日本でハリウッドVFXを制作! 「経産省アイディアボックス」 結果:  
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2010年3月31日水曜日

VFX Online Townhallミーティング

(2010年4月2日追記:VFXギルドに関する草案(GoogleDoc)へのリンクを追加しました)


以前のエントリ「VFXギルド:ハリウッドVFXアーティストの待遇を巡る動き」でお伝えした「VFX Online Townhall」ミーティングが29日の夜7時に開かれました。


パネリストは以下の顔ぶれ
ワーナーブラザーズの副社長「Chris deFaria」
VESチェアマン「Jefferey A. Okun」
デジタルドメインの創設者「Scott Ross」


このときの模様がさっそく、アップロードされていました。
現時点ではまだ聞いていないのですが、すでにその時の模様がサイト「VFX|haiku」にアップロードされていました。
VFXhaiku.com「VFX Town Hall #1:」

一部を聞いたり、以下のTwitterなどをさっと見た感じでは改善は、なかなか難しそうです。
WindowsというOSがデファクト・スタンダードとなったように、現在VFXの仕事をとりまく環境というのはすでにデファクト・スタンダードになってしまっているのでしょうか。
今回の動きがOS界におけるLinuxやMaxOSのような役割を果たしてくれるのか?
それとも、トップレベルの一部の人によって、左右される業界だから仕方がない。時代の流れとして諦めるしかないことなのでしょうか?
その結果は日本のこれからのVFX産業を左右しかねないでしょうから目が離せません。


関連リンク
fxguide

Twitter #vfxtownhall

AE Portal News

VFXギルドに関する草案(GoogleDoc)

参考:VFXに関する仕事についてまとめ
The 5 Miserable VFX Jobs That Make Movies Possible
(映画を現実の物にする5つのひどいVFXジョブ)

2010年3月30日火曜日

メモ:実践ビジネス英会話

実践ビジネス英会話
As soon as possible :いつになるかはわからないが、気が向いたらするかも。(直訳:可能になり次第すぐに。転じて、可能でなければ永遠にしない。日本語訳の「できるだけ早く」は、ほとんど誤訳。)
http://www2s.biglobe.ne.jp/~keri/swearword.htm
なぞが解けた。どおりで面接うけてもだれも連絡してこないはずだ...。

2010年3月29日月曜日

東映アニメーションの新作品 (続報) 、ガイキングはヘヴィーメタルの一部?

<追記:ガイキングはヘヴィーメタルの一部としてお伝えしましたが「CIAこちら映画中法情報局です」によると、企画されてはいたものの、ヘヴィーメタル自体は制作費の目処がつか実現が薄いそうです。今回のガイキングは、そこから派生し、別の長編映画となる予定だそうです。やっぱり私の英語力ではちゃんと理解できていませんでした。というわけで今回のエントリについては眉唾物として読んでください。元の情報もわかりにくい部分があるのですが、ヘヴィーメタルの一部として含まれ、且つ別の長編映画として作られるのか?それともヘヴィーメタルには含まれないのかは不明です。今回の短編ももともとはヘヴィーメタルのために作られたっぽいです。>

前回のエントリ「東映アニメーションの新作品」で書いたガイキングについてさらなる情報がありました。

まずは、hayaashiさんからトレーラーがアップされているというコメントがあり、さっそくみてみました。

かなり短いのですが、そのクオリティーを知ることができます。
トランスフォーマーをトップレベルのクオリティーとすると、良くできたプレレンダームービーとトランスフォーマーの中間ぐらいのクオリティーでしょうか。
俳優がライトステージを使った部分と見られますが、構図的に平面ぽくみえてしまうので、他のアングルからの映像もみてみたいところです。


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さて、もしかしたら情報がアップでとされているかも知れないと思い、検索を再度かけてみたところ「Ain't It Cool News」サイトに以下のようなエキサイティングなニュースがありました。
GAIKING and some other SHOGUN WARRIORS are coming to our future! Biggest Thing Ever?


数日前にGigazineの記事でもガイキングのイベントについてふれられていましたが、

このCool Newsによると、著者は、ライトステージの開発者、ジュールス・アーバック氏との電話による会話をしたと述べています。


10年前に、Cool Newsは、ジェームスキャメロンがマジンガーゼットを作ろうとしていることを記事にしました。

それから時が流れ、LightStageの開発者がLightStageで作った物(おそらくベンジャミン・ボタン)をキャメロンと、デビッド・フィンチャーに見せたそうです。
そして、ガイキングとその他のショーグン・ウォリアーズを映画ヘヴィーメタルのプロジェクトの一部として作る事に決めたそうです。
それはおそらく7分の長さになるであろうとのこと。
(ちなみにガイキングはショーグン・ウォリアーズの一部です)

ヘヴィーメタルは、元々アメリカのSFコミック雑誌で、一つのコミックではなく、日本の漫画雑誌のように短編がいくつも集められている物です。
1981年(Youtube)と2000年(Youtube)にアニメーション映画化されました。特に1981年のものは有名です。
内容的には、コミックの雰囲気を生かし、クリープショートワイライトゾーンのようなオムニバス形式になっていました。


今回のヘヴィーメタルも、同じようなオムニバス形式になるようですが、
ジェームズ・キャメロン、デヴィッド・フィンチャーが共同プロデュースし、ザックスナイダーなどの他の監督と共に、それぞれに1つのエピソードを担当する予定です。

「GAIKING」のトレイラーにあるように過去のような2Dアニメーションではないようです。
(参照:Heart Attack(大人向け映画 『ヘヴィ・メタル(Heavy Metal)』 リメイク♪



ガイキングについては上記Gigazineの記事にもちらっと書かれていますが、撮影のために実物大のものを作ろうとしているようです。
LAのベニスにあるNew Deal Studio(ダークナイトのバット・モービルとトラックの正面衝突のシーンをミニチュアで作成した会社です。)のMatthew氏によると、現在のCGのトレイラーは、ファンにデザインの方向性を味わってもらうためで、この方向性でいくそうです。
しかしすべてを明かしているわけではなく、実際の物はとうぜん、圧倒的なものになる。
としています。

またこの記事の著者がジュールス氏とのE-mailでやりとりした際にも、「映画は制作中であり、まだあるべき姿ではない」と述べられていたそうです。
ライフサイズのロボットをつくるために、海外の投資家からの出資をつのっている。
そしてそれをスキャンし、フル・スケールの解像度とイメージでコンピュータ上に取り込もうとしているようです。

全長50mなので作れなくはないとは思いますが、出来たとしたら凄いですね。
New Deal Studioには以前、CG部門の面接にいったことがあるのですが、かなり広い敷地で撮影もできるスタジオをそなえているところです。
ダークナイトで証明されたように、その技術はすばらしいものがあります。
他にはスパイダーマン3でクレーンがビルを壊すシーンのビルや、アービエイターで飛行機が住宅街へ不時着するシーンのミニチュアもここで作成されました。


そしてジュールス氏とMatthew氏が強調しているのは、今回のGAIKINGのトレイラーはCGモデルの部分だけで、最終的に映画の中で見られる物とは違うと言っています。
リリースは2012をめざしています。

また、舞台は他の世界、技術、生物が存在し、地球も全く違う様相をみせているらしく。このNewYorkに表れたガイキングのショットは、フラッシュバックのシーンからとられているそうです。

またライトステージは進化しており、現在では、リアルタイムで4Kサイズのレンダリングができるそうです。



上記の英文記事はざっと目を通しただけであり、残念ながら私の英語力ではマジンガーゼットについては詳しいことはわかりませんでした。
デヴィッドフィンチャーは「ブラックホール」のリメイクも始めたようですし、これからの動向に注目です。



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ここからすると東映アニメーションが主導を握っていると思っていましたが、そうではなくハリウッド映画の一部だということがわかります。
まぁ、わかってしまえば、トレイラーが北米で作られたことなどおも、ああなるほどねと言う気がします。

これは映画のマーケティングや、広報活動、おそらく制作品もハリウッドのシステムに組み込まれているので、作品自体が世界中で上映されることは確実ですね。

東映アニメーションのニュースから個人的に推測したことは
1)GAIKINGの部分については東映アニメーションが手動をにぎって制作をすすめてきた。
2)GAIKINGの部分については公表する許可をもらったが、それがヘヴィーメタルの一部であることを公表することは許可もらたっていない。
とうことです。

「1」については、そうであって欲しいという期待のほうが大きいのですが、CGはアメリカで作られていることから実作業というよりもプロデュース面における協力なのかもしれません。
ただ、ヘヴィーメタル自体の公表に先駆けて、GAIKINGの部分を公表できたとおいうことは、この部分にういては、かなりの主導権をにぎっているような気はします。
GAIKINGにいたっては、デザインも胴体部のドクロの形状など、デザインも大旨においては昔のデザインを踏襲しているようで、東映アニメーションからの意見が取り入れられているのかも知れません。

ジェームス・キャメロンはコンテンツ産業においては親日家なので、もしかしたらGAIKINGの部分については日本に任せようとする意図があるのかもしれませんね。
この部分の監督がだれなのか気になる処です。
ただCG部分が北米で作られたことを考えると、これから先の作業も日本で行われることはなさそうですね。
そういう意味では残念ですが、トランスフォーマーにつぐ日本のロボットアニメのリメイクということもあり、世界市場で受け入れられる日本ロボットアニメ・リメイクの方向性を 知る上でも参考になるように思います。
もし、この評判がよければ、それ以降、日本ロボットアニメのハリウッドリメイクが相次ぐ可能性もありますね。


アメリカ側から、製作依頼があったのか、日本側からの主張で実現したのかわかりませんが、映画製作においては、おもしろい動向だとは思いました。

2010年3月28日日曜日

メモ:weta

http://d.hatena.ne.jp/name-3333/20100326/1269616350

メモ:Redline

http://gigazine.net/index.php?/news/comments/20100328_taf2010_redline/
http://www.youtube.com/watch?v=UFkkNxXuqQ0

夢とその実現

NikkeiBPnetの「20代で意思を育てる方法」を読んで、そうだよなと思った。
よく夢を持ちなさいとか、夢を持ち続けるようにと言うことはよく言われるが、それが現実のステップに結びつくようになるまで自分は30年以上を必要とした。

もちろん、これは自分の例であり、普通の人は「なんでやねん!」と突っ込みを入れたくなるほどのじれったさであろう。
まぁ、詳しいことは、ここではおいといてここでの話題、「夢」について、考えたことについてまとめておきたい。

先の記事のように「夢を持ちなさい」とは、小学生の頃から「少年よ大志をいだけ」という言葉に代表されるように、古今東西をとわず、アメリカでも言われていることだ。
まぁ実際、夢を持つ(なりたい目標をもつ)のはさほど難しい事ではない。
大抵の小学生はなりたいものややりたいことを持っている。


問題は、その夢を実現するには何をすればよいのかは本人に任され、助けてくれる人がすくないということだ。
おそらく大半の人が小さな時に抱いた夢をどうすれば実現出来るかわからないまま、そのうち日常にもまれて忘れてしまっていくんだと思う。

1歩踏み込んだ人は、
その夢を実現するには何になればよいのか?
どうすればなれるのか?
などを考えることになる。

さらにもう1歩踏み込み、学校へ行くなどの行動を起こすことが出来た人は幸せである。

自分が、CGを勉強したのも、映像業界で働きたい。
映画で使われているようなすばらしい映像作りに関わりたいという夢があったからだった。



しかし、夢を持つことに関してひとつしっくりとこない部分がある。それは「なりたい」という言葉で言い表すことが出来るその人の心的態度だ。

たとえば、自分が「ハリウッド映画のCGアーティストになりたい」という夢を持っているとする。
CGアーティストになるためにいろんな勉強をしなくてはという気持ちになり、
色んな人から学ぼうという謙虚な気持ちにもナルだろうし、それは必要な事だとも思う。

しかしいつまでも「なりたい」でいては、そこから先へ進まないような気がする。
「なりたい」が夢で、それをもちつづけてるだけなら「なりたい」で終ってしまう。
言い換えるなら「なりたい」は自分がそうなっていないからでてくる言葉であり、「弟子」であることを自覚する言葉である。
ようするに「夢を持つ」ということを「「○○になりたい」という気持ちを持つ」と捉えてしまうと、一生弟子であるということを宣言するような感じがする。
夢は持つ物ではなく目標とすべき物で、そこにむかって近づき追い越さなくてはいけない。
でなければ、一生「なりたい」で終る可能性もある。一生、丁稚奉公である。

言葉上の問題で、実際は違うだろうと思える人は、おそらくこのような問題に当たることはなく自分の夢に着実に近づくことが出来た人か、夢を実現するために苦労したことが無い人だと思う。
夢を実現出来るのかできないのか不安で、どちらつかずの間をさまよい続けた自分にとっては大きな問題だった。

夢を現実の物とするには以下の二つのことが必要だと思う。
1)「なりたい」と思っている今の自分ではなく、「なった」後の自分として考え、行動する。
2)一歩先を見る、現在夢見ている次を考えるようにする。


とくに最初のことは重要だと個人的には思っている。
夢を実現したひとは、多かれ少なかれ、そのようにしてきたと思うし、
夢に1歩近づくにつれて人は、このような考えを変えて言っていると思う。
これはスポーツ選手のイメージトレーニングにも似ている。
年をとって現実が見えてくるとこれは、なかなか難しくなるが、若いときは想像がつかないということもある。
普通は、自分が夢に近づくステップをあがるにつれて、少しづつこうなって行くのだとは思う。
しかし意図的にやることで、より早くステップを昇っていけるアイデアを持つことが出来るのではないかと思う。
「なりたい」には「できないかもしれない」という気持ちが入り込む可能性がある。
しかし「なった」後の自分として考えることは「なる」であり断定的決断がある。
いわば「なれるかどうか」という考えが入り込む余地がない、「なる」ことは当然の前提の立場に立つことになるので、夢が目標としてしっかり設定できる。
そこには自分の人生に対する責任もうまれてきて、より人生をコントロールできるようになるのではないかと思う。




2番目の「一歩先を見る」というのは、映画タッカーから学んだともいえる。
正確には、この映画だけから学んだわけではないかもしれない。
この手のことはいろいろな本でもよく言われていることだし、ソースがあったのだがタッカーは自分にとっては非常に印象に残った。
しかし、正確にはタッカーで表現されていることと、個々で言いたいことは異なる。
タッカーでは、詐欺師としての疑いを掛けられた裁判中に、すでに次のアイデアとなる冷蔵庫のスケッチを描いている。(このYouTube映像の4:45あたり)
もちろん、タッカーの先見性と、論理的思考からすでに裁判の結果が見えていた余裕かも知れないが、どちらにしても車の生産では失敗である。
それを物ともせず、夢が壊れても、次の夢(目標)を作りだし、それに向かって進み続けるタッカー。問題に埋もれず、ネガティブにならない。
人生のとても大切なことを教えてくれる映画だと思う。

さて先ほどの「2」でいいたかったのは
たとえば現在CGアーティストになりたいとする。
このとき、CGアーティストになったとしたら目標は達成されることになる。
目標は達成されると、たちまち力を失う。
目標は目標でなくなるのだから当然だ。いいかえれば夢を失う。
夢が夢でなくなったとき、仕事は充足し人生に満足しても、何かが足りないと感じるだろう。
そこで普通は次のステップを考えることになる。
しかし、そのときに、なって次のステップを考えていくのではなく、目標が達成出来る前からその先を考えていってはどうかと思う。
そのときは、より高い場所から自分の人生を見つめることになる。
現在やっていることが、何が無駄で何が無駄にならないかが見えてくるのではないかと思う。
それも現在の自分が夢に近づくことを加速してくれる。
もしくは冗長な作業をしていても、それからうける心的負担が少なくなるように思う。
これは自己実現や自己啓発の本などでは「大きな夢を設定する」とか「5年先、10年先の自分を考える」という言葉で言われていることだと同じようなことだろう。


このYoutube映像の0:35でタッカーが言っている
大事なのはアイデアさ、それと夢だ。

夢はずっと失ったり、色あせたりさせないようにしたい。

vfxmarketplace

以前、「インターネット勤務可能なハリウッド・ワーク」で、EngineRoomVisualArtsをご紹介しましたが、このVFX Marketplace.comも似たようなサービスです。

EngineRoomVisualArtsは、(おそらく)自社でうけた仕事をインターネットでアーティストに配分してやってもらうというやり方でしたが、VFX Marketplace.comはアウトソーシングの場所、すなわち仕事をアウトソースしたい会社と、アーティストを結びつける場所を提供しているという感じです。

また仕事自体も、1ショットから可能と言っていますので、時間がないアーティストや、短い期間だけの仕事でも、必要なときに必要なだけすると言うことも可能なようです。
ただ、現実問題、ショットをばらばらに依頼して最終的な見た目の整合性がとれるとは思いませんので、1ショットづつ分けても問題のない作業(ロトスコープやトラッキングなど)か、1ショットですべて終ってしまうような仕事しか依頼できないとは思います。
(実際にデモ映像内のショットの詳細をみると、ロトスコープなどのようです)
もしかすると、オプションとして依頼する会社側で、複数ショットをまとめてでないと受け付けないシステムなどがあるのかもしれません。

また、守秘義務を守りきれない面もあるので、大手の会社がこれを利用するとは思えません。
なので、おそらく小規模のプロダクションからの依頼がメインになると思います。
ということは、予算も少ない、テレビやCMもしくはインデペンデント系の映像が多いような感じがします。

くわしい説明を読んでいませんが、おそらく仕事を依頼したい会社は世界のどこにあっても依頼できると思いますし、アーティストも同じだと思われます。
なので、必然的にハリウッドの映像業界に関われるとは限らないことになります。

