先日のエントリ「District9」にSucchinさんからコメントをいただきました。
その中で、「District9」で使われたNukeコンポジットの手順を紹介したメイキング・ムービーを教えていただいたのですが、内容が凄いので別スレッドでまとめることにしました。
(メイキング・: fxGuideTV #71)
以下Succhinさんのコメントをそのまま引用。
NUKEにてposition passを使ってpoint crowdの位置を決めてそこにcamera mapをしてNUKE内でRelightingを可能にして今まで以上にcomp時に実写との絵のマッチングを可能にしているんだと思います。
一見にしかずですが、ライティングの変更どころか、スペキュラマップ、マスキング(ロトスコープ?)まで実現しています。
おそらくアンビエント・オクルージョンや、鏡面反射、HDRIライティング、フレネル反射などのパスも可能だと思う。
いままで、3D側にてレンダリング時に設定していたことが、かなりの範囲でコンポジットソフト内で可能となる。
アイデア自体は今までもあったし、デプスパスやノーマルマップを使うことでリライトを可能にするプラグインなどもあった。
しかしPointCloudを使うというアイデアは(私が知らなかっただけかもしれないが)初めてお目にかかった。
「Point Cloud」についてもう少し調べてみましたが、つまるところ点の集まりと言うことでCGの世界では一般的に用いられている用語ということしかわからず。
建物などを3Dスキャンされたデータが点の集まりで出来ていますがそれらを「ポイントクラウド」と読んでいました。参考: http://www.geokosmos.jp/04/04b.html
ただしこのメイキング・ビデオの「PointCloudツール」は自社開発のツール。
このリライトシステムやNukeについてしらべているといくつか興味深い情報を発見。
デジタルドメインで、TDをされている鈴木ますお氏のブログ「* little things of mine *」にてNukeの開発元がKatanaというライティング・ツールをImageworksから購入という話が。
(ますお氏のブログ:Foundry Acquires Katana from SPI for Nuke 2)
またNukeとは関係ないですが、BAKERY RELIGHT™についても紹介されていました。
(ますお氏のブログ:BAKERY RELIGHT™)
こうしてみると、無くなることはないのでしょうが、ライティングはますますコンポジット寄りの作業になりつつあるなと思いました。
まぁ確かに最終的なイメージの作成はコンポジットなので、そこで変更が出来ると言うことは、微妙な調整もやりやすいのでそうなてくるのは当然でしょうね。
またテクスチャーベースでのモデリングについてもおもしろいページを発見。
レリーフテクスチャ
詳しく見てないのでわかりませんが、「District9」で使われている基本的なアイデアはこのようなものでしょうか。
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最後に、ビデオの要点をまとめ
Image Engineのコンポジット・スーパーバイザーが解説:
60%のショットがRedCam,残りはSonyX1,JVC,Toshibaのカメラが使われた。
PFトラックとBoujouを組み合わせてトラッキングしたカメラをエクスポートし、Nukeに取り込んで使っている。
プレートをカメラプロジェクションしている。
3Dエレメントは、ほとんどMayaで作業し、Rotoメーション、キーフレームアニメーション、いくつかはモーションキャプチャーを使って作成。
3Dlightでレンダリング、16bitFloatのEXRイメージで出力
3DelightのAOV(Arbitrary Output Variable) を使い、ビューティー、ディフューズ、カラーなどのパスを個別に出力。
AOVファイルについての説明は以下がわかりやすい。
AOV interface in RMan(Lucille Development blogより)
311ショットをコンプ
基本的にNukeのテンプレートを作りアーティストは各シーンに必要なエレメントを読み込むだけではじめられる。
ビューティーパス、ノーマルパス、ST/UVパス、
ポジションパス(浮動小数点の値を持つイメージで、ワールドスペース内における各ピクセルイメージのXYZ値を格納。)
を自社開発ツールの中で有効に使っている。
--自社開発のツール--
<PointCloudeツール>
ビューティーパスとポジションパスを使用して、
Nuke内にOBJやFBXのような3Dのエイリアンを構築できる。
<リライトツール>
ポジション、UVパス、ノーマルパスを使う。
スペキュラツールとの組み合わせでスペキュラの調整ができる。
3Dソフトでやり直すことなく、スペキュラ、輝度や色などが調整できる。
<Radio3Dツール>
???(聞き取り出来ませんでした)パスを使用、このファイルはエイリアンのボディーのポイントのローカル座標をもっている。そのため、各ポイントはエイリアンのボディーに張り付いており、共に移動する。
エイリアンのある部分を選択すればそのマスク部分がエイリアンのボディーと一緒に動く。
これらを組み合わせて部分的なマスクを作ることが簡単にでき、スペキュラの調整などが簡単にできる。
<スプライトボリュームツール>
3Dホログラムのシーンで空中のホコリの表現に使われた。
パーティクル機能を使い、各パーティクルのサイズや見た目を変更するのも簡単。
<3Dヒストグラム>
黒と白、サッチュレーションを一致させるのに使われた。
ポイントクラウドツールを使い、3Dヒストグラムを作成。
サッチュレーション、ルミネ-ション、ディフーズなどのヒストグラムを3Dスペースでチェックできる。
2009年11月29日日曜日
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うへーやばいww
返信削除自分適当な事言ってる可能性大すぎるんで、、。
自分でもよく理解して無いのでmelonさんのフォロー記事大変勉強になります!!
会社によってはcompsitチームはライティングまでする会社もあるので、この流れは必然的なのかもしれません。
締め切り間際で圧迫してくるcompsit班は更に大変になるのか?はたまた、compsoftで色々出来るようになって逆に3Dまで戻る必要が無いぶん楽になるのか??
Relightingについては今後激しく活発になることでしょうね!
Nukeで仕事がしたい、、、。
PLEで勉強始めます。
少なくともコンプと3Dの間を行ったり来たりする手間は省けるので、マシンパワーさえあれば時間は節約できそうですね~。
返信削除Nuke勉強したらまたいろいろ教えて下さい~。