日本でハリウッドVFXを制作! 「経産省アイディアボックス」 結果:  
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2010年12月31日金曜日

メモ:湯気と水蒸気, 霧、雲

水蒸気(Wikipedia)
水蒸気(すいじょうき、Water vapor、Steam)は、気化した蒸気
特に、沸点以上における水の気体状態を指すこともある(→過熱水蒸気、臨界状態は除く)。
ただし沸点以下でも水は気体として存在でき、常圧において沸点以下の温度でも水は空気中にある一定量まで気化している(→蒸気圧飽和水蒸気量)。空気中の水蒸気量、特に飽和水蒸気量に対する水蒸気量の割合を湿度という。

小学生の学習Q&A(Benesse教育情報サイト)
「湯気」と「水蒸気」は同じものではありません。水が沸騰しているやかんの口を、よく観察してみてください。口から少し離れたところで白い煙のようなものが出ているのがわかると思います。これが「湯気」で、やかんの口と「湯気」の間にある見えない気体が「水蒸気」です。


湯気は液体、水蒸気は気体

沸騰した水は、まず目に見えない気体の「水蒸気」となって口から吹き出し、熱い水蒸気がまわりの空気に触れて冷やされ、目に見える細かい水滴になったものが「湯気」となります。

気体の状態では、空気のように人間の目には見えません。目に見えるときは、それは気体ではなく「液体」、つまり湯気なのです。

※やかんを観察するときは、顔の近づけすぎにご注意ください。


湿度:飽和水蒸気量、露点
飽和水蒸気量
水蒸気は水の気体の状態で、目に見えません。
しかし、空気中にふくまれている水蒸気の量のちがいで、わたしたちは「空気が乾いている」とか「空気が湿っている」などと感じています。


 露点
これ以上水蒸気をふくめない状態(水蒸気が飽和の状態)になったときの空気の温度を「露点」といいます。
   そのときの空気の露点は、そのときの水蒸気量によって決まります。(気温で決まるわけではありません)



飽和水蒸気量
  飽和水蒸気量は、温度とともに変化します。たとえば10度の空気1立方メートルには、最大9.4gまでの水蒸気しか入ることはできませんが、20度の空気1立方メートルには最大17.3gまでの水蒸気が入ることができます。


湿度: Wikipedia
湿度(しつど、humidity)とは、大気中に含まれる水蒸気の量や割合のこと。数種類あるが、通常は相対湿度を意味する。


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個人メモ:
水蒸気というと一般的に湯気と混同されている。
水蒸気は目に見えない。
水蒸気は100度(沸点)以下でも(温度が低くても) 空気中に存在している。(湿度として感じる)

目に見える物は湯気
温度が低ければ低いほど湯気は発生しやすくなる。

蒸気機関などから噴出して、目に見えているのは・・・
1)温度の高い内部から温度が低い空間へ水蒸気が放出され、
2)飽和水蒸気量が低くなるために、水蒸気として存在できない。
3)水蒸気が湯気(液体:水の粒)に変わる。(冷たい窓に結露するのと同じ)
4)この湯気が目に見える。
5)噴出するときは内部圧力が高く外部へ放出されるので、粒子の動きは維持している。
そのため、外へ吹き出す動きがある。
6)外へ吹き出すと共に圧力がさがり、動きのエネルギーを失い、
7)大気中の空気の流れから影響をうけはじめる。
8)それと同時に湯気となっている。

 湯気が白く見えるのはなぜか?Yahoo知恵袋の解答
 湯気は、液体です。非常に小さな微粒子状の液体です。水蒸気は目に見えません。
なぜ、見えないか、それは、水分子1個を肉眼で見ることができないからで す。
見えたら、顕微鏡で分子が見えると言うことですからね。
液体になると、かなりの水分子が集まっているので、光を乱反射して、白く見えます。
白いのは、 乱反射の結果です。例えば、氷は透明ですよね。
でもかき氷にすると白くなります。あれは、結晶の面が不規則な方向に並んでいるため、光が乱反射するからで す。湯気も同じ事です。


ヤカンから上がる湯気は、部屋の湿度が上がり続け温度も上がり続けると、発生する湯気の量も減る。
反対に、冬の室外は温度が低いため、でヤカンから上がる湯気の量は、室内よりも多い。


湯気の消滅:
9)温度が下がり湯気となったのだが、視界がクリアな空間は飽和水蒸気量に達していない。
10)そのため小さな水の粒である湯気は、温度が低い状態で再度蒸気に変わる
11)すなわち乾燥する。
12)湯気となった水の粒は、空気中で拡散(Wikipedia)する運動もそれに加わっている。
13)そのため広がりながら消失するように見える。


煙との違い:(Yahoo質問箱:湯気はどこへ消えるのでしょうか?
煙は拡散です。風のないとき(多少あっても)なかなか消えません。
気流が安定していると、長く尾を引いてたなびきます。
気流が乱れると速く拡散し、小さい粒一つが識別できない間隔に拡散すると見えなくなります。
人間の目の分解能は煙粒子一粒を見分けられるほど高くはありません。

湯気の拡散ももちろんあるでしょうが、見えなくなるまでの時間が全然違います。
微細粒子の拡散で、識別不能になる時間と、微小水滴が蒸発しながら拡散するのでは、あきらかに蒸発する方が早く見えなくなります。粒子の大きさにもよるでしょうが、煙粒子は、最後は落ちてくるものです。


※「水は沸騰して湯気になる」という考えにとらわれると、温度の高いとき(100度)しか湯気にならないとかんがえてしまう。

※「乾燥」の実験や観察は長い時間コップに入れた水の減少で確認することが多いので時間がかかると考えがちだが、そうではない。

 参照:(Yahoo知恵袋
なぜ気温が高いと冷凍庫など冷たいものから湯気がでて又気温が低いとお湯から湯気が出るのでしょうか?

>なぜ気温が高いと冷凍庫など冷たいものから湯気がでて
これは発想が逆です。
室温が冷凍庫の冷気に冷やされて気温が下がります。
気温が下がると、これまで水蒸気として空気中に存在していた水が凝縮して
液体(霧)になったのです。

※ この場合、流体の動きは冷気の動きであり、湯気となったのは空気中の水蒸気

>気温が低いとお湯から湯気が出る
お湯付近では気温が高いく、湿度はほぼ100%でしょう。
それが室温まで冷やされるとやはり飽和水蒸気量が下がりますから
水蒸気が凝縮して液体(湯気)になったのです。

※この場合、流体の動きは温度の高い空気の動きであり、湯気はその空気に含まれる水蒸気

>あと具体的に~度温度差があると湯気が発生するとかあるんでしょうか?
以上のことからわかったと思いますが、温度差だけでは決まりません。
湿度+温度の条件が必要で、
空気中の水蒸気量>その温度での飽和水蒸気量
という条件で湯気(霧)が発生します。

※ 温度が低くても二つの空気内で温度差が生じればそこに湯気が発生する。
空気が冷やされると飽和水蒸気量が小さくなり、それ以上水蒸気として維持できなくなる。
鍵となるのは「冷やされる」ということ。

気温-45度でお湯をまく動画



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靄(もや):Wikipedia


(もや/Mist)とは、と同様に空気中の水蒸気凝結して細かい水滴となり浮かんでいて視程が妨げられている状態であるが、霧よりも薄いものをいう。
日本式の分類では視程が1km未満のものが霧、1km以上10km未満のものが靄である。

霧(きり):Wikipedia
(きり、英称Fog) とは、水蒸気を含んだ大気温度が何らかの理由で下がり露点温度に達した際に、含まれていた水蒸気が小さな水粒となって空中に浮かんだ状態。

水粒は雨粒に比べて非常に小さいが、通常、根本的な霧の発生の原因は大気中の水分が飽和状態に達したものなのでと同じであると考えてよい。
雲と霧の一番大きな違いは水滴の大きさなどではなく、両者の定義の違いである。すなわち、大気中に浮かんでいて、地面に接していないものを雲と定義し、それが地面に接しているものを霧と定義する。例えば、に雲がかかっているとき、地上にいる人からはそれは雲だが、実際雲がかかっている部分にいる人からは霧なのである。なお、山の地面に接する霧または雲のことをガスと呼ぶことがある。