仕事にありつけない時間を、使ったり。
まだ経験がない学生さんには有効かも知れません。
また仕事を通して英語の環境になれるきっかけになるかも知れません。

ただ、サイトも出来たばっかりで、まだ仕事はなさそうです。
以前、登録したEngineRoomVisualArtsもすでに4ヶ月近くが立ちますが、音沙汰無しですので、このサービスもどこまで盛り上がるかは不明です。

もし、サービスが成功しても、この手のサービスはおそらく売り手市場だと思いますので、仕事が欲しいアーティスト側にとってはほとんど仕事が回ってこない可能性も否定できません。

こういうサービスがどんどん増えて実績をあげるようになれば、そのうちロトスコープやトラッキングなどの基本的な作業は、ほとんどがこのようなシステムになるかもしれませんね。

メモ:電車かも知れない。 プランゼット

アメリカン人でこのセンスを理解出来る人は少ないかも知れないが、
アメリカン人にはまねできないセンスではないかとも思う。





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プランゼット
http://www.planzet.jp/
エイリアンの宇宙船は新しい「V」(ZOICがVFXを担当)シリーズを思い起こさせました。
メカの描写などは結構、良い感じだとは思いますが、街やキャラクターのセットアップには若干の、予算不足は否めません。
全体的予算はいくらかわかりませんが、よく頑張っているとは思います。

キャラクターはどちらかというとリアル系のCGですが、映画ファイナルファンタジーがCGのキャラを使う理由がわからなかったのと同じように、この映画でもCGキャラクターがどの程度、必要だったのかは測りかねます。

実際に観客からフルCGのキャラがどの程度受け入れられるのかも興味があるところ。
映画FFは早すぎたと思いますが、いまならフルCGキャラでも受け入れられる物なのかも知れません。

予算的には、おそらく比べものにならないほど少ないと思いますので、10年近く前のFFとくらべても、キャラの動きが固い感じがするし、クロスのシミュレーションももうよっと欲しい感じがします。
こうしてみると以下にFFのクオリティーが高かったかがわかります。
http://www.cgchannel.com/2010/03/cgc-archive-hip-to-be-square/

ただ、日本の低予算で、リアル系フルCG映画一本を作れるようになったのは当時からしてみると驚きですね。

2010年3月24日水曜日

メモ:Video: H.R. Giger x Pioneer

Video: H.R. Giger x Pioneer
イラストは映画DUNEの為に作成されたもの

USA 米医療保険改革法、オバマ大統領の署名で成立

CNN.co.jp
米・医療保険改革法案、僅差で可決
ロイター動画

賛成219
反対212


gooニュース
ついにアメリカが「常識」の国にCHANGE 医療保険改革がついに
米医療保険改革法が成立 オバマ大統領署名
画期的なことなんですが、上記の記事をよむと、所得2000ドル/月以下のような、低所得者層を救う物にはなりそうですが、我々中産階級(中の中以下)には、あまり救いを期待できないかも知れません。
いまでの低所得者層向けの保険はあるのですが、これはそれを民間の保険会社にまで広げたものになると考えればよいのかも知れません。
どちらにしても妥協案だとは思いますが、現在の民間企業のシステムを生かした物になるようで、日本のような保険システムは期待できません。
法律的に可決できたのは良いことですが、実際の効果としては低所得者層でないかぎり、さほど期待できないように思います。
ちょっと期待していただけに、がっかりした感じもあります。
ただ、これから先も、厳しい戦いが控えており、一進一退をくりかえすような感じではないでしょうか?

 
いままでお金を払っている顧客にさえ、法と契約書の抜け道をさがし、保障をしぶってきた民間保険会社がどこまで誠意を持って対応してくれるかは疑問も残ります。

アメリカの保険のどこが問題化といういうと加入できる出来ないもありますが、保険で保障される範囲があまりにも細かく決められすぎており、保険に入っていても保障されない範囲が多すぎるという問題もあります。
ようは保険に入っていても安心は出来ないし、逆に保険料を支払っていることで、お金が少なくなり、何かあったときには保障されない多額の医学保険で全財産を失うということも、起きてしまいます。(Youtube:Sicko
 このあたりは、アメリカでは死と隣り合わせとは言わないまでも、人生を失うことにつながることはいつも隣り合わせともいえるかもしれません。

個人的には、むしろ、こちらの問題がどうなったのか、知りたいところ。

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ところでオバマ大統領が以下のように言っていましたが
「これほど大規模で複雑な事業を遂行する能力を疑ったり、われわれが国民として依然達成可能な物事に限界があるのではないかと考えることは時として簡単だが、われわれは大志を縮小するような国家ではなく、疑いや不信の犠牲になる国家ではない。恐怖に取り付かれることはない」

これは個人にも言えるのではないかなと思いました。
「大きな夢を遂行する能力を疑ったり、自分が達成可能な物事に限界があるのではないかと考えることは簡単だが、・・・」
オバマさんの言葉では最後に
「疑いや不信の犠牲になる国家ではない。恐怖に取り付かれることはない」
となるわけですが、ようするに限界を作るのは、疑いや、不振、そして恐怖であることがわかります。
そして、夢を実現するには自分を疑う気持ちや恐怖と闘う必要があることがわかります。

 自分が夢に向かって日々、努力を積み重ねていなければ、自分を疑う気持ちが起きてきます。
 自分の努力ではどうしようもないと感じる問題に、立ち向かおうとしなければ恐怖が生まれます。

夢を実現した人はこれらにうまく対処してきた人手はないかと思いました。

東映アニメーションの新作品

情報元:白石運送さん


大空魔竜ガイキング

 宇宙海賊キャプテンハーロック


静止画を見る限りでは、かなり良い感じですね。
このまま日本独自の路線を貫いていけそうで、ハリウッドVFX・・云々をしなくても日本は、ここまで進んでいたかと思うと嬉しいですね。
前々からモーキャプなどの技術は日本は優れていると思っているので、ついにきたか!とよろこんだのですが、この「ガイキング」の記事をよく読むと、「パイロットは北米で製作」と書いてありました。
このパイロットの製作で、一部を中国などにアウトソーシングしているのかどうかはわかりませんが、もし日本からもある程度の製作を依頼できるほど安いなら、これからは日本で企画した物をハリウッドで製作という流れもないとは言えないですね。
北米での公開も最初から視野に入れているとなれば、パイロットの力のいれ具合から推測すると、企画、製作段階からハリウッドと連携することだけでなく、ハリウッド資本の協力を得ようとしている可能性もありますね。


まぁどちらにしても興業成績が良いものになれば、国内のCG/映画環境を大きく変えることになるかも知れないといまから期待です。


さて、重箱の隅をつつくようなことですが、個人的には「アバター」を引き合いにだして、ライトステージを「最先端技術」という言葉で全面的に押し出すのは、どうかと思いました。
記事を読むと知らない人は、ライトステージですべてができたかのように見えますw
まぁ間違いではないし、ハリウッドでも、まだまだ熱い技術のようですが、ただ「ライトステージを使った」で良いのかとは思います。
まぁこの辺は利害関係がからむ、企業の広報ですから仕方がないですね。


ライトステージは、南カリフォルニア大学のポール・デベヴェック氏により開発され、2000年に発表されたものです。
その後も進化を続けており、2007年には、Aguru Images社とのライセンス契約でAguru Domeという製品名が作られた。価格は30万ドル(約3000万)

ハリウッド映画の最先端というと、まさにその映画のために開発されたものというイメージがあるが、ライトステージにおいては、その基本技術においては、ほぼ10年が経過している。
市販のAguru Domeでは2年と少し経過した程度なので、まだ市販の技術としては、最先端技術と呼ぶことはできるかもしれないが、ここはさらっと流して欲しかった。

(日本語記事:SIGGRAPH 2007 - 一般展示セクションレポート
(参照:TEDカンファレンス Paul Debevec animates a photo-real digital face

その他参照記事:IGDA日本ゲームテクノロジー研究会(SIG-GT)第11回研究会
その他参照記事:スパイダーマン2 inside story セミナーレポート


ガイキングは、トランスフォーマーの二番煎じにだけは成って欲しくないですね。
フルCG?ということなら、アニメーション作品になるので、多少違うとは思いますが。
視覚効果的にダブらず、トランスフォーマーを作り出した日本からの作品と言うことでうまく広報活動を行えば、そこそこ行けるかも知れないと期待しています。
まぁ実写でも、異なる内容の作品であれば、そこそこいけるかも知れません。
とにかく期待がたかまります。

ハーロックも北米でもいけそうな気がします。
個人的には、見た目だけの、ターゲット層としては微妙な感じがします。
パイレーツオブカリビアンの影響で、北米では子供向けにパイレーツのオモチャやグッズが沢山うられていますが、それはあの映画のユニークで明るい面があるからこそ子供にもうけているという面があります。
ハーロックはそれと比べると、子供向けではないし、シリアスなのでレーティングがどうなるかにもよりますが、子連れの観客を呼ぶのは難しいような気がします。
となると、現在、主流のアニメーションである子供向けの市場をねらわず、トランスフォーマーのようなティーン以上にむけたものになると思います。
ティーン以上となると目も肥えてきており、子供だましは効きません。
ここは日本独自の、コマ割りや、フレーミング、ポージングとストーリーの絶妙な組み合わせで乗り切って欲しいところです。



これが成功すれば、東映のその他のシリーズや、クイーンエメラルダス、999なども映画化されるかもしれませんね。
是非、がんばってほしい。
そして、日本にも仕事を取り込んで欲しいw
でもそうなると、ハリウッドVFX・・ではなく日本での映画製作におけるCG・VFXでの税制優遇措置にしたほうが効果的かも知れませんね。
とにかく、日本のCG・VFX業界の末端給料を人並み以上にして、日本のアーティストの士気をあげてほしい。


プロダクションIGもがんばっているようです。
シンガポールのエンターテイメント企業Storm Lion社との共同作品「TITAN RAIN」 始動!

自分には無理かも知れないですが、もし日本に帰国することになったら、行きたいところの一つで、
個人的に注目したのはIGPXのころからなんですが、3DCGのクオリティーは、かなり高いところですよね。

でも、日本にこういう動きがあるというのをしって少しホットしました。
(まだ、気は抜けませんがw)

 (関連エントリ:「東映アニメーションの新作品 (続報) 、ガイキングはヘヴィーメタルの一部!」)

2010年3月22日月曜日

VFXギルド:ハリウッドVFXアーティストの待遇を巡る動き

ハリウッド映画業界での、VFXアーティストの悪待遇を巡り、フィルムメーカー、脚本、写真家であるLee Stranahan氏のブログや「The Huffington Post」へ掲載された、
「公開書簡 ジェームスキャメロンへ :ビジュアル・エフェクツ・アーティストへの公平さについて」
(翻訳:

これは現状のVFXアーティストが他の映画製作者に比較して公平な待遇を受けていなことを、ジェームスキャメロンの力を借りようと、書いた手紙でした。
日本でのVFXアーティストへの待遇はハリウッドよりも悪い面があるようですが、ハリウッドではVFX業界 対 他の映画業界(脚本業界、俳優業界、カメラマン業界)などとの待遇の差がありすぎて、それが不平不満と成っています。
 今やVFXは映画産業になくてはならない要素であり、それを担うVFXアーティストの立場をより向上させて、もっと良い待遇にしてほしいというのが今回の運動の要素となっています。


さて、この手紙は、本人が思っていた以上の波紋を引き起こし、氏のブログの2月18日付エントリ「My Week in Review」によると以下のようなことがあったようです。
●業界最大手のバラエティー誌でも取り上げられた。
●デジタルドメインの創設者スコットロス氏との対談も行われたそうです。
FX GuideのJeff氏によるインタビュー
●サイト:Motiongrapher
●サイト:cracked.com

Mar 29, 2010 夜7時から、「VFX Online Townhall:an open disccusion of a visual effects industry in transition」というオンライン・イベントが行われる予定です。
チケットは48時間で、1000のチケットすべてがSold Out。
オンライン・イベントなので、そのうちYoutubeなどでアップされる可能性もないとはいえません。

パネリストは、
ワーナーブラザーズの副社長「Chris deFaria」
VESチェアマン「Jefferey A. Okun」
デジタルドメインの創設者「Scott Ross」

という錚々たる顔ぶれです。

急激にとは行かないまでも、確実にその波紋は広がっているようです。


また、他にもじっとしていられない人がいたようで、これとは別に以下のようなブログも作られていました。
Visual FX Digital Artists Guild::  A Blog to Discuss the formation of a VFX Digital Artists Guild

2010年3月20日土曜日

アメリカのSFX紹介番組「ムービー ・マジック」

1994年~1997年にわたり放映されたアメリカのTVシリーズ「ムービー・マジック
SFX全盛期からCGの黎明期まで、ストップモーション、マットペインティング、ミニチュアと火薬など毎回マニアックな主題で、楽しませてくれるSFX版NHK特集という感じでしょうか。
かなりの特撮映像はみてきたつもりでしたが、このシリーズに至っては日本で公開されていない(もしかしてこれって同じ物?)こともあり、目新しい映像ばかりで、結構おもしろいです。
当然ながらハリウッドには、この番組を見て育った世代が今は、この業界を引っ張って行っているわけですが、見たことがある人は、好きな番組のトップに入れてくる人が多いのもうなずけます。

日本でも、当時は特撮の特集番組などがよく放映されていましたが、そういうものよりももっと、いろいろな角度から掘り下げた内容になっていて、業界のことがよくわかる内容になっています。

そして、ついにそのYouTube動画を集めたサイトを見つけました。
MovieMagic(postfolio.org)
(投稿時、リンクが違っていましたが修正しました)
シーズン1のエピソード1~10までですが、貴重な映像がたくさんあります。

懐かしい名前が一杯でてきて、この時代を過ごした人には、あの熱い思いがよみがえるのではないでしょうか。

とりあえず今の仕事に関係上がりそうなコンピュータアニメーション(エピソード9)を見てみました。
Movie Magic Episode 9 - Computer Animation


R&Hで、やったプロジェクトが紹介されています。
このころから動物に話をさせていたんですね。
それにしてもこのシステムでマッチムーブをしてたとは凄いですね。
(マッチムーブは16:00あたりにもあります)
今では、小さな会社でもやってしまうヘッドリプレースメントですが、当時は大変だったと思います。

この時期、SFXからVFXへ徐々に移行していったのだと思うのですが、自分が気がついたのはターミネーター2や、アビスのころで、それまではCGについてはあまり興味がなかったので、参考になります。
コンプのソフトもかなり原始的というか、どうやって操作しているのかわかりません。(キーボード?)(19:34あたり)
テクスチャーをフッテージからとって、貼り付けて、目などは別レンダーと言っていますが、どうやってコンプしてるのか不思議です。
12:50あたりにJohn Hughes氏の若い頃の映像があります。

今はレーザーや、カメラで取り込みますが、当時はデジタイザつかってましたね。たしか7年ほど前にR&Hの見学いったときにも、同じ装置ではないですが、モデリングの部署ではデジタイズをしているような感じがしました。(うろおぼえ)
デザインを勉強したときに、学校には、車の1/5程度のクレイモデルを取り込む精密デジタイザがありました。
もともとは工業製品などの測定をするのに使われる物で、すべて金属の固まりでてきたもので測定も大変。

かなり大きな机の形をした、金属の土台のフチに、X方向に動くこれまた金属の土台があり、そこから垂直に突き出た金属棒にY方向へ上下する部分があり、そこからさらに机の中であるZ方向へ動く金属棒がありその先に針状のプローブがついていました。
この装置がケーブルで近くのオフコン(?)につながっており、基準位置を0,0,0に設定してから、測定を始めます。
クレイモデルにはあらかじめ測定をするあたり線をつけておき、その線が公差する部分にプローブの先端を押しつけると、プローブが若干押されて内部のスイッチが働きその座標値をコンピュータに知らせます。
座標値はそれぞれの可動部にセンサがついており、そこで検知します。
これに比べるとR&Hのはかなり簡単にできる装置ですね。


8:00のあたりから、
ローバートエイブルが紹介されています。

エイブル・アソシエイツ(WikipediaではRA&Aとして紹介)なんてなつかしい、これまで思い出すこともなかったです。w
そしてWikipediaを読んでわかりました。R&Hの謎だったこと。
R&Hに行くと社内の通路に映画「ブラックホール」のポスターがはってあります。
でもR&Hが関わったなんて聞いたこともありませんので、なぜだかずっと不思議だったんですが、その謎が7年ぶりに解けました。

ブラックホールが公開されたのは1979年。
R&Hが出来たのは、それから8年後の1987年なので、R&Hが直接関わっていたわけではありません。
Wikipediaに書いてあるようにエイブル・アソシエイツが作っていたのです。
このときにR&Hの創始者であるジョン・ヒューズがエイブルの元で働いていたというわけですね。
自分の関わった仕事であったからR&Hにそのポスターが貼ってあるというわけです。
これはこちらでよくあることで、最近小さな会社を立ち上げたばかりの人は見せる物が無いので、昔SONYで働いていたときの自分の作品を会社のデモに入れたりしているのを見たことがあります。


さて話をMovie Magicに戻します。

ロボットガールのCGでは、このころからトラッキングマーカーのアイデアがあり、使われていたことがわかります。
トラッキングと言っても、おそらく手作業だったと思いますし、マシンも遅いでしょうから、凄い苦労したと思います。

