正式発表は月曜日(現在、日曜日の深夜)になるようですが、
バラエティーのサイトをはじめ、主要なサイトではそのニュースで持ちきりです。
http://vfxsoldier.wordpress.com/2013/02/10/rhythm-hues-chapter-11/
http://www.variety.com/article/VR1118066034/
http://www.fxguide.com/quicktakes/rh-chapter-11-update/?utm_medium=twitter&utm_source=twitterfeed
自分もどうやらレイオフのようです。
業界内にも戦慄が走っています。
というのはR&Hは純粋に映画/CMなどの独立した、VFX請負業者だからです。
SonyやDesineyは上にスタジオがあり、ILMは大きなグループの一部門です。
しかしR&Hは純粋にスタジオから仕事を請けるだけで、まったく上層/他部門など頼るところをもっていません。
また無理なプロジェクトを立ち上げたわけでもありません。
業界でも大手とも言えるR&Hの破産は(少なくともLAでは)このVFX請負業が成り立たなくなっている。
ということを示しているからです。
詳細はさけますが先日のスコットロスへの質疑応答の記事がこの業界の実情を説明していると思います。
以前から少しづつ訳していたので、まだ未完ですが公開したいと思います。
いつも通り、翻訳に難ありですが、原文と合わせて読んでみて下さい。
ここ、翻訳間違いじゃないのか?というご指摘は大歓迎です。
Twitterでもこのブログのコメントでもどちらでも使ってどんどんご指摘下さい。
原文へのリンク: http://provideocoalition.com/mchristiansen/story/why-is-the-vfx-business-failing-questions-for-scott-ross
以下の文章で、ファシリティーは大きめのVFX会社を指し、ブティックは小さなVFX会社をさしていますが、まとめてVFX会社としています。
スタジオとは「 20世紀Fox、ワーナーブラザーズ、コロンビアピクチャーズ(Sony)、Disney」などの映画自体を制作する会社を指します。
(VFX)プロダクションとは「ILM、Imageworks、R&H」などのような、CGをつかいVFXを作る会社を指します。
スタジオはVFXプロダクションのクライアントであり、仕事は多くのVFXプロダクションが入札する形で決められます。
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VFX事業はなぜ儲からないのか? スコット・ロスへの質疑
DigitalDomainの創設者であり元ILMの取締役は「とても単純さ実質収益だよ」とすべてを話してくれた。
Q: 今週初めに述べた質問(別の記事で「なぜ最も成功している時期にVFXのビジネスは利益があがらないのか?」を書いていた。)から始めたいと思います。 2013年のVFX業界には何が起きているんでしょうか? 欧米の経済全体で多くの業界に起きていることと何が違うんでしょうか?
ひとつの大きな違いはビジュアルエフェクツの会社はハリウッド映画がもつ6つのクライアントのためにショットを作っているということです。これは非常に大きな違いです。 実際の自由市場経済は売り手が新しい買い手を見つけようとするときには全く異なる様相を見せます。
Q:もしRhythm & Huesのように資金繰りの問題を抱えたとき、VFX会社のどこかに過失もしくはビジネスの経営手腕が悪いと言ったことがあるのでしょうか? それとも単に彼らが生きてくために充分な資金がスタジオからは流れてこないのでしょうか?
ビジュアルエフェクツ会社は自転車操業で、仕事がない期間は多大な影響を与えます。
私は元々1980年からビジュアルエフェクツとポストプロダクションの仕事をしてきました。
そして支払いのサイクルとコントラクトは、私が始めた頃からより一層、面倒なことになるばかりでした。
ビジュアルエフェクツのビジネスモデルはフィルムビジネスの他のビジネスとは著しく異なります。
- つまりアベンジャーのクレジットがあがってきたときおそらくカメラ部門は6人ですが、ビジュアルエフェクツにさしかかったとき1000人もの名前があるでしょう。
さて、だれがこのビジネスでは象徴となっているのでしょうか?
ビジュアルエフェクツの会社は-クリエイティブとテクニカルという- 二面性を持っていますが、ビジネスを支える物ではありません。 だれがビジュアルエフェクツのクリエイティブ面での象徴かって?
そうですね「デニス・ミューレン」はそうでしょうね。
誰がテクニカル面での象徴かというと、ジョナサン・アーランドのような人でしょうね。
じゃぁだれがビジネスの象徴なんでしょうね? その人は名士ですか?
