日本でハリウッドVFXを制作! 「経産省アイディアボックス」 結果:  
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2010年8月29日日曜日

ジョン・ウイリアムズのコンサートへ行ってきました。

今日はハリウッドボール屋外コンサート場で行われたジョン・ウイリアムズのコンサートへ鍋潤太郎さんをはじめDDへおつとめのアーティストの方二人と行ってきました。
 (写真は鍋潤さんの手。現時点で顔の公開許可をいただいてないので手だけ公開w 仕事でやったスピードレーサーの革ジャンのロゴがちらっと見えています。)

本当はモデラーの成田さんもこられる予定だったのですが、仕事が忙しかったのかとうとう最後まで顔を合わせることはできませんでした。(ひさしぶるにあえると思っていたのに。残念)
成田さん、こんどまた食事でもしましょうね。

ジョージルーカスとスピルバーグの絶大なる信頼を受け、彼らの数多くの音楽を作ってきた作曲家でもあり、指揮者でもあるジョン・ウイリアムス。
最初のスターウォーズの時から、数々のLPレコードを所有し、何度も聞いていたほどの大ファンだったので、本物が見れてうれしかったです。
ジョン・ウイリアムスのコンサートは結構行われており、前から知ってはいたのですが去年はすでにチケットが売り切れており買えなかったのですが、今回は鍋潤さんのおかげで無事確保。
こういうコンサートに気軽に行けるのはLAならではですね。

ハリウッド・ボールは、屋外コンサート場で、夜の8時30から始まったので夏にもかかわらず冷えてきます。

演奏中は、LAではよく見かけるヘリコプターの音が聞こえてきたり、鳥のさえずりがきこえてきたりと屋外ならではの、雰囲気があります。
途中の休憩時間には、後方の山にみえるハリウッドサインがライトに照らされれているのを見ることができました。(このコンサートに合わせた物か、それとも偶然なのかはわかりませんが)
 また、高校生の時に、毎年恒例のように初日の出を見に近くの山の頂上へ登っていたのですが、月明かりと、部隊の裏手にみえる山の陰をみていると、ウォークマンにETの曲をいれて、深夜の山を登っていたのを思い出しました。


コンサートはジョン・ウイリアムズの語りからはじまりました。
見た目が全く変わらず年齢を感じさせない姿で、しっかりと説明をしてくれていました。
まさか今になって彼の生きた姿が見れるとは思っていなかったので、不思議な感じがしました。
演奏はウォルトディズニー・コンサートホールでの演奏で有名な、LAフィル

演奏された曲は、前半はハリウッドメドレーのような曲から始まり、サイコをはじめとするヒッチコックの映画。ハリウッドゆかりの映画「サンセットブルーバード」、オードリーヘップバーンの映画(?)の曲などを演奏。スクリーンには各映画のシーンが音楽にあわせて編集された物が流れます。
また演奏ステージ(シェルと呼ぶらしいです)のライティングも音楽に合わせて色が変わります。
例えばジョーズは青、インディージョーンズならオレンジ、スーパーマンなら青と赤という具合。


 後半はいきなりジョーズのテーマから始まり、続けて同じくジョーズのThe Barrel Chase(これも好きな曲です)これは映画のシーンを台詞付きで流してくれて、まるでサイレント映画時代に劇場で生演奏している映画を見てる感じでした。(実際に上映されていた映画のシーンはこれが近いです)
当然ながら映像にぴったりで、久しぶりに見たロイ・シャイダーの姿とも合わせてワクワクしました。
ジョンウイリアムスが裏話としてスピルバーグはいつも海の色と格闘していたと話してくれました。
撮影する日が違ったり時間や角度によって、海の色が青かったり緑だったりいろいろとかわるらしいんですね。それで同じシーンでもカットによって撮影日がちがうと色が変わってあわなくなってしまうということです。
当時はコンピュータなど無かったでしょうから、どうやってそれをきちんと合わせたのか不思議ですが、大変だったでしょうね。

 さて音楽は、他にも1941,インディージョンズ、スターウォーズなどを演奏。
残念ながらET、未知との遭遇、ジェラシックパークは残念ながら聴くことができませんでした。
鍋潤さんの話によると、毎回違うらしいので、今度行ったら聴けるかも。
何度かのアンコールに応えてくれ、最後はスーパーマンで締めくくられました。



さて、このコンサートならではの風景。

アンコールで演奏された「ダースベーダ-のテーマ」ですが、たくさんの人が振っているのはペンライト(夜光棒)ではなく、ライトサーベル。

中にはインディージョーンズの仮装をした人や、ダースベーダ-のヘルメットをかぶった子供などもいてそれぞれに楽しんでいたようです。

驚いたのは次の写真をみていただけるとわかりますが
 LAフィルの演奏者の人も何人かがライトサーベルを振りかざしていました。
もちろん演奏が終わった後のことです。

今回のLAフィルの演奏を実際に見てプロフェッショナルとはどういうものか、今一度考えさせられました。
特にコンサートミストレスの方の演奏がすばらしかった。
バイオリンは弓を動かすときにまっすぐ、しかも限られた領域からずれないで動かす必要があるのですが、はげしい体と左手の動きにもかかわらず、弓はぴたりと同じ領域にとどまり、まっすぐに動き続けます。
技術をこえて芸術の域に達しているなと思いましたが、よく考えれば音楽は芸術なんですよねw
うまく表現できないのですが、心の中にある物を外に出す、そのための技術にはとらわれておらず、心にわき出るものを外にだすとはこういうことかと思いました。
まさに技術ではなく心で伝えようとしているのだなと思いました。
これは技術は完全にマスターしていないと出来ないとことだろうなと思いました。