 層雲:Wikipedia
層雲(そううん)は雲の一種。最も低い所に浮かび、灰色または白色で、層状あるいは霧状ののこと。輪郭はぼやけていて、厚みや色は一様であることが多いが、ちぎれて独特の形になる場合もある。霧雲とも呼ばれ、をもたらす雲の代表格である。
基本雲形(十種雲形)の一つ。ラテン語学術名Stratus(ストラタス)は、ラテン語の動詞 sternere (拡張する、広がる、平らにならす、層で覆うなどの意)の過去分詞 stratus に由来する。略号はSt。
海や川・湖などの暖かい水面上に冷たい空気がやってきたとき、冷たい水面や放射冷却で冷えた陸上に暖かく湿った空気がやってきたとき、沿いに湿った空気が上昇して空気が冷やされたときなどに発生する。また、雨が上がった直後などに、地上付近や山の山腹・頂上付近、上空低いところなどに残るちぎれ雲も層雲である。山から立ち上るような雲の場合は、山旗雲(やまはたぐも)と呼ぶこともあるほか、地域的な名称もある。

 



2010年12月29日水曜日

メモ: 粒子法、SPH法、FLIP法

SPH法について 

SPH 粒子法の基礎と応用


九州大学情報基盤研究開発センター  計算科学チュートリアル2009~粒子法で宇宙を探る~
SPH法:密度の高いところほど高い空間解像度を実現できる (質量解像度一定) という利点がある.この特徴のため,特に密度コントラストが大きくなる問題や,ガス雲の収縮を扱うのに適しており,特に宇宙流体分野で広く使われている.一方,粒子の重ね合わせで流体を表現するため,衝撃波や接触不連続面等の流体内にある物理量の不連続性の扱いに問題がある.


物理ベースコンピューターグラフィックス
• PIC法(FLIP法)
– 空間微分を計算する際に、一旦格子点での値に
変換し、空間微分により発生した変化を粒子の物
理量に反映させる。

• MPS法
– 空間微分に対応する粒子間相互作用のモデルを
作り、方程式の項を粒子間の位置関係で表現す
る式で置き換える。

• SPH法
– 空間の任意の点での物理量を粒子からの寄与
(カーネル)で表し、カーネルの微分で表現する。


sky-high-nest-blog (AWN tv メイキングがいっぱい
sky-high-nest-blog (リズム&ヒューズのTDのJerry Tessendorf氏のHP

粒子法(Wikipedia)

流体の神秘:アカデミズムからスクリーンへ の真の架け橋を目指して ~前編~ (CGARTSリポート)

粒子法と格子法の違いの説明(ブログ:変電録より)

粒子法とは

f:id:henschel:20090331002204p:image
流体の挙動を計算機上でシミュレーションするには、大きく分けて2つの方法がある。
一つは格子法で、これは空間を格子で分割してしまい各格子について質量運動量などの出入りを計算する方法。
そしてもう一つは粒子法で、これは流体をいくつかの塊(=粒子)に分割してしまい*2、粒子を移動させながら粒子間の相互作用から圧力や速度を計算する方法。
大雑把な比較を行うと、格子法では空間微分計算が簡単に行えるが、流れによって運ばれる質量運動量計算に工夫が必要。更に、重要なところでは格子を細かくして重要でないところでは負荷を減らすために格子を粗くするというようなことは格子をうまく切らないと実現できないので、その手間もかかる。
一方、粒子法では流れによって運ばれる質量運動量は粒子が移動することで勝手に表現されてしまうので簡単に計算できるし、そもそも格子を使わないので格子の切り方に工夫をする必要もない。また、複数の流体が混じっていたり、変形する物体が流れの中に存在するような状況の計算も比較的簡単。ただし、粒子間の相互作用や空間微分計算は格子法よりも難しく、計算コストもかかる。

非圧縮性流体とは

水などの密度変化が無視できる流体を非圧縮性流体と呼ぶ。空気も時速100km/h未満の流れなどでは密度変化がほぼ無視できるので、非圧縮性流体として取り扱うことができる。
一般に、圧縮性流体よりも非圧縮性流体の方が計算が簡単になる。
ただし、亜音速以上の流れや衝撃波などの現象は圧縮性流体として取り扱わないと計算できない。

2010年12月25日土曜日

1年を振り返る。

昨年の今頃は、アメリカに滞在できるのもあと数ヶ月かどうかという状況で、仕事もないという窮地にたっていました。
その後半年で、ほぼ問題は解決し、今年のクリスマスは平和そのもの。

いままでの8年間は、夢を実現すると言うよりも、アメリカに滞在し夢の基盤を作るために四苦八苦していたように思います。
とくにここ二年間で経験したことをもう一度やれと言われたら、多分、日本へ帰国する道を選んだ方がいいとさえ思うかも知れません。

子供の教育も含め、様々な問題が解決し、来年は、いよいよアメリカに来た目的を達成するために、さらなる一歩を踏みだし、私生活も充実させようと思います。
これまではいろいろな問題に、神経とすり減らされましたが、これからは金銭面以外では、それらの問題も少ないので、集中力が持てそうです。

金銭面も夢に向かって動くことで、解決する部分はあるし、まぁ金銭的な問題はどこまでいっても完全に解決することはないと思いますw

1年前と比べても精神的な余裕はかなり出てきました。
職場はとりあえず収入のために選んだ物ですが、なんとか生活できるまでになってきたので、これからさらに一歩を踏み出そうと思います。


また、様々な人との出会いで視野や行動が広がりました。
これもまた精神的な余裕を生み出すことにつながっていると思います。

こうしてみると、本当に人生という物は自分の信念による行動力が必要であり、さらに他者によって自分が支えられ生かされている部分が大きいのだなと思います。


ただ、精神的な余裕は出てきましたが、まだまだ気を緩めては居ないつもりです。
ただ混乱せずに、自分のペースで進めていくことが出来るようになったと思います。

正直、気を緩めたら、また新たな(自分の望まない)問題を引き込んでしまいますから、それはできません。
読んでいる人は何を言っているのか訳がわからないかも知れませんが、気を引き締め、自分の望まない問題を引き込む前に、自分の将来につながる問題を自ら作り出すか引き込んでいこうと思っています。
そのために、どのような方向性を持つべきか、現在試行錯誤しています。

すでにいくつかの方向性については考えているのですが、自分の能力を遙かに超えています。
これを細かくかみ砕き、ひとつひとつを解決していくのは、これまた人生におけるゲームのようです。

来年は、ゴールに向かって、少しでもコマを前にすすめたいですね。

2010年12月23日木曜日

結婚式で聞いた話。アイデアボックスへの試み。

先々週の土曜日に、鍋潤太郎さんの結婚式にいってきました。
普段はなかなか会うことのない、LAのCG業界の人、多数に会うことができました。

映画Skylineに関する裏話(映画に出てくる高級車などは監督兄弟の私物だったとか、公開前はさすがに監督は、かなりナーバスになっていたとか)をはじめ、それぞれ各社で働いている人達の近況など。

その中で、ある方から経産省に関する貴重な情報をいただきました。

知らない人のために、すこしさかのぼって経産省に関する話から説明させていただきます。

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(アウトソーシングでカリフォルニア内の仕事が減少)
1年ほど前に、経産省にハリウッド映画のVFX制作のために経済的支援をしてもらえないかという提案をしました。
当時はハリウッドから次々と仕事が国外へアウトソーシングされ、カリフォルニア内での募集が激減し始めていました。
前年の脚本家組合のストライキの影響から仕事が減っていたのもあるのですが、当時中小プロダクションへ流れていたような仕事が軒並み、
カナダやイギリスへ流れており、大作もWetaが持っていっていました。
VFXpro.comはVFXの仕事を見つけるための掲示板をもっており、ハリウッドでは最も知られていると言ってもよい掲示板でした。
しかしそこにポストされる仕事は、海外の会社が急増。
ロサンゼルス内での募集は名前も知らないような小さな会社がときどき募集をしているぐらい。