でもこのころから、マシンの遅さや苦労を物ともせず、自分たちの作りたい映像を生み出すために努力を惜しまないのは、すばらしいですね。



使っているコンピュータの画面やキーボードが時代を感じさせます。

13:10に5人でリズム&ヒューズを作ったと紹介していますね。
13:56に若かりし日のジョン・ラセターが。


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しかしこんな番組みてて、身近なところにスタジオがあれば、そりゃこの業界に迷わず入ってくるでしょうね。
そんな人が多いハリウッドがうらやましいです。
若いのにすでに10年以上CGやっている人も多いのも納得です。

多少違いますが、今はカナダや、インド、オーストラリア、ニュージーランド、イギリスなども今そんな感じなんですかね。
(あえて中国は外しました。個人的に金のほうが先に立っている気がして....。)


さて、さがしてみたらエピソード12までは見つけることが出来ましたのでリンクを貼っておきます。


Movie Magic Models and Miniatures (Season1 Epsode11)
http://www.youtube.com/watch?v=dEmXA0Itv6A

Movie Magic: Stop Motion (Season1 Episode12)
http://www.youtube.com/watch?v=xHG2aao4CVk


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余談ですが、ロバート・エイブルを検索していておもしろい記事を見つけました。
文化庁メディア芸術プラザのホームページにある「コ・マ・ド・リの観察


CG黎明期にはワイヤーフレームの映像がたくさんみられ、「CG=ワイヤーフレーム」という印象がありました。ワイヤーフレームの映像を見るだけで、最先端テクノロジーに触れた感じがしてわくわくしたものです。
雑誌にあったプログラムを自宅のFM-7に入力して球や帽子のワイヤーフレーム画像を作って喜んでいたのを思い出します。

その後、トロンやゴルゴ13などでシェーディングされたCGが出てきたときは、見た目がしょぼくて、どう反応して良いかとまどうと同時に、内心は少しがっかりしましたw
これが原因で、CGからは距離を置くことになりました。T2やアビスが表れたことで、CGにやっと実用性がでてきたと感じ、この業界を志すことになりましたが、それまでのCGの進化の過程は自分の中でミッシングリンクになっているような気がします。

(それにしてもこの頃は日本のCGも最先端に近いところを行ってたんですね)


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しかしそのワイヤーフレームでさえ、一つの画像をつくるのに時間がかかりとてもリアルタイムでみれるものではありません。
それに映画はまだフィルムが主体でしたので、CGをフィルムに移す必要がありました。
そこで使われたのは上記のページに紹介されているCRT画面を撮影する方法。

どこかで読んだことがありましたが、こんなことが今もネタとして扱われていることに嬉しくなり、当時の映画のいろいろなエピソードを思い出しました。
この記事に「シカゴ」が1981に作られたと書かれていますが、ブラックホールが公開されたのが1979年。
その二年前なのであきらかにこの手法がつかわれていたはずです。

1979年の「ブラックホール」では、オープニングにワイヤフレームCGが使われていますが、ワイヤーフレームでもまだまだ予算が必要な時代でしたのでディズニーだからこそ、できた技かもしれません。(Youtube動画)

それを裏付ける話のが「ニューヨーク1997」

1981年「ニューヨーク1997」ではCGの描写をするのに、ミニチュアを黒く塗って白い線を書いて撮影したという有名な話があります。
これは当時スターログ日本版でも写真入りで紹介されていました。


さらに
1983年、「007ネバーセイ・ネバーアゲイン」の地図や地球儀のワイヤーフレームCGは、確か予算の関係で本当にワイヤーのミニチュアを使ったと、スターログ日本版に紹介されていたと思います。
ブラックホールから4年、トロンが公開された次の年でもこの状態です。
http://shikatanaku.blogspot.com/2009/06/blog-post_16.html


ちなみにトロンは1982年です。
(こうしてみるとディズニーはCGに力を入れたたんですね。)


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次にこのころの日本がどれほどすごかったかを見てみましょう。

1983年:ゴルゴ13
「世界で初めて劇中にコンピュータグラフィックスを使ったアニメ作品」
http://www.youtube.com/watch?v=-pG1xFNYepU
Youtubeのオープニング映像はコメントにもありますが、実写とCGが混在していますのでご注意を、有名だったのはヘリコプターのシーンですね。
まぁ、これもアニメ部分との違和感があって個人的にはシェーダー嫌いを強めることになったと思います。



1983年:子鹿物語
シリーズもののテレビアニメとして世界で初めてコンピュータによる描画・彩色を行った作品。
http://www.youtube.com/watch?v=tcRBfJjExDg
Wikipediaには、オープニングで河をわたる動物には3Dも使われていると書かれていますがおそらくYouTubeの0:52あたりの鹿の群れのことだと思います。


1984年:レンズマン
これもCGの宇宙船が出てきたりと、当時としてはよくがんばってました。
http://www.youtube.com/watch?v=yE9FDTNyCX4
レンズのカットや宇宙船などに使われています、なめらかなカメラワークもすきでした。
ただ他の2Dアニメとの質感の差が大きすぎて、個人的には違和感を感じました。
しかも日本の作品なのに、原作は洋物。(企画がに金子氏がからんでいるだからでしょうか?)



ちなみにハリウッドでは同年スター・ファイターが公開されました。
http://www.youtube.com/watch?v=H7NaxBxFWSo
リアルさでは一歩先を超された感じがしましたが、まぁ予算規模が違いますから仕方ないですね。
多少CGっぽさが残るところもありますが、場面によってはかなりリアル。
CGの出来も良い思いましたが、まだまだだなという感じはぬぐえません。
基本的なところは日本も同じぐらいよくできてたと思いますよ。

しかしゲーム機で戦士のリクルートなんて 当時は映画作った側もジョークだったでしょうが、2009年には米軍がやってしまいました


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しかし、この時代は、本当にいろいろな作品があり、日本のアニメ業界も元気でしたね~。 何よりCGについては世界をリードする立場にあったのは驚きです。
もう一度あの熱い日本に、なって欲しいですね。

実を結ばなかったのは、ハリウッドのように映画芸術としてのこだわりや追究がなかったことも原因の一つにあったのではないかと思います。
映像を作るための手段でなく、CGを見せ物にするためのCGであったのではないかということです。

2010年3月19日金曜日

VFXの不気味の谷

キャラクターに関しては不気味の谷現象がよく取りざたされるが、他の対象物にも似たような現象はあるのだろうかとふと思った。

Wikipedia によると「不気味の谷現象」はもともとロボット工学からきており、以下のような説明がある。
” このような、外見と動作が「人間にきわめて近い」ロボットと「人間と全く同じ」ロボットによって引き起こされると予想される嫌悪感の差を不気味の谷と呼ぶ。人間とロボットが生産的に共同作業を行うためには、人間がロボットに対して親近感をもちうることが不可欠だが、「人間に近い」ロボットは、人間にとってひどく「奇妙」に感じられ、親近感をもてないことから名付けられた。”

”この現象は次のように説明できる。対象が実際の人間とかけ離れている場合、人間的特徴の方が目立ち認識しやすいため、親近感を得やすい。しかし、対象がある程度「人間に近く」なってくると、非人間的特徴の方が目立ってしまい、観察者に「奇妙」な感覚を抱かせるのだ。”

これはようするに「人間型」である対象について言われている現象で、正式には他の物にはあてはまらない。

しかしこの意味を拡張して考えた場合、その根本にあるのは、「本物に近いが、本物とは違う要素があるために違和感を感じる」ということだと思う。
たまたま「人間型」においては、より親しんでおり、しかも通常は生きた人間に接しているので、その違和感を感じやすいだけだと思う。

まぁ、簡単に言えば「違和感」という言葉に帰結するとも言える。

ではVFXにおいてはどうだろうか?
フォトリアルな車やロボットでも、ちょっとしたライティングのミスマッチや、色合わせの違い、リフレクションやスペキュラの違いから、違和感を感じることはある。
アニメーションを不自然に感じる事はよくある。
しかし、多くは見慣れていないために、そういったものかと思う事も多い。

破壊系に関しては、材質による動きや、振る舞いの違いが実物とは違うこともある。
爆発などでも、破片の飛び方や砕け方、土煙の出方、炎の振る舞いなどは、かなりのケースで実物と違うだろう。

前コンピュータのSFX時代にもどれば、火薬の調整でそれらのエフェクトを作成することになるが、コンピュータでシミュレーションしたものではないので、良くも悪くもリアルである。

コンピュータ時代にいたっては、それらはシミュレーションなどに頼ることが多く、本物に近づける努力はしているもののすべての力学を計算して作られているわけではないので、当然ながら偽物感がでる。
破片がプロシージャルで作られているので、どれもが同じ大きさにみえたり。
破片の隙間から生じるパーティクルの出方が少し不自然だったり。
煙や炎が破片と相互作用してなかったり。
破片があり得ない方向へ飛んでいったり。
破片に炎の照り返しや煙の影がなかったり。
モーションブラーのかかり方が本物とちがったり。
破片のアニメーション や車が破壊するときのパーツのアニメーションが実際にはあり得ない物だったりする。
炎の色合いの変化の仕方が違ったり。


どうしてもコンピューターの力に限界があるからとも言えるし、作成にそれほど時間をさかなくても観客はどうせ気づかないか、さほど追究されることでもないという判断もあるだろう。
実際VFXを見慣れていても 現物を見たことがないので、その違いを明確に指摘することは出来ないことが多い、なんとなく違いを感じるということしかいえない。

安易なエフェクツにいたっては、それがはっきりとわかることもあるが、高度な物でも見た目のおもしろさから意図的にあり得ないような振る舞いをさせることもある。
それは監督やVFXスーパーバイザーの意図的な物だ。
代表的な物では2012の破壊がそうだ。
破壊自体が、俳優の演技のように使われていて、これはCGでなくては出来ない演出だ。
しかしながら、裏を返せばリアリティーを失うことになり、これはターゲットとしている観客や映画のストーリーとの兼ね合いで、調整が必要になってくることもあるだろう。


実際の処、爆発などは、映像関係の仕事をしている人か従軍した人でなければ、花火以外にはほとんど日常でお目に掛かることはないし、VFXに関わっていない観客は、そのあたりをそれほど気にすることはないかも知れない。

なので、キャラクターほどにはこの違和感を、なくす努力はさほどされていなかったかもしれない。
実際に監督によっては、非常にこだわる人もいるし、そうでない人もいる。
これは演出に関係することなので、リアルさにだけこだわるのは映画業界では御法度だが、違和感を出してしまっては演出も過剰な物となってしまう。

VFXに長い間かかわってくると、だんだんそういうものが見えるようになってきて、細かなところで違和感を感じてしまうようになる。

こういった違和感はもしかしたらSFX時代やCG初期のデティールに限界があった時代のほうがもしかしたら、受け流すことが出来た物だったのかも知れない。
リアルさが増し、デティールが増加するに従って、エフェクツにも不気味の谷のような現象がおきているように思う。

もしかしたら「最近の映画はVFXは凄いがおもしろくない」と感じるのはそのあたりにも原因があるのかも知れない。
ようするに偽物を見せられているということを感じて興ざめしてしまう。

VFXに関わっていない人でも、感覚はするどい。
言葉で表現したり、どの部分かを指摘することができなくても違和感を感じるときは感じる。
観客は知っている。
説明できないのと、そこに存在しない(すべてがパーフェクトである)のとは違う。

CGの進歩に従い、このあたりを十分に考慮にいれていかなくてはいけない時代も来るかも知れない。

2010年3月18日木曜日

being Digital

アルビントフラーの「第三の波」を読んで、6~7年後だろうか、「begin Digital」という本を読んだ。
これも未来を予測した本として、私の人生に強烈な印象を残した本だった。

この本を読んだのは、ちょうどWindows95が発売された頃だと思う。
まだフロッピーディスクが全盛期、会社でもWIndowsNTを使っていた。
そのとき仕事をしていた会社は小さな会社であったがアメリカに本社があるために、e-mailを使うため、インターネットを使う必要があった。
当時はまだインターネットは高額で、(記憶が曖昧ですが)ダイアルアップ接続でも数万円の月額使用料だったように記憶している。

いくつかあるISPの中でもベッコアメが破格の値段で提供していたので、うちの会社ではそこを使った。それでも今と比べたらかなり高い。しかもダイアルアップ。

使ったウェブブラウザはネットスケープで、確か有料ソフトで、箱が会社の棚におかれていた記憶がある。

このような時代にこの「being Digital」を読んだ。

すべてがデジタル化されていくこと(アトムからビットへ)に触れていて、ハードディスクは信頼が置けないとして、会社では全てのデータをフロッピーへバックアップしていた時代を過ごしていた自分にはにわかには信じられないことばかりだった。

ちなみに「アトムからビットへ」とは、アトムとは実体のある物、要するに最小単位が原子(アトム)からビット(情報の最小単位)の時代へ変わっていくことを示唆した言葉で、この本の重要な要素となっており、興味深く読んだ。


その本の中にはいろいろな話があったが中でも、 既存の電話回線を使って、その当時の何倍もの速度をもったネットワークを構築できるという話は突拍子もなかった。
おもしろそうだが、どうせ日本の企業はそんなことはしないだろうとも思っていた。

しかし、それから4~5年してその本のことを忘れた頃、ADSLが爆発的に普及し、ブロードバンド時代へと入っていった。
本にADSLと書いてあったかどうかは記憶にないが、ADSLの時代になってから初めてその本に書いてあったことが正しかったことを認識した。

そしてもう一つはケーブルなどを使った優先のHDTV番組の配信だ。
これは現在ケーブルテレビが発達したアメリカでは普通に存在するものとなった。


そして、今日久しぶりにその本のタイトルを思い出し、検索してみたところ著者はあの100ドルPCでおなじみのニコラス・ネグロポンテであった。



参照: http://journal.mycom.co.jp/news/2001/11/13/05.html

円谷プロ買収とニッチな映画とアルビン・トフラー

“漂流”する円谷プロ パチンコ傘下でウルトラマン復活なるか (SankeiBiz)


日本のCG業界は、パチンコによって支えられていると聞いていましたが、ついに日本を代表するSFX/VFX会社「円谷プロダクション」がパチンコ会社傘下に入ることになるようですね。
これからいろいろな議論が出て来るか、それとも当然の成り行きと見なされるか、個人的には注目しています。

円谷プロダクションは
2007年10月にTYOの子会社となり、かつてのミニチュアからCGへの移行が進んでいることを明かしています

2008年1月にCF/VFXを手がけるビルドアップ・エンターテイメントが、円谷プロダクションの特撮製作セクションにり、その後はバンダイナムコグループの資本参加などがありました。

今回の発表で4月上旬に、TYOは実質、円谷プロを手放し、フィールズ51%、バンダイ49%の株式比率となります。


いままで日本のCG業界はパチンコ業界からの仕事で成り立っていることはいろいろなところで散見していましたが、その資本力の強さが映画業界よりも強いことを見せつけてくれた一例かもしれません。
もしかしたら、このままパチンコ業界が映画製作に乗り出してくれたら、日本映画界、CG業界は安定するかも知れませんねw
パチンコ業界が資本に入ったからと言って、パチンコ色を全面に押し出してくるとは思いませんので、資本提供や、広告、パチンコ台への応用などを考えれば、かつてのスクエアがゲーム業界から映画製作に乗り出したように、パチンコ業界が映画製作に乗り出してくる可能性もないとは言えません。
ただ、30兆円産業と言われたパチンコ業界もかげりがあるようで、そんなことは起きないかも知れません。

<参照>
そこ、つっこみ処ですから:映像産業とかカジノとか
CGトラッキング:日本でハリウッドVFXを製作:経済産業省へ意見提出
J-Castニュース:テレビゲーム開発からパチンコ業界を目指す 楽しく安定した生活を望むクリエイター
マイコミ・ジャーナル:CG・VFXクリエイターは儲かるの? -CG・VFX業界の雇用形態と平均給与




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これから先、ユーザーのニーズがますます多様化していくことは十分予測できる。
車業界、家電業界がそうだったように、その影響はゲーム業界やパチンコ業界にも入り込んでくるだろう。
それは、おそらく映像業界でも同じで、すでにDVDにはその傾向が見られる。
Youtubeなどのネット映像配信で、その傾向には拍車がかかり、現在のハリウッド大作はこれから苦戦を強いられる時代になってくるかもしれない。
10~20年ぐらいは大丈夫かも知れないが、これからは大作自体がニッチなニーズになってくるかもしれない。
というよりも大作というジャンル自体がなくなっていくかもしれない。
ジョージルーカスもこれからは大予算映画の時代は終ったと言っている


このブログでよく引き合いに出す「アルビン・トフラー」の代表著作「第三の波」に書かれた「脱産業社会(Wikipedia)」は間違いなく映像業界に浸透しており、Youtubeは「生産消費者(Wikipedia)」の具現ともいえる。

「第三の波」を読んだのはもう20年以上前で、読んだ時は難しかったのであまり理解しておらず、「第三の波=情報化社会(コンピュータが普及した時代)」という認識しかなかった。
しかし、インターネットが一般に普及するのはもっともっと後だったこともあり、読んでいる内容に実感もなかった。
今、いろいろな書評やTV番組をみると、この本にはもっといろいろな情報が詰まっており情報化社会に移行した後に社会や経済がどう変わっていくかと言うことまで書いていたことを知って、その予言力には驚くばかりだ。
他の経済学者や未来を予測する学者と違い、ことごとくトフラーが言っている通りに成りつつあるような気がする。


