日本でハリウッドVFXを制作! 「経産省アイディアボックス」 結果:  
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2012年2月29日水曜日

パーティクル101 その3:saveInitialState無しで追加したパーティクルを保存する(1)

<はじめに>
最初に結論を述べておきますと今回の、こころみは勘違いから始まっており、さほど実りある物ではありませんでした。(個人的には長年、気に掛かっていたところが明白になりすっきりしましたがw)



参考になるとすればアスキーファイルの分析手順。
setAttrコマンドでパーティクルのアトリビュートを設定する方法がわかるぐらいでしょうか。
(いずれも次回、説明します。)

「勘違い」というのは、
●パーティクルの初期設定はパーティクルキャッシュのように初期状態を別ファイルに保存しており、ファイルを開くときに読み込んでいる(と思っていた。実際はそうではない)
●そのためプロジェクト設定が間違っているとか、バグで読めないとかになるのは嫌だから確実にファイル内に設定を組み込みたい。
●そのため「saveInitialState」は使わない方法を見つけたい
というところです。

これはただの取り越し苦労であったことは次回にわかりますが、結論を先に言うと
saveInitialState」(メニューでは Solvers > Initial State )を実行した時点で
particleShapeアトリビュートに初期状態は組み込まれる」とうことです。








<Expressionを利用する方法>
 Expressionを使えばMelを毎回実行しなくとも、自動的に設定したスクリプトを実行してくれます。
 これで最初のフレームでパーティクルがEmitされるようにすればいいはずです。

でやってみました。
詳しいことは省略しますが、ParticleShapeのPerParticleAttributeからCreateExpressionを追加しました。
が一つ追加したいだけなのになぜか大量のパーティクルが生まれてしまったり、二度と生まれなかったりで挫折しました。

Twitterで@spx808さんにヘルプをお願いし、以下のアドバイスをいただきました。

「if (frame==2)emit -pos 0 0 0; とか。
パーティクルのシェイプノードに入れるとパーティクルの数だけ実行されてしまうので

単独のエクスプレッションにするといいと思います。」

まさにおっしゃる通りのことが起きていましたw
よく考えたらそうですね、PerParticleAttributeなのでパーティクル毎に発生します。


というわけで、アドバイスに従ってやりなおしました。
これまでのように「particle」コマンドでparticleShapeを作成し
メニューから windows > animation > Expression Editor で単独のエクスプレッションを作成。
(注:このプロジェクトの開始フレームは「1」です)

でも上記のままのエクスプレッションではエラーになります。
// Error: A particle object flag must be specified with the -object flag. //
// Error: An execution error occured in the expression expression1. //


どのパーティクルシェイプに追加すべきかという-object(-o)フラグが無いからです。
正解は
if (frame==2) emit -o particle1 -pos 0 0 0;
となります。

ところでこれだとパーティクルが出現するのはフレーム2からで、フレーム1では表示されません
例外は最初にこのエクスプレッションを「Create」もしくは「Edit」ボタンを押した時だけです。
タイムフレームを進めてフレーム1に戻って、再び再生してもフレーム1では表示されません。


その理由はヘルプ「エクスプレッションが実行される頻度」にあります。
「エクスプレッションは、アニメーション時間またはフレーム番号が変わるたびに実行されます。」

ようするにフレーム1ではエクスプレッションがまだ実行されていないのです。

そのためフレーム1では初期状態が表示されます
このケースでは、particleShape1の初期状態はパーティクル数ゼロです。
(初期状態が異なる場合はそれに応じた数のパーティクルが表示されます)

同じ理由で、「frame == 2」を「frame == 1」に変えてもフレーム1でパーティクルは表示されません。


※「frame == 1」でタイムラインをすすめてもパーティクルは表示されません。
最初にエクスプレッションが実行される時(フレーム1から2へ進むとき)は、フレーム数は「2」になっており、それ以降も同様に「frame == 1」の条件が成り立つ機会がないからです。
このような場合は、「frame >1」にすれば条件が一致するようになりパーティクルが表示されます。


この方法を利用すれば、初期フレーム以外の好きなタイミングでパーティクルを出現させることが出来ます。
例:フレーム15でパーティクルを追加する。
if (frame==15) emit -o particle1 -pos 0 0 0;