また次々と大手プロダクションがカナダ、シンガポール、インドなどに支部を設立し始めており、事情を知らない身でもなにか大きな変化がおきていると感じました。
そこで調べてみたところ、アメリカ国外へ仕事がアウトソースされている理由はいくつかあることがわかりました。
1)国からの経済支援(税制優遇措置、政府からの補助金)
2)人件費が安い
3)インターネットの普及によってデータのやり取り、ネットでの会議も簡単に行え、場所を問わなくなった。
4)CGの教育が普及し、各国のCG制作レベルが高くなった。


そして身近な人からも以下のような情報を得ました。
●イギリスのあるプロダクションの面接をうけた人の話では、むこう数年は仕事がぎっちり入っていると
●ロトスコープの仕事が途中ですべてアウトソーシングされる事になり職を失った。(この会社は先日閉鎖されました)
●自分自身も所属していたプロダクションがカナダ支部をつくり、そちらにメインの仕事が流れたためにLA本部での仕事は激減。
●ある大手プロダクションはお金のかかるシニアレベルを軒並みレイオフ。安価なジュニアレベルを大量に採用。ミドルレベルの負担増加


この手の話があまり日本人同士の間では話題に上ってきてなかったのですが、おそらくビザサポートされてい人が多いためだったのかもしれません。
ビザサポートされる場合は、社員として採用され支払われる給料がフリーランスより低く、またレイオフの確率も低かったので、レイオフ→職探しという経験がすくなく実感がわかなかったのかもしれません。

しかし、しばらくするとビザサポートをされている人たちでさえ、レイオフされるという自体がおき始めました。
親しい友人でさえ、日本への帰国を決めなくては行けなくなる始末。
それほど、ハリウッド内での仕事が激減していたのです。


(日本はなぜアウトソーシングの受注をしないのか?)
この状況を別の側面からみるとアメリカ国外での仕事は急増しているという事になります。
当初より思っていたのは、日本のCGアーティストは優秀な人が多いとのではないかということです、これは日本のCGは駄目だとか遅れているという一般的な意見とは相反するのですが個人的にはそう感じていました。
も ちろん、海外で就職してVisaをとれるような人たちに接する事が多いのでそう感じるところもあるのかもしれませんし、趣味的にやっている人たちの作品を みると、国内だけでうけるような近視眼的な作品やテクニックが多かったり海外で趣味でやっている人のレベルと比べると非常にレベルが低いと感じる物が多い のも事実でした。
しかし、それでも低い予算と短い製作期間で制作された映像の中に、かなり質の高い物がちらほら見受けられ日本のCGアーティストの底力を感じました。

こちら(LA)で働いていてCGアーティストについて思うのは、確かに優れた人はとてもすごい人が居ます。
しかし、ピンキリで日本のCGアーティストほど技術力も無いし、勉強熱心でもない人間がこのハリウッドのVFX業界にもたくさんいるということです。
日本人の場合は、概して勉強熱心、仕事にも真剣に取り組む人が多いので、何らかのアドバイスをする人がいれば短期間で充分伸びてハリウッドレベルのクオリティーに達するのも現実的な考えだと思いました。
少なくとも平均的な潜在能力はかなり高いと思います。


日本のCGを取り巻く状況の一番の問題は予算と言われています。
ハリウッドの予算は以前に比べて厳しくなってきたとはいえ、アウトソーシングされるような作品は大作が多く、一本に費やされる金額は日本の比較にならないほど大きな物です。
それに最近のハリウッドの売れ筋映画の大半は、VFXが不可欠どころかメインになっています。


次に気になった問題は、英語力や、スーパーバイザーの不足といった問題です。
特にVFXの品質を維持し、ハリウッドの要求に応えるには、ハリウッド映画制作の経験があるスーパーバイザーが不可欠です(認識が間違っていたらすみません)。
仕事がとれてもそれを完了するには良質のスーパーバイザーがいなくては、要求に応えるのは難作業になるでしょう。
しかしながら(人から聞いた話ですが)日本ではVFXスーパーバイザーがほとんどの場合は不在で、ハリウッドのパイプラインを知るスーパーバイザーとなるといないようです。

英語に関しては、幾人かのプロデューサーには不可欠でしょうが、アーティストレベルになると
プロデューサーやスーパーバイザー ←→ アーティスト
の間で通訳がなされれば、実作業はさほど問題にはならないでしょう。
また指示の部分だけが理解できればよいので作業中ずっと隣で指示をしているのではないかぎり、さほど英語レベルは高くなくても大丈夫でしょう。

他にも大きな仕事を受けるにはパイプラインの構築、システムの更新、不動産の問題、人件費などの様々な問題があります。

しかしながら大きな仕事を受けた場合には、かなりの予算枠を確保できるので、いくつかはそれによって解決できるでしょう。
また、経験豊富な有能なプロデューサーやスーパーバイザーを海外から雇うことも可能かもしれません。

こういう面だけを見れば、いろいろと解決すべき問題や必要な努力はたくさんあるにしろハリウッドのVFX映像を日本でつくるのは不可能ではないと思いました。
事実、日本よりも技術的に劣っていた国がこのハリウッドのアウトソーシングにどんどん参加しています。

それとともにハリウッドでしか最高の映像はつくれないというのはただの神話にすぎないのではないかと思いました。
たしかに大量の開発費を必要とする新しい技術を使う物に関しては、ハリウッドは、まだまだリーダーシップをとっています。
ハリウッドにも中小プロダクションは山ほどあります。
それらは独自のツールを開発することができないプロダクションも山ほどありますが、それでも仕事を下請けしてハリウッド映画の制作に参加しているプロダクションは存在します。
(ただ、中小プロダクションが受けられる仕事量は、非常に少ない量ですので、上記の問題を解決できるほどの予算を確保できる仕事になるかどうかはわからないという疑問が残ります)

実際にアウトソーシングで仕事を受けている会社の中にも、そのような会社は少なくないと思われます。

こうしてみるとある程度の問題は解決できそうな気がしてきました。
その鍵の一つは予算ですが、あいにくハリウッドの予算も年々厳しくなってきています。
それが、海外にアウトソースされて、ハリウッドのプロダクションが総スカンを食らっている理由でもあります。
いくら日本のCGアーティストとしての給料がハリウッドよりも安いとはいえ、海外のアウトソース先はさらに安い料金でやっているのです。
中国など給料はハリウッドの1/5とも言える金額です、これにはとても太刀打ちできません。

ではイギリスなどはどうでしょうか?
イギリスは物価の高さでは東京に並び高いと評判でした。
なのに仕事を受けることが出来ているのはなぜでしょうか?
イギリスは、ハリウッドとはCG時代以前から結びつきがありイギリスでハリウッド映画が作られたことも少なくありません。
VFXに関しては数年前までは質は高い物の、ミュージックビデオとかCMぐらいでした。
しかしここ5~6年ほどでしょうか、徐々に映画のVFXがイギリスで行われたというニュースが増えてきて、ハリーポッター以降はかなりのVFXがイギリスのプロダクションで行われ、最近ではかなりの数のVFX映画がイギリスなどに流れています。

この裏にあるのは政府の支援があります。
補助金や税優遇措置です。
これはニュージーランドやカナダでもおこなわれています。
共通するのは、昔からハリウッド映画の制作に関係しており、ハリウッドのプロダクションの金銭的な流れや仕事をうけるために何をすればよいのか知っている国です。
これらの国はVFXだけでなく、映画制作自体に支援金をだしているという面があるので、VFXのためにわざわざ支援をし始めたわけではありません。
ただ結果的にVFXがメインの仕事になってきた現代では、そこに力を入れていると言うことでしょう。
ホビットシリーズの仕事を確保するためにニュージーランド政府は法律を変えたほどです。
例外的ですがシンガポールは異例とも言える支援と優遇で海外の優秀企業や人材をどんどん引き寄せています。