DIAMONDオンラインの「アルビン・トフラー 未来学者の中の未来学者」に以下のような記述がある。
3部作を通じて探究され『パワーシフト』で最も強調されているもう1つの発想は、トフラーが「非大量化」(de-massification)と呼ぶものだ。この言葉は、20世紀後半に隆盛だった「大量」解決法とは反対の趨勢を意味している。彼は、マスマーケティングがニッチマーケティングやミクロマーケティングに道を譲り、大量生産が時とともにカスタム生産に取って代わられ、大企業が小さい自立的な単位に分かれるさまに着目している。政治や国家という概念でさえ、諸般の事情に精通するようになった個人の意識の高まりと、とどまるところを知らない情報技術の発展によってもたらされる「非大量化」の波にさらされるだろうとトフラーは考えている。
http://video.google.com/videoplay?docid=-4771029425568947236#
http://video.google.com/videoplay?docid=-307537355744872494#


現在のハリウッド映画自体がマスプロダクト的だが、それさえも、アウトソーシングやフリーランスが主体であり、これはトフラーの言う「生産消費者」の範疇になる。
そしてCGがより簡単になるにつれてノウハウを身につけたフリーランスやアウトソーシングの会社が自分の映像を作り出すようになってきたのはYoutubeをみればわかる。

このようなことから単純に考えると、これから先、映像産業もニッチなものが増えてくる、もしかしたらそれが主流となるかも知れない。
現在でも一昔前に比べて、ニッチな映画が増えてきた。
これにもっと拍車がかかるとしたらどうだろう。

一番の問題となるのはCG制作費のことで、いくら映像作成が簡単になったとはいえ、まだしっかりしたCGを作るのには費用の問題があるため、ハリウッド大作が幅をきかせてる。

マシンパワーの向上、ハードウエア・アクセラレーションによるリアルタイム・レンダリングやシミュレーションの向上がすでに実用段階になり、様々なソフトや、ハードの開発による自動化も進む。
まだハリウッド大作に十分匹敵する映像がつくれるかどうかはわからないが、映像製作コストはこれから確実に下がっていくだろう。おそらくこれから5~6年でかなりさがると個人的には思っている。

そこからくる個人や企業の収入減、CG制作の簡便さの向上を考えると、ノウハウをもった人達は、自分たちの収入をあげるために独立した映像製作をするようになることも考えられる。
実際に、デジタルカメラの低価格化とあわせて、これはすでに起きている。

これらの流れから推測すると、低予算での映像製作、ニッチなニーズになれてきた日本映画会のこれからは明るいかもしれない。
しかし、今まで大予算ができたCGが低予算でもできるようになることが即、優れた質をもった映画が作れることには成らない。
押井守が言っているように、予算の制限が取り払われたとしても作れない物もある。
一因として、大予算映画の映像製作者の目(良い映像と悪い映像を見分ける目、映像製作の指針となる。)が日本には育ちにくいということも考えられます。
「ハリウッドVFX・・・」で得られる「ノウハウ」とはこの部分を指しています。
みなが注目する部分は、大きなパイプラインや技術的な開発部分ですが、むしろここの細部を見分けることが出来る「目」が重要なノウハウの一つだと思っています。
いままでは優れた見をもっていても、予算がなければ生かすことはできませんでしたが、これからは違います。しかし今準備しておく必要があると思います。
LAで働いていて思うのは、優れた目をもつ人はかなり細部にいたるまでの、違いをはっきりと見分けることができるということです。
働き始めて1~2年のアーティストだとVFXプロデューサーやスーパーバイザーに遙かに及ばず、指示を受けても、何が違うのかわかってないことさえあります。
ハリウッド大作は、この細部に至るこだわりが集まって出来ていますが、これからは低予算でも効果的にこのこだわりを実現出来る必要があるとも言えるでしょう。

この「目」については、わかりにくいかもしれませんが、「Working as a Visual-Effects Artist(VFXアーティストとして働く)」という記事にそのことがもう少しくわしく書かれています。
 教育/資格:アニメーションとビジュアルエフェクツの教育プログラムは多くの大学で提供されていますが、学位や資格は求められていません。
MovingPictureのLA支部のマネージング・ディレクターであるMark Tobin氏は、以下のように述べています。
「もっと重要な事はアーティストとしての細部(ライト、影、テクスチャーなど)を見る目です。」
「あなたは技術的な知識を教えることはできますが、すばらしい目をさずけることはできまsねん」
「鍵となるのはドア(業界)に足を踏み入れることです」


 さて、そういった低予算映画と大予算映画の垣根が小さくなるころには、低予算映画を作成できる人や会社は、世界規模で今よりも遙かに数が増えている。
ニッチを目指せば、競争力が低いとはいえそれでも競争は高いと思う。
それに日本の作品は多少、ニッチすぎて外国人にはうけない物も少なくないとは思う。

ニッチを目指す低予算映画が台頭したとき、今ハリウッドのアウトソーシングを受注している各国は、そのノウハウを生かしてくるだろう。
日本はそのときもまだ「低予算だから」と、言い訳を続けるのだろうか?

2010年3月17日水曜日

メモ:前コンピューター時代のスペシャル・エフェクツ

http://www.mentalfloss.com/blogs/archives/49491

メモ:スタジオ閉鎖と「遊星からの物体X」撮影開始

3月15日、カナダのトロントにあるC.O.R.Eデジタル・ピクチャーズが閉鎖しました
Xマン、ブレイドII、バイオハザードII アポカリプスなどに関係しており、一時450名も雇用していたほどで、決して小さな処ではありません。
経営的にな管理が行き届いていなかったという声もきかれますが、順調と思われた、カナダに所在しながら何がまずかったのでしょう?


またゼメキスが設立し、最近ではクリスマスキャロルなどを生み出してきたImageMoverDigital(サンラファイル)が3月12日に、現在制作中の「Mars Needs Moms」が終る2011年1月に、プロダクションを閉じることを発表しました。

1997年に前身となるImageMoverが設立され、2007年にDisneyに買収されImageMoverDigitalと改名。
計11000平方メートルになる元空軍の格納庫を二つ使い、450名が働いています。
このため、LAではこの450人が職を失うことになります。
理由としては、「現在の経済状況では、我々のビジネスモデルにフィットしないので、製作を続行するためには代替案を探すしかない」とディズニースタジオのAlan Bergman氏はのべています。
(参照:AWN
ゼメキスはイエローサブマリンの製作、ロジャーラビットの続編、くるみ割人形なども計画しています。


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暗いニュースが続きましたが、ちょっと違うニュースも
ジョンカーペンター版遊星からの物体Xのリメイクですが、この金曜日から撮影が始まります。
撮影はカナダのブリティッシュ・コロンビアで行われますが、2011年の前半までは劇場でお目にかかることはなさそうとのこと。
映画は、リドリースコットの「エイリアン」の恐怖感とキャラクターを目標に掲げているようです。

・・・ちょっと嫌な予感が w
自分の経験では、ある監督や、作品の雰囲気を狙って成功した映画はかなり少ないように思います。ジョンカーペンター版はETの公開と重なったこともあり、興行収入的には失敗しているのですが、根強いファンは多い作品です。

ジョン・カーペンターの場合は、見せるところは見せるが、見せないところでは、心理的な恐怖を煽ってくれました。

そのコントラストとテンポ、そしてエンニオ・モリコーネの音楽がそれを2倍、3倍にしてくれました。
マイケルベイは「映画の半分は音楽で決まる」と言っていたそうですが、まさにその通りでした。


これが「遊星からの物体X」の味でもあったと思うのですが、リドリースコットの「エイリアン」はじわじわというよりも、「いつ出て来るか?」というおばけ屋敷的な恐怖です。
ちょっと質がちがうんですよね。
それにエイリアンが怖いと言うよりも、他人が怖いというか、「こいつはエイリアンじゃないのか?」という恐怖のほうが強かった。
(まぁいつ出て来るか という楽しみもありましたが)
高校ぐらいの時に、この手の恐怖物が流行ったこともあり、自分なりに考えたのが、エイリアンなどの異形のものより、人間の姿をしていて本当は中身が人間じゃないもののほうが一番怖いんじゃないかと思ったことがあります。
このあたり、恐怖に関連する物 は全部はいっていたのかもしれません。


リドリースコット風でも、それはそれでおもしろいかもしれませんが、前作の「遊星からの物体X」のインパクトが強かっただけにそのテイストを失うんだととしたら、ちょっとがっかりです。

FX作成(おそらくクリーチャー作成)にはスターシップトルーパーズ、トレマーズ、エイリアンの続編シリーズやエイリアンvsプレデターに関わった歴史をもつAmalgamated Dynamics社。

生き物の感じを出すのはうまいところですし、CGじゃないのは安心しましたが、ロブ・ボッティンの物体Xを超えることができかというと多分むりではないかと。 特定の形状におちついた物体Xにだけは、なって欲しくないというのが個人的な希望です。
良い意味でこういった予想を裏切る作品になって欲しいです。



他にはグリーン・ランタン(2011年6月公開)の撮影も3/15に始まりソー(thor)(2011年5月公開)も続々キャスティングが進んでいるようです。

またホビットの冒険シリーズもいよいよ6月に撮影が始まるようです。 まぁこれはどちらにしろWetaの仕事でしょうからこっちには関係ないか。
(3月19日追記:
「ホビット」は3Dに変更になり、そのために撮影も10月に変わる可能性がでてきました。正式な決定はグリーンライトが点いてからということです。公開予定は今のところ2011年の12月。
ソー(Thor)の撮影も来週月曜日からはじまると正式発表されました。)

2010年3月15日月曜日

アイディアボックス終了

皆様お疲れ様でした!!
経産省アイディアボックスが昨日で終了しました。
(アイディアボックスはしばらくは現状のままで閲覧可能です。)

様々な方のご協力で、日米欧から多くの日本人が参加してくださり、大変有意義なものになったと思います。
ブログや、ウェブサイト、Twitterなどで呼びかけて下さった方、本当にありがとうございます。
そしてユーザー登録が必要だったにもかかわらず、またアイデア自体もまとまりきっていなくて長い文章をよませることになったにも関わらず、投票ならびにコメントをして下さり、本当にありがとうございます。
学生さんはコメントし辛かったかも知れませんが勇気をだして書いてくれた方ありがとう、その気持ちは絶対に多くの人に伝わっています。


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さて気になる結果は
総投票数224、コメント数196、投票内訳は
★ 賛成する 212票(95%)
★ 中立    5票(2%)
★ 反対する  7票(3%)


私の希望では200に到達してほしいと願っていましたが、それを上回る好結果となりました。


他のアイディアは、広報活動を行ってまで人を呼び込んでいたわけではないので、比較するのは意味が無いのですが、
●「コンテンツ産業の振興」分野で、投票数、コメント数共に一位。
●アイディア全体でも、コメント数以外は一位。(コメント数は二位)
だったことをお伝えしておきます。

アイディアボックスの最終登録ユーザー数は3799人
投票数224から計算すると、登録ユーザーのうち、5.9%の方がこのハリウッドVFXのアイデアに参加して下さったことになります。



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経産省によると、サイト自体は、3/31までは現状のまま閲覧可能。それ以降は、形態は変わるかも知れませんが公開は続けるとしています。

気になるアイディアの行方ですが、
「頂戴したアイディアや議論については、産業構造審議会情報経済分科会におけるIT政策の議論に活用してまいります。」とされています。
詳しくは下記のページをご覧下さい。
http://www.meti.go.jp/topic/data/100216ideabox.html


「産業構造審議会情報経済分科会」とは長たらしい名前ですが、
「産業構造」を「審議する会」の「情報経済」の「分科会」と分けていただければ理解しやすいかと思います。
もうすこしかみ砕くと、経産省が権限をもって管理しているグループであり、、
産業構造の改善、経済的な競争力強化のための戦略などを調査、検討し、よしあしの判断をくだす(審議する)会です。
これは学識経験者などで構成されます。(参照:Wikipedia

審議会は、いくつかの分野により小分けにされた分科会からなります。
情報経済分科会」はそのうちの一つで、情報処理の促進に関した事柄を扱います。


今回のアイディアボックスの内容は「IT政策の議論に活用」と言っているように、その分科会が開催されたときに議題として扱われるという事になります。
この分科会が開催されるのは、3月下旬となっており、4月末までにその報告書がとりまとめられることになっています。(参照:産業構造審議会情報経済分科会


今回のアイディアボックスの結果がどのような形で委員に公表されるのかはわかりませんが、投票数や賛成数も委員に伝えられるのであれば、十分に目をひくものであることは確かです。


さて、気になるところはこれが採択されるのかどうか?というところですが、それは全くわかりません。
実際に定量的なデータが少なすぎるので、明確な判断を下しにくいような気はします。
経産省やその他の部署でも、問題の一部は認識されており、それにかかわる情報調査はされています。
今回の内容について、さらに定量的な情報を経産省でそろえていくことは十分考えられますが、集めるべき情報が多岐にわたり、業界の内部構造に関わる数値は、企業側も公開しないでしょうから3月下旬までに審議会に明確な判断ができるだけの情報をあつめるのは難しいような気はします。

では今回のアイディアボックスに関わる活動は骨折り損であったかというと、そうは思いません。
すくなくともVFX業界に関して何らかの問題提起はできたと思います。
そして、うまくいけば引き続き調査をするという可能性もあります。

「ハリウッドVFX・・」がすぐには無理としても、アニメーション分野で起きたように、日本の崩壊しつつあるVFX労働環境にまずメスが入る可能性もあります。

「ハリウッドVFX・・」を実現するには、まだまだやるべき事がたくさんあります。

言い出しっぺは私でしたが、反対、中立の方を含め沢山の意見がだされ、多くの人が協力し合って考えることの大切さと力をこのアイディアボックスを通して知ることができました。
私一人ではできることなど本当に限られています。やっぱり国を動かすほどのものにするには多くの人の協力が必要不可欠です。
これからもこの協力体制を持続して、経産省へさらなる情報や解決策の提起を続けて行くことができれば良いなと思います。


eighteenPercentさんのご好意により、波及効果に関するマインドマップはそのまま残されます。ユーザー登録をすればだれでも追加修正が可能ですので、共有資産として使っていきましょう。
http://www.mindmeister.com/44435080/vfx

私、個人は引き続き、いろいろと調査を続けていこうとは思っていますが、年末調整やら、一時帰国やら、visaやらでやることが沢山山積みなので、4月末まで、ちょっと活動ペースは落ちると思います。



この動きに興味はあった物の、見るだけに終った方、直接参加ではなくてもできることはあります。
今自分に出来ることやりたいことをどんどん進めて下さい。
それが結果的に良い方向につながると思います。

自分がちゃんと出来てないので、えらそうなことは言えないのですが、「将来役に立たないからやらない」というよりも、「将来役に立つかもしれないから、今がんばったほうが良い」とは思います。

これに関してはUjiさんが偶然にも最後の書き込みで、非常にうまく閉めて下さいました。
「改善すべき労働環境、超えなければならない大変なハードルは山のようにあると思いますが、追いかけるべき大きな目標(坂の上の雲)、があるというのは、仕事として非常にやりがいがあるなと私は感じます。
この気持ちを忘れずに、まずは自分のできることから始めていきたいと強く思いました。」



最後に今回、投票して下さった方のユーザー名を転載して終わりとします。
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投票ユーザ

★賛成: melon、だい、KitLit、ドンチチ、Nori、スーさん、ta__ki、うをっち、masaru、newk、szm23269、minami、nokoko、Voyager、nishnush、Sizzle、idea_hiro、kensuke、Bean、KEI、aloe、yusukeokey、にっくん、いけやん、evakan、mame、GY、tomooca、unmeet、チロチロ、76yuki、maruTatsu、こういち、tonpyan、カカシ、nippon_gamba、KKto_idea、ジャック、nibanhoshi、川崎、peach_dragon、hal9009、タケチュー、KTV、nahomi、ノムネル、鍋潤太郎、megadriver、赤メガネ、eastbosk、asakura、岩田一秋、D_Sato、babapo-、パサ、adoruk、悠、saito_feijapan、keigo、cyborg023、T.Miyata、makking、jobanni、hornkkkk、kanack、swakwak1111、yuki0497、ペッパー、yuki11082006、deka、eitaro、ez、artificalcorpse、ようへい、takashi、achan、satoru76、cabosu、kmagu、omegaconste、daisukewatanabe、mokcos、コム、takiraw、metalfly、アウトサイダー三矢、mkyan、HERO1984、nuish、masso、kk、Meiste_Yukio、dhcia、motakumo、田中さん、masami0335、reji、tkr、mikeneko、鈴木陽介、クー、cia_o、target、keito、issin、バイペッダー、ajo、hsuda、AZKS、satorude、Uji、昼間たかし、イマロウ、irezumimon、ulto、clock、yu_n、ひまじんルンバ、mimimimi、aimez、yuma、YujiArai、更紗、SHINY、magnoria、sigetii、FM5、田中、SAN、T、shiina、zazenboys、conycony、hiroex、tk50、toy、Mya、upperfant、はるにゃお、taikomatsu、suta、datemaku、hoku7、ライトゲーマ、ほろ、S.A.M.、クロシロ、kaiu0415、リグ、GramsTokyo、ramuniku、spencethree、takeshi、PS13-、RPS13、redtail、mameo、tokinoue、cork、Promo、ig88、ふりゅ、ぽぽ、boro、kogarasumaru2001、hhh_wwe3、かぷちう、arahinakai、SY、Co,、mat、SAYJING、mot、maroyakakun、星野申匡、taji、NINE、mimura、ジャックランタン、スー、pon、chie、llcheesell、velvetface、Hayaashi、ranpou、玲於那、KeiYoneoka、vvv、S.F、tanoue、rui_fukuma、sj、maks、Snowdrop、Nobuki、kissiy_178、yamajyaki、Ta-、key、cozmu、taken、ikaakira、shimayan、sudarium、mat_uno、bibitora、taku1207、suu、enigma、tochi、hamabeshonen、tk533、YY_N、Simba