他のバイオリン奏者と比べても段違い。
この人と比べると他のバイオリン奏者は、まだ技術っぽさを感じてしまいます。
 我々がVFXを作るとき、映画という芸術に関わっている以上、このコンサートミストレスのように技術にとらわれず、心から伝えられるようにすべきではないかと思いました。
そして技術を感じさせるのではなく、観客に映像に没頭させることが出来なくてはいけないと思いました。 
なにせ我々は技術を見せるのが仕事ではなく映像を通してストーリーを語るのが仕事ですから。
まぁ、コンピュータは際限なく技術が変わり続けるので、難しい面もあるでしょうが、その視点を失わないように気をつけつつ、技術に振り回されないまでに熟練する必要があるのではないかとも思います。


最後に会場を後にするジョン・ウイリアムス(画面左下)

拍手がいつまでも、つづいていました。

メモ: 「見れば見るほど不思議な鳥の羽ばたきスローモーション×10」

ふらぶろ
http://www.frablo.jp/2010/05/16/10-amazing-motion-bird/

2010年8月27日金曜日

本「スタジオプロジェクトDynamics」への補足 (その2)

<追記: @Atsushiさんより「Gauss」に関する有益なアドバイスをいただきました。是非コメント欄もご覧ください。(エントリ下部の「コメント」と書いてあるところをクリックすると見れます>
Mayaスタジオプロジェク「Dyanamics」に関して間違いを見つけました。


2つ目のプロジェクト:「彗星を作成する」のエクスプレッションのところを読んでいたところ、またまた凡ミスに出会いました。

LifespanPPに以下のエクスプレッションを追加します。
particleshape1.radiusPP=rand(1,2)

えっ!?
いま、LifespanPPって書いてなかったか?

とりあえず先へ読み進めてみると

(中略)
ランダムなエクスプレッションをガウスに変更します。
particleshape1.radiusPP=gauss(1,2)


また!?


これをほんの通りに入力しようとすると、この時点でradiusPPは存在していないので当然ながらエラーになる
// Error: Attribute not found or variable missing '$':  particleShape1.radiusPP //


これはひどい間違いですね。
エクスプレッション初めての人だと、うまくいかないけど理由がわからず、自分には向いてないんだとあきらめてしまうかもしれません。
このように、親切に書かれたチュートリアルもちょっとしたミスで、初心者の助けになるどころか、奈落の底へ蹴落とす結果になることもあります。


正解は
radiusPPの部分をlifespanPPに変えてやればOKです。
particleShape1.lifespanPP = rand(1,2);

particleShape1.lifespanPP = gauss(1,2);



まぁどうせ、コピペやってて確認しなかったんだと思いますが校正はだれがやったんだ!と言いたくなりますね。
ちなみにこれは元になっている英語版も同じで、完全に著者もしくは出版元のミスです。
翻訳して日本語版を出版したボーンデジタルさんの落ち度ではありません。
あえて言うなら、翻訳時点で気がついて作者に了解とって修正するぐらいの心意気を見せてほしかったですw


さて、文句を言って終わりではおもしろくないので少し補足しておきます。



<「Gauss」について>
ランダム関数とガウスについて説明してある部分ですが、日本語版だと「正規分布から値が抽出される」とあります。
原文では「pulls numbers from a bell curve」となっています。

この英語「Bell Curve」は言葉から連想できるおり釣り鐘型のグラフのことをさしています。
「正規分布」はこの釣り鐘型のグラフに表すことができるデータの分布のことを指しています。
ちなみに正規分布は英語では「normal distribution」です。





(図:正規分布グラフの例:Wikipediaより)

 正規分布を簡単に言うと、「ある集団のなかに見られるばらつきの統計をとると、釣り鐘型をしたグラフになる(=平均のものが一番多い」ということのようです。

ようするに
正規分布、Bell Curve、は同じ事について、ことなる視点から説明した言葉で、同じ現象をさしています。

これに「Gauss」がつかわれるのは、数学的にこの「正規分布」を裏付けしたカール・フリードリヒ・ガウスの名前をとり、ガウス分布(Gaussian distribution)と呼ばれていたからです。
CGをやっていると、ときどき「Gaussian」という言葉に出会いますが、こういう意味だったんですね。


この様々な呼び方はどのように発生してきたかはWikipedia「正規分布」の歴史のところに説明があります。
ここからすると、

1809年:ガウスにより説明される。「ガウス分布(Gaussian distribution)
1872年:「ベルカーブ」という言葉が使われる。
1875年:「正規分布(Normal Distribution)」が使われる。



要は、この分布から任意の値を取り出して、LifespanPPに当てているので、パーティクルの寿命は以下のようなバリエーションとなります。

短い寿命: 少ない
平均的な寿命: 多い
長い寿命: 少ない



不思議に「rand」関数だとまんべんなくランダムになり、ランダムなのにきっちりそろった感じになってしまうため、「Gauss」を使った方がいいというのがここでされている説明ですね。

ちなみにその後にある「よりリズミカルに見えます」というのは自分にとってはよくわかりませんでした。

-------------
それにしても大丈夫?っていいたくなるような本ですね。
凡ミスすぎます!

2010年8月26日木曜日

遊星からの物体X(前章)、ピラニア3D、パンツァー88

おまたせしました、書き終わりました。

最近は、映画の製作ニュースや、VFX業界のこれからについての情報がありすぎて、読むのも大変です。



<遊星からの物体X・前章>

個人的にとても気になっている「遊星からの物体X・前章」は、その後もちらちら製作情報がながれていましたが、
今回は、本作に出演する女優「メアリー・エリザベス・ウィンステッド」により、語られた内容を訳してみました。(例によって訳は適当です)
情報元:サイト「blastr

1.とてもすばらしい。じわじわとくるSFアクション映画です。不気味な最近作られた他のホラーSF映画と一線を画するような映画です。なにか新しくて楽しい物になると思います。だからとてもわくわくしています。

2.前作と同じ、80年代に設定され、ノルウェー基地がある南極大陸を舞台にしています。
私とジョエル・エドガートン、エリック・オールセン以外の大部分はノルウェー人の俳優です。

3.最初はとてもゆっくりと始まり、この怪物が現れそれが他の人、基地の誰かに化けることを認識したとき、妄想が生まれます。


まぁ、びっくりするほどのことは語られていないのですが、もし映画自体がカーペンター版「遊星からの物体X」の直前のことを描くのであれば、この映画の最後は、犬が逃げて、それを誰かが追いかけていくところで終わりでしょうかw?