Q:報酬低下の圧力はどこからきたのでしょう? オフショアですか?
その圧力は四方八方からきます。まるでいくつもアタマを持つヒドラのようです。
ビジュアルエフェクツは固定された競売値で、しばしばまだはっきりした計画や青写真がないまま運営されます。
すべての会社、全てのレベルで、かれらの仕事は安く入札します。
そして相対するクライアント側は ---そうですね、ゴジラみたいなもんです。
VFXサービスのビジネスは完全に底辺を泳いでいます。
高度に専門化された知的財産(Intellectual Property)とノウハウが必要とされる大量の仕事があります。
ハリウッド・レベルの役割を果たすためには大きな障壁があります。
ハーバードの経済学者が語る大金持ちになれるという仕事があります。
近年でも大きなVFX会社を運営するのは、大きな航空会社を保ち続けるような物です。
- 根本の理論は、飛行機が飛んでいるとき、半分の収益を得ていたとしてもそのビジネスではお金を失っているという物で、それは飛行機が地面にとまり、もっとお金を失うよりはましなのです。
Q:より小さな会社 -ブティック- は世界でも最大のVFX会社達「ビッグ8」に重大なプレッシャーを与えていますか?
それらは有能なトップレベルの人達が主に行くところでしょうか?
これまでにビジュアルエフェクツのオスカーが授与された人達をみると、小さな会社はほとんどありませんし、
もしいたとしても、いずれにせよ大きな会社と共に仕事をしていることが良くあります。
私がこのビジネスを始めた80年代半ばは、一つの町に2つか3つの仕事があっただけですが、実際にあったのはILM1社だけでした。
もしビジュアルエフェクトでチケットを売り、アカデミー賞を獲得したいなら、それがその場所でした。
その領域は拡大しましたが限られた数の会社が大きくなっただけです。
それを有能な人達から見ると、たとえば私がベテランのシニア・コンポジッターだとしましょう。
- より守られ、サポートされる、それら大会社の一つにいるのは、より小さい会社で運営していく雑事にさらされるよりはかなりましなことです。
もちろん、ロブ・リガ-トは独立してVFXオスカーを獲得できたでしょうが、メジャーな会社からのよそ者として運営するわけではありません。
Q:最大手の会社達(ILM、Weta、Sony Imageworks、R&H、Digital Domain、MPC、Framestore、ダブルネガティブ)はハリウッドに仕え、
最大手のスタジオ達(わずか6社)の脅しをうけ、「あっそう、じゃこの映画は中国とインドにやるね」と数年前に言われたとしたらどうなるでしょうか? いまなにがおきることになるでしょうか?
かれらはやり方を変える銃弾を放ち、窓を閉じたのです。そしてかなりの時間が経過しました。
訳注:この部分の訳は以下のようになるのではないかとご指摘いただきました。
@miyukimaruyamaさんありがとうございます!
「新しいスターは我々の業界にいる人々(男性や女性)が作り上げる映像(イメージ)なのです。」
原文:The new stars are images that men and women in our business create.
本当になり得る事を前提に
総収入トップ20のうち20本、トップ50のうち48本の映画はVFXが映画が経済的に成功する鍵となることを証明しています。
それらの各フィルムは、おそらく30%のショットは撮影するのがかなり難しいでしょう。
それらのショットはライン・タレント(スターやディレクター、脚本家でさえ)よりも顧客を引き寄せる物なのです。
「新しいスターは我々の業界にいる人々(男性や女性)が作り上げる映像(イメージ)なのです。」
原文:The new stars are images that men and women in our business create.
そしてスタジオはそれらに相応の対価を払わないようことにしました。
もし私が妄想的統合失調症の帽子をかぶったとします、
映画スタジオはそんな感じです。しってますか?
マイケル・オーヴィッツ(元ハリウッド代理人、現実業家。ハリウッドの最強代理業者Creative Artists Agency(クリエイティヴ・アーティスツ・エージェンシー)の創設者)によって、ドアの中に閉じ込められたのです。
彼らは核心のコントロールを失い、大金を脚本家やディレクター、タレントに支払い、「もう二度とこんな事はしないぞ」と決めたのです。
どうしても私には理解出来ないのは、なぜ8つの大手プロダクションのリーダーが国際取引組織を形成し、今すぐミーティングを開き互いに「我々はこの問題をどうやって解決すべきなのか?」という話し合いをしないのか?ということです。
Q:プロダクションがその現実に目覚めるには何が必要なのでしょうか?