★中立: eighteenPercent、プロジェクトKM、NAL、しま、wataridori



反対ユーザーに関しては、賛成の人に不必要な感情を抱かせることになるので、省略させていただきます。 反対している方の一部はこのアイデアの主旨を誤解されているだけだったり、このアイデアの一部には賛同できるが書かれている内容自体には反対という方もいらっしゃいます。
またまったくVFX業界の事は知らず、ITという分野での意見を述べられている方もいます。
反対にもかかわらず、メールなどで良きアドバイスや応援してくださった方もいます。
そうしてみると悪意や批判をもって反対しているひとはいなかったように思います。

人それぞれの立場により意見が異なるということだと思います。

デプス情報をもつ3D-USB カメラ

PMD 3D-USB カメラ (情報元:Image Sensors World)

PMD Technorolies社が開発した一つのカメラで、リアルタイムで疑似立体画像を作成する方法。
実際にYoutubeの画像を見るとわかるが、撮影される画像は通常と同じ単眼の画像だが、それに合わせてデプス情報が記録されている。
このデプス情報を利用すれば、完璧ではないがある程度の視差を保たせた画像が作れるという事になる。

後述しますが、その基本的技術としてTOF(Time of Flight)が使われているのですが、これは新しい技術ではないのもののUSBパワーでここまで動くのはかなり驚きのようです。

他にもCSEM社が似たようなUSBパワー駆動のToFカメラを作成したとの情報もあります。
(参照:PDFファイル
CSEM社のファイルには、
「個々のピクセルの距離を測ることで、3Dイメージをリアルタイムで作成する方法」と書かれています。


リアルタイムかどうかは別として、デプス情報をカメラ撮影時に取得しようとする流れは、10年近く前の情報誌でも見たことがありますし、2007年にNTTコムウェアも発表しています。
シーグラフ2007でも、DoFが変更できるカメラが紹介されています。

今までにも、デプス情報に関しては、ことあるごとにブログで書いてきましたが。
これが必要十分な質(この「十分な質」ってのが重要ですが)で、プロ用のムービーカメラに備わるようになれば、映像の革命がおきるのではないかと思います。

まず、撮影された画像から、個々の要素を抽出することが出来るようになります。
ショットによってはグリーンスクリーンは不要となり、撮影の自由度も上がり、経費削減になります。
またマスク(ロトスコープ)の作業が大幅に軽減されます。
マスクの有効性についてはすでにDistrict9で実証されています。
District9では3Dソフトで作成されたエイリアンのデプス情報をポイントクラウドとして、Nukeの中で利用することで、エイリアンの体の一部をマスクすることを非常に簡単にしています。

DoF(被写界深度)の調整は当たり前にできるでしょうから、そうするとカメラ自体は、パンフォーカスのほうがポスプロ的には、良いということになってきます。

実写映像でどこまで可能かはわかりませんが、
擬似的なオクルージョン、鏡面反射、スペキュラ、HDIR、リライトなど様々な応用ができる可能性があります。

また、映像から3Dモデルを作るのも簡単になってくるでしょう。
デプス情報から簡易3Dオブジェクトを作成すれば、パーティクルなどのエフェクトとの相互作用も簡単になる可能性はあります。
(一つの角度から撮影しただけでは、完璧な立体物が作れるわけではないので、さらに研究、調整が必要だとは思いますが)


参照エントリ:最新Nuke事情 「Dsitrct9」メイキング


カメラトラッキングの精度も上げることができるでしょう。
この機能をもったカメラで撮影し、もう一つ補助として使用すれば、ほぼ完璧なような気がします。
画像ベースのモーション・キャプチャーも発展するでしょうし、フェイシャル・キャプチャーの精度も上がるように思います。

立体視映像に関しては、この方法では、画像自体が一つしかないので限界はあると思いますが、キャメロンのフュージョンカメラのような二つのカメラを組み合わせた方式とこのデプス情報を取得する方法が組み合わされば、その問題も解決するかもしれません。

そうなると、アバター以上にCGと実写映像のブレンディングが、早く、完璧にできるようになることが予想されます。


そのような時代がくると現状の多くの仕事が失われる事になるかもしれないですが、「映像を作る」という作業に関してはかなり自由度と低予算化が広がると思います。

おそらくそれはそう遠い未来ではないような気がします。
そして、これは日本の得意分野でもあるように思いますので、是非日本が主導権を握り道を切り開いていって欲しい部分でもあります。


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Tof(Time of Flight)について

正確性はわかりませんが自分で調べた限りの情報を書きますと
Time Of Flightとは直訳すると「飛行時間」
工場のパイプや胎児の様子をしらべるのに使われる超音波検査がそうです。


基本的には、
「光や音波を発信し、対象物から反射して帰ってくるまでの時間を用いて、距離を測定する方法」
です。


航空機からレーザーで地表をスキャンし、高さを含む三次元情報を取得する航空レーザ測量
(参照:やさしい航空レーザ測量の話


潜水艦のアクティブ・ソナーなどもその一つですね。
アポロ計画で月面に設置された反射鏡もレーザー光線を使って月との距離を時間差によって測定するための物でした。

MRと呼ばれる磁気共鳴装置でもこの用語は使われていますが、どのように使われているのかは、複雑な話になり自分も理解出来ていないのでおおざっぱな説明です。正確性については保障なしです。

磁気共鳴は基本的に体内の水素原子核が磁石の性質をもつことを利用しています。
強い磁石により、原子核の磁石(正確には磁化)の方向をそろえます。
そこに電磁波(ラジオ派)をあてると磁化にコマの首振り運動のような動きが起こる。
そして電磁波を止めると、徐々に元の状態に戻る。
このとき、体内の組織によってその戻る速さが異なるのでこれを利用して画像にする。
MRAという血管を撮影する方法では、パルス照射の角度を調整し、血流による信号強度の変化を利用しているようです。
詳しいことは理解できなかったがこの血管撮影の分野で使われている技術の中にTOFがあるようです。


画像と同時にそのデプス情報(立体情報)を利用しようというのは新しい事ではなく、工場のオートメーションにも応用されており、様々な分野でその価値が認められています。

made in japan

先日、カメラのセンサを清掃してもらうためにNYにあるアメリカ支社へ、ボディーと交換レンズ4本を送付した。
それ以外にも以前調整に出した後に、わけもなくビープ音がすることがあり、その点検もお願いした。

ほどなくして、工場へ送る必要があるので、同機種の新品と交換でもよいかとの連絡が来た。


実は、この会社はいまだに全商品をMade In Japanで生産する唯一のカメラメーカーである。
カメラ本体の電子機器など、すべてのパーツがMade In Japanとは思わないが、少なくともレンズ研磨、最終組み立て、品質チェック、などは国内の工場でやっている。

そのため「工場へ送る=日本へ送る」となり、その費用も馬鹿にならない。
発売されて3年ほどたつ機種なので、販売価格もさがっており、近々後継機種も出ると有り、原価もさがっているだろうし、店にも出せない在庫があるのだとは思う。
そういったことから、交換するというのは無難な選択肢なのだと思う。

でも、ここまで読んで、なぜ工場へ送る費用をユーザーが負担しなくてよいのか?
と不思議に思う方もいるかもしれない。
工場へ送らなければ行けない理由は聞いていない。
もしかしたら以前の調整で、向上でなくては調整できない障害があったのかもしれない。

どちらにしてもこのメーカーは非常に顧客サービスがよい。
いままでにレンズ調整で二度、送ったことがあるが、2回目は先方の調整がうまくいっていなかったこともあり送料を負担までしてくれた。

日本のカメラ業界でもアウトローと言えるこの会社は、社長の方針もあり、顧客の面倒見が非常に良い。
それは同じカメラの日本ユーザーのフォーラムでも伺える。
時としてそれでは採算が成り立たないだろうと思うほど、ユーザーサービスが良い。
CanonやNikonのサービスを受けたことはないが、おそらくそこまではしないだろうと思えるほどだ。この会社の品質や理念に同意できない人もいるようだが、自分は、真にカメラ好きのユーザーのことを社長から、末端の社員までが考えている会社であると思う。

そしてこの考え方や顧客に親身になって対応してくれる姿勢は、在りし日のMade In Japanを思い出させる。
そしてこれこそが、日本の得意とすることであり、品質にその心意気が表れ、「Made In Japan」がブランドとなっていた理由でもある。

カメラ自体は、CanonやNikonと比べると4~10年遅れた機能しかもってない。
実際、子供の撮影などには使いづらいときもあり、ムービーもとりたいので、次は大手メーカーにしようと考えていた。

しかし、このカメラでしか撮れない画質があり、今は、次の機種も買いたいと思いはじめた。


CGは今や普遍的な物であり、 どの国でつくってもそれなりのものが作れる。
この分野にMade In Japanのスピリットをもちこむことは出来るのかな?とふと思った。
それが不可能なら自分にとって、CGの仕事への魅力が減少する部分がある。

参照:http://www.21ccs.jp/china_watching/KeyNumber_NAKAMURA/Key_number_26.html

2010年3月14日日曜日

ILM CGI メイキング動画

ILM CGI メイキングの動画。
かなり古いですね、作品が1999年のものですので当時のおそらくAliasの宣伝用だと思われます。
MayaとMelによる拡張性を強調しているところからそう思ったわけですが、けっこう貴重な画像がありますね。

SWep1のポッドの内部構造や、アニメーションなどの要素別の分割がよくわかります。

当時はこんなの無理だと思いましたが、いまなら時間さえあれば何とかなるかも知れないと思えてきます。
ハムナプトラ(1999)の橋が崩壊するのはAPIを利用していると言っていますが、プラグインでしょうか?
またスカラベの大群はパーティクルを使った群衆シュミレーションであり、 ロードオブザリング(2001)の2年前ですから、Massiveも無かった時代ですね。
これだけのパーティクルだとスカラベの相互干渉はまったく無視ですね。
実際、映画でも重なりあってるというかお互いに食い込んでいたと記憶してます。
興味深かったのがパーティクルシミュレーションのスピード、おそらくAIインプラントのような簡易AIを組み込んでいるのだと思いますが、その計算のせいか、かなり遅いですね。
 
これもまた自分で出来るかも知れないという(あくまで「かも」です)期待を抱かせてくれます。

こうしてみると自分も成長したんだなと思いますが、考えてみれば最先端のスタジオはさらに進化しているわけですね。



2010年3月13日土曜日

日本の学校

モンスター化した大人が破壊する、子どもたちの大切な“もの”(日経ビジネスオンライン)


この記事を読んで、日本の学校はそこまで変わったかと、将来が憂えてくる。
最近は学習院の学級崩壊の有無が問われているが、それを今では当たり前のようによくあると書いている記者もいる。
実際そのような記者が、日本の学校のことをそれほど知っているとは思えない。よく聞くニュースで判断しているだけの話だろう。よく聞くニュースとは大抵は悪いニュースしか頭に残らない物だ。
なので、このような記事を真に受ける人はそれほどいないとは思うが、「当たり前」と書かれるとそれでも不安になってくる。

しかし今回の記事は、そのようにいたずらに不安をかき立てるだけではなく(残念ながら多少は不安をかき立てる記述があることは否定できない)、冷静に現状の分析を試み、解決の糸口を探そうとしていることには、好感がもてる。





マスコミの、学校や授業の質に対する批判は根強い。
最近は、ことあるごとに騒ぎ立てる。

このようなマスコミの態度から、人権を盾にとる親の正当化が拍車を掛けているのではないかと思った。


自分が中高生のころも不良やツッパリと言われる生徒はいた。
しかし、それが学級全体に広がることはまれである。
少なくともそういった先生方はそういった無秩序を認める姿勢は微塵にも見せないので抑止力が働いた。
高校の時などはたばこを持っていたという理由で、授業中に呼び出されて体育の先生二人に殴る蹴るされる生徒もいた。(これはやり過ぎだがw )


 この記事に書いてある「間違いを起こさない無難な教師」は、私の時代でも求められていたことだと思う。
ただ「間違い」 という言葉の意味が変わってきているようには思う。
道徳的、社会的に正しいかどうかではなく、「騒ぎ立てられないようにする」といったほうが良いように思う。
マスコミや親に騒ぎ立てられなければそれで良いということだ。

それでは親やマスコミの考える教育に合わせていくことになる。
先生というのは教育のプロであるべきで、プロがお客さんの言い分にあわせて自分のやり方をかえたり質をおとすのはどうかと思う。
他の業界ではまず起こりにくいことではないかと思う。





また、こういった学校をめぐる状況の裏には、人と人との触れ合い、自分の行動が人に影響すると言うことの実感が希薄していることがあるいのだと思う。

そして、実際に子育てに関わっている親や教師は、そういった希薄さが当たり前の環境でそだってきている。そしてそういったリアリティーが欠けて育った親が今や子育てをしている。
もちろん、すべてが問題があるほどのリアリティーが書けているとは思えないが、多かれ少なかれ現代社会で暮らしている以上、誰もがその傾向はあるとは思う。
偉そうに言っているが自分もそうだ。


子供達はそいういった人と人との触れ合い、心の触れ合いが希薄な大人達の元で、何かに導かれることもなくただ漂う。
加えて、知識詰め込みの授業によってありあまるエネルギーをどこに放出して良いのかわからない子供が増えているだろう。



こうした中、携帯電話、メール、掲示板、Youtube、TV電話そういうもので人の触れ合いが完了していると感じる大人がいることは問題だと思う。
もちろん、そういうことがより心を開くこともあり、より多くのコミュニケーションをできることもある。
しかし面と向かって、心を開いて話し合うことはますます難しくなってくる面もある。



人と人とが直接、面とむかいあうのが、人と人との触れ合いである。
たとえ相手が自分の好きではない相手でも向かい合い、相互の理解を得るために話し合いをする態度画必要になる。

二人の人の間に糸電話がはいるだけで、何かがわずかに希薄になる。
お話をしてあげるのではなく絵本を読むのでは、何かがほんのすこし希薄になる。
歌を歌うのではなく、CDを聞かせることでも、希薄になる。
カメラを通してみた映像は、もっと希薄なのかもしれない。
人の声、人の触れ合いから得られる物よりも、何かが違う。

このことを話しただけで、実感として感じられる人が減っている。
理論的には理解出来る人は少なからずいる、しかしありありとしたリアリティーをもって感じられる人は少なくなっているように思う。

ほんのわずかなことかもしれないが、それが多く積み重なり、ここの数十年でその希薄さが増加したように感じる。

コンピューターのネットワークが発達し、心と心のネットワークが衰退しているのかもしれない。
心はたえず人との触れ合いを求めている。
しかしながら直接触れ合いをした経験が少ないがために、SNSや携帯メールに心の行き場を求める。
孤独だからマスコミや、他の人達の同意を求め、自己の正当化に翻弄する。


今の社会や、学校の状況は、政府や先生が作ったのかも知れない。
その原因は両親達がつくたものかもしれない。
その原因が自分たちにあることに気がついてないのかも知れない。
その人はモンスターペアレントではないかもしれない。
しかし、モンスターペアレントのもつ一部を自分の中に持つ人はいるだろう。
それを自分の中に持たない人でも、自分の意見を出すことに躊躇する人はもっと多いだろう。
その人は、自分の意見をださないことで、それと反対の意見さえも容認することになるかもしれない。


もっと人と人との触れ合いを増やし、
人と自然との触れ合いを増やし、
自分の外界にある生き物、人間の存在に対する現実感を高めることがとくに幼少期には重要だと思う。
相手の存在への現実感が高まり、その相手の心に対する現実感が高まれば、心と心のコミュニケーションも始まる
それが出発点となる。
そして、どこまでも理解を高めようと努力するには相手の人間性を信じることができるようになることが必要だ。


今の親は、その経験が希薄であることを我々は自覚すべきだと思う。
それは教師側にも言える。
そして子供自身にも責任はある。
自らの人生に責任を持つことは子供の頃から始めるべきである。


この障害となるものに、マスコミの学校批判、教師批判がある。

これは親に自己正当の理由を与え、学校を萎縮させる。
萎縮している人間が俯瞰にたった冷静な判断ができるわけがない。批判を言う人間に従うしかない。
いかに正当にみえても批判する側のこころの奥底にうずまくものは相手の破壊である。本当にただしければ破壊すべき物もある。
しかし、それは教育の場においては、「良いvs悪い」を持ち込むことになり、戦争の原因となっているのと同じ心理を育ててしまう。。
よっとこれを助長するマスコミの学校批判と教師批判は規制するようにしてはどうかと思う。
それを子供達は敏感に感じ取り学ぶ。
それが目指す教育ならそれでよいかもしれないが、そうではないだろう。



事実を伝えるのはよいのだが、それにマスコミ自身の意見を差し挟むことは一切禁止する。
全てにおいてではなく、学校、教育、生徒、そしてその親に関する事についてだけでよい。
マスコミは感情を刺激し、視聴率を上げることしか目的にない。
視聴者に対しては無責任どころか悪影響になっている。
NHKニュースのように事実だけを淡々と伝えることだけを許可する。
エッセイは親と教師両者に対し、建設的な意見を述べるものだけに公表を許可する。


ただ、これは現実的ではない。
一番現実的なのは、個々の人間が事実のみを信じ、マスコミの意見や有識者と呼ばれる人の意見を鵜呑みにしないことだ、自分の目の前のことをじっくり観察し、事実を拾い出し、無理解を理解に帰る努力をする。
これをすべての親と教師が、少しづつでもやっていけば、おのずと解決の糸口は見えてくるのではないかと思う。

