日本でハリウッドVFXを制作! 「経産省アイディアボックス」 結果:  
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2013年5月6日月曜日

プラグイン: PhonexFD & FractureFX

ここ10日ほど、FractureFXをずっと使っていたのだが、最近のプラグインは一昔前に比べて完成度が高くなった。
以前は、Mayaで破壊というと、Blastcodeぐらいしか無かったように思うが結構制限が多く手使いずらく、結局は破片だけ作ってあとはそれをパーティクルインスタンスに変換して使うという方法に落ち着いてしまった。

FractureFXは元となるジオメトリさえしっかり作ってあれば、多少、重いがシミュレーションをプロシージャルな方法でコントロールできる。
シミュレーション後にテクスチャを作るのも自由にできる。
今回使ってない機能もあるので、いずれはもっと極めてみたいと思わせるプラグインであった。
FractureFX: http://www.fracture-fx.com/



さて今日からはPhoenixFDでFluidシミュを始めることになった。
昨日までやった破壊のシミュレーションにダストを付け加える段階でこのプラグインを使う事にした。
実際に触ったのは今日一日だけなのだが、基本的なアトリビュートはおそらくどのFluidシステムもそんなに変わらないし、むしろMaya純正のFluidより少ないぐらい。
デフォルトの設定でなかなか良い感じのシェーダーがついており、素人ならキノコ雲つくってにんまりすることだろうw

今回は炎は殺し、煙の機能だけを使うのだが、大まかなな動きを作るのはさほど時間がかからない。
あまり巨大な物を作ってないのもあるのだが、スケール設定が容易で、コンテナを3倍ぐらいにしてもほとんど速度が変わらないので作業がしやすい。

慣れていないせいもあり、細かい微妙な動きを作り出すのにはすこし時間がかかったが、それをささえてくれたのがGPUプレビュー。
PhoenixFDに組み込まれているシェーダーはなかなか良い感じなのだが、ビューポートで見ると細かい三角の集まりとして表現されている。

GPUプレビューのチェックボックスをONにするとこれがたちまちきれいなFluidになる。
もちろん、さほど高い解像度ではないのだが、シェーダーが優秀なのか、あまり高い解像度でなくともそこそこのデティールがでてくれる。
GPUプレビューのすごいところは、MayaのLightの影をリアルタイムで反映してくれること。
ビューで見ながらLightの向きを変えると影がその移動に応じて動き、即座に雰囲気をつかむことが出来る。
ローレゾであればレンダリング画像もさほどかわらない。
ちなみにPhoenixFDのレンダリングにはV-rayが必要だが、PhoenixFDを使っているだけならV-rayの設定もほとんどいじることはなかった。

全体の印象としては、細部のコントロールに関しては、大手プロダクションのインハウスツールとまでは行かないが、その分、自動で処理してユーザーの手を煩わさないでそこそこのものを作れるようになっている。劇場映画ほどのクオリティーを必要としていない物を作るには向いていると思う。
自動で処理される分、どこかCGっぽさは残ってしまうのは仕方がないのかもしれない。
ただこれはまだ一日しか使ってないのでよくわからない。劇場映画のクオリティーに十分対応できるほどのポテンシャルを秘めているのかも知れない。




炎や煙だけでなく、水も泡までつくれるらしいので、この手軽さでできるなら、最近クオリティーがあがってきたTVのプロダクション需要には充分こたえてくれるのではないかと思った。

PhoenixFD: http://v-ray.jp/phoenix.shtml