日本でハリウッドVFXを制作! 「経産省アイディアボックス」 結果:  
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2011年2月2日水曜日

「第9回VESアワード授賞式」 レポート

2011年2月1日 6:30からビバリーヒルズのヒルトンホテルに会場を構えて第9回VES授賞式が開かれました。
監督のクリストファーノーランほか、著名人もちらほら。テレビなのか新聞なのかプレス用の場所が用意されそちらでインタビューを受けていました。
(インタビューが行われている場所↓)

会場はタキシード、スーツ、イブニングドレスで着飾った人達であふれ、華やかな雰囲気を呈しています。


前にステージがあり、VES Awardのロゴがあしらわれたデザインとなっており、左右両側にはモニターが配置されています。

(ステージの反対側には大きなビデオカメラがスタンバイ↓)


実は会場入り口のロビーにソファーがおいてある一角があったのですが、そこにCat Shit Oneの笹原監督の姿が!
他の知り合いと話していたのと、監督あくびの連続でお疲れのようだったので声をかけそびれました。まぁ明日のノミネート祝賀会に参加するのでその時にでもご挨拶出来たらと思い今日はあきらめました。
  (会場に入るモデラーの成田さん↓)
 


授賞式が始まるまでに時間まで、会場の脇にあったオークションの部屋も見てきました。
映画のポスターに役者や監督のサインなどをほどこし額装したものがメインで中には、映画に使われた小道具なのかサインの入ったギターなどもありました。
手前に置かれた紙に、金額を書いていくのですが、書き込まれた金額は値段は数百ドルから千数百ドルまでいろいろ。
それほど多くの人は参加してないようでした。




授賞式が始まる前にディナー。
以前のVESはハリウッドが会場だったんですが、その時一度参加したときは柔らかいステーキだったんですが、今回は硬い鶏肉。
なんかぱさぱさしてまずい。
写真は撮りわすれましたが、デザートの写真は撮れました。
そしてこのデザートがまた甘すぎ。
ヒルトンホテルの食事いまいちでした。
(デザートの写真↓)




たまたま同じ席に座った人達の中に、以前同じ会社で働いていた人がいてびっくり。
そして隣の隣にMotion Theoryの方が居たので、話しているとなんとMotion Theoryの社長さん
ということがわかりました。
Motion Theoryは最近ギレルモ・デル・トロとMiradaという会社を立ち上げており、私の友人もそこで働いていたので聞いてみるとよく知ってました。
エフェクトも結構やっていると言うことでHoudiniについて聞いてみると。
ほとんどのエフェクトはHoudiniでやっており、Houdiniはとても良いそうです。
実際の所、Houdiniを使うと最終的にコスト削減につながるとも。

ギレルモ・デル・トロともすでに仕事を始めており、彼の天才ぶりに驚いていました。
そしてあの映画もすでにコンセプトに着手しているそうで、ますます行きたくなってきました!



<オープニング>
まずはVES授賞式のオープニング動画
(実はこれより前にもっと長いオープニングがありましたが撮影忘れ^^;)


まずVESのエグゼク・ディレクター エリック・ロス氏の話で始まりました。
このブログでもたびたび伝えてきましたが、最近のアウトソーシングによるLAの仕事の危機にふれました。
(私のブログの過去ログよりも、今泉さんのブログでこれに関する最近の記事が翻訳されていますので、ご存じないかたはそちらをご覧ください。
LA Times -アメリカVFX業界の危機
LA Timesの記事なので、内容的には若干危機感をあおる描写であり、かつ今年の動向や組合の話までは含まれてないですが、これまでの状況を知るには充分だと思います。)

さて、エリック氏は同じく「組合」の話に触れました。
VESは中立の立場を保っていましたが、エリックの話し方はアーティストよりの話しであり、VESがより前向きにコミットしようとしているかのような期待がもてる話しでした。
VESが公式に「組合」の話に触れたのはこれが初めてかもしれません。