得られるノウハウについて

前々から気になっていたことがひとつ
それはハリウッドVFXを受注する事でノウハウを取得するということです。

ここで言うノウハウとは何か?
自分では肌で感じる部分なのですが、それがどれほど重要な事なのか
(ようするに税金を投じる必要があることなのか?)が明確にできないでいます。
またそれにどのようなメリットがあるのかも同じく、なかなか文章にできないでいます。

これらは重要なポイントなんですが、考えをまとめるにはもう少し時間と情報が必要です。

ひとつだけ言えるのは、一般的にノウハウというと技術的なこと
たとえばソフトウエアやプラグイン開発、シェダーの書き方を想像してしまいがちなのですが
自分の中ではもっと異なる部分、技術以外の部分のように思っています。
それはCGに関する事かも知れませんが、もっと映像全般にわたるもののような気がしています。

基本的に技術的な部分は日本人はなんとかできると期待していますので、
そこではどうしようもない部分。
いわば技術を使う方向性、そして世界市場に載せられるための作品と日本独自の作品との違いとなっている、文化的違いによる、感性の部分、そのような範疇のことだと思っています。

ハリウッドVFX成功事例: (IRAS / ネパール)

ネパールの様々な情報を伝える「myrepublica.com」でネパールでハリウッドの仕事を受注し飛躍的に成長している、あるプロダクションを紹介していました。


はっきりこの記事には驚きました。
ネパールしかもカトマンズ
こんな感じの所です。
仏教の寺院や、ヒマラヤ登山の入り口としてしか認識がなかったので、意外な感じでした。

インドには、経済的に、似たような雰囲気もあり、まぁ不可能ではないと思いますが、山に囲まれているし、インドほどITは発達していないはずと思っていたので、ここまでハリウッドと密接に関係したプロダクションがあるとは思いませんでした。

アメリカとやりとりするとなるとネットワークが重要。
以前、カトマンズのインターネットは速度が遅いときいていましたので、それがネックとなっていないのか?と不思議になり調べてみました。
下記のホームページをみるとインターネットもブロードバンドがあり、企業的にはさほど問題はなさそうです。http://homepage3.nifty.com/earthbound/golakusitunai.htm



以下に記事を翻訳しましたが、日本でハリウッドから受注することを考えるにも参考になることがたくさんありました。

まずCEOがDisneyでプロダクションの長をつとめたりVFXスープの経験者であるということ。
きっとハリウッドとのコネや人とのつながりもあると思いますので、仕事はとってきやすかったと思います。
逆に言えば、このような人がいれば日本でも成功に導きやすいと言うことではないでしょうか?
以前から言っていたVFXスープの重要性をもしかしたら裏付けてくれる事例かもしれません。

またこのように才能とコネがある人ならわずか二年で15人から85人の規模に増やし、仕事もコンスタントに取れるようになるということですね。

もうひとつは、コンセプト、ストーリーボード、デザイン、アニメーション、SFX,VFXと多岐にわたる作業をしているということです。
コンセプトやストーリーボード、デザインに関しては、ハリウッドの仕事に対してではなく、国内の仕事に関してのこと、すなわち会社全体でやっていることをあげているだけのように思います。


ここには人件費のことはのべられていません。
記事では最後のほうに「立派(ハンサム)な給料」としてしか述べられていません。
カリフォルニアのアーティストの給料の額を具体的にだしているのに、明言を避けていると言うことは、かなり安い可能性は否めません。(それでも現地としては破格の給料なのでしょうが)


次に、目的としてはネパールのアニメーションを世界に知らしめること、そして国内の雇用促進があります。
これは今、経産省が方針として掲げていることに近いのではないでしょうか?
まさに成功事例です。



------------以下記事の翻訳----------------------------
私の適当な意訳ですので、正確な内容を求める方は元記事をお読みいただくことをお勧めします。

Nepali animator bags more Hollywood contracts
(ネパールのアニメーターはもっとハリウッドとの契約を求めている)



2月28日カトマンズー発 by DINESH KARKI
国際市場の要求が発展していることに感謝します。
ネパールでただ一つの組織立てられた3Dアニメーションと立体映像の会社「Incessant Rain Animation Studios(IRAS)」が今までになく急激に規模を拡大しています。

(この会社はアメリカにも支社を持っています)
(実際の所在地)

IRASは芸術と技術における才能ある人々のチームを率いたパイオニアです。
契約をかわした会社には、ディズニーアニメーション、SONYピクチャーズ、Foxネットワーク、CBS、ニコロデオン、XLTなど、その他にもたくさんあります。
そして数ヶ月前にアメリカのコロンビアピクチャーと最先端のVFXの仕事をすることになりました。

IRASは2008年にスタートし、15人のアニメーションとグラフィックスのアーティストで始め、(そしてわずか2年後の)現在、85人を抱え、さらに拡張しています。

アニメーション・スタジオとしての活動もしており、コンスタントにアニメーション映画の脚本を得ています。

CEO のキラン・ジョシ(Kiran Joshi)はDisneyでデジタル・プロダクションのヘッドや、ビジュアル・エフェクツ・スーパーバイザーを勤めた経歴をもっています。ディズニーによってプロデュースされるアニメーション作品に関して技術的、創造(芸術)的な面を管理する必要があります。

写真:CEO のキラン・ジョシ(Kiran Bhakta Joshi)氏
IMDB

現在はコロンビア・ピクチャーの二つのプロジェクトが進行中で、そのうちの一つは、ゾンビーランド(Zombieland)のようなVFXプロジェクトです。

IRASは、コンセプトストーリーボード、デザイン、レイアウト、モデリング、テクスチャー、アニメーション、ライティング、スペシャル・エフェクツ、ポストプロダクション、VFXに関わっています。

西欧諸国からのアウトソーシング意外に、IRASはネパールの神話に登場するユニークなキャラクター世界の人に紹介する計画を進行しています。

ジョシは「我々は、自分たちのキャラクタを全世界へ展開したいと考えています」
彼らは民間伝承と神話に登場するネパール独自のキャラクターをストーリーを変えたアニメーションによって、ネパールのブランドとして世間に知らしめたいと考えています。

2011年の中頃を目処とし、現在は初期の開発段階にあるそうです。



IRASは、最近UN Wrold Food Programのために、ヤクをおもしろい方法で紹介する、3Dによる広報映像を作成しました。

アニメーションは世界で、数十億ドル規模の業界です。
インドは1500ものアニメーション会社を通じ、10億ドル(1000億円)近い年間の総収入を記録しました。
中国も海外の企業を含み約2200のベンチャー企業が参加しています。

ディズニーやコロンビアピクチャーと言った海外有名企業とのビジネスでIRASはネパールのアニメーション業界に新しい道を開きました。

ディズニーはインドに支部を作っています。
しかし彼らは、ディワリ祭(ヒンズー今日のお祭り、インド最大のお祭り)向けにミッキーマウスの3Dアニメーションを作るために我々を選びました。

私たちは映画をプロデュースし、我々の気概を証明しました。
(Youtube動画)


ネパール・マーケットについて
IRASは海外の企業に対して高めの費用を請求しますが、自国のクライアントには通常の費用を請求します。
最近、一本の角をもったサイのアニメーションが使われたAce Development Bankの広告映像を作成しました。
(Youtube動画)

そしてもうすぐMerchantile Communications社のために、キャラクターとしてイェティーを使ったアニメーションの広告映像を作成します。
ジョシは「ネパールで何をするにしても、我々の主な目的はアニメーション・アートを促進し、援助をうけるべき若いアーティストをこの業界に引き入れることにあります。」
「カリフォルニアで働く3Dアニメーターの給料は年間約6万ドル(600万円)です。」
「ネパールのアニメーターもまたIRASを通して国際的クライアントと働いているので、彼らも立派な給料と施設を得ています。」
と語りました。

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同サイトは3月3日に
Young Nepali 3D Animators
(ネパールの若手3Dアニメーター)
という記事も掲載しています。


Youtubeでスタジオを紹介した物をみつけました。
はっきりいって、ハリウッドのスタジオと比べて遜色がないというか、下手な中小規模は遙かに超えていますね。
経済環境が違うとはいえ、正直言って日本も、もう少し危機感と、やる気をもってほしいなと思います。



しかし、民族系大好きの人で、CGも好きな人、そこそこの給料もらえれば良いと言う人は天国ですね。ヒマラヤの自然に触れられる生活もいいかも。
アーティスト募集しているみたいだし、応募してみるかw

関連情報:ネパールTimes 「Outsourced toons

坂口博信氏の行方

ゲーム「ファイナルファンタジー」の生みの親であり、映画版の監督も勤めた坂口博信氏。
いままでスクエアUSAの行方は気にして探したことはあったのだが、坂口氏はスクエアに戻ったと勘違いしていて、その後の足取りを調べたことが無かった。

映画「ファイナルファンタジー」が公開されたのは2001年だが、同年、坂口氏はスクエアを去り、(Wikipedia)今もハワイに滞在されていることを恥ずかしながら、今日、初めて知った。

その後は2004年にゲーム開発専門に手がける「ミストウォーカーWikipedia)」という会社を設立。
RPGブルードラゴン・シリーズを世に送り出している。
そして、 昨年末には坂口氏がストーリーとプロデュースを手がけた、新しいRPG「クライオン」を発表したが、12/25に開発中止となってしまった。
























開発中止の原因は、 資金繰りの悪化と、市場性を鑑みてと見られています。(Xnews)
市場というのは、おそらく日本だけでなく、北米市場と世界市場をふくめてのことではないかと個人的には考えています。


めげてるかなと思いきや、現在は、新たなタイトルに向けてがんばっているそうです。(参照:わぱのつれづれ日記

もともと、スクエアエニックスの社運をかけて開発したファイナルファンタジーを成功に導いた坂口氏だけに、うたれ強いというか、常にポジティブ思考なのだなと思う。

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このエントリはこのブログでは、最近めずらしい画像入りですねw

2010年3月12日金曜日

メモ:3Dスカルプトツール「Sculptris」 無料アルファーバージョン公開

Sculptris

Zbrush, Mudbox, 3D-cort、に並ぶソフトとなり得るのか?
この手のソフトも、さほど目新しいくはなくなりましたが、他との違いとしてはdynamic mesh tesselationという、自動的にメッシュの細分化が行われる機能があるようです。

最初はModoのように基本的なスカルプトだけかと思ったのですが、αチャンネルを使ったブラシもあるようで、皮膚の細かなデティールも作れるそうです。
作者のHPから実際の作業画面をキャプチャーしたYoutube動画へのリンクがあります。
ちらっと見ただけですが、一部を引っ張って突出させるときにには、このDynamic Mesh Tesselationが効果的なようです。(ただし重そう)

現在アルファバージョンが無料で、ホームページからダウンロード出来るようになっています。
個人が開発しているのですが、フォーラムを見ると、作者は現時点でそれほどお金もうけは、考えておらず、実際に販売されるバージョンも安く抑えようとしているようです。
それでも開発やサポートを続けるにはお金が必要という葛藤ものべています。

http://www.drpetter.se/project_sculpt.html

2010年3月11日木曜日

アイデアボックスの広報にご協力いただいたサイト一覧

ご協力ありがとうございます。
おかげさまで、現在、経産省アイディアボックスではコメント数以外、(ポイント、注目度)は全て一位です。一位になったからといって、他のアイディアより勝っているとか実現度が高いとかそういう風には思っていませんが、人々の注意を得て、問題を提起するには役に立つと思っています。

残り3日となりました、もう一息です。
まだの方はどんどんご参加下さい。




-------ご協力サイト一覧(順不同)----------------
ご連絡いただいていないサイトなどもできるだけ探して、載せています。
もし、この中にないサイトをご存知の方はお手数ですが、Melonまでご連絡いただけると助かります。
また、あたらしくご協力いただいたサイト/発見したサイトは、このエントリへ順次追加させていただきます。

CGトラッキング (該当エントリ

CIA☆こちら映画中央情報局です (該当エントリ

白石運送 (該当エントリ

AESTROOP Sugita-Blog (該当エントリ

3Dで振る小さな旗・改該当エントリ

アニメプロデューサーになりたい大きな木 (該当エントリ

mononocoの日記 (該当エントリ

豆のCG回顧録 (該当エントリ

豆の冒険日記 (該当エントリ

sky-high-nest-blog該当エントリ/バナー)

succhin。該当エントリ

DigitalDNA (該当エントリは2010/3/2のページ)

CGクリエイターができるまで (該当エントリ

memlog該当エントリ

Pannnoki CG (該当エントリは2010/03/03 11:16)

 コピモ (バナー)

velvetface (該当エントリ

CG語該当エントリ

Zenryok blog該当エントリ

AcombeeCom(Twitter)

映像作る人のSNS DAVICS:2該当ページ:管理者かばさんの日記

映像製作.com フォーラム (該当トピック

StudioMOMO Ver2.0β該当トピック


日刊デジタルクリエイターズ212号で吉井宏氏が話題にされました

CreAtelier (バナー/相互リンク)

3D-CG.jp (やふさんによる投稿

メモ:立体視について

 <Mayaマスター林田宏之氏による林田ブログより転載>
 3D映画
 前に飛び出れば飛び出るほど、その物体は小さいものとして認識されてしまうんですね。たとえスクリーンいっぱいに映し出されていたとしても、過度に飛び出てくると、何かちっちゃいモンスターが目のまえで吠えてる、可愛い~みたいな本末転倒の映像に見えてしまうわけです。

 僕が映画館で「ジョーズ3」などを観たときに感じた違和感はまさにこれだったんですね。人間などが前に飛び出てくるんですが、なんだか小人に見えるわけで す。
2Dの映像を見るときは、脳が大きさや距離感などを自動的に補完します。俳優がカメラに近づいて巨大に見えたとしても、決してそれを巨人だと思ったり しませんよね。ところが3Dの情報を持つと映像の中にあるものが絶対的な大きさとして見えてしまうのです。


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<ブログ:CG語より転載>
ディスバウンドディメンション事例
・15名程の規模 CM 実写合成等のコンポジットが得意な会社
・近年、予算期間共にタイトになってきた。
・撮影以降の作業は、自社内ワンストップという形で行っている。
・3D立体視の制作としては、「実写撮影」「フルCG」「実写+CG」の3パターンの中、実写+3DCGの制作事例を紹介。
・最適な視差環境は2.5mと言われているということで、基点になるオブジェクトをそこに置いて調整したとのこと。
・レンズ交換、カメラ位置調整等とにかく時間がかかるとのこと。2D撮影の7割程度の撮影量を見積もっている。
・マッチムーブ、スタビライズは、片方のカメラの位置情報を流用。
・レンズフレア、輝度差(ゴースト?)、ハイライトの具合等、左右での見え方の違いで使えないカットが発生。
・2Dのカット繋ぎの感覚で繋ぐと、視差の差が大きなカットは目へ負担が大きすぎる場合がある。印象もだいぶ違う。
・作業量は、全体で2D作業の1.5倍程度。
・あらが目立ちやすい。2Dで多用していたような小手先のテクニックが通用しない場面が多い。
・立体視だと大きな画面で見るとよりあらが目立ちやすいとのこと。

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同社のNukeに関する意見
・今後、立体視の映像制作をしていく上で、空間設計もしつつコンポジットもこなす必要があるので、3Dデザイナーがコンポジットワークもこなす必要がある。
・数あるノードベースコンボジットソフトの中で、なぜNukeなのか。→立体視の編集をこなしやすい機構が備わっていて、サポートも他に比べて期待できると判断。
・AEでは、LRのコンポジットを別々に同内容で制作する必要がある中、一括で管理しやすい形になっていて、効率的な様です。

2010年3月10日水曜日

面接

昨日話した面接へ行ってきました。

ここ6年ほど、いつも見ていたビルで、外観はさほどきれいでもないので、まさかそんな大監督のプロダクションとは思っていなかったのでビックリです。
実際、googleマップでもちゃんとプロダクション名が読めます。
メールの指示通り、入り口のインターフォンから話してゲートの鍵をあけてもらって敷地内にはいります。
中にはいると駐車場をはさんで両側にきれいな平屋建ての建物がふたつあります。
インターフォンで話したときに左にあるビルへ行くように言われていたのでそちらへ向かいました。
右にあるビルにはその監督のプロダクション名が書かれており、外からガラスの入り口を通して、
ちらっと見ても撮影で使われたと思われる黄色いロボットの 大きな頭部がロビーに鎮座しているのが見えてああその監督のプロダクションであることがわかります。

しかし、向かったビルの入り口にある名前は、自分が面接に行く会社とも異なる名前があり、入ってもアーティストが作業しているっぽかったので、聞き間違いかと思い、そこをでて、右にあるビルへ確認に行きました。
しかし、受付の金髪お姉さんに声をかけるが早く、一瞥されただけで「Left!(左!)」と軽くあしらわれてしまいました。
後はこっちの存在がないかのごとく手元のコンピュータ画面に向かってもくもくと何かしてます。


まぁ、あまりにも有名なので、チラ見でも良いからと冷やかしで入ってこようとする人間もいたりするのかもしれません。
入る人間の制限をきびしくするようにも言われている可能性もありますから仕方がないですね。(と自分に言い聞かせる。)


ちなみに自分が面接に行く会社は、プロジェクト毎にいろいろな会社を渡り歩いているようで、今回はたまたまこの大監督の映画なので、このプロダクション内の場所を借りているようです。
(人材派遣ではなくて会社の上司から部下まで会社自体が移動していくような形態です。)

さて、先ほどのビルに入って作業しているアーティストと思われる人には声をかけないで、奥へ入ろうとしたら後ろから名前を呼ばれました。
振り向くと先ほどアーティストと思われたのは、メールでコンタクトをとってくれたプロデューサでした。


面接自体は今までの面接で一番スムースに進みました。
二~三わかりにくかったのですが、いつも通り、わかったフリをしてなんとか切り抜けました。
(実際は相手がスルーしてくれただけで、こいつ大丈夫か?と思われていたかもしれませんが)
大体2~3人ではなしているとき、言葉が通じてないと分かると通訳が入ります。
本当の通訳ではなく、私の発音や言いたい意味をくみ取ってくれて、分からない他の人に説明してくれるという意味ですが。
これが入ると、ああ英語が通じてないなというのがわかります。
これがどれほど、影響するかはわかりませんが、こんなことはない方がよいに決まっています。
あいにく今回も通訳はいりました orz




今回はレート(時給額)さえ聞かれませんでした。

実際には、キャラクターアニメーションに強い人がほしかったみたいなので自分が合格したのかどうかもわからないままです。
よくよく考えたらこの段階でキャラクターアニメーションが必要となると言うことはかなり見せ場の部分かなとも思います。
たしか撮影が5月に始まるので、それにあわせての準備であり、ロケ地の関係からすでにクライマックスシーンの準備かもしれません。

ひとつ気になったのは、デモリールの中にある触手系のアニメーションに興味をしめしたこと。
どうやって動かしたのかを聞かれました。単なる個人的な興味からなのか?それとも次回作ではそのような動きが必要なキャラがでてくるのか?