<ピラニア>
さてそのほかの、リメイク作品としてはピラニア3Dがあります。
今回で、第三作目なんですが、まずその歴史を振り返ってみると...

第一作目は、ジョーダンテ監督(1978)




第二作目は、ジェームスキャメロン監督 (1981)
邦題は「殺人魚フライングキラー」でしたが、原題は「Piranha2」で、続編として作られています。


今見るとエイリアンへのオマージュなのか? 魚がおなかを食い破って出てくるシーンとかありますね。


そして、第三作目 アレクサンドル・アジャ監督(2010)
3作目で3Dって語呂合わせ?はまるで「13日の金曜日」のシリーズのような感じさえしますw
「第三作目だから3Dにするか!」ってのりですかね。

ちなみに初めて劇場で見た3D映画は「13日の金曜日Part3」でした。
赤と青の眼鏡をかけてみたのを思い出します。
まぁ「ピラニア3D」はたまたま3Dブームだったってことだと思いますがw





さて、この「ピラニア3D」、今年のコミコンで約9分間の山場のシーン(残虐シーン閲覧注意)が公開され、Youtubeなどにもアップされていたのでごらんになった方もあるかもしれません。


なぜ、「ピラニア」がこんなに気になっているかというと、一番最初の「ピラニア」には「遊星からの物体X」の特殊メイクを手がけたロブ・ボッティンが参加していたからなんです。

他にもフィル・ティペット、ボブ・ショート、クリス・ウェイラスなどが参加していました。


映画自体は、主人公の女性が結構明るい感じで、気軽に見れる映画でした。
一番のお気に入りは改造ピラニアを作り出した研究所の中で、小さな魚人間?のようなのが生き物が水槽の中(背後だったかも)にいるシーンでした。
完全な脇役でちらっと出てくるだけなんですが、研究所で常識を越えた新しい生命を生み出す研究がされているということを感じさせるには充分でした。
映画の中で主役のピラニアは暗くてよく見えず、ピラニアの群れるときの独特のキュルキュルという音と共に水面が沸き立つというのでごまかされていましたね。
ジョーズほどの、テンポはなかったですが、最初から最後までたのしく見れる作品でした。
自分としてはロブ・ボッティンの仕事が見たくて、TVで放映された物を録画して何度か見た記憶があります。


なので、ピラニア3Dも期待していたのですが、上記の9分間の映像を見て、期待以上であったところもあり、それは違う路線に行きすぎだという部分もありました。

まず、映像の見せ方などはスリル感がましており、前作よりもこわさが出ているように思いました。
(前作は暗くしてわからなくしてただけのような印象があります)
他にも現代的な感覚が取り入れられており、安価なCGを見せられるのかとおもったらそこそこがんばっていました。
それでもまだB級映画の感じが残っているのはうれしかったです。

それは違うだろう!というのはエロと、残虐性を強調しすぎってところ。
特にピラニアにおそわれるシーンは、見てて気持ち悪くなってきた。
これは「ピラニア」第一作とは違って品がなくなったような気がしました。

第一作が中学生でも安心して見れるような作品だったのにもかかわらず、今回のは完全に成人指定。
前作を現代化してスリル感をましたものになってくれるかと期待していたので路線が変わってしまい、ちょっと残念。

もうひとつは、 予告編でも見れますがピラニアが意図を持ちすぎている感じ。
すぐに食べるんじゃなくて威嚇までしてますね。
前作は、ただ「食べる」に集中してたので、動物っぽさがあってその分、問答無用で食われる感じがあったのですが、今回のは駆け引きする知恵までありそうw
こういうわざとらしさは、おもしろいのかもしれませんが、これについては自分はすきになれないです。

現在制作中の「遊星からの物体X」 も、心理的サスペンスのよさを殺してしまうような、「怪物盛りだくさん映画」で、品を落としてほしくないなというのもあったので、今回のエントリでは、この「ピラニア3D」を取り上げました。


さて、ピラニア3Dの監督「アレクサンドル・アジャ」、次回作は「コブラ」だそうです。
あの寺沢武一の「コブラ」です。
まぁ、CGでやれば宇宙船は問題ないだろうとは思います。
ただ、またエロを前面に押し出してこられるとなんとも....という気持ちと共に、リアルなクリスタルボーイも見てみたいという興味もあります。


しかし、映画「ピラニア」に関係した監督は、なぜか後に出世していますが、この監督もそうなるんでしょうか?(キャメロンはその過去を抹殺していますがw)



<パンツァー88>
さてもうひとつは2011年公開予定の「パンツァー88」
キングタイガー(戦車)とそのクルーがあるミッションで、ロシアの国境へ向かい、
古代の謎に巻き込まれ謎の存在とたたかう映画らしいです。
Wetaがすでにいくつかのコンセプトアートを公開しましたね。

 キングタイガーの向こうに見えるのは、形からすると列車砲(ドーラ)でしょうか?(参照
こういう希有な兵器がまるでそこにあるかのように見れるのが映画の楽しいところでもありますね。


この映画、予算は20ミリオン(約20億円)とうことなので、しっかりとした大作のようです。
ここまで読んだだけだと、最近のハリウッド映画で良くある話なのですが、他と一つだけちがいがあります。

