本を押さえておきたいとか、趣味や学校の制作でVFXショットを作りたいということなら、これはとてもよい自習教材となるだろう。

コンプと3Dソフトが使えれば、これをみてまねするだけで、TV程度のクオリティーのものを作ることはできるように思う。

ただクオリティーを詰めることができるかどうかは、ソフトやプラグインをどれだけ突き詰めることができるか、どれだけ根気強く一つのショットに取り組めるか、ショットに関する具体的なアイデアをもっているかなどに依存する。
それらはこのDVDの範疇ではないだろう。

あと、CGの説明ではなく、VisualEffectsの説明であることを強調しておく。
このDVDのポイントはあくまでVisualEffectsのパイプラインに必要とされる作業とそれぞれのポイントでの注意点を解説することにある。
これをみれば、VFXの作業とそこにおける、不備や変更がどのように予算と時間に影響するかを理解することができるのではないかと思う。

 

2009年6月20日土曜日

自分は何をやりたかったのか(ルーツを探る 2)

記憶を呼び起こすため、最近Youtubeなどで昔のアニメや特撮番組の動画を探してみている。

一つを見つけると「関連動画」としてにたような動画が表示されるのだが、ああこういうのもあったなぁとか意外と忘れている物が多いことがわかった。
しかし忘れていても、どれもそのとき、そのときで大きな影響をうけていたことを覚えている。

オモチャでごっこ遊びをしたり、落書きをしていたり、友達と遊んだり、4~5歳のころからアニメ、特撮漬けであったことがよくわかった。(笑)


いろいろと思い出していて、気がついたことがあった。


昔からリアルなものが好きなのだ。
現実と錯覚するようなもの、超現実でも存在感を感じられるものなどだ。

ウルトラマンや仮面ライダーの怪人なども、こまかなデティールが好きだった。無視のような顔や、ちょっとした角など。
反面、口が半開きで動かない物や、洗濯ばさみを開いたり閉じたりするような口をみると興ざめ。

キカイダーや大鉄人17のようなメカ・ロボット物は大好きだった。

たとえば、風雲ライオン丸のマントルゴッドや副ボス(アグダーというらしい)のデザインや見せ方は好きだった。(リンク:映像秘宝館


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あきらかに子供だまし、たとえば鎖を切って、火花が飛び散るなどはなんとなく違和感を感じた。

それから抽象的な概念を具体的な物で作った物などはリアリティーが感じられず興味が無かった。
そういうシーンでごまかされるとなんとなくイライラしていたように思う。
(たとえばウルトラセブンで異次元にいくと画面がゆがむなど)

それにはずかしいことだが、ストーリーにはそれほど注意しておらずほとんど記憶には残っていない。
そのときそのときで話の流れはわかっているので楽しく見ているが、すぐに忘れてしまっている。

これはいまもそれほど変わっていないかもしれない、興味の対象はストーリーよりもショットなのだ。
良いショットがみれたら満足。
良いショットがたくさんあれば次回も気になるという感じか。


とにかく、いろいろとリアルさを追求している映像は、好きで、遊びもそこからの影響をうけていた。
しかし、子供ながらにリアルさに欠けたり、いい加減なパターンで魅せられる(たとえばパンチをすると必ず打たれたところに火花のでる火薬が仕込んであるとか)と興味を失っていた。


それからもう一つ、思ったのが日本のアニメは動きが少ないが、構成の妙と、と少ないコマ数によるスピード感で非常にテンポのある見せ方ができている。
今見ても新鮮に見えるほど、大胆な構図やカメラの動きがある。
ハリウッドの巨匠と言われる監督でも日本の漫画やアニメが好きな人は多く、その影響を受けた作品は多い(マトリックスなど)が、印象は時代に浮世絵が世界の画家に影響を与えたように、日本は昔からそういったことに長けているのだろう。


最近の映画は映像としてはリアリティーがすごいのだが、なぜかエキサイティングな感じに欠ける。
どれもどこかで見たような感じがしてしまうのだ。
いままでにたくさんの映画をみてきて慣れてしまったのか、それとも正論なのか?

しかし、昔の作品をみていると、制作者側も発想の自由さと、予算と期限の制限のある中で、どのようにみせるかということに工夫をこらしていたよいうに思う。

それはガンダムで有名な、富野由悠季氏も同じようなことを言っている。
http://www.4gamer.net/games/043/G004340/20080213051/
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0810/31/news118.html


彼は、初期の鉄腕アトムからアニメ制作に関わっており、「海のトリトン」や「勇者ライディーン」を今見てもその構図のとり方には感心させられ、みているだけでわくわくしてくるのは、見せ方がうまいのだなということが実感できる。


トリトンは、動きは少ないが、動く物の配置と見せ方がうまく、ストーリーに引き込まれていく。
クラゲの動き、あわの動き、バックの流れなど。

余談だが、当時は、血なども結構直接的にみせていたんだなと思った。
イルカがかみついて血がでてる...。子供がみると結構衝撃的な映像ではないだろうか?
レインボーマンの歌でもそうだが「死ね」「殺せ」「許さない」とか普通に使っていた時代だったな。



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そういえば、渡米するときに買ってきた本に富野由悠季氏の本があった。
映像の原則―ビギナーからプロまでのコンテ主義


これには、非常に感銘を受けた、おそらく簡単な絵コンテの本にはここまでのことは書かれていないのではないかと思った。
彼がいかに少ないコマ数で動きを見せる努力をしていたかその一端を垣間見ることができる。
そして何より、この本を読んだことで映像を見るときにどこに注してみるとよいかがわかってきたように思う。

トリトンの映像のおもしろさがわからないという人は是非、この本を読んでから見直してみて欲しい。

 

2009年6月19日金曜日

自分は何をやりたかったのか(ルーツを探る 1)

自分が思い出せる限り、小さいころに見た映画をリストしてみる。

「長靴を履いた猫、世界一周(アニメ)が映画館で見た初めての映画のような気がするのだが定かではない。

ひょっとしたら小学校の体育館で定期的にみせてくれた映画が初めてかもしれない。
思い出すのは交通安全のための映画や、「狼王ロボ」「三匹荒野を行く」など。

小学生のころには「アルプスのハイジ」「小さなバイキングビッケ」「おんぶおばけ」「バロムワン」などを隣町の市民会館で定期的に上映しており、小学校で割引券をもらっていたので、そちらのほうがさきだったかもしれない。ただこれはテレビ番組を大きなスクリーンで上映していたか、スペシャル版のような感じでテレビのいくつかの話をまとめていたもので、映画とは言えないかもしれない。


小学校低学年のころには、サンダーバードを見て、プラモデルをかっていた。
ちなみに生まれて初めて自分で組み立てたプラモデルは「オバQ」だったように記憶している。
(リンク:プラモが好き!