日本で、個々のアーティストの収入を維持してハリウッドの仕事をうけるにはこれらの国と同等のことをして競争力を高める必要があります。
それには、イギリスやカナダと同じように政府からの支援が必要だと思いました。


(日本でハリウッドの仕事を受注するメリットは何か?)
ハリウッドのVFX予算が切り詰められていると言われても、まだまだ日本の比較にならないほどです。
この予算を日本で受け取ることで、
1)(会社も個人も)収入が上がるのではないかと思う。(ただの皮算用ですが)
2)日本でVFXをやりたいCGアーティストのやる気が高まる。
3)パイプラインの構築をするためのアイデアを取り入れたりそれを構築するための予算を確保
(一度構築すれば次も生かせる可能性が高い)
4)ハリウッドで経験を積んだすぐれたVFXスーパーバイザーを採用できれば、絵作りに関するノウハウが得られる。
5)同じく経験を積んだプロデュサーをハリウッドから雇用できれば、プロデュースに関してのノウハウもある程度得られる可能性がある。
6)アニメーションの技術はVFXもCGアニメーションもハリウッドでは共通している部分が多い。
それらのノウハウを手に入れられる可能性が高い。(少なくともリビューによって何がよくて何が悪いかは学べる)
(これは今回、白組がヤマトを作り、次回作でもののけ島のナキを作るという事からも国内で証明されると思います)
7)絵作りに関することだが国際的に受け入れられるものがどんな物かが作業体験を通してわかりノウハウとなる。
8)日本のCGアーティストが自分達が国際的に同レベルだと自信をもつことができる。(いまは日本は駄目、海外はすごいという認識が根強く残っている)
9)上記のことによって、経産省が注目している3DCGによるアニメーション作品を含め、国際的な競争力をもったコンテンツをつくる力とノウハウを日本にもたらすことが出来、その基盤を固めることが出来るだけでなく加速できるパワーをもたらすことになります。
いわば海外資本で、国内の組織のスキルアップと、拡張をはかるチャンスになるのではないかと思います。

10)ハリウッドの総プロデューサーや監督、スタジオとのコネクションが生まれることにより、今後の日本のコンテンツ売り込みに有利となる。 特にコンテンツが良くても実際にそれを売り込むにはある程度のコネクションが必要とどこかで読んだことがある。(12月25日 追記)
11) 将来的に日本がハリウッドとのコネクションを深めることによって、ハリウッドから監督やプロデューサーを呼び寄せて、日本独自のコンテンツを世界市場にむけて出すためのコラボレーションも可能となるかもしれない。(12月25日 追記)



実は、これらは後から考えていったものです。
後から考えましたが、一応、それぞれ熟考しており単なるこじつけではありません。
アニメーターが動画を描くことでアニメーションのノウハウが身につくようにVFX制作を通して国際的に競争力があるハリウッド映画のノウハウを身につけることができるのです。
またすぐれたスーパーバイザーとプロデューサーなどを呼び寄せることで、それらのスキルやノウハウも学ぶことができます。
これらを予算のない国内に頼らず、海外資本で可能となるのではないかと思います、

そして最終的にはハリウッドのVFX制作は、日本のアニメ動画制作と同じくもっと安価になり中国などの人件費が安い国へさらに流れていく可能性は高い。
将来的には、そういう国と競争するのではなく真にコンテンツ作成者、VFX制作の先端技術開発などに専念できる環境を整えていくことが生き残りにつながるのではないかと思う。(この段落:12月25日 追記)



(経産省への提案とアイデアボックス)
ちょうどその頃、経産省は日本のコンテンツを海外マーケット展開するために様々な支援を打ち出している最中でした。
また国内のIT企業向けに経済特区や税優遇措置なども行っているのもこの経産省です。
ここへ、働きかければなにか道が開けるのではないかと思いました。

まぁいくらなんでも、そう簡単に受け入れられる物ではないことは頭からわかっていました。
ただ、何もやらなければ状況は変わらない。
長期戦になるのは覚悟の上でメールをだしました。
一回目は無視されるだろうから何十回でも手法を変え、窓口を変え、内容を変えてトライし続けるつもりで居ました。

そして、このことをブログに書いたらそれが巡り巡って、経産省内部の方(当時)の耳に入り、返事を頂きました。
そして、たまたまアイデアボックスの時期と重なり、それに参加することになるなど事態は急展開で進んでいきました。
アイデアボックスとは経産省が毎年おこなっているインターネットでの一般意見の公募とその寄せられた提案に対する投票からなっているものです。
提案された内容は一般の人が意見を自由に追加できるだけでなく、最終的な結果はまとめられ経産省内部の人達の目に触れることとなります。

しかし、アイデアボックスで、広くこの提案に関する意見をいただこうという考えは間違いではないのですが、提案がまとまりきっていない段階での公開となりました。
また裏付けとなる信頼性のある数字もまったくありません。
そもそも、言いたいことが明確になっていないので、合意していただける人は少ないのではないかと思いました。

この機会を最大限に生かしてできる事は何かを考えました。
まずは、とにかく声を経産省内部に届ける絶好のチャンスでした。
内容はまとまっておらずとも、「とにかく経産省内部に何らかのインパクトを与えよう」というのが自分野田下結論です。
経産省に、日本のVFX業界の現状について、なんらかの認識をもってもらうということができれば、後につながると思ったからです。
壁は大きいですが「後で大きなひび割れの原因となる小さな傷を作れれば」ということです。

そこで、経産省内部の人達の目にとまるにはどうするのが良いのかを考えました。
1)現実のデータに裏打ちされたすばらしいアイデアを、具体的な数字と計画と共に提案する。
2)アイデアボックスで一番多くの票を集めることで、無視できない状況(投票数で一位)にする。

「1」は私の貧相な脳みそでと数週間という時間の中では、とてもできません。
ただあきらめてはどうにもならないので限られた時間の中でできるだけ、情報を集めまとめることに着手しました。

「2」については何となるのではないかと思い、当時のブログを通して知り合ったばかりの日本のCGブロガーの方々に広報の支援をお願いしました。
また、日本のSF、CG業界に関係していてある程度、名前が知られている方々に直接メールを出してお願いしました。
またこちらで知り合ったCG関係の方々にもできるだけ投票をお願いしました。
うれしいことに多くの方が、積極的に支援してくださり、アイデアボックスでは投票数で一位となりました。
これでこの提案が結果的に、どうねじ曲げられるにしろ、経産省内部の人は嫌が上でも目にすることになりました。

結果については、みなさまご存じの通りで、直接日本のVFX業界への支援に結びつくことはありませんでした。
その後の会議をまとめた議事録をみても、どことなく的外れな解釈がされたように見えました。

経産省が出した結論はアニメーションの分野に力を入れると言うことと、国際的に活躍できるプロデューサーの育成支援をするということでした。
ただ、私の提案したVFXのことについては、議事録でも若干触れられており、少なくとも「無視はできなかった」という意味で、狙った結果を得ることはできたと自分では、満足していました。


(さて、話を結婚式の時の話に戻します)
その方との話によると、(その方は別の角度から経産省に接触していました)、「経産省はそれまでにVFX業界自体の存在を知らなかったが、これによりVFX業界の存在を認知するようになった」とのことでした。

「無視できなかった」ということではなく「認知してなかったんですね。
経産省がVFX業界の存在をそれまで知らなかったというのは驚きですがw
でも、これはかなりの効果だったのではないかと自分では思いました。
もちろん、これは私の活動だけではなく、同時期にその方の活動があったことにも深く関係していたと思います。

さて、この話の重要なポイントは「無視していたわけではなかった」ということです。

「無視」というのは「知っているが拒否もしないし、取り合うこともしない」ということです。
「知らなかった」のなら「拒否する気持ちは(少なくともその時点では)ない」と言えます。

これは私がもっていた経産省への認識を大きく変える物で、もしかしたら継続して働きかけることでもっと経産省のVFX業界への認識を変えられるのではないかと思いました。

この話を教えてくださった方も、何かカンフル剤のようなものが必要だと言っていました。
今の自分にはそのカンフル剤が思いつかないのですが、継続して経産省のVFX業界への理解を深めさせることで、何かカンフル剤が出来たときに、その効き目を倍増できるのではないかと思いました。