そして2~3週間後になにかの発表があることを示唆する発言も。
いよいよハリウッドのビジュアル・エフェクト業界も、変革の時がきたのかもしれません。


<授賞式>
さて日本からはCat Shit Oneが短編アニメーション部門でノミネートされ、期待を集めましたが、残念ながらPixarの「Day&Night」が受賞。

部門の受賞作品発表直前に、部門内の全ノミネート作品を2~3分にまとめたムービーが流されるのですがCat Shit Oneが画面に現れた時は、結構盛り上がっていました。

通常はノミネート作品に関係しているグループだけ盛り上がり、他は拍手をするだけというパターンが多いのですが、Cat Shit Oneが画面に写ると、笑いと共にYeah!とかかけ声もかかりました。

残念ながら受賞はできませんでしたが、手応えは感じました。
純粋にうけていた感じはしますw
笹原監督の次回作に期待です。

<Cat Shit Oneの上映時の会場>


(こちらは笹原監督自ら撮影されYoutubeに投稿された動画↓)



次はHow to Train Your Dragon(ヒックとドラゴン)が受賞した瞬間ですが、どれだけの人が居たかよくわかるように撮影してみました。
これでも出席している人は、その作品に関わった人のほんの、ほんの一部(数%)です。
実際、どれだけ多くのVFX関係者がいるのかここから想像すると、驚くばかりです。



さてこちらはHaloのCM動画が受賞した瞬間です。

このCMはMethod Stuidos で制作され、知人が二人関わっています。
そのうちの一人は皆さんよくご存じ、モデラーの成田さんです。

成田さんはこのCMでもリード・モデラーとして参加されており、上記の動画はHaloの受賞が発表された成田さんの喜びの瞬間です。
後ろ姿ですみません。真ん中で両手を握って上に上げているのが成田さん、ご本人です。
席を立ったのは、受賞した他メンバーと喜びを分かち合うために移動しているためです。
(残念ながらノミネートされた名前には含まれていませんので、舞台上には上がられてません)


実はこの喜びの少し前に、先ほど話したモーションセオリーが関わった作品があったのですがおしくも受賞できませんでした。
しかし、その受賞作品の名前が読み上げられた瞬間。
社長さん拳でおもいっきり机をたたいて、一瞬まわりが凍り付きました。
「俺もう帰る!」とまで行ってました。(結局最後まで居ましたがw)



<HaloのCM、フル動画はこちら>


fxguideのHaloの記事(リンク)


ゲーム関係では、トレイラー部門で、ブリザードのWorlde of Warcraftが受賞。
さすがです。


 今回は途中休憩無しで、一気に進められ11時過ぎに終わりました。
以上VES授賞式の様子でした。
鍋潤さんも、現行のためか写真撮影などいそがしく会場を行ったり来たりされていましたので、そのうちもっと綺麗な写真が彼のブログに掲載されるのではないかと思います。


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ノミネーション作品の選別投票にも参加したある友人と話をしていて思ったのは、受賞決定のための投票が、あまり厳密ではないような気がするということです。


もちろん、インチキがあるとかではないのですが、投票者は24部門それぞれに対して、わずか1週間という中で投票を終わらせなければなりません。
一つの部門で3~5の作品がノミネートされていますので、まともにひとつひとつの動画を見ていると非常に時間がかかります。
インターネットで全VES会員が投票出来るシステムにはなっているのですが、忙しい人などはおそらくすべての動画を見切れては居ないと思われます。

また部門に分類されているものの、その部門の定義に厳密に沿ってエフェクトを評価しているのではなく、作品としての内容評価になっている人も多いのではないのかという疑いです。
たとえばインセプションおもしろかった=エフェクトすごいという単純思考になってしまっているということです。

VESのメンバーは5年以上のプロとしての経歴がある事が前提で審査を通って初めてなれるので、そのようなブレは少ないとは思いますが皆無ではないとは思います。

そのあたりの対策がキチンとされていないなと思うのは、部門のタイトルが、きちんと審査ページに説明されていないという点があります。
各部門の区別がわかりにくい物もあります。

このあたりはもっと改善されるべきではないかなと思いました。

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