日本でハリウッドVFXを制作! 「経産省アイディアボックス」 結果:  
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2010年11月10日水曜日

本「スタジオプロジェクトDynamics」への補足 (その16)

Pg76 ステップ5(ステップ5説明の真ん中あたり)
翻訳:「配置するだけで、値を大きくするとシミュレーションが速度が上がり、値を小さくすれば速度が下がります・・・
原文:「Simply put, increasing the value causes the simulation to speed up, and decreasing it slows it down.

Put」を後の文章から分離して「配置する」と訳しているわけですが、これはput the valueと後の文章にかかっているのではないでしょうか。
なので意味としては「値を入力する」に含まれ、特に訳す必要はないように思います。
あと誤植(「が」が「速度」の前にある)もありますね。

意訳すると、
値を大きくすればシミュレーション速度が上がり,値を小さくすれば速度が下がります

「Simply」は「ただそれだけですよ~」みたいなニュアンスだと思います。


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ステップ6
・・・放出される煙は火の玉のように回転します。」とあります。
この「回転」は、「Roll」なのですが、ボールが地面を転がるのとはちょっとニュアンスが違います。
中心からわき出てくるような流れが周囲で渦となっているようなイメージです。
その証拠にここでは、「渦(Swirl)」を設定しています。


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Pg79 ステップ11

翻訳:「Perlinノイズテクスチャは、時間を使用してフラクタルパターンを変化させます
原文:「a Perlin noise texture that uses time to alter its fractal pattern.

これはPerlinノイズテクスチャの説明ではなく、「スペース時間」の説明です。
正しくは以下の通りです。
フラクタル・パターンを変化させるために時間を用いるパーリン・ノイズ・テクスチャーの一つです。
時間が経過するに従いフラクタルパターンが変化します。


ようするに「テクスチャーのタイプ」のプルダウンには「パーリンノイズ」が二種類あります。
(参照:オンラインヘルプ「Fluid Shape」
「パーリンノイズ」:通常のパーリンノイズ。3次元
「スペース時間」:パーリンノイズの4次元バージョン(時間が4番目の次元)





(パーリン(Perlin)ノイズについて補足:)
パーリンノイズの名称は開発者のKen Perlinの名前からとられています。
Ken Perlinのホームページ
Wikipedia:パーリンノイズ
参照:Making Noise by Ken Perlin
参照:パーリンノイズの幻想的なアニメーション
参照:世界で最も有名なノイズ「パーリンノイズ」とはなにか?

上記の参照ページにも出てくるように
パーリンノイズはフラクタルノイズでは有名な物で、プロシージャル・テクスチャーに使われる。
さてここでパーリンノイズを取り上げたのは、本のこのステップ以降に書いてある
「フラクタル・テクスチャー」と混同してしまいやすいからである。

以下の三つの言葉が示している意味の範疇は若干異なることを心にとめておいた方がよい。
パーリンノイズ:ノイズの一種
フラクタルノイズ:ノイズの一分類
フラクタル・テクスチャー:テクスチャーの一種 


また、Mayaにはフラクタル(Fractal)という名称の2Dテクスチャーがあるのだが、一般名称の「フラクタル・テクスチャー」と分けて考える必要がある。

ステップ11のところに、フラクタルのテクスチャーを使ったことが無い人は2Dのノイズテクスチャーを試すように書いてある。
ここで言う「フラクタルのテクスチャー」とは、一般名称のフラクタル・テクスチャーのことであり、Mayaの「フラクタル」2Dテクスチャーを指しているわけではない.
ここでも「パーリンノイズ」の選択肢がある「ノイズ」2Dテクスチャーを使ったテスト方法が書かれています。



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Pg80
翻訳:「これによってノイズのパターンをさらに拡げます。
原文:「This spreads the noise patterns out further.

以下のように訳した方がわかりやすいかもしれません。
これはノイズのパターンをさらに拡げます。
この文の直前に「周波数の比率」を3に設定しているのですが、
その設定が、ノイズのパターンを拡げることを説明しています。

ちなみに本に載っている図4.20と図4.21、図4.22の違いがわかりにくいので
もうすこし大きなサイズでレンダリングしてみました。
(画像をクリックすると大きなサイズで見れます)
図4.20 デフォルト

図4.21 周波数の比率3

図4.22 比率0.6




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ステップ13
じつは冒頭に省略されている部分があります。
原文:「The next Textures section,

次のテクスチャー・セクションは・・・

まぁなくても問題はありませんが・・・。

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