もちろん、そう簡単なことではないと思いますが。
継続して働きかけることは重要なように思います。
大きなダムに針で突いたような傷をつけたからといって期待はできませんが、継続することでその傷を拡大でき、ダムを崩すことができるかもしれません。


世界の動きをみても、VFXにおいては、日本はハリウッドの枠外で動いています。

先日、ハリウッドを訪れて、いろいろとプロダクションを訪問された方が聞いた話によると
ハリウッドが日本と協力しないのは、メリットがないからだそうです。
日本のCGは技術については、ハリウッドでも認める人はいます。
メリットがないというのは政府の支援とか金銭的な面です。
そのためにハリウッドは日本との協力態勢を考慮に入れていないと言うことです。


ようするにこのまま指をくわえていても、いくら予算削減に励んでも、日本ではハリウッドの仕事を得ることは出来ないというわけです。




そんなわけで次回、もしくは次々回のアイデアボックスでは、このあたりをさらに突き詰めて再度提案していきたいと思っています。

いまはそのシナリオを考えている最中です。

経産省が後押ししている、アニメーションのコンテンツを国際的な市場に載せること。
このあたりとVFXがいかに深く関連しているかを、経産省の人達に植え付ける必要があるように思っています。



そもそも、別にハリウッドの仕事を得なくても自分達独自のコンテンツを生み出す力を高めていけ、国際的な競争力を持てればそれが一番なので、ハリウッドの仕事を得ると言うことをいったん忘れた方が良いのかもしれません。

自分のアイデアではハリウッドの仕事を得るメリットは豊富な予算なのですが、そのあたりも実際の金額をみた事がないので、そもそも根のないアイデアなんですよね。


でも何かしなくては変わらない...。

2010年12月18日土曜日

TRON:LEGACY を見て

今日は会社のパーティーでTRON:LEGACYを見に行った。
パーティーの後で映画を見たのではなく、パーティー会場が映画館。
PasadenaにあるGold Class Cinemaという映画館で、40人程度が入れる少し小さめの映写室がいくつかあり、貸し切りに出来る。
そしてロビーはセミプライベートな空間になっておりバーがあり、飲み物を頼むことが出来る。
映画館の中はこんな感じ。


グループでなくても個人でチケットは買えるようなので個人でも見れるようである。
その場合、チケット代は$29
映画代が10ドルもしない(最近は$10以上?)LAではかなり強気な値段設定であるが、シートは電動のリクライニングシートでフットレストが背もたれが後ろに倒れるにしたがって、下からフットレストがせり出てくる。
ふかふかのシートで、疲れているときに行くと爆睡間違い無しである。

まぁこんな映画館があるとは思っていなかったので良い体験になった。


さて肝心の映画のほうは、見てない人も居るので、あまり深くは書かないがネガティブな感想、印象はないとかなり控えめに書いておく。

普段は映画関係の本はほとんど買わないが、帰ってすぐにサイン入りThe Art of Tron:Legacyを注文し、iPhon用のゲームも買ってしまいました。

さて、以下は感想というか自分の感じたことのメモ。
いつもながらに独断と偏見ですので注意して下さい。
ネタバレはないとは思いますが、映画を見ていない人は、映画を見た後に読むことを強くお勧めします。

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第一作のトロンは1982年の公開で、それから28年が経過しての続編である。
スタイリッシュな映像、デティールが磨き込まれたCG等、予告編を見るだけでも引き込まれる物である。

28年前に、最初のトロンを映画館のはスターウォーズEp4の4年後である。
その当時としては、最先端のCG映像が展開された。
フルCGということで期待して見に行き、当時としては見たこともない映像が展開されて興味深かったが、今ひとつ世界には没頭できなかった。
その理由の一つがCGが実写部分となじみきっていなかったことがある。
白黒な実写部分がさらに不満であった。
またCGのデティールが足りないために、アイデアもデザインもよいのだが、フルCGシーンになったとたんスケール感が無くなってしまう。
スターウォーズのスーパー・デティールのリアル感に身も心もとらわれていた当時は、デティールが少ないトロンのCGには不満を感じた。


そして今回のトロンレガシーだが、それらの問題はすべて消され、すばらしいコンピューター世界が広がっていた。

映画では、主人公のサムがゲーム世界へと引き込まれた後、様々なコンピューター世界が展開していく。

それを見ていて感じたのは「この世界へ戻ってきたと」という感覚である。

まったく一新された映像なのに自分が「戻ってきた」という感覚を持つことに驚いた。
たしかにこの世界に以前、入ったことがあるのだ。

間違っていることを承知で言えば、28年前にシドミード(とメビウスそしてPeter Lloydなど )が作り出したコンピューター世界のコンセプトは、当時の未熟な技術をもってしても自分を、その世界へと引き込んでいたことを今になって実感した。

シド・ミードのデザイン






メビウスのデザイン



Peter Lloyd のデザイン





参照サイト1)
参照サイト2:Tronsector

当時のCGや映像で表現しきれなかった部分は、きちんと自分の中で補完されていたのかもしれない。

コンセプトの大切さを実感するとともに、シドミードの心の中にあった概念が、すでに映画という非言語的言語を媒体として、自分の心の中に転送され、彼の概念が自分の心の中に再構築されていたのだと思った。

今回の映画により、細部に至るデティールが追求され、おそらくシドミードらの概念が、現実の物となったのかもしれない。
しかし28年前の映画で、彼の概念はすでに自分の心に届いていた。

たとえ映像が未熟でもコンセプトがしっかりしていれば、それは自分の中で補完され、世界観は通じている。
これは自分にとって大きな発見で、映画を見ている中、感動で涙がでそうになるほどだった。


もちろん、それにはライトサイクルやあの鳥居のような形の空飛ぶ飛行物体などの基本デザインが同じであることにも関係している。
そして細かな演出や、コンピュータ世界へ入ってくるときの演出もそれをさらに影響していると思う。
(まぁ、そもそもシドミード達が、ここまでのデティールを想定していたかというとわからないが)

トロンレガシーでは、いろいろな乗り物はほとんどすべて、シドミードの基本デザインを踏襲しており、よくぞここまでオリジナルのコンセプトを生かすことができたなと驚いた。
それにオリジナルの飛行機や、自動車まで拡張しているのも非常に楽しい要素となっていた。

今回のデザイナーはシドミードの再来とも言われるDaniel Simonである(氏のブログ)が、同じカーデザイナー出身であるしいか、ツボは心得ており、単なるリメイクにとどまらず、元の基本デザインを生かしたまま独自の進化をとげているのはすばらしい。

Danielが映画界に参加することによって、1980年代の映画コンセプトの熱かった時代が再来しそうである。
ちょうどSydMeadが映画に参加していた時代がそうであった。
かれの存在がなければ自分も工業デザインには興味を持たなかったかも知れない。

Syd Mead - Visual Futurism


余談だがSydMeadのコンセプトアートは、昔日立から発売されていたパソコンのCMに使われていた事がある。
実はこのイラスト、 今回のトロンに出演しているDaft-Pankが出てくる画面に似ている気がするが、意図的なオマージュなのか、気のせいか...。





The Art of Syd Mead





今回の監督もスタンフォード大学工学部機械工学デザイン科を卒業後、コロンビア大学建築大学院修士課程修了という履歴を持つ。(参照:Wikipedia

そのためか、細部に至るまでのデティールの追求、未来的なデザインの中にも現実感を残すの力量はすばらしい。
コンセプトデザイナーのDaniel氏の描く世界と完全にマッチしており隅々までに、配慮が行き届いており安心して世界に浸ることが出来た。

すべてのカットの画面構成がすばらしく、どれをとってもコンセプトアートそのものという印象をうけた。(現時点でこの映画のコンセプトアート全てを見たわけではないです)