2012年2月27日月曜日

パーティクル101 その2:アスキーファイルの分析

前回「パーティクル101 その1:パーティクルの作成」では、
コマンドでパーティクルを作成、追加する方法を試しましたが、今回は
実際にはMayaのファイルでどのような形になっているのかを調べてみました。
これにより、各コマンドがどのようなことを行っているのかが、わかると思います。

前回やったのは以下の通りです。
1)「particle」コマンドでパーティクルをparticleShapeに作成
2)「emit」コマンドparticleShapeにパーティクルを後から追加
3)「saveInitialState」コマンドで追加したパーティクルを維持


パーティクルの作成にはステップ1、既存のparticleShapeに追加するにはステップ2と3を行う必要があります。


<「particle」コマンドで何が実行されているのか?>
まず「particle」コマンドで何が行われているのかを確認してみます。
以上のステップで何が行われているのかをアスキーファイルで確認します。
1)新規ファイルを.ma(アスキー形式)で保存(例:empty.ma)
2)新規ファイルにparticleコマンドを実行して.ma形式で保存

(particle; だけで-posフラグはつかいません)

これをテキスト・エディタで開いて内容を比較します。(例:particle.ma)
※ windowだと右クリックにて編集をックリックすれば「ワードパッド」で開けます。
「メモ帳」だと改行されないので見づらくなります。
ワードパッドである必要はありませんが改行をサポートしたテキストエディタが便利でしょう。


<最初のファイル:何も作成しない空のファイル>
まず最初のファイルを
最初にfileinfoなどが並び後に
「createNode」コマンド、「setAttr」コマンドが並んでいます。

たとえば最初のcreateNodeはこのようになっています。
createNode transform -s -n "persp";
これは「persp」カメラのtransformノードを作成するものです。
ためしに「persp」を「persp1」に変えて実行し
outlinerでDisplay > Shapesをonにして確認すれば
createNode transform -s -n "persp1";
「persp1」というtransformノードが作成されるのがわかると思います。
(※カメラは作成されません)
(※ちなみに「persp」のままで上記コマンドを実行すると前の「persp」ノードが上書きされるようです)


このcreateNodeの後にはsetAttrコマンドがいくつか続き、このtransformノードのアトリビュートを設定しています。

さて次のcreateNodeコマンドを見てみます。
createNode camera -s -n "perspShape" -p "persp";
これにより「perspShape」というカメラが「persp」trasnformノード内に作成されます。
今回は二つのコマンドを実行してみます。
まず「persp」を「persp1」にして実行
createNode camera -s -n "perspShape" -p "persp1";
これで「persp1」内に「perspShape」というカメラShapeノードが作成されることがわかります。

次に「perspShape」を「perspShape1」に変えて実行
createNode camera -s -n "perspShape1" -p "persp1";
これで「persp1」内に「perspShape1」というカメラShapeノードが追加されます。

続く「setAttr」コマンドはこのShapeノードのアトリビュート設定です。



以上から通常何かを作成する(Create)コマンドを実行すると
●transformノードの作成
●そのtransformノード内にShapeノードを作成

という順に二つのcreateNodeコマンドが実行されてることがわかると思います。
(例外もあるかもしれませんが、パーティクルやロケータ-などでは少なくともそのようです)

継続してファイルを見ていくと以下、top、 front、 sideとカメラの作成が続いています。
mayaがファイルを開く度にこれらのコマンドが順次実行されてそれらのカメラが作成されているのです。



<2つ目のファイル:Particleコマンドを実行しただけのファイル>
さて2つ目のファイルを開き1つ目のファイルとの違いを確認します。
とりあえず目につくのは
createNode transform -n "particle1";
createNode particle -n "particleShape1" -p "particle1";

の二行で、以下はparticleShape1のアトリビュートを設定する「setAttr」が続く事がわかります。

「particle」コマンドを実行すると言うことは、
この二つの「createNode」コマンドと、一連の「setAttr」が実行されることであると言うことがわかります。



<Emitコマンドで何が実行されているのか?>
ではシーンにEmitコマンドで、1つだけパーティクルを追加したときにアスキーファイルがどう変化するのかしらべてみます。
まず新規にシーンを作成し以下を実行します
particle;
emit -o particle1 -pos 0 0 0;


これで原点に一つのパーティクルが作成されます。
Initial Stateを実行せずに、このままアスキー形式で3つ目のファイルとして保存します。

.maファイルをテキストエディタで開き、「setAttr」の部分を比較してみます。
先ほどの2つ目のファイルとまったく変わらないことがわかります。
これをMayaで開き直すと、表示されるパーティクルは無い事がわかります。

