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2010年6月24日木曜日

「おはなし」の効果と映像教育など

今日は子育ての話です。
子供のいない方、子育てに興味のない方には、さほどおもしろい話ではないと思いますが、将来のために読んでもいいかもしれません。
直接的に仕事に反映するわけではないのですが、自分はこういった事柄の中にも人間が映像を捕らえる仕組み、ストーリーテリングの秘訣があるのではないかと思って、経験を大切するようにしています。


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お恥ずかしい話だが、最近、子供(4歳)が鼻そうじして出てきた放射性物質を口の中に入れるようになった。

幼稚園で他の子がやっているのを見てまねをしているのかどうかはわからないが、何度も注意しているのだが親があわてるのがおもしろくて、余計にやる始末。
どうしようかと、思案に明け暮れていたが、あることからぴたっと止まった。

それまでは、「ばい菌があるからおなかが痛くなったり風邪を引くよ」と注意してたのだが、すぐにそうなるわけでもないので「ならないよ!」「入れてもならなかったよ!」などと反論されると、答えに詰まってしまい、それ以上うまい方法が思いつかないので、半ば強制的に「やめなさい」と言っていた。
まぁ、そうするとそのときは言うことは聞くのだが、一時的な物であるし、自分の意志でやっているわけではないので、目を離すとやっている。

幸い、理解するとちゃんとその通りにするので、何とかうまい方法はないかと考えていた。
(この点が、子供がいない人にはわからない苦労ですねw、まぁこれはこれで楽しくもあるのですが。)


さて最近、時々寝る前に乳母車に乗せて近くを散歩している。
途中にユーカリの木が植えてあるアパートがあり、その下を通ると良い香りがする。
ユーカリは、アロマテラピーや除菌に使われる精油がつくられる種類もある)


数日前にその下を通ったときに、いい香りがすると言うこと、それがユーカリの木であることを話していたので、自分から「ユーカリのにおいがするね」と言い始めた。
「どうしてユーカリはいいにおいがするの?」と聞いてきたので、これはいいチャンスかもと思い以下のような話を速攻で作った。


「昔、ユーカリはとてもくさかったんだ。
どうしてかわかる?
鼻○ソをたべてたから。
だから友達は、くさいからあそんでくれなかった。
みんな、「ユーカリ君は鼻○ソを食べて汚いから遊ばないよ」といって誰も遊んでくれなかったんだ。

ある日、ユーカリは鼻○ソを食べるのをやめたら、くさいにおいがしなくなり
いいにおいがするようになった。

そして、友達も、いいかおりがするねといって遊んでくれるようになったんだ。
それからもユーカリはどんどんいい香りがするようにして、
友達が、いっぱいいっぱい増えたんだって。」


というお話をした。


するとこれに、うまく反応してくれた。
子供:「○○(自分の名前)も、鼻○ソ食べるのやめたら友達いっぱいできるかな?」
(別に本当に食べていたわけではないのだが、口に入れるのを「食べる」と呼んでいたのでこう言っている)

自分:「できるよ」

子供:「じゃぁ、食べるのやめる


なんと、それからはぴたっと食べるのをやめた。



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子育てをしている方なら「お話」の重要性は、知っている方が多いと思う。
知らない人には端的に説明すると、「心の成長」には不可欠と言われている。

うちではDVDやTVは使ってないが、その代わりに絵本を充実させるようにしてきた。
今回のように時々、即行のお話をしたりもしてきた。

シュタイナー教育では、さらに絵本さえイメージを押しつけることにもなるので避けている。
またメディア(広い意味での情報伝達媒体、紙の本や音声のみのオーディオも含む)を避け、人から人へ伝える伝承的なやり方を主体としている。

そして、子供はそんなストーリーの世界から、やってもいいこと悪いこと、生活習慣のことや人間関係のことなどを学んでいく。
TVなどの映像だと、受け身になるので自らの創造力を十分に発揮できず、自らの意志が育ちにくいという説もある。
(これが乳児ほど小さいと、周りの世界を知ることにつながる「わらべうた」ということになる。)