そうですねビッグ8の会社のうちの5社が、現在の標準的な運営手順ではやっていけません。
SonyとILMは考慮に入れられません。彼らはスタジオによって所有されています。
我々はR&Hが置かれている状況を知っています。
Wetaは信用できません。彼らは二つの主なクライアントから資金を得ています。
;実際の所、私がILMに足を突っ込んだときにの多くの事を思い起こさせます。
フィルムメーカーのオーナーが仕事を終えたとき(<= 訳不明)
次に起こるのはピータージャクソンが一歩下がり、ジェームスキャメロンが彼らの一番のクライアントになるでしょう。
DDは少し異なります。現在、中国とインドに所有されています。
長い期間にわたり取引組織はかれらに有益で、世界的な競争をフラットにするでしょう、
しかし彼らは、そこまでには達していません。
ロンドンの大きめの会社は今のところは、太って幸せに見えます。
それは変わるでしょうが、彼らにはおそらく取引組織が国境を越えて有益になることは見えてないでしょう。
Q:どんな人がすばらしいVFXアーティストを作る事が出来るのでしょうか? どんな方法で?
もしあるならどんなパーソナリティーのタイプは最も繁盛しているVFXの顧客とうまくいかないのでしょうか?
もしあなたが、VFXアーティストは生き残る能力を持っているかと聞いているのなら答えはYESです。
ビジネスの現実に適用できるのかということでしょうか?
20年以上前に、私はAVEC(Association of Visual Effects Creators, 「With」という意味のフランス語)と呼ぶビジュアルエフェクツの取引組織を始めようとしました、
不幸なことに被害妄想の人達のおかげで、組織は決して運営されることはありませんでした。
2度のミーティングがもたれましたが、そのころの大手VFX会社(ILM、BOSS、APOGEE、DreamQuest)は互いをまったく信用せず、AVECはすぐにSANS(「Without」という意味のフランス語)に変わりました。
ほとんどのビジュアルエフェクツアーティストとテクニシャンは葛藤回避型であり、
そのビジネス文化は「1日24時間働くよ。別に給料はいらないよ、だって俺はスターウォーズの仕事してんだぜ?!というものです。
Q:各地のポストプロダクションに対する助成金は会社の運営を助けていますか?それとも傷つけていますか?
認識すべき重要なことは助成金は、直接それらの会社にとってはまったく利益とはなりません。
スタジオが助成金をうけとっている間、彼らは6~7桁の予算をリモート運営を確率するために費やしています。
基本的に、その場所で機能するかどうかは、契約条件によります。
一方では、二年前。バンクーバーは盛況でした。しかしいまはSave BC(ブリティッシュコロンビアは予算の都合でポスプロへの助成金の中止を考えています。SaveBCはそれを継続させようという活動)の人々であふれています。
ニュージーランドでは、税納者はそれぞれ$10をロードオブザリングの助成金のために支払うことを決めました。
その国の、全国民のための映画のチケットと同額です。
なぜどの政府も、その映画が成功した際の収益を得る権利なしに、スタジオが彼ら自身のプロジェクトを完成させるためのお金を払うのでしょう。
Q:労働者の状況を改善するには何が必要なのでしょうか?
「もし私が魔法の杖を持っていたら」
もし私が魔法の杖を持っていたら、こういったことをやりたいです。
1.全ての税助成金、税制優遇措置を取り除きます。もしできないなら、スタジオではなくVFXプロダクションにそれを提供します。
2.取引組織を作り、特定のスタジオの特定の個人からでたものではない、AICPのモデルに沿った一つの声にまとめます。このグループは値段を変える事は出来ませんが、「支払いのスケジュール」「48時間のApproval Window-クライアントはこの時間内に承認するかどうかを決めなくてはいけません。それ以後の変更は規定を超えた物になります。」「Kill fees -VFXスタジオは現在、仕事の一部がキャンセルもしくは変更された場合、その数ヶ月分の仕事時間に報酬をもらっていません」のような標準的な基準を設けます。
3.プロダクションが補償するというモデルを、コストに加えて総収入からの固定額または成功報酬に変える。
VFXプロダクションは現在、劇場映画に非常に簿利益で偉大な貢献をしています。
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最後の部分については@IchigoIchieFilmさんの訳がわかりやすいです。
https://twitter.com/IchigoIchieFilm/status/299741631664488448
これ以降の内容については時間の関係もあり割愛させていただきます。
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