これが意味するところはEmitコマンドでは、シーン内にパーティクルは追加されるものの、
保存時には初期状態、すなわちパーティクルゼロの状態のままで保存していることがわかります。

おそらくMayaはファイル保存するときに初期状態を保存するということだと思われます。


なのでEmitコマンドでパーティクルを追加しても初期状態として保存しなければ、
その実行結果は残らないと言うことです。



<「saveInitialState」コマンドで何が実行されているのか?>
では新規シーンで以下を実行し、アスキー形式で4つ目のファイルとして保存します。
particle;
emit -o particle1 -pos 0 0 0;
saveInitialState particle1 ;


これにより、「setAttr」の部分が変わったことがわかると思います。
「saveInitialState」コマンドはこの「setAttr」の値を変えていると言い替えることも出来ると思います。
このファイルをMayaで開き直すと最初からパーティクルは1つだけ表示されます。


<結論>
以上の事からファイルには、以下のことが保存されていることがわかります。
●パーティクルのトランスフォームとシェイプ・ノード の作成
●各アトリビュートの設定
そして、
emitとsaveInitialStateは特に新たなコマンドとして、ファイルに保存されるのではなく、
●その結果だけがアトリビュートの設定として保存される。
ということがわかります。

追記:
最終的にファイルに保存されるコマンドとそうではないものがあるので、その辺りを使い分けるといろいろ便利かも知れない。

2012年2月25日土曜日

翻訳:Subsidize Me (私に助成金の支給を)

最近のハリウッド映画の製作は、諸外国の助成金をあてにして作られるというビジネスモデルに移行しつつありますが、その助成金はいったいどうつかわれているのか。
アーティスト側からは見えにくい制作者側からの裏話。
VFX Foundationのブログ「Occlude」からの記事です。
このVFX Foundation はアーティストでもありCGスーパーバイザーでもあるJoe Harkins 氏により運営されていると思われます。

 Joe氏は最近、大統領をはじめとした政府にむけて「各国のVFXへの助成金がアンフェアであり、それによりアメリカの仕事が無くなっている。VFX取引組織をつくるべきだ」という署名のサインを求めて話題になりました。(現在も署名は受付中)
嘆願書のページ
IMDBのページ:Joe Harkins


この助成金の話、助成金に助けられている国、そもそもハリウッド映画の仕事が舞い込んでくることがない国では、なんのことやらと思われるかも知れません。
アメリカだけの問題じゃないの?と思われるかも知れません。
 実際の所、今は対岸の火事で住んでいますが、将来的には映画制作、VFXの仕事の根幹に関わる問題かも知れません。

注:以下の翻訳は意訳であり、正確性には欠けるところがあります。
私の英語能力に限界があるので所々怪しいところがありますし、誤訳がある可能性もあることをご了承下さい。
(訂正:Feb/25/2012)


Subsidize Me (私に助成金の支給を)
(注:上記タイトルには原文の掲載されているOccludeへのリンクを張ってありますが現在アクセス不可になっているようです。
VFX Foundationのサイトにはアクセスできるようですがツイッターアカウントも消されています。
何が起きているのかわかりませんが、ここ数日で何らかのトラブルがあったのかも知れません。
復帰したときのためにリンクURLはそのままにしておきます。)




VFX Soldierのサイトに「VFXの助成金がどのようにスタジオにながれていくか」というおもしろい投稿があります。
これにスタジオ・サイドから見た私の意見を追加してみたいと思います。

実際に、そこに書かれている通りで、我々は助成金を得ていますが、違う面もあります。
そのお金はプロデューサーやスタジオには入りません。

では、どのようにそれが機能しているかを説明しましょう。

プロデューサーはある映画をスタジオに売る前に、それに関する取引、予算、時間配分、などをまとめます。
提案される予算は、スタジオからグリーンライト(Goサイン)をもらうための物で、それはスタジオにより上限が決められ(原文:which is capped by the studio)ます。
例えば、スタジオは「あなたが70億円で提案している巨大ロボットの映画ですが、50億円でなんとかなりませんか?」などと言ってきます。
プロデューサーはなんとか方法を見つけだすと、スタジオに戻り「50億でなんとかしましょう」と言います。
それでスタジオはその撮影と全てのシステムがOKであるとグリーンライトをつけます(Goサインを出します)。もちろんこれほど容易な事ではありませんが、概略はわかると思います。

ではプロデューサーはどうやってその映画制作を50億円で可能にしたのでしょうか?