兄弟と一緒に近くの文房具屋で買って帰り、すぐに組み立てた。O次郎とQ太郎があったし、度論破もあったような気がするので、おそらく4つセットの物を買ったのだと思う。



当時見ていた物はアニメや、ウルトラマン、変身忍者あらし、仮面ライダー、マッハバロンなどなど、SFX系のTV番組が多かったが、とても印象にのこっているのはサンダーバードだ。

プラモデルもいくつかもっていた。
二号のコンテナは、何回か買った記憶があり、親に内緒で買って友達と一緒に(何故か)友達の家にあった車の中で作った記憶がある。
その友達の家には鯉をかっている大きな池があったので、二号のコンテナを落としてよく遊んだ。

なつかしくて話がついそれてしまったが、いまでも記憶残っているのは大きなアンテナが崖の上から落ちるシーンだ。
断片的なショットの記憶しかないのだが、このショットだけは特に記憶に残っている。
しかも友達の家で、こたつに入ってみていて隣で、友達のおじいちゃんが囲碁をやっていた。(笑)
そのリアルさに圧倒され、衝撃的だった。


基地付きの4号ももっていて、入浴時にはよく持って入って遊んでいたので、よほど好きだったのだろう。



当時はSFテレビ番組、子供向けアニメ全盛のころで、ウルトラマンや仮面ライダーもほぼ欠かさず見ていたように思うが、SFXに関してはサンダーバードほど注意を引きつけられることはなかった。



おそらくそのまま成長すれば、この業界に足を踏み入れることもなく、普通の人生をおくっていたのかもしれないが、スターウォーズを見に兄に連れて行ってもらってから、その後はスターウォーズをはじめとして、その後の人生は、SF映画一色になった。
これが人生の転機といってもいいかもしれない。
スターウォーズ関連の記事が出ている本と、関連するTV番組はすべてみた。
こうして、スターログや宇宙船という雑誌に出会った。
これらの雑誌にあってから、映画制作の裏側とVFXの手法、ミニチュアの世界に魅せられ、それらを自分でもやってみたいと思うようになっていった。

当時は「映画」の仕事は遊びであり安定しない、不真面目な仕事という周りの印象もあったが、自分の仕事にしようとかしないとか将来をそれほど真剣には考えては居なかったのも確かだ。

ただ、SF映画を作ってみたいという思いが強くあり、小学生、中学生、高校にいたるまで、ずっとその思いを持ち続けていた。
高校のころには8mmカメラを買えないか模索したり、親に図書館から借りてきてもらった撮影技法の本を読んだりもした。

大学のころには友達が民生用としては初めて一般にも手がでる価格だった、VHSビデオカメラを買い。
それで何か作ろうと、計画していたが結局とらずじまいで終わってしまった。
計画が実行に移せなかったのは撮影に関する知識不足もあったが、当時はコマ撮りをしてみたかったのにもかかわらず、VHSビデオカメラではできないということがわかってしまい興ざめしてしまったのだ。

恐竜や宇宙人的な物をつくるには、コマ撮りが不可欠だったからだ。
まぁコマ撮りできたとしても当時の技術でコマ撮りできる人形がつくれたとも思えない。
やりたいことは大きいことを考えていたが、自分のスキルを明確には客観視できていなかったので、「何か出来ない」という思いのまますべての計画は立ち消えになっていた用に思う。

身近な物で始めようという気もなかった。
実はこれはいまでもそうなのだが、簡単な物から始めるのがどうしてもできない。
ある程度、すごいとおもったもの、同じような物が作れないといやなのだ。
だからといって人まねもいやなので、どうしようもない。
これは人生における大きな欠点であり、障害かもしれない。


スターウォーズのしばらく後にスーパーマンが公開されたが、それまでSFといえば、宇宙船もしくはエイリアンというイメージだったので、生身の人間が宇宙船を撮影するかのように扱われ、イラストから抜け出したような映像に新鮮さを受けた。
これはクリストファー・リーブがはまり役だったこともあるだろう。

スターウォーズ以前は、作るプラモデルもアニメやTVの特撮番組キャラが多かったが、このころからスターウォーズやSF系のプラモデルが増え、雑誌「宇宙船」に出会ってからは、プラモデルの断片を組み合わせ、自作でいろいろなロボットや宇宙船を造っていた。
これは明らかにスターウォーズの影響でもある。
それは、いろいろな雑誌でスターウォーズの宇宙船はいろいろなプラモデルの部品が使われていると書かれていたからだ。
ただ、勘違いしていたのはいろいろなプラモデルのジャンク部品だけであんなすばらしい宇宙船ができていると思っていた。
当然、ジャンク部品だけでできるわけもなく、限界を感じていたが宇宙船全体をデザインするということまでは気が回らなかいほど、馬鹿なやつだった(笑)。


TVで放映されるSF映画はほぼもれなく見続け、中学生になってからは新作映画はかならずといっていいほど見に行くようになった。
小学高学年から映画博士と言われるぐらい詳しくなり、当時の映画番組は、ほぼもれなくみていた。


