日本でハリウッドVFXを制作! 「経産省アイディアボックス」 結果:  
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2010年3月3日水曜日

エージェント会社の発想

すみません、最近アイデアボックスのコメント欄で一人暴走してしまってます orz
すべての人が私のブログをみているわけでもなさそうなので、(まぁあんな長い文章読む気になれないのはよくわかりますw)ひとつひとつ説明を書いたほうがわかりやすいかと思い、あらためて書いているような感じです。

でも書き直していると新たな発想もでてきました。
今日コメント#96,97の「スーパーバイザーについて」を書いていて思ったのが、日本のCG会社にCGの実作業をやってもらうという事をしてもらい、クライアントとの交渉は別途支部を作ってやるというアイデアです。

えっ?コメントの内容と変わらないじゃないの?と思われる方もあるかもしれません。

ご存知内方のためにコメントの文章をもう一度掲載します。

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スーパーバイザーについて
自分は現地の経験豊かなスーパーバイザー1名が最低限必要だと思っています。
ある程度まとまった仕事は、経験者でないと素早い対応ができないからです。
クライアントに即レスポンスできるようにハリウッドに支社も必要でしょう。クライアントはCGは簡単でコピペとペイントで何でも出来ると思っていますから(笑)。そのあたりのクッションとなる人が必要です。
ハリウッド支社で現地のスープ/プロデューサー、日本人スープ補佐をクライアントに対応させれば英語の壁は、さほど問題にはなりません。
アーティストは現地半分、日本人半分ぐらい。
日本側にもスープに近いぐらいの現地アーティストが1人はいた方が良いように思います。

当初はハリウッド支社がメインで仕事を細分化し計画を立てて、日本側でそれを仕上げるようにするといった形です。

経験を積むにつれて、徐々に現地アーティストを日本人に入れ替えていき、日本側は人数を増やしていき、アメリカ側は必要であれば、縮小していきます。
日本人スープ/プロデューサーを成長させるようなやり方をする必要があります。
まぁ問題はそこまで有能で協力的な現地のスーパーバイザーやプロデューサーが雇えるかどうかと言うことですが。

まぁこれは、私の一案でなくてこうでなくてはならないと言うことでも有りません。
いいわけがましいですが、私にはプロデューサーもスープの経験もありませんのでやはり現実的にはこれでいけるのかどうかというのは、今ひとつ自身はありません。

それに各企業でできることは違いますから、もしかしたら現地の人間一切無しでも自身持ってやっていけるところも、あるかもしれません。

また現地のハリウッド支社を造り、仕事の受注やクライアントの交渉を行い、そこから日本のCGプロダクションにCG作成を依頼するエージェントのような役割というのも有りかもしれません。

どちらにしてもその会社の経営者の意向によりますので。
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これは良いアイデアではないか?と思ったのが
エージェント会社を作ってしまうというアイデアです。
スーパーバイザーやプロデューサーを数人雇い、複数のプロジェクトを同時に進める。

そして、 実作業は日本の複数CGプロダクションへ配分してやってもらうということです。
要するに仕事請負と仕事配分と管理専門ということです。

この利点と運営内容は
●複数のプロジェクトを同時進行できるので、アピール出来る作品が早くたまる。
●小さな一企業と言うよりも日本のCGプロダクション全体をひとつとして考えるシステムなので、現地の経験あるスーパーバイザーやプロデューサーにもやりがいがある(?)
●小さなプロジェクトが複数あれば、収入も安定しやすい
●仕事を受注するピッチをあげられる。
●CG制作会社を併せ持つよりは運用コストを減らせる。
●日本のCGプロダクションがハリウッドの仕事をうけるための垣根を低くできる。
(英語の壁、法的問題の解決、 現地の雇用など)
●交渉部分を代理で行うような感じ
●日本のCGプロダクションが個別に活動するよりもリスクが少ない。
(個別にやっててはコストも掛かるしリスクも大きい)
●日本語も英語も両方対応
●現地CGスーパーバイザー、アーティストの雇用と日本への派遣。
●交渉部分は苦手、製作部分は費用が掛かりすぎて出来ないという両者の利害関係が一致する。