そこが各政府による助成制度が関係してくるところです。

この巨大ロボット映画は60億円では作れないでしょう、当然50億円じゃ不可能です。
でも25%の助成金があれば、そのプロデューサーはその映画を作るのに70億円を使えるようになるのです。なぜなら最終的にはそのお金がスタジオに戻ってくるからです。

スタジオの支払いは彼らが最初に望んだ通り、正味50億円にとどまっています。
70億の危険は減り、リスクも減ります。

20億はどこへ行ったのでしょうか?
それは実際のところ、その映画に関連する全ての人達、労働者、土地、アーティストの懐へ入ったのです。
その助成金が適用された場所で費やされたのです。
該当地域の収入となり、普段は何もないところに映画の仕事ができ、人々が生活できるようになるのです。

では政府は、ここからどのような利益を得るのでしょうか?
政府は通常、これを「税金控除」という形態で行い、現地の企業は通常よりも少ない税金ですむのです。
これが意味するところはその25%の助成金は、税収入に換算して交付する政府の懐から来ています。
州自体は実際にお金を費やしているのではなく、消費を少なくしているのです。
もちろんこれは別の方法で経済に影響します、公共サービスに必要なお金を減らしたりそれと似たような事です。
最終的には、その経済地域でより多くのお金が費やされ、より多くの税金が支払われ、それゆえに短期でプラスの経済効果が得られるのです。


VFX業界においても変わりありません。
助成金をうける資格をもつ現地のVFXスタジオにお金は流れます、それはそのVFXスタジオが全額受け取る事を意味します。
もしスタジオが$7.50を費やすとしても、25%の払い戻しを受けます。

VFXスタジオは$10分の作業に$10を支払ってもらう事が出来ます。
VFXスタジオは$8や$9分の仕事に$10を払ってもらうのが理想的ですが、これは現在の入札モデルでは起こりえません。
会社は仕事を得る為により安い値をつけ、いくつかのケースでは仕事を得続ける為に損失を受け入れる事もあるほどです。

さて助成金は悪い事でしょうか?
もしあなたが継続的な仕事を望むルイジアナのカメラオペレーターなら違うでしょう、しかしあなたがロサンゼルスのカメラオペレーターならどうなるのでしょう?

荷物をまとめて引っ越しをする....助成金があるところへ移り続けるのがあなたの新しいライフスタイルです。

これはもし助成金が適用される場所が、低賃金でそれに従いあなたの給料が下がるということがなければさほど問題ではないでしょう。
そうなんです、引っ越ししてどこかで1年ほど仕事をし、前よりも少ない給料を受け取るのです。
しかしあなたは雇用され、そこで生活できるのです。

でも、それが終わったらあなたは次の仕事を見つけなくてはなりません。

次の仕事で、「最後の仕事でいくらもらっていたか」を聞かれたらどうしますか? なかなか悩むところです。

いくつかの場所での労働法は、カリフォルニアに居る時ほどにはよくないということを言うつもりはありません。
確実なのは助成金はスタジオへ行くという事です、しかしそれが疲弊した人々のところへ行くというわけでもありません。
スタジオは70億円の巨大ロボット映画を50億ドルで作れる、ただそれだけです。

1年後、別の巨大ロボット映画のプロデューサーが、隣のスタジオに彼のアイデアを売り込みにいったとします....。

スタジオ:「なるほど。でもちょっと待ってください。それに70億ドル出す訳には行きません。通りの向かい側にいる男は巨大ロボットアクション映画を50億ドルで作りましたからね。我々は45億ドルしか出せませんね。」

プロデューサー:「大丈夫、我々はモントリオールで作成しますから」

スタジオ:「すばらしい!決まりです!」


ーーーーーーーー
VFX SOLDIERからの追加コメント部分
ここに欠けている大きな点はVFXの施設もまた「引っ越し」しなくては行けないという点です。
そしてスタジオのヘッドを雇い、リクルートし、設備を借り、コンピュータを購入しなくてはなりません。
引っ越しを打診されるVFXアーティストとスーパーバイザーは引っ越し、ホテル代、渡航費用、税金などのコストをカバーするだけの昇給を求めます。
グリーン・ランタンはおそらくすべてニューメキシコで作られた用にみえますが、
その仕事はカルバーシティーで仕上げられ、WBは25%の助成金をえるために、そのプロジェクトに9億円を余分に支払わなくてはなりませんでした。