中学生のころ、ガンダムにはまりガンプラを山のように作った。
このころ、丁度ホビージャパンに出会い、毎月買うようになった。

「レイダース失われたアーク」を見て、SFXの使い道がが宇宙船やレーザー光線、ロボット、恐竜だけではないということに衝撃を受けた。
正直、映画雑誌で紹介されていたときは、何がおもしろいのか写真をみただけでは全然わからなかった。
スピルバーグとジョージルーカスの合作こと言うことで、見に行ったのだが、とてもおもしろく生まれて初めて二度、映画館に通った。
その後も、ビデオのダビングサービス(当時はレンタルがなく、ダビングサービスというものがあった)で英語版のレイダースを手に入れ繰り返し、おそらく20回以上見た。
タミヤの兵隊人形を改造して冒頭シーンのジオラマを作ったりもした。


その後は、ガンプラからは離れ、粘土を使ったフィギュア系に映っていき、プラモデルは作るよりもコレクション的な感じになった。
高校のころはプラモデル界も、復刻ばやりでミドリの「シービュー号」や「スティングレイ」、「スーパージェッター」などが復刻されていた。


さて記憶が曖昧なので順不同だが、
このころはブレードランナーやデューン、ターミネーターなどを見た記憶がある。
どれも大作と呼ばれる物だが、スターウォーズやレイダースほどの衝撃はなかった。
ターミネーターも非常にもてはやされていたが、よくある映画の見せ場を切り貼りして、アニメのエッセンスを取り込んだようでどこかで見たような印象しかうけなかった。
どこかで習った「映画の作り方」の王道にしたがって作っただけという感じがした。


他に思い出すのは「ET」、「ゴーストバスターズ」、「ポルターガイスト」など
実は「未知との遭遇」と「エイリアン」を初めて見たのはテレビでの放映だった。

「エイリアン」が初めて放送されたときにはリプリーが新だと思った船長がえさ(?)として保存されているのを見つけるシーンがあったのだが、後の放映ではカットされたらしい。
それはずっと後になってわかったことだが、ラッキーだったのかもしれない。

テレビでみたものは、「オーメン」「サスペリア」「エクソシスト」などもよく放映されていた。
「エクソシスト」は怖くて見れなかった記憶がある。


ここまでで、振り返ってみると、自分の中で
「サンダーバード」
「スターウォーズ」
「レイダース」
の三つが大きな柱になっているように思う。

そして、模型作りが当時の人生の大半を占めていた。


こうしてみると「リアリティー」のあるものにとても衝撃を受けていることがわかる。

その「衝撃」を感じたことは何からだったのか?

 

2009年6月16日火曜日

自分は何をやりたかったのか(パーティクルとは)


((このエントリは元々「パーティクルとは(仮題)」というタイトルで、書きかけだったものです。))


最近、particle に関して、もう少し根本から認識をしておいたほうがいいと感じる。
そうしないと、Melスクリプトや小手先の技術を追うことに一生懸命になり、仕事の目的を見失いがちになる。

また、あることがらに関して「プロフェッショナル」であると言えるには、その専門領域のどのようなこともコントロールできる自負がなくてはならない。


そのためには、細かなことまでコントロールできるスキルにくわえ、それをどのような時に適用できるかという知恵が必要になる。


その知恵は知識としてケースバイケースで身につけることもできるが、根本の考えを知れば、自分で考える力が付く。


さて、自分の専門は、(今のところ)VisualEffectsだ。
ビジュアルエフェクツでは、程度の差はあれど、パーティクルを扱うことはさけては通れないと思っている。

また、Mayaでパーティクルシステムを、自由にコントロールできるようになるためには、Melスクリプトの知識が必要とされる。



今のところ、パーティクルの必要性に追われて、それを自分の専門領域として受け入れ、Melスクリプトの学習を進めている。

もともとが仕事で、扱うショットにパーティクルが必要とされるものが多く、必要性におわれてやり始めている。そのせいか、受け身感がぬぐい去れない。
自分で「これがおもしろいからパーティクルをやっている」というのが今ひとつないのだ。

モデリングに比べるとより数学的指向が必要とされ、味気ない作業が続くのも一つの理由だろう。
しかし、実際の所「なぜパーティクルを使う必要があるのか?」という、もう一人の自分からの質問に答えることができないでいる。


自分が最初のスターウォーズを見てうけた衝撃とその後、いろいろなSFX雑誌を読みあさった時のわくわく感。
SFXの仕事を心ざしてこの業界にはいろうと努力したその衝動。
現在のパーティクルを扱うためにMELスクリプトを勉強している自分と、その頃の自分の間に空白がある。
そのせいか、いつもMelスクリプトやパーティクルを勉強するときにどこか戸惑いがつきまとう。



今回はその空白をうめ、その戸惑いを少なくなるようにしたいと思っている。


しかし、どこからとりかかれば良いかわからないので、手元にあるキーワードから掘り下げて、よりその源に近づく、いつものやり方で、やっていこうと思う。



まず「パーティクル・システム」とは何か。
日本語にすると「粒」を扱う仕組みとういことになる。


「粒」を扱うことで、何が出来るのか?
「火」、「水」、「光」、「煙」、「霧」、「粒」、「ゴミ」、「デブリ」、「個々が別々の動きをするかたまり」、「布」、etc。
こういった複雑で流動的な動きをする形を作ることができる。


こういった自然現象からパーティクル・システムへ至るまでをもうすこし詳しくたどってみると

1)ある「複雑な動きをするもの」を細かな部分にサンプリングして観察する。
2)その「個々の部分」を点に置き換えて、その動きを再現することを考える。
3)その「個々の部分」の動きを再現する。
4)その「個々の部分」の見た目を再現し、全体としてまとまった物にする。

という流れになるのだと思う。
「3」までは、どれも同じで、点が個別またはグループとして動いているにすぎない。
この時点では、「水」も「炎」も「光」も同じ点でしかない。

大きく変わってくるのは「4」のステップだ。
ここで最終的なイメージになるわけで、それを実現するにはいろいろな手段がある。
「メタボール」、「イメージ(スプライト)」、「軌跡」、「カラーリング」、etc。
この部分をしらないと、せっかく作ったパーティクルを実際に使える物に昇華させることは出来ない。


そしてこれらのことの根本にあり、忘れてはいけないのが動機だ。
すべての行為の元となった動機は、「煙」や「炎」などを映像に加えて、ストーリーを語らせることにある。
ここで注意すべきことはここには「パーティクルを使う」などというものは含まれていない。
別に実際の炎や煙を撮影して、コンプで仕上げてもいいわけで、必ずしもパーティクルでなくてはならない理由はない。