映画制作者は2次元のフレーム内での構成にはこだわりがある、しかし建築家やカーデザイナーは空間の中でのボリュームと構成にこだわりがある。
他の映画とはまた違った、コンセプトからうまれた映画ではないかと思う。


映画のエフェクトもすばらしかったのは言うまでもありません。
一つだけ気に掛かったことがありますが、それはそのうち話題に上ると思うのであえて言うことは避けます。

そしてタイトルの「レガシー」の意味もわかった。
設定も、進化の過程も無理がなく、すべてがスムースに前作とつながっていおり、28年の差を感じさせつつも、コンセプトが一貫しているというすばらしい作品だと思いました。


映画の最後には、親しい友人の名前がクレジットされていたのをしっかり確認することが出来た。
最初のトロンを同じように映画館でみた世代であり、今回のリメイクに関わることができて彼も感慨深いだろう。

2010年12月14日火曜日

英会話の勉強

今回の面接で、チャンスはあるものだな~と思いました。

今回を除いて、これまで大きな作品に関わるチャンス(面接までいったこと)は4回ほどありました。
「くもりときどきミートボール」(エフェクト)
「ソーサラーズ アプレンティス」(エフェクト)
「Battle: LA」(ポストビジュ)
「トランスフォーマーズ3」(プレビジュ)

今回は、これまでの物を合わせても、プロダクションそのものも最高の物です。
おそらくこちらにきて8年の中で最高のチャンス。
結果も出てないのにこんな事を考えるのはお門違いですが、うまくいけば来年に公開予定の、あの4作目やあの3作目にも関われる可能性がないとは言えない場所です。

まぁ今回の結果がどうなるかは別として、これまでにチャンスを生かせなかった理由をもういちどおさらいしてみました。

1)エフェクトに対する踏み込みが今ひとつで見せられる物に決め手がない。

2)英語での会話がうまく行っていない。


まず二番目については、そろそろ本腰を入れて変えていかないといけないなと思っています。
自分のジュニアだった人間がどんどん良いところに入っていますが、やはり技術よりも英語の能力そしてLA人としての人間関係を心得ているからだと思います。

そういう意味では少なくとも会話能力を高めるほうが第一かも知れません。

面接が終わった夜、子供に絵本を読んでやる時間になったのですが一冊は英語の絵本。
読んであげようか?ときくと、「ママがいい、ママに読んでもらう。」「だってパパ英語へたくそなんだもん」「英語がすっごく下手だからママがいい」とだめ押しをされましたw


英会話学校へ行くこともできるのですが、英会話すべてをやりたいわけではなく、当面の目標は日常の中での会話を80%理解できるようになるということです。
いや一緒じゃないかと思う方も居るかも知れませんが、日常会話でなされるやりとりは意外と英会話学校では使われない言葉や文法だったりします。

それから、これにはある単語が理解出来ないときそれを抽出して相手に聞き直すと言うことも含まれます。
それができるにはまず聞き取りができ、その自分の聞き取り能力に自信がなくてはできません。

これはかなり敷居の高い目標であることはわかっているのですが、日本語の仕事場での会話を考えたときに、これがクリアされていない人間と働くのは、やはり少し躊躇する面があると思います。
そういう意味では会話能力が60%程度でもなんとかなるとは思うのですが、そこは目標を高めにして80%にしました。

この目標設定により、日常会話での英語のヒアリング時と会話時の集中力を高める目的もあります。


もう一つは、発音の矯正です。
英会話学校へ行けば良いという考えもありますが、ここは徹底して発音の矯正を先にしようかと考えています。
実は日本を出る前にHumminbirdという英語の発音専門のビデオ教材を購入して練習していたのですが、その教材の発行元はここLAにあるのでそこへ通うことを考えています。
(最近は日本校もあるようです)

Hummingbirdは口の形と舌の形から入り、発音を矯正する方法です。
日本にいるときにこのビデオ教材で練習しましたが効果はあったと思います。
「R」の発音方法もこれでわかりました。
ただ、音素の発音はできるのですが、単語の練習までは時間が無かったので、そこまでは身につきませんでした。今回はそれを完璧におわらせようと思っています。

費用はDVDの購入$400、クラスの費用が12回で$400、ちゃんとした状態になるまでには24回は通う必要があるようですので少なくとも合計$1200が必要です。
当時のビデオ教材の費用が同じぐらいでしたから、まぁましかなと思います。
ビデオ教材ではどうしてもこれでいいのかという不安感がぬぐえないのでちゃんとした先生に見てもらえること。
また集中して出来る時間を持つためには必要な出費かなとも思います。


なぜ発音なのかというと発音が矯正されると細かな音の違いがわかるようになり、聞き取り能力も上がるという遠藤メソッドの理論に基づきます。
詳しくはサイトにあるMovieをご覧ください。きっとやりたくなくなりますw



遠藤メソッドは9年ほど前にはこのHumminbirdのビデオに独自のテキストを添付して発売していましたが、いまはそれを元にした独自のDVD教材を作っているようです。

サイトにはTOEIC10倍速習法とか書いてありますが、以前はそんな宣伝は控えめで、今は商売気が出てきたような感じで嫌ですねw
実際TOEICで点数をとることは自分にとっては意味はありません。
正しい英語を理解出来るのは本を読んだりニュースを見るにはいいですが、日常会話は少し違うと感じていますから。


もちろん発音ができ、聞き取り能力があがってもそれだけでは英会話はできません。
それには語彙を増やすことと、多読と書き取り(ディクテイション)も同じぐらいがんばる必要があります。

ただビデオをも見てもらえばわかりますが、かなり奇妙な口の動きになってますw
また発音もなんか違うように感じるかも知れません。
それはこの方法は音素の発音矯正を元にしているからです。
そのあたりを指摘し、別の方法をとるメソッドもあるようです。
英語を音のストリームで覚えて使う


まぁ、反論を読むとなるほどなとは思いますが自分は以下のように考えています。
まずネイティブ環境での子供の英語の覚え方を見てみます。
実際の所、親や周りの人が話している単語を覚えて使うところから始まりますが、単語を話す頃にはかなりの量の文法や単語が頭の中にすでに収まっておりその一部が口から出てきているというのが実際の姿のようです。

実際に子供は最初から正確に覚えるわけではなく、なんとなく似たような音を出してまねるところから始まります。
だから覚え立ての単語とかは結構間違ってても平気で使っています。
なんどか周りの大人に訂正されたり、音素の発音の仕方をおしえてもらいながら成長し、単語から文法をおぼえるころには発音はかなりましになってきます。

ここでわかるように、ネイティブの子供の英語教育においてもやはり口や舌の使い他を見せる音素の練習はありますし、それは必要だと思います。
この点においては遠藤メッソッドで述べられていることはまるっきり間違っているわけではないと思います。

子供の英語教育ではフォニックスといって、母音と各子音の音素の練習に加えて、いくつかの発音の組み合わせパターンも習う方法が広く使われています。
これは上記のHummingbird(or遠藤メッソッド)
そういう意味ではこちらの教材も気に掛かります→「元気イングリッシュ!