2012年2月24日金曜日

パーティクル101 その1:パーティクルの作成

パーティクル101の「101」は入門者向けであることを示しています。
詳しくはWikiの説明を読んでみて下さい。
Wikipedia:
「アメリカ合衆国の大学では、101は基礎あるいは入門科目の番号になっていることがある。転じて、あるものが入門者向けであることを示す。この用法はアメリカ合衆国以外では一般的でない。」

最近は転職のために、Houdiniの勉強を中心にしているのですが、MayaのParticleを仕事で使う機会も増え、またTwitterで経験者の話を聞いてみるとMayaのParticleをMelで操作するのは基礎を習うには良いとのアドバイスもあったので、少しづつやってみようかと思いました。

この「パーティクル101」はそうした中でわかったことなどを記録していくシリーズです。
(どこまで継続するかは不明です)

基本的にはパーティクルを数値と計算で操作する(ようするにエクスプレッション)部分をメインに学習することをかんがえています。


<パーティクルの作成>
パーティクルの操作においてはまずパーティクルをシーン内に持つ必要があります。
コントロールするためにはその対象がないとなにもできません。

メニューからやると簡単なんですが、それではMelの勉強にならないのでMelだけでやってみます。
またEmitterを使うと簡単に大量発生させられますが、
自分の意図で厳格に個数と位置を決めてパーティクルを発生させる方法をまずとります。
目指すは完全なコントロールです。



まずスクリプト・エディターで以下のように入力してEnterを押し実行します。
particle;

Particle1(トランスフォーム)ノードとparticleShape1ノードが作成されます。
particleShape1ノードのGeneral Control Attributesを開くと
Count: 0
すなわちパーティクルの数はゼロであることがわかります。
ParticleShapeノードはあれど実際のパーティクルはゼロです。


Particleのノードだけでなくシーン内に実際のパーティクルを作るには、Emitterと接続するかその位置を指定する必要があります。

位置を指定するには-positionフラグを使います。(短縮形 -p)
使い方は下記のようにxyzの座標値をスペースをはさんで指定してやります。
-p x y z
例1)-p 0 0 0
例2)-p 1 1 1

では原点からY軸方向へ1つ移動した位置へパーティクルを一つ作ってみます。
particle -p 0 1 0;

これにより図のようにパーティクルが作成されます。




先ほどのようにParticleShapeノードのGeneral Control Attributesを見ると
Count: 1となり
パーティクルが一つ作成されたことがわかります。

複数のパーティクルを作成するには、それぞれのポイントを指定してやります。
particle -p 0 1 0 -p 1 1 0;

この辺りの詳しいことはHP:Digital Matrixの「Particle」に書かれています。


ではこれを応用して複数のパーティクルをX軸上に並べるスクリプトを作ってみます。

原点0 0 0 から初めて1づつX軸上のプラス方向へずらして配置します。
0 0 0
1 0 0
2 0 0

・・・・
という具合です。


まずはDigital Matrix の説明を参考にやってみましょう。

このやり方は基本はループ処理で、particleコマンドの -pにいれる座標値を作ってやるものです。

{
int $i;
float $x, $y, $z;
string $points ="";

    for ($i =0; $i < 3; $i++)
    {
        $x =$i;
        $y=0;
        $z=0;
        $points =$points + "-p" + " "+ $x + " " + $y + " " + $z +" " ;
    }
print $points;
eval ("particle" + $points);
}

print コマンドでスクリプトエディターに$points変数の値が表示され
-p 0 0 0 -p 1 0 0 -p 2 0 0
画面には3つのパーティクルが表示されます。




<後からパーティクルを追加するには>
 今回はparticleコマンドでパーティクルを作り、将来的にはそれにインスタンサーをつけたりその場で回転させたり、別々に移動したりと言うことを考えています。
その為にはパーティクルID毎に別々の制御をすることを考えていますが、場合によってはパーティクル数が足りないことに途中で気がつくかも知れません。
particleコマンドでは、パーティクルの数は最初から決めておく必要があり、後から追加するわけにはいきません。
パーティクル数を増やした、particleコマンドをもう一度実行すると、 新しparticleShapeが作成され、追加されることはありません。