パーティクルを使う理由は主に二つ。
1)現実世界で再現不可能(コントロール、規模など状況によりその理由はいろいろ)
2)再現するには、お金がかかりすぎる。CGでやったほうが安上がり。
もう一つ加えるとすると、
3)撮影後に変更もしくは追加が必要なことに気がついたが、金銭的、そのほかの理由で再撮影できない。
3番目は2番目の理由に含めてもいいかもしれないが、最近ではこれも欠かせない理由になっている。
元々は金銭的なものかCGでしか再現できないもののみという観点であったが、ソフトの質もオペレータのスキルも上がり、最近では安価にリアルなものが作れるようになり、映像をよりよくするためのツメの手段としてつかわれることが、ふつうに行われるようになった。

何はともあれ、元々の動機は煙なり炎なりを作ることが目的で、それができるならパーティクルを使わなくてもかまわない。
要は自分が作りたいのは「煙」や「炎」なのだ。
CG以前は、煙や雲を再現するために、水槽と絵の具が使われた。
今でも、炎や爆発を再現するためにガソリンや火薬が使われる。
細かなデブリを舞わせるために、圧縮空気で打ち出したりもする。


では、なぜそういった「煙」や「炎」を作る必要があるのか?
それは、映像にリアリティーを追加したいからである。
映像にリアリティーを追加し、より見ている人が信じられるものにする。
それにより、映像の不手際にまどわされることなく、ストーリーを安心して追いかけていくことができる。

それがアーティストである「自分」が「達成したいこと」なのだ。
そのための手段として、「自分」がパーティクルを「選択した」のだ。
決してパーティクルを使うこと自体が目的ではなく、パーティクルしか選択肢がないから選んだわけではない(はずだ)。
そこを目的にしてしまっては、技術者(オペレータ)としては成功するかもしれないが、アーティストとしての視点が失われてしまうように思う。



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さて、何日にもわたってこのエントリを書き直してきたが、いろいろと調べている間に、パーティクルのことをより知るには、CG以前の時代のSFXや、自然現象、ストーリー・テリングなど幅広いことを勉強する必要があるように感じ始めた。

パーティクルのことを調べてより明確にしようと思ったのは、そもそも自分がCGを通して何をやりたいのかということを思い出し、明確にするためだった。簡単に言えばルーツを探り、そこから今までの間で指向の中でまとめ損なったところをきれいに整理し、これからの道を進む上で迷いをなくすことにある。
そのためには、自分の起源であるCG以前の時代にさかのぼる必要がある。

それにしても、こういう考えを持ち始めたのは先日の「仕事の流儀」で浦沢直樹氏と、宮崎駿氏の話を読んでからだ。
まだ、20代のころには、こういった完璧性をもとめる自分に対する厳しさやハングリーさがあったのに、最近なくなってきているように感じていた。
それが何かわからず、最近、20代のころによんだ本などを読み直していたのだが、この「仕事の流儀」を見て、ご両人とも自分なりの視点をもって見たこと感じたことを、表現しようとしているのだと思った。

そして、自分が、そういった自分の内面をどれだけ大切にしてきたかを考え直してみると、はずかしながらとても微々たる物だ、いつもだれか他の人の介在を許し、少しづつながらも自信を失ってきていたように思う。

ここで言う「自信」とはスキルに関しての自信ではなく、自分の感じている物を大切にし、他の人に認められないからと言って、安易にすてないこと。
要するに「自分の感じていることを信じる」という意味での「自信」だ。


とりあえず、とてもひとつのエントリに収まる内容ではないことがわかったので、このエントリはいったんここで終わりとする。


以下の内容は、あとでまとめようと思って残したメモですが、これからの調べ物でも必要なので残しておきます。

文面は最初に書いたときのままで手を入れていないので、内容的にとりとめがなかったりだぶっているかもしれません。





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いくつかの情報源からすると、VisualEffectsでパーティクル・システムが使われたのは「スタートレック2 カーンの逆襲」(1982)のジェネシス計画のらしい。

当時、映画館に見に行ったとき、惑星全体をなめるように動くカメラに驚かされた。
また惑星全体が爆発するように見える効果や、光のショックウェーブが惑星全体に広がる様子が表現されていた。
当時はそういったことよりも、惑星の地形が見えることや、植物に覆われていく感じがすごいなと感じた。


リアリティーの面ではまだまだCGっぽいものだったが、たしか当時のSF雑誌「スターログ」には画期的な出来事のように書かれていたように記憶している。
http://homepage2.nifty.com/out-site/starlog.html
(余談だが、スターログは1979年6月号から1980年5月号までは時々、それ以降1986年4月号まで毎月欠かさず買っていました。とても良いsfxの記事がたくさんありました。いまでも表紙をみるとそのときのわくわくした感じを思い出します。)

wikiによると、このエフェクトはILMの前身である「スプロケット・システムズ」によってピクサーの創設メンバーにより作られたらしい。


このエフェクトは、ジェネシス装置がテラフォーミングを行う場面の説明に使われた。
原子レベルに分解された物質が再構成されて、様々な生命を生み出すという効果を視覚的に表現するためにパーティクルが使われた。

Youtubeのビデオを見るとわかるが、これはプロジェクトの解説をする劇中のビデオのもので、実際のエフェクトとして使われているわけではない。
おそらくまだ技術的にリアルな物はつくれないことがわかっていたからだろう。


実際のエフェクトだが、ミサイルにのせられたジェネシス装置が星にあたり爆発がおき、炎と煙上のものが立ち上る。
そこから立ち上る無数の炎の柱が連鎖反応を起こすように星の表面全体に広がっていく。
Project genesis(Youtube)
http://www.youtube.com/watch?v=cCw_iW6-i88&feature=related
そして水と植物が地表にあふれていくが、そこまでパーティクルで作られているのかどうかはわからない。


