バウハウスのオスカーシュレンマーにより創作された「トリアディック(トリアディッシュ)バレエ (Das Triadische Ballett)」
トリアディック・バレエ(現代美術用語辞典)
「トリアディック(triadisch)とは、3という数字を重要視するシュレンマーがダンスの創作原理として用いた、さまざまな三つ組の総称である。
形と色彩と空間の一体、
三次元(高さ・奥行・幅)の一体、
球・立方体・円錐の一体、
赤・青・黄の一体、
ダンス、衣装、音楽の一体などをさす。
作品は三部構成で、
第一部はイエローの舞台におどけた道化芝居、
第二部はピンクのたれ幕を用いた荘厳で祝祭的な舞台、
第三部は黒い空間に神秘的で幻想的な舞台であり、
構成がクラシックバレエに類似していると評された」
トリアディック・バレエ(関心空間)
「トリアディック・バレエのトリアディックという言葉は、もともとギリシャ語で「3つ巴」を表す言葉で、シュレンマーはこの「3」という数字を特別に考えていたようです。「3」を基準として、展開するダンスーー形と色彩と空間・ダンスと衣装と音楽の三位一体ーーというのが、トリアディック・バレエの基本で、その論理の上に表現が重なって、この作品が生まれたのだと思います。」
今見るとまぁ、奇妙な衣装を着た退屈な踊りにしか見えないかもしれませんが今から約90年前(大正時代)に公演されたことを想像するとちょっとおもしろく感じられるかも知れません。
うまれて初めて、その一部を垣間見れたのはSONYのビデオテープのCMでした。
※SonyのCMは削除されたらしいので、新たに別の動画を追加しました。
以後ときどき思い出してはネット上に転がっていないか探していたが、数年前に探したときもほとんど無かった。(以前のブログ記事「トリアディック・バレエ」)
しかし徐々に知名度があがりネットが普及するにつれ今では数多くの動画を見つけることができるようになったので記録としてまとめておきたいと思います。
バレーの初演は1922年なのでカラー映像のものは復元公演と言うことになると思うのだが。
(実際には1916年に2原色のカラーフィルムが開発され、1932年に3原色が開発され、普及したのは1935年)
第一部:Amarillo (1970年)
第二部:Rosa (1970年)
第三部:Negro
BAUHAUS - Triadisches Ballett / Triadic Ballet
これは上記と同じソースのようですが、オスカーシュレンマーの簡単な説明の後に3部を続けてみせています。
画質は上記の物より劣ります。
Das Triadische Ballet, 1989
こちらは1989年公演のもの。
キャラクターの造形も雰囲気も1970年のものと異なっていますね。
特にそこまで厳格に決められている物でもないのか、それともこれは独自の演出にかえたものなのか?
(多分、後者でしょう)
これは第三部の一部分
白黒っぽいですが色もありますね。
ただ解像度が低いだけなのか、それともかなりかなり昔の映像なのかは判断不可
当時なぜSONYのビデオテープのCMにつかわれていたかよくわかります。
三原色の三位一体を表現したトリアディック・バレエは主題としてピッタリだったわけですね。
後はまぁダンスがくるくる回っててテープの回転みたいってのもあるようですがw
たしかこのCMには、別バージョンがあったような気がするのですが、見つけられなかった。
トリアディック・バレエはシュレンマーの代表作ではあるが、他にも様々なダンスを創作している。
『空間の踊り』
『金属の踊り』Tanz in Metall、
『形態の踊り』Formentanz、
『書割りの踊り』Kulissentanz、
『身振りの踊り』Gestentanz、
『棒の踊り』Stäbetanz、
『積み木遊び』Baukastenspiel、
『輪の踊り』Reifentänze、
『婦人の踊り』Frauentanz、
『仮面のコーラス』Maskenchor
など
(参照元:舞台空間と身体の編成への序説 柴田 隆子氏)
それらの一部は以下のサイトで動画をいくつか見ることができる。
BAUHAUS DANCES
『身振りの踊り』(Gestures Dance)
その他リンク:
Mechanische balletten
音楽CD情報「オスカー・シュレンマーによるバレエ『トリアディック・バレエ』のための音楽」
Google画像検索「Triadisches Ballett」
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