映像に関する造詣が深い解説でおなじみのブログ「究極映像研究所」で「爆発素材専門の3D-CGショップ『Final Light』」というエントリがあった。
このサイト「Final Light」自体は、以前に「CGトラッキング」で紹介されていたので見たことはあったのだが、「究極映像研究所」のほうでは、もうひとつ興味が惹かれたリンクがあった。
Sell your Visual FX
同じ「Final Light」のページを紹介しているのだが。
なんと自分のビジュアルエフェクツを売ることが出来る。
今まで、モデリングに関しては自分のモデルを代理販売してくれるサイトがいくつかあり、最近では3Dプリントしたものを販売できるサイト(Shapeways)もでてきた。
しかしVFXに関しては、いくつかのストック・フッテージを販売しているサイトで申し訳程度にあつかっている以外には、みたことがなかった。
VFXは、カメラアングルや、ショットの特性に応じて、作られる事が多く、3Dモデルほど幅広い使い道があるわけではないので、仕方がなかったのかもしれない。
プロダクションでは、どのようなショットでも、パーティクルやFluidシステム(流体システム)、Dynamicsなどを使っているとすくなくとも数日はかかる。
爆発などになると、手間もかかるので、スケジュールに厳しいTVシリーズなどでは、以前からストック・フッテージが多用されている。
爆発のフッテージをマスクやスケールなどで、ショットにあうように加工され使われている。
最近では日本でのトミカヒーローレスキューファイヤーの記事でそのようなことが紹介されていた。
爆発はある程度形に添っていれば、指向性があまりなく、またなにかの対象とからめるにしても大体つつみこむようなものだったり、一瞬でおわるようなショットだったりとごまかしもききやすいので、一般的なストック・フッテージでも十分通用していた。
しかしながら、煙や光のような物になると、ショットのものとの厳密な。からみが求められたり、角度が一致していないといけなかったり、その番組特有の効果が必要だったりして、そのたび事に作る必要が生じてくることが多い。
「Final Light」で期待がもてるのは、このサイトで販売できると判断されるほどのものであれば、ある程度のクオリティーをもったものであることが期待できる。
そしてある程度のクオリティーをもったVFXが作れる人というのは大抵、数年の経験を持った人が多い。
経験者であれば、どのようなエフェクトが普遍的なものになり得るかというのはある程度、わかっているはずである。
結果として使い物になるストック・フッテージが集まるのではないかというのが自分の読みだ。
そして自分の技術とアイデアの限界をためし、世界的にも通用するエフェクトを作るチャンスでもある。
自分も、ぜひ挑戦してみたいと思っている。
(半分は、小遣い稼ぎになれば・・・と言うあさはかな思いではあるが)
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ここでふと先日の2chのことを思い出した。
2chのあのエントリに書かれていたかどうかは思い出せないが、日本のCG/VFXアーティストが話題にすることでよく目につくのは、「日本は駄目だ」「日本のクオリティーは低い」ということだ。
実際にCGに関わっていない、単なる観客であるひとがそれを口にするのは正しいと思うし、当然の印象かと思う。
しかしCG/VFXアーティストであるプロの現場で働いている人がそのことを100%本気で口にするべきではないと思う。
というのも、低予算と劣悪な環境にしては、かなり頑張っているようには思うからだ。
その裏方の努力をしっているのであれば自分のやった仕事のできをもう少し主観的に評価してほしいと思う。
せめて50%ぐらいの本気度で、「日本のVFXはやっぱりだめだな」という程度にしてほしい。
いいかえれば、「日本のVFXは駄目かもしれないが、この短いスケジュールでこれだけのものはできる」というふうに考えて欲しいと思う。
そして、「日本のCG/VFXは駄目だ」という愚痴をこぼすぐらいなら、自分の思うクオリティーの物をぜひ作って欲しいと期待する。
(そんな時間どこにあるんだという批判も聞こえてきそうだが...。)
実際、自分は日本のCG/VFXアーティストの多くは、それだけの技術力をもっていると思う。
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TV番組をメインに仕事をしてきた友人が映画関係の面接で「TVでは1~2週間だが、映画だと1~2ヶ月という長い時間が与えられる。その増えた時間をどのようにあなたは使いますか?」という質問をされたと聞いた。
この質問は、本人が「VFXを作ること」に対してどのような考え方をしているのかを知ることができ、その人の計画性、美意識などを知ることができる質問だと思う。
「TVだからこの程度の仕事しかできない」と公言するなら、まわりは、この人はよほど優れた人なんだろうと期待する。
ようするに実力があり、本来の能力を発揮できるだけの時間が与えられれば、映画なみのクオリティーの仕事ができるということで、それが時間の制限によってたいした仕事ができないと嘆いているだけのはずなのだから。
そうでなければただの不平不満であり、元を正せば人間関係に起因する物だったり会社の扱いが悪いという不平不満が正当化されたものだったりもする。
ようするに、それはその人の能力に基づいた冷静な判断ではないということになる。
まぁ、この点については、感情を逆撫でする部分もあるし、人それぞれだし、今ここで議論しても仕方がないので深入りはしない。
重要なのは、
1)ショット(VFX)の理想の最終的な姿を描き、
2)そこに必要な技術と手順をリストアップでき、
3)トータルの時間を予測できる。
4)現実のスケジュールにかなうように、上記の理想をできるだけ崩さずに技術と手順を単純化、省力化する。
以上のことが出来ているかどうかだと思う。
(これらが自分に出来ているわけではなく、理想的な姿を述べているだけであり、以下も自分の反省を込めて書いています)
時間の事は必要無いと思うかもしれないが、映画の仕事は無駄に時間を費やしているわけではない。
そこにかけられる時間には、それ相応の理由があってのこと。
それがわからなければいきなりレベルアップは無理だろう。
そして、これはどのようなときにも必要なことで、これが普段出来ていなければステップアップへのハードルが高くなるし、チャンスをものにできることも減っていくだろう。
逆に言えば、これがいつもできていれば
自分に何が足りず、どんなスキルを身につけるべきかがわかってくるし、自分の仕事を通してスキルをアップしつづけることができ、ステップアップの時期が自分でもわかるようになるのではないかと思う。
それに、そうなると現在の仕事がいかに低予算で、スケジュールが限られていても、それらを自分のスキルアップや経験を得るための好機会と捕らえることができ不平不満も減るのではないかと思う。
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