それにしても、今見ても、30年近く前につくられたとは思えないほどのクオリティーである。
特にカメラの動きはすばらしい。

調べてみると、ちょうど同じ年には「トロン」が公開されている。

CGを映画に使う試みがいろいろと試されていた時代で、CGと言えばワイヤーフレームのモデルというのがまだまだ一般的なイメージだった。

その少し前は、ワイヤーフレームでさえ、費用対効果を考えると、実用的ではなかったのか手描きのアニメーションなどが使われることが多かった。

翌年1983年の「007ネバーセイ・ネバーアゲイン」でも劇中のゲームでワイヤーフレームが使われていたが、これは実際に針金で作られたモデルを撮影したものであると模型の写真付でスターログに紹介されていた。
この映像の6:00ぐらいのところ



このころは、CGはまだまだお金も時間もかかる上、リアルな物には使えない代物だったが、少しづつ映画の中で実用化されていくその黎明期だった。

1977年の最初のスターウォーズが公開されており、ジョージルーカスはCGは映画には使えないと思っていたころだ。

1979年のディズニー映画「ブラックホール」では、オープニングにワイヤーフレームのCGが使われていた。
実際のブラックホールのエフェクトでは、アニメーションか実際の流体を撮影して作られたのだと思う。
http://www.youtube.com/watch?v=aGm-hoFk0Qg
しかし、なんと退屈なオープニングか...。
ちなみに大手エフェクトスタジオのリズムアンドヒューズにはブラックホールのポスターが壁に掛けられている。
大体スタジオで関わった映画のポスターを貼ってあるのだが、このCGを作ったのはリズム&ヒューズなのか、もしくは、会社を創設時のメンバーのだれかが関わっていたのだろうか。
ずっと気になっている。


ちなみに同じ頃日本でもゴルゴ13にアニメではじめてCGが使われた。
http://www.dailymotion.com/video/x5jk8s_golgo-13-first-anime-cgi-scene-1983_shortfilms


話をパーティクルに戻すと、カーンの逆襲では
「炎」
「煙」
といった要素にパーティクルが用いられた。


こういった要素の演出をするには、当時は、
実際の炎や煙をなんとかコントロールして使っていた。

他にも煙や雲を表現するには、
スターログで、「フラッシュゴードン」では異世界の空を表現するのにトイレ用洗剤を水槽にいれたという記事を読んだことがある。http://www.youtube.com/watch?v=VnTHypbLlkE&feature=related

(「デジタル/エレクトロニック・シネマ 」にも書いてあった)
http://www.tcat.ne.jp/~oguchi/Digital%20&%20Electronic%20Cinema%201970-1989.html

映画 The Day Afterでは、確か、打ち上げられるミサイルの煙と、キノコ雲が水槽と絵の具を使ってつくられた。
http://www.youtube.com/watch?v=7VG2aJyIFrA

他にあげれば、パーティクルそのものではないが、
レイダースやポルターガイストの幽霊は、水槽で布を動かして撮影したのは有名なところだ。


このように見てくると、炎は別として「煙」に関しては昔から液体を用いた偽物の「煙」が使われてきた。
そして、それはそれなりの効果を上げていた。




http://www.asr.co.jp/user/nobo/bk/bk05.html

http://homepage3.nifty.com/gachinkobros/berson.html

2009年6月12日金曜日

宮崎駿 インタビュー & 仕事の流儀

最近動画ばかりですが、やはりアイデアは将来の仕事の役に立つので記録しておこうと思います。





仕事の流儀
http://www.veoh.com/browse/videos/category/entertainment/watch/v15497669cxCc5rzp

2009年6月10日水曜日

返品!! PogoPlug (15)

最後にRMA(返品要求証明)を請求してから一週間経過したのになにも返事がないので「どうしたの?」と質問してみたら。
現在、エンジニアがケースの見直しをしている、できればシェアフォルダをもう一つつくってほしいということだった。

??たしか品質管理部門の人が見て、再現しなかったので、RMA受け付けるって事じゃなかったのか?

この矛盾した対応の裏に何があるのか?
まず返品要求は、たった一つの商品しか扱う物が無い企業にとっては、気軽に応じることはできない。
特に経営者にとっては、そうだ。
なにせ商品に不満をもって返品されるということは、企業の存在意義を否定されたことになり、死活問題につながってくる。

品質管理部門だけで、RMAの発行を行っているのなら、いまごろ発行されているはずなので、そうでないということは、他からのストップがかかったことを意味している。

よってRMAにはそれ相応のステップを踏む必要があるのだと思われる。
おそらく
1)サポートセンターの受付が書類作成。
2)品質管理部門の管理者が不備がなかったことを証明しサインする。
3)場合によってはエンジニア部門の管理者が自部門で不備がなかったことを証明しサインする。
4)経営者もしくはそれに近い人が最終的に承認する。
という感じになっているか、

もしくは、RMAの発行に関しては、ミーティングの際に報告することになっており、だれかがその原因を聞いて、まだ解決する必要性のあることを見つけたと言うことになる。

いずれも、今回「RMAを受け入れる」と言い始めたポイントまでは、関与していなかった人が入り込んできたと思われる。


先ほどのステップを通っていたとしても、おそらく3か4で引っかかったと思われる。
考えられるのは「経営者もしくはそれに近い人」が、再度見直しを要求したと言うことだ。
おそらく書類には問題となった事例が簡潔にリストされているはず。
それをみて、さらに追求していくことが必要と判断したのだろう。

どうみてもサポートの受付担当者は、今回どうなっているのかきかれて、あわててチェックしたとしか思えない。

とりあえず再度PogoplugにHDDをつなぎ、共有フォルダを作成して、対応待ちということになった。



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実は先日RMAを請求してから、かわりとなるものを探していた。
インターネット接続はできなくてもいいのだが、ローカルでNASの機能をもったものが欲しくなった。
しかしNASのHDDはコストパフォーマンスが悪いので、NASエンクロージャーか、現在のHDDを使うことができる、ワイヤレスUSBハブにしたいと思っていた。