なんと、この映画のプロデューサーは「ゲイリー・カーツ」なのです。

ゲイリー・カーツは、ジョージルーカスと共にルーカスフィルムを創設し、スター・ウォーズを制作した名プロデューサーです。
それどころか、「スターウォーズ」を完成させるべくジョージルーカスを支えてきたのがこの人で、この人がいなくては「スターウォーズ」は日の目をみなかったかもしれません。

その後は、ダーククリスタルなどを作ったものの残念ながら興行的失敗で、映画界から引退していました。
なので、本作は劇場映画としては復帰作ともなります。
ゲイリーカーツが後期にかかわった作品は興行的には失敗していますが、作品的にはたのしめるものが多いので、新しい作品がみれるのはうれしいですね。

脚本協力と監督はギレルモ・デル・トロとともにヘルボーイの脚本を書き上げたPeterBriggsという人です。

情報元:
Collider.com
Bloddy Disgusting
なんか、じわじわっと大作の予感。
最近は、金かけても観客を楽しませてくれる映画が少なかったから、ゲイリーカーツに期待!!!



<狂気の山脈>
 そういえば、ギレルモ・デル・トロは、ラブクラフトの「狂気の山脈」を作ると発表しておりますが。
(こちらはプロデューサーがジェームス・キャメロン)

よく考えたら「パンツァー88」も「狂気の山脈」も古代の宗教的な超存在というか怪物(妖怪?)というかそんなものに関係しており、同じ分野の映画ですね。
スーパーヒーロー物がそろそろ出尽くしてきたので、こんどは古代の神でしょうか?
 まぁ「パンツァー88」は2011年、「狂気の山脈」は2013年公開予定なので、ぶつかることはありません。

この二つが当たると、「古代の神」ものや、ラブクラフト原作がどんどん映画化されるようになるかもしれませんね。
クトゥルフ神話シリーズができたりして。

ラブクラフトは小説で読んだほうが、なんか不気味さが引き立つような気もします。
それに読んだだけでは形状がわからない怪物をいろいろと空想する楽しさがあります。
いままで映画化されたものは具体的な形状をともなって現れる(しかない。)のですが、どれも今ひとつの感じはぬぐえません。
まぁ基本的に、ラブクラフト原作の映画は低予算映画が多かったのが 原因かもしれません。
名監督が作るとどうなるか見てみたいところです。

 ラブクラフト好きとしては、特定のイメージにとらわれたくはないのですが、最新のCGと鬼才ギレルモ・デル・トロによってどう表現されるのか興味もありますしね。

2010年8月25日水曜日

本「スタジオプロジェクトDynamics」の補足 (その1)

最近、Mayaスタジオプロジェクト「Dynamics」を読み始めたのですが、Tutorialにしては配慮にかけた、いい加減な説明があったので、ちょっと書き留めておきます。

一番最初に非常にシンプルなプロジェクト「太陽系を構築する」というのがある。
そのステップ4でエミッターから発生するパーティクル数について述べてあることろがある。

簡単に説明すると
30fpsのシーンで、Emitterを作る。
Rateにキーフレームを打つ。
最初のフレーム50000に設定。+2フレーム後にRateをゼロにする。
これで再生すると、833のパーティクルが発生するがその理由を以下のように説明している。

エミッタの反応には数分の1秒しか与えられないため、833のパーティクルだけが放出されます。

これは作者の配慮からそうなっているのか、それとも単に知らないのか見当外れの理由である。

この本自体が中級者向けの本なのだから、ここはもう少し詳しく書くべきであった。
まずなにが見当外れなのかをはっきりさせます。

フレーム1:開始フレームはパーティクルの発生処理がされていないのでゼロ
フレーム2:初めてパーティクルの処理がされる。
フレーム3:ここではRateがゼロなのでパーティクルは発生しない。

30fpsなので、1秒間で、1/30しか発生する時間がないということになる。
ではRate50000の時のパーティクル数は1/30秒ではいくつになるか計算すると
50000÷30=1666.666666666667
約1667個になる。

本では833と書かれているが、これでは計算が合わない。
エミッタの反応には数分の1秒しか与えられないため・・・」と 書かれているが不正確な説明である。

 それもあるかもしれないが、それだけでは説明しきれない。
これを理由にするのなら833という数を書くべきではなく「少数しか発生しないのは」とか数をごまかして書くべきであったと思う。


<833の理由>
実は、いままでもこのように短い時間でパーティクルを発生させて、うまくいかないことがあったのでなにかMayaの中で特別な癖のようなものがあるのかと思い、Twitterで質問してみたところ。
理由は非常に簡単なことでした。
いやちょっと冷静になって考えればわかることだった。
キーフレームを打つということはアニメーションカーブになっているわけですが、ちょうど2フレーム目のときはアニメーション・カーブでいうと50000と0の中間の25000なんですよね。
だから、25000/30=833になるわけです。

では、この方法で50000のキーを打っても50000発生することがないのかというと、あります。
Twitterで、 @akirason1982さんに教えていただいたのですが、Tangentを「Step」にすれば2フレーム目で50000のレートになり、1666個のパーティクル発生します。

他には、2フレーム目でもう一度50000にするという手もありますね。

というかなにも1フレーム目でキーを打つ必要がない!
2フレーム目で5000、3フレーム目でゼロと打てば良いだけ。

ということは、作者が833と書いたのはアニメーションカーブのことを忘れていたから。
作者は長い間エフェクトに関わっているので、アニメーションカーブのことを知らないわけはないでしょうから、ついうっかり忘れていたということでしょうが、エフェクトに始めてはいる人や、理論をしっかりと固めたい人にとっては、ちょっといい加減すぎるような気もします。


せっかく期待して買ったのに、こんなんで大丈夫かなと不安になってきました。(^^;)