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実際の所、翻訳は英会話にはあまり役に立たないようです。
たしかにかけた時間ほどには効果はありません。
英会話は実際に聞いて話すことだけに集中して練習する必要があり、別物ですね。

それに英語で話すときには英語の発想法を身につける必要があります。
これもまだまだですが、渡米したときから注意していた事なので、以前よりはかなり発想ができるようになってきました。

生活習慣や文化にも裏付けされたもので、自分で明確に説明できなかったのですが最近購入した本
英会話をなんとかしたい人の捨てる英語勉強法〈スピーキング編〉 井上大輔」にそのことが書かれていました。

この部分については通常の英会話学校で「こういうときはこういう」という紋切り型の方法では身につけるのはかなり難しいことだと思います。
英会話というよりも英語圏の人間の発想を身につけるということにほぼ等しいので、日常の中で英語圏の人間の会話に多く触れる必要があります。
(まぁこれは英語のブログやYoutube、映画などでも充分だとは思いますが、注意してないと、なかなか身につかないことだと思います。)
実はこのあたりは、自分でもなかなか良くなってきたと思っているので、ここらで英会話に本腰を入れるべきかと思った理由の一つでもあります。


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(2010年12月24日追記:Hummingbirdについて誤解を招く表記をしましたので補足しておきます。
ついでに遠藤メッソッドについても追記しておきます。

Hummingbirdのやり方で、最も力を入れているのは口の形と舌の使い方です。これにより明瞭な発音を目指します。
見た目は不自然にみえますが、練習時には多少大げさにやることで、日常ではそこまで口を動かさなくてもきちんと発音できるようにします。
発声練習などで「あえいうえおあお・・・」と口を大きく動かす練習を見たことがあると思いますが、それに似ています。(腹式呼吸などはしないです。)
日常生活、程度なら普通の英会話で 十分かも知れません、きれいな発音、明瞭な発音を目指す場合には個人的には効果的だと思っています。


自分は、ビデオを見て数週間やっただけで、最初の音素の練習といくつかの単語しかやったことがないので、身につくまでは出来ていませんが、後半のレッスンでは音の強弱などイントネーションの練習もあるようです。
イントネーションについては他の方法をためしたことがありますが、このあたりはHummingbirdは普通の英会話と同じ程度の注意しか払われていませんので、そのあたりが気になる方はHummingbird以外の方法も併用する方が良いと思います。


遠藤メソッドでは、その点も指摘しており、Hummingbirdは遠藤メソッドのほんの導入部分にすぎません。
遠藤氏は単語、文章の音読、聞き取り、その他のことにも同じように力を入れており、Hummingbird以外に大体360時間の英会話練習をやることで、やっと30%ぐらいは自分の言いたいことが言えるようになると言っています
この点からもHummingbirdは英会話の習得ではなく、音素の発音を明瞭にすることに的が絞られていることがわかると思います。


その他の注意点として、音素の発音については同じ英語でも国によって違うことはご存じと思います、Hummingbirdは西海岸(LA)での発音です。イギリスとは少し違うようですが多くの部分には共通点があります。
 LもRの発音の使い分けを考えてもうまく出来ないような人には、勉強になるとは思いますがそのあたりは自己責任なので自分で調べてみることをお勧めします。

また自分は遠藤メソッドを参考にはしていますが、きちんと遠藤メソッドをやっているわけではありませんし、高価なソフトを使っているようですし、ソフトを使うやり方は自分の生活スタイルには会いませんので、これからもやるかどうかはわかりません。
ただ、理論などは自分にとって非常にわかりやすかったので参考にはしています。
実際の所、Hummingbirdもやるかどうかは迷っています。なにせうちの財源はそれほどありませんのでw

他にもいろいろな方法があるし、これからもいろんな方法が出てくると思います。

でも、結局は英会話はやれば伸びるし、やらなければ伸びない。
手段はそれを加速してくれることもあるし人によっては足かせになるかもしれません。

何かの特定の方法でなくては習得できないというわけではなく、継続して練習することで伸ばすことは出来ると思います。
ネイティブは、赤ちゃんの時からそうやってきてネイティブになっているわけですから。)

面接終わり

10日ほど前からTwitterで騒いでいた電話面接が終わりました。

結果としては、散々というか。
本来の対面で行う面接は、最近なれてきて大体思ったことが、多少つまづいても言えるのですが、電話面接は初めて、いろいろと相手にどう聞こえているのかとかどう思われているのかが気になってうまく出来ませんでした。

一つの原因は、今回電話面接は初めてだったので、いろいろと下調べをしました。
1)面接での質疑応答についての回答のしかたとその準備
2)電話面接で気をつけるべき事

そして、今回の会社で採用されたらつくであろうプロジェクトにすでに参加されているある日本人の方からも下記のような事を始めいくつかのアドバイスを頂きました。
3)デモリールのショットで具体的なショットを取り上げ何を担当したか聞かれる。
4)何かそちらから質問はありますか?

これらについてなにをしたか反省点も含めて書いてみたいと思います。

最初は事細かにかいていたのですが、面接の内容をそのまま書いてはまずい
(面接前に誓約書にサインしているので)ので、具体的な部分はすべて省略しました。

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1)面接での質疑応答についての回答のしかたとその準備
「1」については「tell me about yourself?」とか「what is your strengths?」というような質問に対しての回答の仕方です。
これらについては、入念な下調べと回答を前もって準備しておくことが必要であると様々なサイトで 述べられており、共通して言えることはただ単に自分の履歴をのべるのではなく、「いかに自分がこのポジションに適しているかを面接官が理解出来るようにする必要がある」と書かれています。
実は、この1週間ほどはほとんどこの部分を考えることに力を注いでいました。

というのはこれは結構、他の日本人の方も同じだと思いますが自分の苦手とするところからです。
自分のことをVery Goodとか恥ずかしいどころかおこがましくてとても言えないというのが、通常の日本人の感覚です。
しかしアメリカではいかに客観的に自分を正確に判断できているかが問われます。
他の人に役に立っている部分、他の人にほめられたり、よく貢献出来ている部分はこの「VeryGood」に当たります。これを的確な単語をつかって表現することで、その自分のチームにおける重要性や特性が伝わります。
逆にこの部分が言えないと、たいしたことがない人物と思われかねません。

しかし、これを大げさにやったり嘘を書いてはいけません。
自分の観察では、業界経験が少ないネイティブでさえ、それをやってしまう人が多いように見えます。
少なくとも仕事です、仕事に嘘や誇張を持ち込むのは厳禁。
まぁそれでも通用してしまうことがあるのがLAですがw
少なくとも日本人のほこりとしてはそんなことは、いくら職を得るためとはいえ絶対やりたくありません。
そもそもそんなことをして仮に相手をだませても、職場での自分の仕事ぶりをごまかすことはできません。(まぁかなり口がうまければ、ある程度はごまかせますが、そんな人生は嫌ですねw)
自分が困るだけです。

まぁそれはネイティブの方もわかっているのかサイトを見ると、そういった自己表現のための言葉に加えて、実例を交えて説明するのが良いとされています。


さて、この質問似たする回答は、こつがつかめるまで何度も書いては書き直し。
これだけでほぼ7日間かかりました。
付け焼き刃では、完璧な物は無理だとわかっているので理想の70%ぐらいは出来ただろうと思う時点で良しとしました。
これには今までの面接の失敗や反省、職場での悔しい思いなど(笑:LA人は口がうまい人がので上司に取り入るのがうまい人に多く出会ってきた。)を生かすことができました。


結局はすべての回答は準備できないので、上記二つの質問に加えて、「Why did you chose this career?」「What is your strenghts?」という質問への回答を準備し、ネイティブの友人に自然に聞こえるかどうかをチェックしてもらいました。
また面接前には何度も声に出して読み、朗読ではなく自然な会話に聞こえるよう、自然な自分の言葉でいっていることが感じられるように練習しました。

曖昧な発音の単語については、その発音をWebの辞書でしらべて、補正しました。( Webの辞書の大半は発音が音声で聞けます)

結果として...
実際の面接では、これらの質問をされることはありませんでした。
が、あるショットについて説明するときに、上記の「Tell me about your self」の回答の中の実例がそのショットについての話だったので、スムースに答えることが出来ました。

しかし、苦労したことについて聞かれた時は、返答に困りました。
というのはどのショットも同じぐらい苦労している。
しかもその苦労ってのはどれもほとんどが、エラーなどの対処の思い出ばかり。
おもわず「えー」と詰まってしまい。気持ちは焦るばかり。
ちょとと的がずれた回答をしてしまったかなと思いましたが、案の定再度質問をかえて聞き直されました。

面接官の答えは「I see....」。
最後の間が怖かった。






 -------------
 2)電話面接で気をつけるべき事
これは、相手にはこちらの顔が見えないので言葉をはっきりと聞こえるように発音するということ。
「あー」とか「うー」とか迷っているような言葉を発せず、明確にスムースに答えるということなど。
 実はこれは、結構難しい。
面接の途中で、想定外の質問がされたときにネイティブ以上に時間がかかってしまうからです。