仕事自体は今すぐあるわけではなく、監督とショットについて話し合い、ショットの分析をし、実際のショットにブレイクダウンして、からそれから必要であれば、雇ってくれるようです。
おそらく他にも色々とコンタクトしていると思われるので、可能性はいつもとかわらずまったく不明です。
とりあえずCG始めたときからやりたいと思っていたという気持ちは伝えておきました。
ショットが決まり、何人か面接した中で可能性がある人にコンタクトをとり、その中でレートが良い人を採用されるのだと思います。

もう一つ気になったのは、英語の聞き間違いでなければ各アーティストが使うマシンは各自のレンタルだということです。
なるほど、そうすれば機材の費用がかからないので、会社としては運営が楽です。
ちなみに面接をしてくれたスーパーバイザーのマシンが足下にあったのですが、見たこともないような巨大なマシンで、通常のデスクトップの4倍ぐらいの容積でした。

帰りに駐車場に止めてあるそのスーパーバイザーの名前が書かれた許可証がおかれた車は新型のBMWでした。ここまでの大作に関わっているスーパーバイザーだとたとえポスプロ段階だけでもかなり、収入があるんだなと思いました。

さて、予定される作品は監督のサイトにはすでにカウントダウンがあり、2011年7月の公開を目指すようです。
撮影がたしか5月に始まるとどこかで見たことがあるし。
ロケ地もシカゴ、モスクワと決まり、たしか昨年10月にILMと5時間におよぶミーティングをしたと伝えられています。
5月に撮影が始まるとしたら、撮影準備のためにも3月~4月始めにかけて仕事が入る可能性が大きいですね。

とりあえず、現状自分でできるとしたら、試しにいくつかシーンをつくり追加のデモとして送ってみるかなと言うところです。(時間があればですが)
採用されなかったとしてもやる気は買ってもらえると思うし、自分の勉強には成ります。
明日この監督のDVDを買いに行ってみようっと。


しかし、丁度日本への帰国とだぶる時期なのでどうなることか。

それにしても何のことを言っているのかわからない人には全然ちんぷんかんぷんですね。
すみません。

参考になりそうな本

MelとVFX情報を期待して、このサイトを訪れていただいていた方には、最近はあまりおもしろくないエントリが続いているのでなんとなく申し訳ないと思っています。
まぁ自分のブログなんだから好きなようにやればよいわけで、誤る必要はないんですが、根が小心者なのでw

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アイデアボックスのほうは、いろいろな人から様々なコメントがよせられておりなかなか盛り上がりを見せています。
中には、このアイデアには反対されているにも関わらず、ご自身の経験からこれはまずいから、こうすればよいのではないか?とうアイデアを下さる方もおり、こういう場での意見交換は必要だなと思いました。

また、ぶっちゃけアーティストの立場ですと、会社経営のシリアスさは今ひとつ理解できていないとうのがあると思います。
たとえアーティストにとって待遇が悪い会社でも、経営している人は運命の明暗をかけて会社を経営しているのは確かです。

おのずからこの両者の間には隔たりがあり、正当性を感じる部分にも違いが出てきます。
また議論の対象となる部分が、不透明なところが多く、情報が不足しており、様々な推測が飛び交っている状態でもあります。

アイデアボックスではアーティスト主体に声をかけているので、95%賛成という高い数字を示していますが、企業を対象にすればおそらくよくても70%は反対25%が中立5%が賛成という結果になったのではないかと思っています。
ただ、悪い/良いの議論はあまり意味がないとも思っています。
むしろ重要なのはその間の部分であり、実際に結果に結びつくかどうかという部分です。
それぞれの立場からの意見が反対の立場に立つ相手に理解されないのであれば、その意見を発した人がそれを理解出来る形にかみ砕いて説明する必要があります。
それにより相互の理解が深まり、新たな解決にむけた道が模索できるはずですから。

アイデアボックス自体は、経産省で議論する題材提供であり、案件の具体的進行や活動を保障するものでは、まったくありません。
なので、あまり堅苦しく考える必要はないのではないかとは思っていますw
また、このように混沌とした状態を解決するために、今回のアイデアボックスによせられたコメントがなんらかのきっかけとなり、生きてくればと期待しています。


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さて、個人的には、プロダクション運営のことも知らなくては裏付けをしようにも正確なデータもあつめられないと感じています。
VFXだけでなく、
●金銭面
●映画製作全体における視点
●ノウハウ面

に関する考え方や情報をもっと知る必要があるので、少しづつ勉強しています。
参考になりそうな本を見つたので、ちかいうちに手に入れて読んでみたいと思います。

ビッグ・ピクチャー―ハリウッドを動かす金と権力の新論理
この内容説明によると「スタジオの収支は恒常的に赤字」と書いてあるが、多額の予算がかけられるものの、ハリウッドといえど、やりくりに苦労しているということがわかります。
日本ではもっと苦しいのかも知れませんが、そのしわ寄せがVFX業界に来ていることは両者とも同じでしょう。
この点については、映画産業がどうのこうのということではなくVFX業界の改善をもとめる理由でもあります。
話がそれましたが、この本は実際の数字を出しているらしいので興味深いですね。


ハリウッド・ビジネス
これも数字を出した具体的な内容となっているようです。
米国でエンタテインメントを専門とする日本人弁護士が著者のようなので、内容的にも信頼がおけそうです。


ハリウッドで勝て!
異端児と呼ばれるプロデューサー、一瀬 隆重氏の著作
日本の得意とするコンテンツや芸術性をいかにビジネスに組み込んでいくかについてヒントがあるかもしれません。



あの映画は何人みれば儲かるのか?
業界のお金の動きを知るには参考になりそう。
ただリビューには、
もう少しリアルな数字を出してほしかった。
数字もどこまで根拠があるのか不明。
とあるように数字の正確さには疑問があるようなので、あくまでどのようなところにどう流れていくのかをしるための参考書程度にとどめておくのがよいかもしれない。

メモ:ハリウッドを呑み込む日本映画

ハリウッドを呑み込む日本映画(Voice+)
日本のVFX業界はともかく、日本映画は徐々にその力を付けてきているようです。

日本映画界がもっと活性化すればVFX業界も活性化するというアイデアも散見されますが、なるほどなと思わせる部分もありますね。
 
http://voiceplus-php.jp/archive/detail.jsp?id=202&nif=false&pageStart=0

2010年3月9日火曜日

ピクチャーブック「The U.S. Navy at War」

ある日、帰宅したらアパートの部屋の外にみなれない薄汚れたスケボーがおいてある。
聞いてみたら、プレスクールの帰りに誰かが道ばたに放置して「誰か欲しい人は持って行って下さい(英語)」という張り紙が合ったので持って帰ったらしい。
LAでは至る所で10~20代の人がスケボーをやっているので、こどもが見る機会が多く、大きな子がやっていることなので、以前から興味津々。
海でサーフィンやっているのを見ても、やりたがります。

さて、そのようにスケボーに興味を持っていたので、かなりよろこんで、遊んでました。
もちろん立つことは出来内ので、スケボーの上に膝をついて、足で蹴って前に進むだけですが、少し大きくなった気持ちになれるのでしょうね。

しかし家の中に入って、もうひとつ驚いたことが、週一度、近所の図書館で絵本を借りてくるのですが、その日、借りてきた絵本の中に見慣れない本が。
 「The U.S. Navy at War
(戦場のアメリカ海軍)

実際には絵本ではなく写真をつかったピクチャーブックといいますか、想定しているのは小学生だと思います。
この手の物からは遠ざけておきたかったのですが、興味津々。
もともと飛行機が大好きで、最近は船にも興味を持っており、どうやら表紙の空母の写真にやられてしまったようです。


しかし、さすがアメリカ、この手の話を子供向けにしているんですね。
身近な所に、軍隊に所属していた人や現在所属している人も多い国ですが、小さい子供にとっては理解しずらい仕事です。そういう子供にわかりやすく説明するためにもこういった本が必要なのかも知れません。
本当に軍隊とは密接に関係している国ならではかなと思います。

さすがに中身は文字だらけだし、内容も小さい子供には難しいのですぐに興味はなくしましたが。

それにしても、うちの子、どんどんアメリカナイズされてきてます。

人材募集

 VFXpro.comは最近、活気がありR&H, DD、MotinTheoryなど様々なLAベースのスタジオが雇用を開始しています。
あのスプライト・アニメーションもモデラーを募集しており、個人的にはかなり興味を持っている企業なので、 応募しようかどうしようかと激しく迷いました。
かなり後ろ髪を引かれたのですが、とりあえずオンコールの身であり(後述)、応募するのは諦めたのですが、多分もう決まりましたよね?
スプライトの方 、どうでしょうかw?


それにしても、以前、知り合いのプロデューサーが話してくれた事はどうやら本当らしいです。
このまま一気に増加してくれれば、ある意味、今年はとても飛躍のチャンスにあふれた年になるかも知れません。



さてこのVFXpro.comの人材募集で今日、興味深い募集がありました。

サンタモニカのスタジオが様々なアーティストを募集しているという内容ですが
会社名は一切明かされていません。
個人的には、内容と規模的にHydraulxのような気がします。
HydraulxはBattle:LAを予定していることをHPで明かしています。
Battle:LAのSONY内でのVFX準備作業もほぼ終わりに近いはずですので、これから受注先の仕事が本格的に展開される時期だと思います。
これはタイミング的にも合いますし、エフェクトがあり、宇宙人も出て来るので、募集内容とほぼ一致します。


詳しく見てみると
Rachelle Lewis Talent
http://rachellelewis.com/index.php
という会社によるポストなのですが、この会社はスタジオではなく人材募集専門の会社です。
私が、このような会社を見たのは二つ目ですが、実際はもっと多いのかも知れません。
もともとはリクルーターを経験した人によって創設されることが多いようですが、

こちらのプロダクションは、基本的にプロジェクト単位で雇うために
●プロジェクトが終ると解雇
●プロジェクトが始まりそうになると雇用
を繰返します。

大きなプロダクションになるとその人数も半端ではないので、
専門のリクルーターが雇われます。
(少し前にDDがリクルーターを雇っていましたが、今はLAのDDで大々的な募集が始まっています)

リクルーター専門の会社はそのような所と会社として契約し、リクルーターを派遣したり、
もしくは自社でリクルート活動をするようです。

1年ほど前にImage Worksのリクルータをしていた人が最近リクルート専門の会社を創設しており、
現在はフロリダでDDホールディングスのリクルートを仕切っているようです。
会社のURLは以下の通りですが、そのURLで表示される会社のサイトの内容はご覧の通り。
間違えていないことを確認するためにアドレスバーをよく確認してみてください。

http://wyndcrest.com/
まるでなりすましフィッシング詐欺のようですが、これでOKっていうのはいかにもアメリカらしいですね。


大手プロダクションも必要なときだけ、信頼できるリクルーターが使えるので楽なのでしょうね。
また自分は経験がないのでわかりませんが、こちらは会社設立も簡単と聞いていますので、こちらならではの職業のように思います。


-----------またまた面接-----------------------------
実は、ここ10日ほど仕事が無く、オン・コール(連絡あるまで自宅待機)と言うことで、
ずっと家にいたのですが、約束の月曜日にも電話が無く、メールをしても返事がないのですっぽかされたかなと思っています。
まぁ、普通は断るとしても返事をくれるので、こういうときは、だいたい忙しくて返事が出来ないか、次の仕事が取れるか取れないかで返事に迷っていることが多いです。

ただ、こちらも生活がかかっているので、とりあえず前の職場の上司に仕事があるか聞いてみました。
この方が非常に良い方で、会社に仕事は無かったのですが、会社のプロデューサーに伝えて彼らの友人に聞いてみてくれたようです。
さっそく、ある会社から連絡がきて、明日はその面接に行ってきます。

その会社は、自社の事務所と言うよりも、人材を職場へ送って作業するような感じです。
作業内容は明かせませんが、かなり初期の作業ですので、クライアントと密接な作業をすすめる必要があり、経費削減の意味からも、そのような形態をとっているのだと思われます。

しかし面接場所の連絡が来てビックリ。
今年ラジー賞をとったあの方のプロダクションです。
もちろん仕事は次回作。すでにそんな作業をしているのかと二度ビックリ。
しかも前に働いていたところにかなり近くてまたビックリ。
確かにサンタモニカには、ジェームスキャメロンのライトストームもありますしね。
狭い業界です。

さてさて、この面接うまくいけば良いのですが。
いまからちょっと興奮気味です。
もしもあの人がいたらなんて話をしようか?
とか、仕事で直接話をする状況になったらうまく発音できるだろうか?
など、今から受かった後のことをいろいろと心配していますw


とりあえず印象を悪くしないためにも、汗臭くなった上着を洗濯でもするか..。
それにもっていくデモリールをDVDに焼かなくては。

メモ:元WETA DIGITAL 村本浩昭氏の人材育成セミナーのレポート

元WETA DIGITAL 村本浩昭氏の人材育成セミナーのレポート(ブログ:velvetfaceより)
http://d.hatena.ne.jp/velvetface/20100206/p1

いろいろと参考になります。

メモ:NHKクリエイティブ・ライブラリー

NHKクリエイティブ・ライブラリー
http://cgi4.nhk.or.jp/creative/cgi/page/Top.cgi

メモ:インタビューいろいろ

昭和33年の東京に突如出現したアイツの真相を山崎貴監督に直撃!!
http://ascii.jp/elem/000/000/096/96793/

最近のハリウッドの優れたホラーやパニック作品って、本体よりも、そいつが起こす周りのことを描いていますよね。
その手法できっちりやろうかな、と思ったんです。
なんと言っても、本人よりも噂話の方が凄い、ということがあるじゃないですか。
本体を見せるよりも、断片的にその場にいる人だけが知りうる情報だけを提供した方がリアリティーがあるんです。
それが俯瞰で見せたりすると、急に人ごとになっちゃうじゃないですか。
登場人物だけしか体験できないことを画面で見せて、それで最後に“ご本尊”がバーンと出てくる。
最初、鳴き声だけで、という話もあったんですが、やはり出てこないと。
ゴジラが登場するシーンは、あそこはまさに歌舞伎ですから。「よっ、ゴジラ屋!」と言うことで(笑)。


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世界一魅力的な海賊「パイレーツ・オブ・カリビアン」はこうして作られた!
http://ascii.jp/elem/000/000/091/91970/index-3.html
ジョン・ノール氏のインタビュー

―― 監督はそんなことが本当にできると思ったんでしょうか?
ジョン (笑)。要求として突きつけられて、言われた以上は、なんとか現実のものとするのが私の仕事なので。


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Photoshop誕生の秘密が今明かされる――ノール兄弟に聞く
http://ascii.jp/elem/000/000/086/86213/
ジョン ふたりとも、自分が得意にしているものは独学で学んだものであり、習ったものではないところが一緒なんです。私は普段から、大好きなものを選んで、それを職業にすればきっと身になると思う、と言っているんです。



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ディズニー最新アニメ「ルイスと未来泥棒」に見る新表現
http://ascii.jp/elem/000/000/099/99791/

―― 伝統的なアニメーションの表現はCGだと難しいと言われています。CGで描く上で課題となったことはありましたか?