まぁ、自分も長年パーティクルとつきあって、rateにキーフレームを打ったりしてパーティクルをコントロールする経験がたくさんあるにもかかわらず、思いつかなかったわけだから、人のことは言えませんがw。
こういった細かい説明のポカだけで、あとはすばらしい物であることを期待して読み続けることにします。


<Rateは1秒間に発生するパーティクルの数>
レート(Rate)ですがこれは1秒間に発生するパーティクルの数です。
あたり前ですがアニメーション・カーブによりその数値が変化しているとフレーム毎に発生量は変化します。

さて上記の50000のRateで実際に1秒間に50000のパーティクルが発生するのでしょうか?
これは簡単に証明できます。
まずRateのキーフレームを削除し、50000に設定。
30フレームだけコマを送ります。
1フレームから始めている場合は、
1フレーム送るということは2フレームで終わり。
30フレーム 送るということは31フレームが最後のフレームになります。

最後のコマではパーティクル数はぴったり50000です。



---------------
最後になりましたが、Twitterで解答してくださった @akirason1982さん、@horonigさん、ありがとうございました。

2010年8月23日月曜日

「アメリカ大手VFX会社の給料」の一覧表に関する感想

少し前にアメリカの大手VFX会社の給料の一覧表が公開されましたが、今日はその感想を書いてみたいと思います。


実はブログは翻訳した物の一覧表自体はさらっと目を通しただけで、ほとんど金額はみてませんw
まぁ見て、役に立つとしたら、大手の会社に就職するときにどれぐらいの相場で給料を交渉できるかということにしか使えないからです。
今のところ、悲しいことにそれが必要となる兆候がみられないので、仕方がないかなという感じです。

結局の所、アーティストの相場は、これから先さがっていくとは思いますし、ある程度の給料を望むなら、現場の指揮がとれるか、もしくは効率化がはかれる人間でないと無理でしょうから、今の自分にはすぐには出来ませんw

ピクサーの給料については、低いといって驚いた人がいたのですが、自分としては、予測よりちょっと低かった程度でした。
おそらくこちらで長い人は、なんとなく予想が出来た人もいると思います。

なぜ、ピクサーの給料については、そんなに低いかと考えていたかというと。
まず、第一に社員に対してのケアがすばらしい。
概して、こちらでは給料があまり出ないところは、社員に対するケアが行き届いていたりします。
一例をあげるとピクサー大学ってのがあって社員が自由にいろんな事を学べるそうです。
(参考エントリ:「UP」と「PIXARの小西園子さん」)
http://shikatanaku.blogspot.com/2009/11/uppixar.html
これはまったくの想像ですが、結果的には会社としてはそのほうが安上がりなんだと思います。

これは間違いかもしれませんが、人から聞いた話ですが、ピクサーはプロジェクト単位でなく日本と同じく、終身雇用だということです。
終身雇用で、ケアが行き届いており、そのうえ給料も良ければだれも辞める人がいないはず。
(念をおしておきますが、間違った情報の可能性があります。ただそれを元に自分で勝手に推測しているだけです)
しかし、意外と元ピクサーで働いてた人ってのに出会うことがあるんですよね。
ということは、なにか満足が得られない部分があるからだと思います。
まぁ理由は様々で、
実写のエフェクトがやりたい。他にやりたいことがある。ピクサーの人間関係になじめない。仕事がきつい。
とかいろいろ人によって理由があると思いますが、やっぱり「給料が少ない」ってのもあると思います。
50%ぐらいの人は、勢いでこの分野に入ってきた人が多いと思いますし、本当にCGが好きで好きでピクサーの仕事が一番やりたいことだってひとは、そんなにいないと思いますから。
そこまでのめり込めない人は、やはりお金で動くと思います。
特にアメリカ人はリタイヤのことを若いときから考えている人が多いですから、早めに一儲けして、はやくリタイヤして好きなことをやりたいと考えている人も多いと思います。
ピクサー(またはCG)にそこまでのめり込めない人はやっぱりリタイヤのことを考えたら、やっぱり金がほしくなるんじゃないでしょうか?
これは深読みしすぎかもしれませんが、まるっきりはずれているとも思えない節があります。

まぁ、そもそも終身雇用ってのは全員ではなく、一部の人はプロジェクト単位で働いたりしている人がいるという、おちかもしれませんが。


意外だったのがDreamworks.、全米働きがいのある会社トップ100の第6位に選ばれるほどの会社でありながら給料はそこそこでる。(参考エントリ:全米で働きがいのある会社ベスト100)
会社の環境もすばらしく。
いつかは働いてみたい会社です。


ここだけの話。
これからはCGはアニメーションが安定していると思っているのですが、Dreamworksはご存じの通りアニメーションを作る会社。
しかもほとんどがヒットしているので、収入も安定しており、在りし日のカリフォルニアCG業界の活気を未だに保っているところなのかもしれません。
うらやましいです。

まぁどちらにしても、給料は一昔前ほどには上がらなくなりますね、絶対に。
いったん上がった物が下がることはないかもしれませんが、下げないと仕事がもらえなくなったりするでしょう(実質下がるって事ですがw)
他の会社がそうなったときでも、ピクサーはさほど変わらず、いまの給料レベルとよりよい社員のケアを継続しているような気がします。
実際、20年近く前はCGやってるってだけで、時給100ドルってのもあったようですが今はそんなには言ってないですしね。時代の流れですね。


ところで、「アメリカ大手VFX会社の給料は?!」の冒頭にあった四コマ・マンガはディルバート(Dilbert)という風刺漫画で、こちらの新聞などにのっていて、一部ではよく知られています。