でも、USBハブは一度に接続できるPCは一台のみで、通常のUSB機器のエミュレーションでしかない。そのためNASのような使い方はできない。

そして、CoolMaxからインターネット接続もできるNASエンクロージャーが6月30日に発売になるので、それを見越して、内蔵HDDを購入した。


しかしながら、CoolMaxを購入してもそれはバックアップ専用にしたいので、常時ネットワークで見えるNASとして使いたいわけではない。
NASとして使うのなら現在のLacie1TBを使いたい。
なざならこれは外付けにも関わらずレイド0を使っており、二台のHDDを使っていると言うことはそれだけ、クラッシュする確率が高いからだ。

いろいろしらべてみた結果、選択肢は二つ
1)サーバーをたてる
2)Pogoplugを使う

USBハブにしても(プリンタも接続できるものの)買うとしたら結局100$少々になり、Pogoplugとそれほど値段の違いは無いわりに制限は多い。

 

2009年6月9日火曜日

サントリーCM など

初めて見たときから、印象に強く残っていた懐かしいサントリーのCM
今見てもコンセプトが良い。




音楽はマーク・ゴールデンバーグ/鞄を持った男









2009年6月4日木曜日

position、velocity、acceleration を操作する

オンラインヘルプの「position、velocity、acceleration を操作する」によると、パーティクルの動きをコントロールするアトリビュートは、「位置(position)、速度(velocity)、アクセラレーション(acceleration)」の三つということになっている。


これは物理で「運動の状態」を表すのに用いられる項目と一致している。

物体がいる場所を「位置」、
位置が変わっていくスピードを「速度」、
速度の変化する割合を「加速度」として表現し、

それぞれを時間ごとに記録している。まさに「事実を測定している」のだ。

物体が運動していく様子は、このように時間、位置、速度、加速度で表現することができる。これを「運動の状態」という。

「運動の状態」を明らかにすることによって、物体の動きがより的確になるのである。

(物理学解体新書(質点の力学):運動の状態より)



次にそれぞれのアトリビュートを見ていきたい。

それぞれのアトリビュートは、(パーティクル アトリビュートのリスト)を参考にしてインターネットで調べた情報をくわえてある。


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<<アクセラレーション(acceleration)>>

:パーティクル単位で速度(velocity)の変化率を設定します。

アクセラレーションとは、日本語で加速または加速度のこと。

単位時間当たりの速度の変化率。速度がベクトルなので、加速度も同様にベクトルとなる。(wiki)


(物理学解体新書(質点の力学):加速度より)
例えば、ある物体が30[m/s]で移動している。
この物体の速度は1秒後に35[m/s]、さらに1秒後に40[m/s]、さらにもう1秒後に45[m/s]になった。

1秒あたりに5[m/s]づつ速度が変化しているので、この物体の加速度は5[m/s2]である。
スピードが遅くなる場合は、加速度はマイナスである。



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<<速度(velocity)>>

:スピードと方向をパーティクル単位で設定します。

ただ、実際にこの単位が「1」のときにMayaの中で、cm/秒の速度なのかは不明。


(物理学解体新書(質点の力学):速度より)


「物体の移動した距離(位置の違い)」を「移動に要した時間」で割った量を速度という。
自動車で40km離れた地点間を二時間で移動した場合、速度は「20km/時 (時速20km)」となる。

つまり「1時間あたり20kmづつ移動する」という意味だ。


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<<位置(position)>>

:ローカル空間座標でのオブジェクトの位置をパーティクル単位で設定します



(物理学解体新書(質点の力学):位置より)


「物体がどこにいるのか」を示すのが位置である。

日常生活の中で、物体の位置は「机の上」「本棚の右側」「約20m先」等で表現する場合が多い。
しかし、このような表現では、位置の変化を時々刻々追跡するには無理がある。
だから、位置は座標で表現する。



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ランタイムエクスプレッションでこれらをコントロールする場合、操作するアトリビュートをどのように選択すればよいのか?


1)スムースでランダムなモーションをパーティクルに与える

 >アクセラレーション アトリビュートに乱数を代入
(アクセラレーションの変化が急激な場合でも、常にスムースなモーションが実現される。)


2)細かく揺れるランダムなモーションをパーティクルに与える

 >速度アトリビュートまたは位置アトリビュートに乱数を代入



(以上、「position、velocity、acceleration を操作する」より)


注意:ダイナミック フィールドを併用する場合:
エクスプレッションによる効果が最初に適用された後、ダイナミック フィールドのエフェクトが追加されます。

トリアディック・バレエ





1922年に初公演がおこなわれたというトリアディック・バレエ。
ずいぶん前、学生のころSONYのCMで流されたのを覚えている。
(おそらく1989年の復元公演、もしくはそれを日本で公演したときの映像が使われたと思われる)

その後、授業でバウハウスの存在を知り、その時代を先取りしたデザインセンスと、職人技で作り出すその作品のすばらしさに虜になった。

もう少し後になって、本でバウハウスオスカー・シュレンマーによって作られたバレエが紹介されている写真を見た。そのときはすぐに結びつかなかったように記憶しているが、いつしかそれがSONYのCMで使われていた物であることを理解した。

そして、どうしても見たかったのだが、そのころにはCMもやっておらず、どこかで見る機会があることを祈って、ただ待つしかなかった。


数年前から、インターネットで動画が普及し始めて、時々何かの弾みで思い出しては時々、インターネット検索をして探してみたが、めぼしいものはみつけられなかった。
英語表記とドイツ語表記では違うので、それも見つからない原因だったのかもしれない。
唯一わかったのは、ドイツのある美術館でビデオテープとして保存してあることぐらいだった。


今日も約1年ぶりぐらいに検索してみたら、びっくり!