パーティクルを追加するには、emitコマンドを使います
オンラインヘルプ:emitコマンド


まず新しいシーンファイルで以下のようにテストしてみます。   
1)以下のコマンドを実行してParticleShapeノードを作成
particle;
ここではパーティクルの数はゼロです。

2)以下のコマンドを実行します。
emit -o particle1 -pos 0 0 0;
これでパーティクルが一つ作成されました。
先ほどのようにParticleShapeノードのGeneral Control Attributesを見ると
Count: 1
となっています。


3)しかしこの方法には実は落とし穴があります。
emitコマンドは実行されるとパーティクルを発生させます。
しかしアニメーションが再生された後、初期フレームに戻ったとき、それはparticleShape1の初期状態に戻ります。すなわちここではパーティクル数ゼロになります。




<後から追加したパーティクルを保持する>
emitコマンドで追加したパーティクルを初期状態で保存しておくにはDynamicsメニューから
solver > InitialStates
でパーティクルの初期状態を保存します。

同じ事を実行するコマンドは以下の通りです。
saveInitialState particle1 ;

初期状態を解除するには、以下を利用する事が出来ます。
clearParticleStartState particle1;
(ただしこれはすべてにおいて、パーティクル数をゼロにします。)

情報元



では初期状態を保存するコマンドを組み込んだMelを作ってみます。

すでにparticleShapeは作られているという前提なので、先に
particle;
を使いparticleShape1を作った後に以下を実行します。


{
int $i;
float $x, $y, $z;
string $points ="";

    for ($i =0; $i < 3; $i++)
    {
        $x =$i;
        $y=0;
        $z=0;
        $points = "-pos" + " "+ $x + " " + $y + " " + $z +" " ;
        print $points;
        eval ("emit" + "-o particle1" +  $points);
    }
saveInitialState particle1;
}

メモ: バウハウスの「トリアディック・バレエ」

バウハウスのオスカーシュレンマーにより創作された「トリアディック(トリアディッシュ)バレエ (Das Triadische Ballett)」
 



トリアディック・バレエ(現代美術用語辞典)
「トリアディック(triadisch)とは、3という数字を重要視するシュレンマーがダンスの創作原理として用いた、さまざまな三つ組の総称である。
形と色彩と空間の一体、
三次元(高さ・奥行・幅)の一体、
球・立方体・円錐の一体、
赤・青・黄の一体、
ダンス、衣装、音楽の一体などをさす。

作品は三部構成で、
第一部はイエローの舞台におどけた道化芝居、
第二部はピンクのたれ幕を用いた荘厳で祝祭的な舞台、
第三部は黒い空間に神秘的で幻想的な舞台であり、
構成がクラシックバレエに類似していると評された」



トリアディック・バレエ(関心空間)
「トリアディック・バレエのトリアディックという言葉は、もともとギリシャ語で「3つ巴」を表す言葉で、シュレンマーはこの「3」という数字を特別に考えていたようです。「3」を基準として、展開するダンスーー形と色彩と空間・ダンスと衣装と音楽の三位一体ーーというのが、トリアディック・バレエの基本で、その論理の上に表現が重なって、この作品が生まれたのだと思います。」


今見るとまぁ、奇妙な衣装を着た退屈な踊りにしか見えないかもしれませんが今から約90年前(大正時代)に公演されたことを想像するとちょっとおもしろく感じられるかも知れません。

うまれて初めて、その一部を垣間見れたのはSONYのビデオテープのCMでした。
※SonyのCMは削除されたらしいので、新たに別の動画を追加しました。

以後ときどき思い出してはネット上に転がっていないか探していたが、数年前に探したときもほとんど無かった。(以前のブログ記事「トリアディック・バレエ」)
しかし徐々に知名度があがりネットが普及するにつれ今では数多くの動画を見つけることができるようになったので記録としてまとめておきたいと思います。
バレーの初演は1922年なのでカラー映像のものは復元公演と言うことになると思うのだが。
(実際には1916年に2原色のカラーフィルムが開発され、1932年に3原色が開発され、普及したのは1935年)


第一部:Amarillo (1970年)



第二部:Rosa (1970年)


第三部:Negro


BAUHAUS - Triadisches Ballett / Triadic Ballet
これは上記と同じソースのようですが、オスカーシュレンマーの簡単な説明の後に3部を続けてみせています。
画質は上記の物より劣ります。