マッキム氏 今回の大きな挑戦が、人間のキャラクター(をCGで描く)ということでした。CGの世界では動物の方がやりやすく、人間は難しいと言われています。やりすぎてしまって実写のように見えてしまっては困るし、あくまでもアニメーションという形は残さなければならないのです。ところが、アニメとは言えども、人間を出す時には、肌や髪の毛の質感だったり、あるいは着ているものだったりとか。そういうものの質感はある程度のものにしておかなければならないわけです。そういうところでバランスを保たなければならないのが、難しかったですね。


マッキム氏 今後はCGを用いた映画はどんどん増えて行くと思います。ただ、ディズニーに在籍して私がとても期待を持っているのは、ディズニーは決してCG だけをやる会社ではなく、これから先も手描きをやっていく会社だということ。両方のメディアを使って、私たちはアニメーションを創っていけるという点なんです。確かにCGの場合、監督ができることが広がるという意味においてはとてもにいいと思います。


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“シュレック3”――そのCG制作の舞台裏をPDI/ドリームワークスの中谷氏に聞く
http://ascii.jp/elem/000/000/047/47821/
実はシュレックはライティングに大変力を入れているという。

日本のアニメには影を省略した手法があるなど、ライティングについて考え方が異なるようだ。中谷氏はこの点について、日本と米国の違いを指摘する。
「日本の場合、2DアニメからCGに来ている。一方、アメリカの場合はハリウッドからCGにきている。これは実写からCGにきていると言い換えた方が分りやすいかもしれません。ご存じのように、実写は常に光と影を重要視しています。また、ライティングでストーリーを伝えるという考えがあります。季節や雰囲気もライティングでだいぶ変わるんです」


中谷氏はドリームワークスのライティングに対するこだわりについて次のように語る。
「ドリームワークスはショットごとの映像を大変大事にしており、妥協はしません。一回でいいものができることはないんです。特にシュレックは、レンダリングの回数がそれだけ多く、ちょっと光が多かったらそれを消したり、変な影があればそれを消したりと手間をかけています。そして、この手間のかかる作業を行なうライティングのチームは、アニメーションのチームとほぼ同数のスタッフが担当しているのです。照明があるからこそいい絵ができます。そういう意味では、ライティングはきれいな絵が描ける人がやるべきではないかと思います」


「いまや使うツールは変わらず、ハードウェアもそれほど変わりません。だいたいがみんな同じような環境にいると思います。ハリウッドに出るには、単純にいい作品を創ることです。ほとんどの会社が3年以上の経験が必要なのですが、手っ取り早いのは自分で“デモリール”(デモ作品)を作って見てもらうのです。それには欲張ったものではなく、15秒でいいからとことんクオリティを高いものを作る。もうひとつは、コンテストに応募することです。四コママンガのように、短くて清潔で、できるだけ小さな世界で自分の語りたいことが表現された、インパクトのある作品が必要です」

さらに中谷氏は「ハリウッドにはいろんなスタジオがあります。大きなスタジオを目指すなら得意分野を作るべきで、自分の専門分野をとことん極めることです。“なんでもできる”という人がいますが、“なんにもできない”と同じだと思います」としている。さらに、心構えが必要だと語る。
「僕はセガではそれなりにいいポジションにいました。ところが、新しいことをはじめるにあたって、一からやりなおすことになりました。いま一度、今までの自分を捨てる勇気が必要だと思います。もし、それがほんとにやりたいことなら、一度、一からやりなおすのです。うまければ必ず評価されますから。ぜひ、頑張ってほしいですね」


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『Autodesk Maya』を使った映画・映像制作の現場を東映アニメーション・野口氏に聞く
http://ascii.jp/elem/000/000/032/32367/

2010年3月8日月曜日

メモ:「小規模CGプロダクションチーフの会」議事録

日本の現場の実態がわかり、参考になります。
正直、現実問題かなり危ないように感じます。
これで、現状のようなクオリティーが出せるとは、やはり日本人ってすごいと思います。

「小規模CGプロダクションチーフの会」終了 (ブログ:velvetface)  元ネタ: 白石運送

もし今回のようにいろいろな人達が協力し合えるなら、(議事録にもありましたが)まとまったチームを構成できるなら、先日のエージェントのようなものを作る事も考えればと思います。
しかしそれには予算も足りないと思うので、このあたりも経産省が協力していただけたらなと思いました。

ただ若干、アメリカのスタジオ=大きなスタジオ というイメージが先行している感じがあります。
またハリウッド映画=大予算の映画のみというイメージも強いかも知れません。
これは現地を訪れたとしても大きなスタジオしか行ったことがなければ実感がわかないことなので仕方がないと思います。
私も、そう思っていましたし、現地にいながらも大手でなければちゃんとしたCGプロダクションではないぐらいにずっと感じていましたからw

アメリカにも小さなプロダクションが多いと言うこと、そういうプロダクションがどんな仕事をしているのかということがもっと情報があれば認識も変わるように思います。
ハリウッドでは低予算映画も、TVもビデオリリースのみの作品も山ほどあります。
映画産業というよりも映像産業の地ですね。

その点、中国などは、留学する人も多いし昔から移民が多いせいか、現実の状況をもっと正確に把握しているようで、ひょっとするとそれが現在の中国CG業界の発展を助けているのかもしれません。

もちろん、上記Velvetfaceさんのほうへは、今回のアイディアボックスの事をしっていただきたく、メールを送らせていただきました。

2010年3月7日日曜日

絵本の音を聴く

少し前、手島 圭三郎 作 「しまふくろうのみずうみ」という美しい版画でつくられた絵本を子供に読んでやっているときに、ある場面で「どんな音がする?」と聞いてみた。

それはフクロウが湖の表面に近づいた魚に音もなく近づき、さっと鋭い爪で捕まえる場面だ。
そのシーンの少し前にフクロウが 魚を見つけ、とまっていた木から音を立てずに飛び立ち、滑空し魚に近づくシーンがある。
 魚を捕まえる瞬間のページには、わずかコンマ数秒でおこるできごとをその前数フレームを断片でみせており、まるでスローモーションのようだ。
最大の見せ場である、魚を捕まえた瞬間は、一切のセリフや擬音がなく、飛び散る水、爪に捕らえられた魚、フクロウの広がる翼がのびのびと描かれている。
この作者の感性には脱帽ものだ、ふつうならバッシャーンとか大きな擬音をつけてしまうところに一切の音がなく、緊張感が持続する。

子供はこの本を何度も繰返しよんでいたので、数秒、眺めさせた後、上記の質問をしてみた。

子供は、うれしそうに「バッシャーン」といきいきと答えた。

その答えは当たり前の答えでありありきたりの答えなのだが、何かが違った。
絵は見る物で音が聞こえるわけではない、しかしすばらしい描写の絵には、音やにおい、触れた感じまで想起させるものがある。
これはまだ幼稚園の子供でもはっきりと感じ取っている。
むしろ、このような幼い子供のほうがより明確に感じ取っているのではないかと思った。

大人に同じ質問をしても、ありきたりな 「バッシャーン」という解答が帰ってくると思う。
それは感じていると言うよりも、こうであるべきという既成概念的な解答であることが多い。
しかし子供からの解答は、その場の空気を感じ取り、音を聴いているものの解答だった。

これからも時々そのような質問をして、絵に耳を傾けて音を聴くということを習慣にしてもおもしろいのではないかと思った。

経済波及効果の意味と、CG業界との関連

経済波及効果とは?

経産省の方とやりとりしていて、ハリウッドVFXの仕事がもたらす経済波及効果にはどんなものがあるのか? と質問されたときに言葉に詰まってしまった。


VFXというのはプレビジュや主にポストプロダクションにおけるCG作業をさすわけだが、これがどんな経済波及効果をもたらすか?と言われてもそれほど掘り下げて考えたことがなかったからだ。

●各プロダクションが大きくなれば近くのコンビニが儲かる。
●コンピュータ関連機器の需要が生じる
●アーティスト、コンピュータ・エンジニアの需要が生じる
ということしか思いつかなかった。

実際の所「経済波及効果」という言葉は、よく耳にするが、正確に意味を把握しているのか?と聞かれればNOだ。
この言葉がきちんと把握できていなければ、どのような波及効果があるのかを正確に推測することも出来ず、納得出来るだけの提案をすることはできない。

小中高と社会科は苦手だったのでこの手の話題はさけてきたのだが、これ以上避けていては先がない。
そこで、この言葉を勉強してみることにした。
まず「経済」「波及」「効果」それぞれの単語の意味を明確にする。

<経済>
社会が生産活動を調整するシステム、あるいはその生産活動のことである。(Wikipedia

この定義に含まれている「生産」とは、土地や原材料などから人間の何らかのニーズを満たす物財(商品)を作る行為、またはそのプロセスを指す。(Wikipedia

CGの場合、「生産」にあたるのは、
コンピュータを人間が使いCG画像を作り出すことで、そのCG画像が「商品」である。
ニーズとしては映画、アニメなどの娯楽、広告などがある。
ニーズを持っているのは最終的には視聴者であるがCGプロダクションからすると監督やプロデューサーなどのクライアントと言うことになるということで大丈夫だと思う。
この「CG画像を作り出す」行為が「生産」ということになる。

またCG画像を作り出すために、R&D、3Dソフトを使う作業、コンポジット、クライアントとの話し合い、日程管理、経費管理、機器管理、営業、その他のことがそのプロセスと言うことになり、これも「生産」の範疇に含まれる。


「経済」とは、その「生産」に関する活動ということであり、上記の「プロセス」の部分である。
Wikipediaには「社会が生産活動を調整するシステム」とあるが、CG業界全体が衰退しないように、さまざまな非政府団体や、政府団体で活性化することが調整であり、それを調整するためのいろいろな組織とその活動がここでいう「経済」の範疇に当てはまると思う。

まとめるとCG製作における「経済」とは、「CG画像を作成する活動と、活性化するためのしくみ」を含んでいるということだと思う。これは後に間違いもしくはすべてには当てはまらないと言うことがわかるかも知れないが一区切り付けておくためにも、現時点ではこれで良しとする。


<波及>
:波紋が広がるように、影響が徐々に広い範囲に及んでゆくこと。(goo辞書使用)
CG産業における「経済波及」とは、「CG画像を作成する活動から発生した広い範囲に及ぶ影響」ということになる。

ちなみに「影響」とは
〔影が形に従い、響きが声に応ずる意〕関係が密接で、他の物事に力を及ぼして、変化や反応を起こさせること。
(goo辞書)

「CG画像の作成という活動」があり、それが「他の活動に変化や反応を起こす」ということになる。


効果:ある行為の、目的にかなった結果。ききめ。(goo辞書使用)
上記「波及」は「変化や反応」であるが、これが何らかの目的にかなった物と言うことになる。

金銭的な物(仕事が増えるとか、収入が増えるとか)
CG画像作成に関する物(作業効率化、CGの質向上とか)


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以上で、とりあえずCG業界を中心にして言葉の意味を考えてみた。
本当に「とりあえず」であり、言葉の意味を理解するためにイメージをつかみやすくするために内容をかなり絞ってある。
経産省の言う、経済波及効果とはもっと幅広い物、間接的な物を含むはずなので、もう少し違う角度から「経済波及効果」を調べてみたい。

わかりやすい説明が埼玉県の「経済波及効果とは?」というページにある。

ここにある「経済波及効果とは、何ですか。」の内容を下に転載しておく。

ある産業に新たな需要が生じたとき行われる生産は、需要が生じた産業だけでなく、原材料等の取引を通じて関連する他の産業にも波及します。
また、これらの生産活動の結果生じる雇用者所得は、消費支出として新たな需要を生み出し、さらに生産を誘発していきます。これが、経済波及効果です。
産業連関表は、産業相互間及び産業・最終消費者間の取引を一覧表にまとめたもので、その表から導き出される係数を用いて、経済波及効果を分析することができます。


これをハリウッドVFXを日本で受注する事に当てはめれば、海外にある需要を国内に取り込むことであらたな需要を生み出すことになる。
海外の需要を十分に満たすことができれば、仕事も増え、国内の関連産業に影響がでる。
関連産業にはどのようなものがあり、それらがどのような影響を受けるかというのがここで重要な情報となる。
たとえばコンピュータ機器の販売/リース、ソフトウエアの販売、もしかするとモーキャプやレンダーファームといったサービス。通信業者。ビルのリース、その他いろいろな物が考えられる。
また雇われた人の給料があがれば、様々な消費につながり、そこに需要が生じる。
お昼ご飯を買いに近くの弁当屋へ行く人が5人ふえればそれが地域への波及効果といえる。
大きな液晶TVや高価なパソコン、自動車を買う人が増えれば、それも波及効果。
これらはCGとは直接関係のない分野での生産を誘発していることになる。


「経済波及効果」の意味をさらにわかりやすくステップ毎に図で説明したのが「経済波及効果のイメージ」ページです。

ここにはさらにいくつかの重要なキーワードがでてきます。
1次波及:直接の生産(直接効果)の増加からの波及
第1次間接効果:一次波及による生産額の増加分
経済波及効果(1):(直接効果+第1次間接効果)

2次波及:所得増加による需要の増加(消費の増加)とそれによる波及
第2次間接効果:その合計

経済波及効果(2):直接効果+第1次間接効果+第2次間接効果



以前のエントリ「Weta給料:1週間110万円」でアバターの経済効果についてふれた記述がありました。

「産業開発大臣のGerry Brownlee氏は、「3億ドルという莫大な金額が、ここでサラリーとして費やされました。」助成金は価値のある投資だった、経済全体に波及効果をもたらしたと述べています。」

これはアバターの誘致で4500万ドルの助成金を使ったことに対する正当性の説明なので、おそらく、第2次間接効果も十分にあったということをほのめかしているように思います。
ようするにニュージーランドは助成金をだしたにもかかわらず、消費の恩恵はそれ以上であったということを言いたいかったのではないかと思います。


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ここでいろいろな経済波及効果の例をみてみます。
男子ゴルフの石川遼に関する経済波及効果についてのニュースを見てみます。
石川遼の経済波及効果341億円 関西大教授ら試算

直接効果(約153億円)
●CM出演企業の売り上げ増加
●ギャラリー増による消費、グッズの売り上げアップ
●賞金獲得総額など

さらにその波及による額を考慮すると合計で341億4500万円になる。


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次の例は少し映像関連よりのもの。
日銀高知支店が2009年10月に発表した
NHK大河ドラマ「竜馬伝」の経済波及効果」(PDFファイル)

経済波及効果234億円のうち、
直接効果(144億円)
●観光客消費額の増加額

間接効果(90億円)
第1次間接効果+第2次間接効果
●観光客 前年度比:37万人増加
●消費額 前年度比:74億円増加

この例は、観光客が主体であり大量の人間による消費からくる経済効果である。
ハリウッドVFXの仕事を誘致しても、直接ロケなどをしているわけではないので、
このような観光産業には結びつかないだろう。(一般の認知度、受け入れ度が低い)
このような大量の人間の消費に関連した物としては、コミケなどが考えられるが、
実際に結びつけられるかどうかはわからない。

実は映像産業に関して、一番手っ取り早く、大きな効果があるのがこの経済波及効果だろう。
それに比べるとハリウッド映画の製作を援助するだけのVFX作業は経済効果が無いように見えてくる。
ただ、このような経済波及効果意外にも、いろいろな面での波及効果があるはずである。


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おもしろい物としては、
東北地域への映画(映像)事業の継続的誘致のための経済効果と課題に関する調査(PDFファイルファイル)

映画ロケを主体としたものだが、
8ページにどのような経済効果があるかを一目でわかるように一覧にしてある。
ここのロケ隊の消費というのは、CG製作におけるスタッフの消費とおきかえてみればいろいろな消費活動を考えることができそうだ。
また社会効果に関しては、まさに業界への影響が主目的のこの計画では、これは重要な点である。
この表を参考にしていろいろ考えるのも悪くはない。

9ページではロケ隊と、観光の需要との関連性を表にしている。
ロケ隊の需要を考えるときに現地の人との関わり合いがでてくるが、CGの場合どうしても部屋にこもる作業のためげんちの人との関わり合いは通常のロケと比べると少ないともいえる。


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埼玉りそな産業協力財団がまとめた
埼玉県企業誘致大作戦」がもたらす経済波及効果について」(PDFファイル)
埼玉県の企業誘致による経済波及効果および税収効果」(PDFファイル)

これらは、一般企業の誘致大作戦による経済波及効果についてリポートしている。
これをみると大きな企業を誘致することで、そこと関連した下受け企業に需要が生じていることに触れている。
ハリウッドの大手プロダクションを誘致するとすればこのような見方をすればよいだろう。
また税収効果についてもふれている。
税制優遇措置が具体的にどのような物か実は、はっきりとはしていないが...(゚Д゚)
クライアント側が支払うときに負荷される消費税に関する物としてとらえている。
だとすればその仕事うけた企業自体とそこで支払われる給料には税金が普通にかかることになる。
もしプロダクションが成長すればその額も増えていくことが想像できる。


その他の一般的な経済波及効果の例も「Keizai report.com」で122例、確認できる。

また「経済波及効果」について説明してあるサイトは他にもあったので記載しておく。
経済波及効果とは:「生産誘発効果」、「価格波及効果」といった言葉についても解説している。
http://www012.upp.so-net.ne.jp/hakyu/hakyukouka/hakyukouka.htm#hakyukouka

産業連関表による経済波及効果(石川県)
http://toukei.pref.ishikawa.jp/annual/kaiseki/renkan_h7/ioreport/renkanbunseki.htm

経済波及効果(北海道新聞)
http://www5.hokkaido-np.co.jp/motto/20050604/



またこの計画に関する「経済波及効果」を考える上で役に立ちそうなのは
映画産業ビジネスモデル研究会 報告書(pdfファイル)
http://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/contents/downloadfiles/movie.pdf

コンテンツ産業の現状と課題(pdfファイル)
http://www.meti.go.jp/policy/media_contents/downloadfiles/kobetsugenjyokadai/genjyoukadai1215.pdf


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メモ:
実際、VFXをコンセプト段階から請け負うようになれば、
様々な企業の協力を得て、その企業ブランドを映画に関連させることもできるかもしれない。
これは世界的にブランドのイメージを売る宣伝効果が期待できる。
これはたとえばアウディーのような感じである。



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おまけ:
北斗の拳映画および投資ファンドについての考察
http://www.alpha-net.ne.jp/users2/ginjy/zakki/hokuto_fund.html