  Wikiから説明を抜粋しますと、
『ディルバート』は、企業文化を、自己目的化した官僚主義と生産性を妨げる企業経営がはびこるカフカ的悪夢として描いている。 そこでは、従業員の技能と努力は評価されず、忙しく見せかけるだけの仕事が評価される。 管理の誤りに対する自然な反応として登場人物たちが明らかにばかげた決定をするところに、多くのユーモアが見られる。
ということで、まさにその通りの内容だったわけです。

サイト「@IT」では、ディルバートの日本語訳を掲載しています。もしかしたら英語の勉強になるかも?!
どれぐらいポピュラーかというとGoogleで検索するとこんなにひっかかるほどです。


実際、プロダクションで使えない人間が自分より給料をたくさんもらっていたり、何もしてないのに自分達と同じ名誉に授かると、このマンガ通りの気持ちになります。
 そんなことがこっちでは頻繁におきて、もう怒る気にもなれません...。(と言いつつも実際にまたおきたとしたら、むかつきますがw)

2010年8月22日日曜日

映画「ダレン・シャン」を見て。

ダレン・シャン」をみた。
エフェクトはさほど参考にはならないかもしれないが、ストーリーはなかなかおもしろかった。
興行成績がいかほどだったのかはしらないが、続きが気になるところ。

この映画をみて人との出会いについて考えさせられた。
いまここで出会っている人は、もしかしたら今後、一生合わないかもしれない。
自分の親も、嫁さんも、また子供でさえ、ずっと一緒ではない。
その年齢で、あえるのも、その時だけである。
子供と一緒に過ごす時間は、どんどん変わっていく。
この前まで3歳ぐらいの幼児だと思っていたのが、いまでは子供っぽくなってきた。
わずか二年で、遊んであげられること、興味の対象がどんどん変わってくる。
3歳の時にやってあげたらよかったことは、いまではもう出来ないこともある。
その時々を大切にして、やってあげることはとても重要だと肌身で感じる。
そのうち、すぐに10代、20代となり、どんどん一緒にできる事は減ってくるかもしれない。
反抗期になれば嫌でも、会話が減り、一緒に過ごせる時間も減っていくだろう。

時間は、刻一刻とすぎていく。

これから先、出会う人、おそらく子供の学校などで会う他の子供の親なども、
もしその縁がなければ一生で合うこともなかったかもしれない人だし、
そこで出会っても、その後また出会うことが無くなるかもしれない。

もし、命という物が輪廻転生しているなら、その命の年齢はとても長いことになる。
その長い中での一年、二年程度の出会いはほんの一瞬である。
そして過ぎてしまった時間は,もう一度やり直すことは出来ない。

魂は時間の流れの中を漂い、喜怒哀楽を経験し、思い出だけを持ち運ぶ。
そんな自分の魂が後悔しないで、次の人生に旅立つなら、今一緒に過ごしている人たちとの時間を大切にすべきだろうなと思う。




自分が死ぬまでの間に、子供や家族、友達と過ごせる時間も限られている。
そもそも寿命まで生きたとしてもずっと一緒に過ごせるわけではない。

いまそこで、その人と意義のある時間を過ごし、思い出を残すことは大切だなと思った。
日本には、「一期一会」という言葉があるが、まさにその通りである。
その人といる時間を大切にし、最高のもてなしをする。
もしくは最高のつきあい方をするように心がけることで、相手にも自分にもよい思い出となるのかもしれない。


ただずっと一緒にいる家族だったり、頻繁にあえる人だったりすると、またいつでもあえると思ってしまい、
なかなかその人たちといる時間を大切な物、特別な物と感じることなく、ただ漠然と過ごしてしまうこともある。
ずっと一緒にいると、いつのまにか大切な時間だという感覚を失ってしまう。

ただ、それもまた良い思い出となるのかもしれないが、出会っている間に相手を大切にできることは自分のこころにとっても満足をもたらす物かもしれない。


この映画では、家族との離別があり、長い間生きているバンパイアの憂鬱にも触れている。
映画自体は、半ばコミカルなタッチで、トントンと進んでいくのだが、扱っている題材は重い。
個人的には、是非シリーズ化してほしい映画である。

しかし、あれやっぱり渡辺謙だったのかぁ~。
はまってたなw

2010年8月16日月曜日

アメリカ大手VFX会社の給料は?!

※この記事は2010年8月に書かれたもので、ほとんどがアメリカ国内の情報です。

その後、アメリカのVFX業界はアーティストの売り手市場から、スタジオ主体の買い手市場に変化しましたので、このスプレッドシートの情報がそのまま現状を表しているものではないということを理解しておいてください。

アメリカのVFX業界大手は安い海外へのアウトソースもしくは海外の支部で作業をすることが主流になり、国内の仕事は激減し、高給とりの多くがレイオフされました。

この業界は仕事をとるのは入札制です。
税制優遇措置がある国がどんどん安い入札額を提示するため、アメリカのVFXスタジオは競争力を失い、閉鎖もしくはカナダなどの安い地域に支部を作り、そこでほとんどの作業をするかの選択を迫られました。

そのためアメリカ国内の仕事が減少し、アーティストの需要と供給バランスが崩れました。
低い給料、短い雇用期間(以前はフリーランスで半年だったのが今は2-3か月が主流な感じ)、悪条件(残業した時間は有給として計算されたり、保険補助なし)を受け入れざるを得ない状況になったわけです。。

もちろん、この状況でも高い収入を維持できる人もいますが、ショットアーティストというよりはもっと開発寄りだったり、アウトソースなどほかのアーティストも管理できるような人達です。
ようするに収入を維持するにはスキル&経験が高くなければ難しい状況です。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


VFXアーティストのために戦うブログ「VFX Soldier」からすごい情報がリーク(?)しました。

以前からVFX Wages(閉鎖されました)という各社の給料の目安がわかるサイトがありましたが、今回のはすごいです。
実際の会社から得た情報をもとにまとめ上げ、スプレッドシートにまとめた物です。