うちではその考え方から、映像は利用しないようにしている。
しかし、最近は「しまじろう」のDVDをはじめとする、幼児教育の質の良い映像がたくさんあり、自分の子供より小さい子供でもしっかりしていたりする。
一時は、その力に、映像教育も必要か?と思ったこともあるが、ある理由から映像の力は借りないで続けてきた。




実際には、いろんなお話やら絵本やらで、生活習慣(歯磨き、お風呂など)を理解させたり心の成長となるように努力してきた。しかし生活習慣に関しては、どれもいまいちで、うまくいった試しがなかく、最終的にはいろいろと説得しなくてはならない。
それでも聞かないときは強制という手段になる。

個人的に、その原因の一つはリアリティーがないということだと思っている。
虫歯になったことがない2歳程度の子供に、歯磨きの重要性を認識させることは無理。
虫歯にならないようにと、いろいろと説明しても限界がある。

子供のリアリティーというのは個々で大きく異なるので、市販のものがすべてぴったりというわけにはいかない。 (低年齢ほど、個々の子供の独自性が強いように思う。)
実際、鼻○ソを食べる子供にそれがいかに悪影響を与えるかという絵本を探そうと思っても ほぼ不可能に近い。
多大な労力を使って見つけたとしても、その内容、絵柄などがその子供にぴったり合っているかどうかは、また別の話になる。


この点は映像教育でも、「おはなし」教育でも変わらないとは思う。
違いとしては、映像教育の場合は、子供の興味を引きつけるためのアニメーションなどが工夫されている。

(映像教育を受けてきた子供に関しての実例は1~2例しかしらないので、私自身、映像教育について語るほどの経験も知識も持ち合わせてはいないことをお断りしておきます。)
「おはなし」の場合は、その子供の創造力に依存する。

ただし、映像教育が「子供の興味を引きつける」というのは、「アニメーションやキャラクタのおもしろいリアクションや動き」に対してである。
 これが、そのことの重要性を理解するために役に立っているのかどうかは別の話ではないかと思っている。
ある事柄を理解させるために、違う部分に興味を引いてもしょうがないのではないか?とおもってしまうのだ。
しょうがないどころか、子供によっては関係ないところだけが印象に残り、悪影響になるのではないかとさえ思ってしまう。
何より創造性が育つ機会を失ってしまう。


そして、TVは子供の注意を文字通り固定してしまう。
以前おとずれた、LAのモンテッソーリ幼稚園のいくつかでは、この様子をゾンビ-と読んでいる。
自分が、いつも思い出すのはダーククリスタルで、ポット族が精気をすいとられる以下のシーン(1:15ぐらいのところ)だ。


まぁ話は多少ずれるのだが、早期の幼児教育は文字教育を含めて、エイジング(年を減ること)の弊害をもたらすというので、あながち上記の映像もまとはずれでもないかw
(参照:ニュージーランド子育てあいうえお 「シュタイナーのお話し会」)


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それにしても、4歳ともなると、いろいろな経験が蓄積されてきている。
3歳と4歳、4歳と4歳半でも大きく異なる。
これは量もそうなのだが質がちがうというほうが当てはまっているかもしれない。
特に友達との世界は確実に広がる。
2歳頃に言葉の爆発期があり、突然、非常に多くの言葉を話すようになる。
その時期があまりにもすごいので、その後少し停滞するように感じるが、4歳半にもなると想像でその場にない物でも話したり、時制の概念がしっかりしてくるので、「おはなし」の中の場面もイメージしやすくなるようである。


うちの子も、つまはじきにされた経験、友達と遊んで楽しかった経験などがあったので上記の「ユーカリの話」は効果を発揮したのだと思う。

それと共に、「お話」の効果がすばらしい物があることを再認識した。
特に、絵本とかではなく、のんびりリラックスしているときに、
文字通り口だけを使った「お話」にすると、その内容を想像力を働かせて聞いており、自らの中に吸収しやすい。
そして、そこにあるいろいろなルールなどを理解するのも簡単なようだ。
何より、自らの意志で自らの行動を決めることができるのは、子供自身のためにも良いと思う。