というのは、まず想定外の質問がされたきにその答えを考える時間が必要です。
言葉がすらすら出てくる場合は、その答えを考える間に、場を持たせるために適当な言葉を言うことができますが、英語が駄目な自分にはその方法は出来ません。

そして回答が思いついたら、それをどのように構築するか内容を考えなくてはいけません。
それからその内容を英語にして説明します。
この内容を整理すること英語にすることを別々にやっているため、頭の中ではネイティブに比べてより複雑な思考過程が必要とされます。
(このあたりのことは井上大輔氏の著作にも似たようなことが書かれています。)
そのためこの部分にはかなりの沈黙の時間が必要となってしまいます。

そうでなくてもテンパリがちな面接の場では早く答えようとあせってしまい、そのあたりの順番がうまくいかず、整理されないままに単語を口にすることになってしまいます。

そのため、予想外の質問がされたときには「うー」とか「あー」とか多発してしまいました。
しかも口をぬらすために一度口を閉じて、しゃべろうとしたときに大きな舌鼓の音が。。。
「あ~やってしまった....最悪。」という気分でした。
どうか悪い印象をもたれないでほしいですが、まぁ無理でしょう。

それから電話面接では「hallo」といってはいけないという注意をしているサイトも見て、言わなかったのですがw
面接官の自己紹介の段階で、普通に「Hi」とか言ってしまいましたw


-------------
3)デモリールのショットで具体的なショットを取り上げ何を担当したか聞かれる。

これは実は、もうなれてきています。
というのは、いままでに何度か受けた面接でも必ずきかれるのはこの質問です。
それにショットブレイクダウンを書いていると、比較的回答も思いつきやすい内容です。
今回は、ショットブレイクダウンには書かれていない内容、どんなレンダーパスを作ったかとか制作時間などを盛り込み準備しました。

ただ準備段階では、今回一番苦労したものについては、考えていませんでした。
苦労の内容がそれぞれ違いすぎて、きめられないというのもあります。また「ベストのショット」も同じです。
実はいつもデモリールを作るときにベストショットを決めるのに苦労します。

自分のベストがどれか、苦労した物はどれかということをあまり把握できていないのですね。

これは反省点です。

ー-------------
4)何かそちらから質問はありますか?
これはどのサイトを見ても同じく必ず質問を準備しておくように書かれています。
実際の所、これはいわれるまでもなくいろいろ質問したいことは出てきます。
このあたりもさほど困ることはありません。

今回もいろいろ考えていると10ぐらいの質問が思いつきました。
さすがにこれを全部質問するのは気が引けたのです、いくつかは省略して4つぐらいの質問で終わらせました。


ー-------------
面接全般について、

最初に各面接官が自己紹介してくれている時に、半分以上の人達の話している内容がきちんと聞き取れてないことに気がつきあせりが出てきました。
幸い電話口でメインに質問してくれた方は、聞き取りやすかったのでそのあたりは助かりました。

今回は海外の面接ではなくアメリカ国内のしかも地元LAからの採用と言うこと、そして経験者の採用と言うこともあり、面接内容も至ってふつうのCG会社の面接でした。

期待したというか、Webの情報にあるような普通の会社の質問はありませんでした。

ちょっと過剰にかまえすぎたかもしれません。
そのため予測から外れた質問が来たときに必要以上にあせってしまいました。
やはり普段の自分(の考え、予測)で良いという考えを変えるべきではなかったと、 反省。

また聞き取りやすい発音の人からの質問では、内容のかなりの部分は理解出来るのですが、早口で聞き慣れない言い回しをよくする人の内容は、10~30%の理解しかできていないように思います。
このあたりは聞き取り能力をアップしないと通常の仕事でも支障がでるので、早急の課題でもあります。

自分の発言については、発音もそうですが文法をはっきりと理解し使う必要があると思いました。
実は、英語については文法や単語を覚えるやり方がきらいで、そのあたりは体験から学ぶべしと思っていたのですが、はっきりいってこのやり方には限界があります。
そして、英文法が適当でも話し続けるという悪癖がつきました。
臆せず話せるのは良いんですが、相手に通じない文法ではね...。

考えてみると体験から学ぶという方法において真剣みが足りませんでした。
子供が単語を覚えて会話をできるまでの集中力には及びません。
幼児が言葉を覚えるときには自然に覚えると思っている方が多いかも知れませんが、あれは集中力のたまものだと思います。
幼児が新しい言葉を覚えようとするときの集中力はすさまじい物があります。
一つの言葉から発音、意味、そして文法からその心まで吸収しようとするすさまじいまでの集中力があります。だからこそ聞くだけで、体験するだけで話せるようになるのです。

さすがに自分はそこまで集中していませんでした。
多分、これからもそこまでの集中力はもてない。
というわけで、英文法も基本的な物は勉強し直そうと思います。

ショットに関しては、面接官が注目するのは本当にデモリールの最初のほうだけだなと思いました。
もちろん、全部を見ているので途中のショットについても質問はあるのですが、注目度が高いのは最初のほうです。

デモリールは、採用する側に「おっ」と思わせて、このショットについてもっと本人の口から聞きたいと思わせるのが鍵かと思いました。
そしてそれは最初のショットで行われるんだということにリアリティーがでてきました。

面接では後悔しないように準備してきたつもりですが、ニアミス(想定した質問とは微妙に異なる質問)があったために必要以上に焦ってしまい、思うように本領が発揮できず、通常よりも対応がうまくいかないという後悔しきりの結果となってしまいました。
おもいっきり想定外の質問がきてたらあきらめも早いのですがねw



 色々と悪いことばかり書いてきましたが、ひとつだけまぁ成長したなと思うのが、相手の言うことが以前に比べたら聞き取れるようになってきたなと言うことです。
こちらに来たばかりの頃は10%もわからなかったと思いますが、 いまははっきりと発音してくれるひとならほぼ70%ぐらいはOKです。まあ8年も断っているので本当はこれ以上できないと恥ずかしいぐらいですが。
早口な人や、聞き慣れない言い回しを多用する人、感情(イライラ感)が口に出やすい人は苦手ですが、これは積極的に英会話の能力を上げていくことで克服出来ると思います。

 今回の面接が仮にうまくいって、もし働きぶりが気に入ってもらえたら次のプロジェクトにも関われるかも知れません。
今回の仕事も次の仕事も、もし関われたらこれまでの持ち続けてきた夢が叶うほどビッグな物です。しかも職場も...。

今回駄目だったらもしかしたら次の機会はかなり先になるかも知れません。
それほど、今回のチャンスはまたとない機会だと思っています職種や敷居の低さ(想定)も。


財布に入れている、うちの神様は心配するなって言っているんですがねw
結果は来週です。

まぁ、仮に今回だめだったら、次は相手からきてほしいと言われるほどになって見せますよ(と大風呂敷を広げてみる)。

2010年12月9日木曜日

Twitterのウィジェットを追加しました。

このブログの左端にTwitterでつぶやいた内容を表示させるウィジェットを追加しました。
ブログの更新が最近滞っていますが、書きたいことは山ほどあるのですが、仕事が忙しくなってきたこと、就職活動で忙しいことなどで、時間がない状況です。

せっかく何らかの情報を期待してこのブログへ来ていただけたのにこれでは申し訳ないので、Twitterでつぶやいたことを表示するようにしました。
映画情報や業界情報などもつぶやいていますので、暇なときにでもご覧ください。

私のTwitterアカウント「@melonVFX」はこのブログ左側にある下記アイコンをクリックしていただければ表示できます。





 また一日分のつぶやきはtwilogに記録されますので過去のつぶやきなどを見たい場合は、おなじく下のアイコンをクリックしてご覧いただけます。






2010年12月12日追記:
つぶやきをまとめてブログに自動投稿することもできるらしいのですが、つぶやいている内容がこのブログの趣旨(自分にとって意味あることを記録する)に沿っていないことも多いので、自動投稿はしていません。
過去のつぶやきがごらんになりたい方は お手数ですがTwilogをご覧ください。