いままでほとんど無かったバウハウス関連の映像がたくさんひっかかる。
どうやら昨年の7月頃「東京藝術大学大学美術館」でバウハウス展が催されそこでビデオが上映されていてたくさんの人が知ることとなったらしい。

うれしいことにトリアディック・バレエの動画も、だれかによってアップされていて見ることが出来た。
画質が悪いので、もう少しきれいな物がどこからかDVDで発売になって欲しいが、とりあえず長年みたかったものが見れてすっきりした。

上記のYoutubeは上記のバウハウス展ではなく、以下のサイトにある動画をアップロードしたもの
ではないかと思う。
このサイトには他にも幾何学的な図形をバレエに組み合わせた動画がある。
Mechanische balletten

CDはあるらしい。

6月9日 追記:CDから音楽の一部を試し聴き出来るサイトを発見。
Grooves-INC. Das Triadische Ballet

...まぁそんなに前衛芸術にはまっているわけでもないので、正直この音楽だけをきいているのはつらい。

 

2009年6月3日水曜日

返品!! PogoPlug (14)

先日の「インターネット経由では問題がある場合、ファイル転送用ソフトを利用するように」という返信どおりにやってみるためにソフトを調べたがどれもフォルダへのパスが必要で、webアクセスを使うことはできない。

残された方法はPogoplugドライブというソフトを使い、MyComputer内に表示し、そのパスを使うことだが、会社でそのソフトを使うと、HDDの中身が表示されなかった。

この問題に関して問い合わせたところ、ソフトをアップデートしろとか何度かのやりとりの結果、「品質管理マネージャーは、この問題を認識できなかった。もし返品したければまだ受け付けるよ」
という返事。


返品する前に、念のため家に帰ってソフトをインストールし直し、接続するとHDDの中身はちゃんと表示される。しかも空き容量と全容量の表示も正しくなっている。
(今までは1TBのHDDにもかかわらず全容量4TB、空き容量2TBとなっていた。

おかしいなと思い、翌日会社で確認すると、全容量4TB、空き容量2TB表示で中身も「Files shared with me」という中身が空のフォルダしか表示されない。

ここから推測すると、Pogoplugが作成する「独自のディレクトリ管理情報」をネットワークを通じて、リモートコンピュータに転送する際、問題が生じているのではないかと思う。
おそらく時間がかかっているだけだと思ったので、そのままにしておいてみたが、40~50分ほどしたところで、エラーになりPogoplugドライブが終了してしまう。

何度か繰り返したが解決しない。
もしかしたらHDD内に保存されているPogoplugのディレクトリ情報が破損しているのかもしれない。
もう一度、それをすべて削除し再構築すればうまくいくのかもしれないが、このように不安定では、この先が思いやられる。

おそらくこのディレクトリシステムがあるためpogoplugの安全性に一役かっているのだと思うが、裏目に出ているのかもしれない。


(フォルダが書き込み途中にreadOnlyになってしまったことを書いていましたが、同じタイミングでSDカードのデータ復旧をおこなっており、PCのCドライブに復旧ファイルを保存する設定にしていたためCドライブの空き容量が数MBになってしまったことから発生した問題でした。
Cドライブのファイル削除、再起動で復旧しました。
Pogoplugの問題ではなかったので記述を削除しました。)


フォルダがreadOnlyになったのは、自分の勘違いで、Pogoplugの性ではなかったが、返品の決定を下すきっかけになり、RMAの再要求をした。
あとで勘違いとわかったが、取り消すのも面倒なのと、自分の環境で安定した動作は望めないと思ったので、返品の意向はかわらなかった。


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すべて終わってみて、思うことはどの会社でもそうだが、インターネットや他の機器が含まれている環境では、不確定要素が多すぎて、断定できないことが多々ある。

今回もそういったケースなのだと思う。

しかしながら,もしかしたらと頭をよぎるのが受け取ったときに本体に擦り傷があり、これは返品されたものではないかということだ。
だとしたら問題があったからこそ返品されたわけで、もしかしたら不安定な個体だったのかもしれない。

それから、会社自体にもまだ事例が集まりきっておらず、サポート体制が安定していないように思う。

サポート業務では、いろいろな問い合わせを受け、それを事例として、その症状と解決した方法、その解決までのやりとり、そのほか環境に関する情報などをデータベースとして蓄える。

それがその後の対応時に検索され、返答につかわれる。
だから長い間、同じ業務を続けていれば事例が増え、迅速かつ的確な対応ができるようになる。
しかしながら初めてばかりだと、事例がないため状況を確認するためのやりとりがふえ、検証のための手順もふえ、解決までの時間もかかる。

最悪、サポート側で再現しなければ原因がわからず、曖昧な回答を吸収してくれる一般的な現象に押しつけられる。
それが今回の「インターネットが原因」という回答だと思っている。

同じ事例がたくさん集まり、それらの共通要素が見いだされたときにはじめて解決策への模索がはじまる。


製品ができてまだ間もないことからも事例が少ないことは容易に推測できる。
Pogoplugが40ドルになるという2年後には、もっと事例も集まり、ソフトも改善されているだろう。
そのときにはまた考え直しても良いかなと思う。


とりあえず今回は、自分にとてメリットが少ないのが大きな理由。
それほど大きくないファイルの転送なら、転送サービスや、メールの添付でも十分対応できる。
写真を家族に見せるには手軽だが、写真ひとつひとつに説明はつけられないので、コミュニケーション不足。
どちらにしてもインターネット経由では不安定要素が多く、信頼性がない。(これはサポートも自覚している)

  

スクリプティング学習における第二の壁

最近、MELの本当の基礎的な壁はぬけたように感じる。
といっても本当の基礎の基礎の部分で、マクロからスクリプト初心者へやっと移行したぐらいだ。

この段階で、MELスクリプトをどんどんやればいいのだろうが、発想がもともと貧弱なので、スクリプトのアイデアがあまりない。

また知っているコマンド+α程度でどのぐらいのスクリプトが作れるのかわからない。
今の自分+αの努力で、なんとか頑張れば完成できる程度のスクリプトがどんなものなのか見積もりがたてられない状況だ。

その壁をやぶる為に、最近は、オンラインヘルプを拾い読みしたり、チュートリアルをみたりしているが、未だにピンとこない。


入試のためにがんばってきて、いざ合格するとなにをしていいかわからない5月病に似ている。

いままでは、なんとか頑張れば基本的なコマンドを用いたMELスクリプトが作れるレベルを目指していたが、対象となる物は多少興味があればなんでもよかった。

しかし今は、徐々に応用力を身につけていく必要がある段階にさしかかったのかもしれない。
応用といっても、Mayaをどのように使うかその専門領域によってことなってくるので、まだ専門領域を絞り切れていないので何をして良いかわからなくなっているのだろう。