今日は、おきまりの遊び場、サンタモニカ・エアポート(映画「2010」で主人公が小型飛行機に乗って飛び立つ空港) に行き、遊びに来ていた現地の子供と一緒にあそんでいた。
そのときある子供が同じように鼻そうじをした指を口にくわえていた。
その子の、お父さんはすかさず注意していたが、これからしばらくはそれをやめさせるのに苦労しなくてはいけないんだろうなぁと多少同情したw


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余談だが、子供が育つ過程でいろいろと、しつけとして強制されたことや説明されてきたことは、そのときには効果を発揮しなくても後から徐々に効いてくる。
重要なのは継続すること。そして一貫性を保つこと、感情的にならないで適切に処理すること。
今は無視され、効果を発していないように思っても、子供は親のしてきたこと言ってきたことを細部に至るまで、ちゃんとわかっているし、忘れない。
これらを続けていれば、必ず2年後、3年後にはその効果を感じるときが来る。
小さいお子さんをお持ちの方で苦労されている方は、自分の子供のことを信じ、暖かく見守ってあげてほしい。
できれば、ほんの少し自分で決断できるように手助けしてあげられるとベストだと思う。

4 件のコメント:

  1. うちの子(1歳7ヶ月)は絵本よりもDVDとTVが大好きっ子になってしまってます。。。(^^;
    いけないと思いつつ、子供が喜ぶとつい見せてしまう。。。
    今後は絵本も読んであげる事にします。子供の成長を見守るのは楽しいです。そして、子供と一緒に親も成長できる。子育ての醍醐味だと思います。

    はやく子供に会いたいです。あと1週間の辛抱です。

    返信削除
  2. 実際の所、お友達との関係もありDVDとTV無しというのは、かなり難しいものです。うちも友達が協力してくれなかったら無理でした。

    「子供と共に親も成長する」<==いい言葉ですね。その通りだと思いました。
    今はお子さんは日本ですか?
    あえる日が、待ち遠しいですね、がんばってください!

    返信削除
  3. melonさん、こんばんは。
    ブログにお邪魔させて、いただきました。
    子育ての話しがあったり、シルコスキーの話しがあったり、
    楽しいブログですね。

    シルコスキーの話題にも、コメント書いたんですが、
    上手く載らなかったみたいで、気が向けばまた、書きます。

    子供の教育と動画は、今後数世紀は、普遍的なテーマになるでしょうね。
    私の場合、始めから、考えても無駄だと思いましたので、
    こう思うようにしてました。

    例えば、私たちは、無数の雑菌に囲まれて生活してますが、
    菌類には人体に有害のもいれば、無害なの、有益なものなど、
    様々いますね。

    それを一々、選別して生活するのは、不可能なように、
    子供を取り巻く映像、動画など、同じように考えれば、
    むしろ、ちょっとぐらい有害な菌を吸い込むくらいのほうが、
    抗体も出来て、たくましく育ってくれるだろう、
    なんて風に、考えてました。

    鼻くその話しは、面白いですね。
    食べなくなって、良かったですが、ちょっとつまらないかも。(笑)

    育て方は、人それぞれで、正解は無いけれど、
    不正解はあるようには、思いますよ。
    だからこそ、子育ては、自分の中の創造性が、
    シビアに試されてるって、思いませんか?
    私はそう思います。なので、とっても楽しいです。

    これからも、色々読ませて頂きます。

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  4. ヤマドリさん! コメントありがとうございます。

    雑菌の考え方、おもしろく思いました。
    たしかにそのように考えた方が、親もどっしりとおちついて対応できるし、神経質になるよりもむしろそのほうが子供にとって良い影響を与えるように思います。
    子育ては、細部も大切ですが、長期にわたり、広い視野で考えることも大切と感じます。それに個々の子供によって違うので、まさに創造性を発揮しなくては対処しきれません。

    その点、個々の子供に十分対応しきれるのはその子の親にしかできないのでしょうね。

    動画に関しては良い点もあるので、うちは7歳からは少しづつ見せようと考えています。
    本当に子育ては「創造性」ですね。

    それにしてもヤマドリさんのブログも拝見させていただいていますが、お宅の近くは自然が多くてうらやましいですw

    自分もある程度は、いなかで育ったので子供の時に自然の中で、経験したことの大切さを感じます。

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