そして上記の仕事の延長として、
●日本人CGスープ、プロデューサー、アーティストの育成、インターン
●実践に即したCG教育。Gnomonをもっと実践に近づけた感じ。

収入が安定したら自社のCG製作部門を設立する。

これは大手や中規模CGプロダクションの、スープやプロデューサー の機能を抜き出したような感じをイメージしてもらえれば良いかもしれません。
そしてCGアーティストはDDやR&Hが自社の海外支社へ仕事を送っているように日本のCG会社を使うような感じでしょうか。

CG制作の部門は最低限におさえることができるので、当初は負担がすくないのではないかと思います。


このような会社を複数の会社が出資して作ってみてはどうかと思う。
ハリウッド支部共同出資みたいな感じですね。
もちろん、後からの参加も出資次第では歓迎って事で。
仕事が少ないと取り合いになりそうですがw

それとも、いっそ自分で起業したほうがいいか?
なかなかおもしろそうですね。

それには投資家が必要なので、いまからエレベータピッチの練習しないとなぁw
(参照:エレベータピッチの練習
まぁ甲斐性無しなんでいつになることかwww
現実問題、ビジネスプランとしてのうまみがないと難しいですからね。
 
問題はスーパーバイザーやプロデューサーの取り分を惹いた後に、会社が成り立つぐらいのマージンをとったら果たしてどれぐらいの利益が日本のCGプロダクションにもたらされるかと言うことです。
これが成り立たないようであればうまくいかないでしょうし、日本のCGプロダクション側が利益が上がらなければ、仕事が無いよりはまし程度にしかならないので現状の労働環境改善には役立たないでしょう。

このような会社が他国(中国やインドなど)には、すでに存在している可能性も十分ありますので、ちょっと調べてみたいと思います。

このアイデアをブラック企業に盗まれてマージンたっぷりとって、日本にはまるで収入がないというのでは、現状とかわりないことに成らないよう「このブログの中身について著作権はmelonにあります」と強調しておきますw

2 件のコメント:

  1. こんにちは。
    このアイディアですが、大変面白いと思います。

    かつ、同じような仕組みを日本の国際メーカーでも利用しているようです。
    これは、先日、某日本の大手メーカー(日本を代表する企業です)に勤めている友人から聞いた話です。

    そもそもは、アイディアボックスの議論の中で、英語がハードルで実現が難しい、というご意見が多かったので、では、グローバル展開している日本企業はどうしてるのかを知りたくなり、聞いた内容です。

    友人は、海外を相手に取引する部署にいます。
    が、

    ・そもそも、国際企業とはいえ、全員が英語をしゃべれるわけではない。年配の方は話せない人が多い。
    ・アジア各国との取引では、相手が日本語をしゃべれる担当者をつけてくる。
    ・メール等のやり取り、プレゼンは英語のことも多いが、なんとかなっている。文章等は、翻訳ソフトなどを駆使して作成している。

    そして、ここがmelonさんのご意見と似ているところですが、

    ・欧米とは、専門商社を一枚かませて取引している。
    主たる目的は訴訟等のリスクヘッジだが、具体的な仕様の注文や、細かい議論は、その商社に投げてしまう。海外の取引先も、その商社に投げる。その商社が間に入って調整してくれるため、コミュニケーションがぐっと楽になっている。
    ・また、現地支社を通して、日本語になることも多い。

    ということです。
    あくまでも、この企業の例、ということで認識頂ければと思うのですが、他の企業も同じような方法を取っているかもしれません。

    必ずしも、英語がぺらぺらでなくとも、良い仕組みがあれば解決できる、という一例だと思います。そして、こういう発想こそが、今後の日本のCG業界にも必要なのではないでしょうか。

    参考として、このように実際に国際化を進めてきた日本企業の実例を聞いてみても良いかもしれません。でも、こういう実例は、実は経済産業省の方が一番詳しい気がするのですが。。

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  2. Yujiさん コメントありがとう。
    大変参考になりました。
    企業の経営や運営に関する部分については、成功している他の分野から学ぶのもありですね。
    自分にとって新しい切り口であり、視野が広がりました!!
    VFX業界にはそのまま当てはめられないかも知れませんが、実例もなるほどその手があったかと思う物がたくさんありました。
    ますますおもしろくなってきました、ありがとう。

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