Wages In The VFX, Animation, And Games Industry」(Google Doc)


ぱっと見た限りでは
Activision Pubblishing, Inc
Blizzard Entertainment Inc
Blue Sky Studio
Digital Domain
Walt Disney Pictures and Television
DreamWorks Animation
EA
ILM
Sony Imageworks
Pixar
R&H
Scanline
Tipet
R&H

など最大手がずらりです。

日本のアニメでも制作費が書かれたシートがリークしたことがありました。
あれはあれで悲惨でしたが…。

結論から言うと、目指すなら大手!
中小企業は、どうしてもピクサーより低くなります。


以下がブログVFX Soldierの該当記事の翻訳

-----(翻訳)--------
VFX、アニメーション、ゲーム業界の給料


2002~2009年にかけて、アメリカ国内のいくつかのVFX、アニメーションそしてゲーム会社から集めた情報を元にスプレッドシートを作ってみました。(こちらからアクセスできます

アニメーション・ギルドは毎年給料についての調査を自発的に行っています。
VFX Wages(閉鎖のためリンク切れ)と呼ばれる、サイトもまたアーティストに自主的に情報をいれるよう推奨しています。

私の情報は直接その会社から入手した物で、ボーナスやストックオプションまたは、保証金などは含まれていません。


この情報は、どんなアーティストやTDが次回、DreamworksやILMのような会社と契約の交渉をするときにどれぐらいの支払いが予測できるのかを理解する手助けとなると思います。

サラリーについてさらなる情報を持つことは、交渉時にさらなる影響力を持つことになります。
プロデューサーはこの情報にアクセスしますので、あなたもそうすべきでしょう。
もしあなたがこれに追加すべき会社があると思うなら、私にe-mailを送ってもらえれば私は、その情報を取得することができます。



なぜギルド(組合)に加わる必要があるのか?

VFXとアニメーションの業界にいる多くのアーティストとTDは、10万ドル以上を稼ぎます。
なのになぜ彼らはギルドに加わる必要があるのでしょう?


それは、この業界でプロフェッショナルでいるなら良い給料をもらいますが、少しまたは全く健康保険や退職金がもらえない状況で多くの人はプロジェクトが終わったら別のプロジェクトへ、施設から施設へと渡り歩きます。

(省略)



ピクサーの低賃金

ピクサーはいくつもすばらしい作品を作っているので、最高の賃金を支払っているといつも思っていましたが、そうではないようです。
彼らの給料は大多数の会社に比べると、20-30%低いのが普通です。
これはこの名誉ある場所での仕事であるからこそ行えることだと思います。
アーティストは低賃金を受け入れるのはピクサーで働くためにはお金を払ってでも働きたいからだと、マネージャーが考えていると思います。

興味深いのはこの方針は上層には適用されないと言うことです。
ディズニーのCEOであるロバート氏は国内のCEOで最も高い給料を受け取っている一人であるからです。
今年、彼の国内のランク付けは#2から#9へ多少、下落しました。
しかしながら、ImageMoversを閉鎖し、ディズニーの仕事を減らし、トイ・ストーリー3で抜群の成績をおさめ2011年にはトップに返り咲くことを来します。



PDI とDream Works(グレンデール):ノン・ユニオンとユニオン

私は意図的にPDIとグレンデールのDreamworksを分けたのは給料の比較が簡単になるからです。
DreamWorksは二つの施設を持っています。一つはグレンデール、そしてレッドウッド市にあるPDIです。
グレンデールのファシリティーはアニメーション・ギルドとの契約下にありますがPDIは違います。
給料は普通グレンデールのほうが高めですが、それは以下の疑問をもたらします。

組合化が、それほどお金がかかるなら、なぜDreamWorksはもっと仕事をPDIへ流さないのか?
PDIはほんの数百マイル北にあるだけです。

あなたはいつも議論を耳にするでしょう。
もしその会社が組み合いに所属するなら、彼らは仕事を他へ送るでしょう、しかし皮肉にもグレンデールの施設は、とても大きく拡張し、毎年2つ~3つの映画を作っているからです。



あなた自身のデパートメントの給料アンケートを指揮する。
私は以前、VFXの会社で5年働いたある友達ができました。
かれはとても働き者でした:ショットをすべて時間通りに終わらせ、良い評価を得、技術的な能力もありました。
同僚ともうまくやり、信じられないほど会社に対して誠実な人でした。
彼は自分の給料に満足し、自分が関わるプロジェクトが大好きでした。
彼の上司が、毎年良くなっている評価にもかかわらず昇給を拒んだときも、不満さえ言いませんでした。
ある日、彼のデパートメントにいるあるアーティストが匿名の給料アンケートを実施したときに全ては変わりました。

彼らはそれぞれ自分の時間給を紙に書き、ビンの中に入れました。
そしてそれらがみんなに見えるように貼り出されたのです。

それは彼の給料がデパートメントの中では他とは比較にならないほど最低の金額であることをあらわにしました。
彼の次に良い人は、時間給にして10ドル以上も彼より高かったのです。

彼は悟りました:彼が会社にずっと捧げてきた忠誠にたいして、かれらは口頭や書かれたほめ言葉を返してきましたが、他の会社からきた新しいアーティストには、その仕事が同等かそれほど良くなかったとしても充分な支払いをしたのです。
彼はよりよい条件を求め会社を去りました。彼はそのときは気まずい思いをしたようですが、いまはとても幸せです。



VFX業界の奇妙な世界
VFX業界はビジネスでは奇妙な世界です。
あなたは、長期の貢献や、最高の仕事、技術的な優れた能力をもつ働き手に報酬を与えると思うでしょう。
しかし最終的には、あなたが何をしたかではなく、どれだけの影響力を持っているかにかかってきます。
通常、それは他の会社への移籍を意味します。