Das Triadische Ballet, 1989
こちらは1989年公演のもの。
キャラクターの造形も雰囲気も1970年のものと異なっていますね。
特にそこまで厳格に決められている物でもないのか、それともこれは独自の演出にかえたものなのか?
(多分、後者でしょう)


これは第三部の一部分
白黒っぽいですが色もありますね。
ただ解像度が低いだけなのか、それともかなりかなり昔の映像なのかは判断不可



当時なぜSONYのビデオテープのCMにつかわれていたかよくわかります。
三原色の三位一体を表現したトリアディック・バレエは主題としてピッタリだったわけですね。
後はまぁダンスがくるくる回っててテープの回転みたいってのもあるようですがw
たしかこのCMには、別バージョンがあったような気がするのですが、見つけられなかった。



トリアディック・バレエはシュレンマーの代表作ではあるが、他にも様々なダンスを創作している。
『空間の踊り』
『金属の踊り』Tanz in Metall、
『形態の踊り』Formentanz、
『書割りの踊り』Kulissentanz、
『身振りの踊り』Gestentanz、
『棒の踊り』Stäbetanz、
『積み木遊び』Baukastenspiel、
『輪の踊り』Reifentänze、
『婦人の踊り』Frauentanz、
『仮面のコーラス』Maskenchor
など
(参照元:舞台空間と身体の編成への序説 柴田 隆子氏)


それらの一部は以下のサイトで動画をいくつか見ることができる。
BAUHAUS DANCES





『身振りの踊り』(Gestures Dance)





その他リンク:
Mechanische balletten
音楽CD情報「オスカー・シュレンマーによるバレエ『トリアディック・バレエ』のための音楽
Google画像検索「Triadisches Ballett



2012年2月23日木曜日

「三宅裕司のえびぞり巨匠天国」で印象に残った作品

三宅裕司のえびぞり巨匠天国

当時、番組で見た作品で衝撃を受けた作品のいくつかを見つけたのでまとめ。

当時はビデオカメラも家庭に普及していた頃だが、まだまだ高価で10万以上はしたと思う。
そして編集機器はまだまだ一般的ではなくせいぜい二台のビデオデッキでダビングしながら編集するという方法しかない。
ビデオでの合成はむずかしいので、こういった自主制作映像の合成では、まだまだ8mmカメラが使われて居た時代である。
この番組でもビデオの映像、8mmの映像が混在していた。


PULSAR


自分は見たことないが、その後ロボットパルタという番組をつくられたらしい。
すでにパルタっぽいロボットが使われているw

以下にPULSARの作家、保田 克史氏の作品が見れるリンクあり。
平成10年度[第2回]文化庁メディア芸術祭 受賞作品 「快動力 REAL」



POWER

制作にはコピー機を使ったとのことだが。
おそらく8mmで撮影した物を紙焼きし、それをさらにコピー機に掛け、コピー機の拡大縮小機能をつかって自在なズームを表現していると思われる。
(当時のコピー機はすでに拡大縮小は自由自在だった)



PAPER

これはアニメーションもすごいが発想がすごい。
上記POWERと同じ方

フルバージョン



こちらは同じ作者の1995年の作品。
NY大学のGreyアートギャラリーのページで、Papersという作品が公開されている。
全9分の作品のうち22秒だけだがこのページの画像をクリックすると見ることが出来る。


その後もいろいろ活動は続けられているようです。
desktop


The Books



これはえび天とは関係ないがYoutubeで見つけた動画。
上記のPAPERと同じ音楽(Differencia:坂本龍一)で作ったイメージ映像。






(Feb25/2012更新)

メモ:ピカソから7つの助言

元: DDN Japan

1. 必ずできると信じろ
「思いついたことは出来る。思いつかないものは出来ない。これは避けがたく、明白なことだ。」


2. 限界を超えろ
「私はいつも自分の出来ないことをする。どうやればいいのかわかるからだ。」


3. 「その時」を待つな
「インスピレーションは常に存在する。見つけに行くんだ。」


4. 動け
「明日に引き伸ばせば、それは死んでしまう。」
「行動がすべての成功の鍵だ。」


5. 正しく問え
「他の人間はなぜそうなったかを問う。私はいつも何ができるのか、なぜできないのかを問う。」


6. ジャッジせず、隠された美を見ろ
「我々は脳をブン投げて、ただ目だけで見ることができればいいのだが。」


7. 遅すぎるなんてことはない。
「若さと年齢は無関係。」