また、、MELのボキャブラリも少ないので出来ることも限られている。
もちろん、新しいコマンドを学ぶことには抵抗はないし、エキサイティングなのだが、近い将来に使うことがないことをするのは望まない。


今、知っていることをフルに活用し、なおかつ、新しいことを多少学ぶ必要があるようなスクリプトの課題があるといいのだが。

とりあえず、いままでやってきたことをおさらいして、ヘルプを見ずにできるようにするのも良いかもしれない。
しかしながらその先を考えておくことは必要だ。



今は、ボキャブラリを増やしていく必要があるが、興味を維持していくためにはすぐにでも仕事に使える内容のボキャブラリを増やしていく必要がある。

また「ボキャブラリを増やす」 と言っても、暗記では駄目で、一つ一つをちゃんと理解していく必要がる。

もう少しわかりやすく言うと、今の時点で知らない、そして近い将来、役に立ちそうなコマンド、ノード、アトリビュートを学ぶということだ。



ここには三つのポイントがある。
●最初にのべたように、自分の専門分野もしくは、仕事に関係する事柄。
●他のプログラミング言語にも共通するコマンドではなく、Maya独自のコマンドを学び始める必要がある。
●3DCGの基本を学び、それがどのようにMaya内でノードとアトリビュートとして実装されているのかを知る必要がある。


「自分の専門分野」に関する事なら、より興味がわいてくるし、最後までやりとげて使えるようになろうという意欲も出てくる。
なにより、実際に使えれば自分の仕事の速度を上げ、幅を広げてくれる。


今まで変数、ループや条件分岐、printなどの他のプログラミング言語にも共通する基本的な部分を使えるようになることに重点を置いてきた。
それらがほぼ使えるようになってきた今、Maya独自のコマンドを学ぶ必要がある。


Mayaのノードとアトリビュートは、3DCGという領域に存在するあらゆる事を具現化したものである。
シミュレーションであれば、物理現象を数式化した原理原則をさらに、よりユーザーが簡単に使えるようにしたものがノードである。
ノードは3DCGという広い範囲で使われている数多くの理論の一部を具現化したものであるといえる。

知識の重要度を順位で示すと、(学習の順番ではない、より下位の事柄に影響を及ぼしている、上位の事柄はなにかという順序)
0)現実の原理原則(物理現象など)
1)3DCGの理論
2)ノード
3)アトリビュート(アトリビュートはノードに依存する物であり、ノードの一部)
4)コマンド(ノード、アトリビュートを操作するために必要)


まず自分が操作する対象は仮想世界であることを心に留めておかなくてはいけない。
その仮想世界で様々なことを実現するために3DCGという分野を選択している。

そしてその根底には、仮想世界を実現するために参考としている現実世界の原理原則がある。
3DCGの理論が現実世界のなにを具現化しようとしているのかをしっておくことは重要なことだと思う

ノードはその理論をMayaという限られたパッケージ内で具現化する手段である。
特定の範囲の理論、数式、原理原則が濃縮された物だ。

アトリビュートはノードの中で使われている値であり、3DCG理論の一部である。
ノードをちゃんと理解しようとするときにアトリビュートをつぶさに見ていくことになるので、ノードを理解すれば、必然的にアトリビュートは理解することになる。

コマンドはこのノードとアトリビュートを操作するマジックハンドである。


言い方をかえると、スクリプティングとは何かを操作するための作業である。
その対象を知らなくては、操作することもおぼつかない。

コマンド、ノード名、アトリビュート名を、次々と暗記していくことはできるかもしれない。
しかしながらそれでは、生きた知識にならず、応用力の少ない学習になるような気がする。

自分の自由な発想で、様々なアトリビュートやコマンドを駆使できるようになるためには、生きた知識を持ち自分の判断で、基本知識を別の物に応用していくことが出来るようになる必要がある。

Mayaは万能ソフトではなく、あくまで限定された機能をもったソフトであることは誰もが感じているがその限界がどこにあり、その限界を超えるにはどうすればいいのかを考える力を身につけることがTDとして、もしくはテクニカルなアーティストとして生き残る道ではないかと思う。


そしてそれが出来るようになったとき、Melスクリプトに止まらず、Python、C言語などの学習準備がととのっっているだろう。


Mayaというものがなぜ、3DCG統合パッケージと呼ばれ、なぜ他のプログラミング言語を習得している人がMELの学習も早いのか?それはこのあたりのことがわかれば、少しづつ見えてくる。



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そこまで掘り下げて勉強するならC言語でプラグインを作るのと同じレベルの勉強なのではないかと思うかもしれないが、そうではない。

CGの基本原理を理解する必要ははるかもしれないが、具体化する方法を「完全」に理解する必要はない。
もちろん完全に理解するに超したことはないが、アトリビュートが何を具現化したものなのかを知る程度でもMELスクリプティングの応用力は格段に高まると思う。
自分が表現したいCGがどの法則や原理を利用した物なのかを知り、それを具現化したノードを知っていれば、表現したいことをどんな部品を使えば実現できるかを考えることができるようになる。
それがこの段階での目的で、それらの部品をつくることが目的ではない。


C言語でプラグインを作ったりするには、数々の原理原則を正確に理解してそれをどのようにプログラミングで実現するかをしらなくてはいけない。
ちゃんと理解しておかないと、原理原則を具体的なプログラミング言語で構築することはできない。
それができるようになるためには、もう一歩踏み込んだ努力が必要になってくる。



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こうして考えてみると、MELスクリプティングが、簡単そうにみえても実は難しい理由のはここにあったような気がする。

MELを少し勉強して、少し使えるようになり、さらに複雑なことをできるようになろうと本腰を入れると、コマンドの多さに圧倒され、ノードとそのアトリビュートの多さに愕然とする。

やるべきことが多いので、こつこつやるしかないのは分かっているのだが、マスターするのに一体何年かかるのだろうかと考えると呆然としてしまい、桶は桶屋にまかせたほうがいいかとまで思ってしまう。

この状況を乗り越えなければTDと呼ばれるレベルにはたどり着けないのだろうと思う。