けちな管理者は安くて忠実な働き手は、離れようとしないことを知っていますから、それについて手を煩わされることはほとんどありません。
通常、新しいアーティストがより多くの給料をもらう理由は、彼らはきついスケジュールを抱えているため、他の会社を離れさせるために疑似餌が必要だからです。

もしあなたが離れるとショーが終わってしまうほどの人気役者でない限り、あなたが望む昇給を得るにはその会社を去らなくてはなりません。


さて、悲観論者や6桁の給料(一千万ほど)はアーティストにとって多すぎると感じるCGTalkの閲覧者はその半分の値段(もしくは無料で)その仕事を喜んでするでしょう。
実際の所、私はそのような、ある人と仕事をしたことがあります。
彼は我々が関わっている映画のディレクターを知っており、その作品に関わることができました。
かれはその映画のすごいファンでした。しかし(保険などの)保証は何もなく、ほんの少しの報酬がもらえただけです。
かれはそれでも良かったのです。


数ヶ月後、会社が再交渉の時に何も与えないという、まったく失礼な態度を彼に取った後、熱望はいらいらした態度に変わりました。
何か自分が大好きなことに対して、他のだれよりも、一生懸命働いて、あなたの周りの人があなたよりももっと多くの物を得ているのは、むなくそがわるくなる状況です。

それはアーティストであることをやめ、ビジネスマンになるべき時です。


がんばり続けましょう!


---(翻訳終わり)----------




いやぁアンケートの話と、最後の話は身にしみます。
実際いくら貢献しても、交渉しない限り実質的な見返りはありませんでした。
 なのに後から来た人は数ヶ月で自分達と同等の給料にまで昇給してしまうのです。
日本人などVisaサポートを受ける人たちは、それをネタに最初から低めに給料を設定されることもあります。


言葉は悪いですが、実際、交渉した物勝ち、ごねた物勝ちという面はあると思います。
ただごねすぎると職を失うことになるので、それは会社の状況と自分の技量をよく見て冷静かつ適切にごねる(交渉する)必要があります。

ちなみに上記の元記事の最後に「アーティストをやめてビジネスマンになるべき時」ってのは交渉ごとにも明るくなり、そしてうまくたちまわれよと言うことですね。
こっちはそもそも交渉しないと給料上がらないですからね。(今までの経験では。。)

ちなみに、今の職場は2週間の予定で、通常よりも8ドル安い時給で働いていたのですが、
一ヶ月延長され、3ドルアップ。
そして、来月も働いてほしいから、Bookingしてよいか?ときかれたのですが、来月あたりから大手の募集が始まりそうなので、
、一ヶ月丸々は拘束されたくないと返事しておいたんですね。

そしたらプロデューサーに呼ばれて、なんとか一ヶ月できないかときかれました。
こちらは宛にしてるところがあるわけでもなかったんですが、安給料で働かされるのは嫌だったので、正直なところこのままの給料ではきついと話したところ、こちらが言う時給にしてくれることになりました。(ようするに8ドルアップして通常の自分のレートに戻った)

今回はかなり気に入ってくれたので、強気に出ても良い結果につながったのだと思いますが、いかに出せたとしても出さないようにしているかがよくわかりました。

有能な人は複数のスタジオから引き合いが出ることがあり、その時はこちらはこれぐらい「出してくれる」ということで相互に競い合わせることもできるようですが、これも限界はあると思います。
もっと多いケースですがプロジェクトが終わり、次の会社に移るときに給料の設定を高くするということです。
経験を積んでいるので給料は高くなって当然という考え方のようです。
ただ会社によって「前の職場では給料いくらだった?」と聞かれることもあります。

交渉で強気に出て成功したのは初めてで、ちょっと交渉の楽しさを知ったような気がしますw

それにしても、日本のVFX会社で同じような物作ってみたらどうなるんだろうか?
あっ、それから言い忘れましたが、このスプレッドシートは税金がひかれる前の値段だと思われますこっちは給料も高いですが、家賃や保健、医療費もかなり高く日常の足は車です(車も軽自動車は売られていないので普通車以上になります)から、出ていく額もそれなりです。
また子供がいると、たとえ公立学校へ行っていたとしても日本の学校ほど充実してない音楽、運動、美術などを習い事に通わせるとさらに出費がかさみます。
当然ながら家族規模によっても家賃、医療費は異なりますが、家族持ちでは800-1000万であまり余裕のない日本の中流レベルと同等という話はよく聞きます。
もちろん、独身なら出費も抑えられるので同等の給料なら少しは贅沢できると思います。




林田ブログ 「就活」を読んで。

※記事の中に出てくる林田宏之氏は2015年8月3日に急逝されました。
謹んで哀悼の意を表します。

※この投稿は元々2010年8月に書かれたものですが、あまり適切でない表現が多く、意図が伝わりにくいものになっていたので2017年1月11日に修正、加筆しました。



またまた林田さんのブログ・エントリ「就活」を読んだあとに、いろいろと考えたことをまとめてみました。

今回のエントリも、共感できる内容でした。
この傾向(ストーリー作品を作る)って日本人が多いかなと思うが、海外の学生とて例外ではない。
新卒だと卒業制作で作ったストーリー作品をデモに入れてくる人もいる。
しかし、本当にVFXだけを目的にした学生の作品などは、必要な物だけを見せており、断片的な映像の寄せ集めだったりする。


ただ見る側からすれば、なにか使えそうだなと思わせる映像にたどり着くまで、じっとつまらないストーリーの流れを追っていくのはつらい物がある。

VFXがすごそうと思って借りてきたレンタルDVDが思った以上にストーリーが退屈だと、じっと目的のVFXが出るまで待つだろうか?
待つ人もいるだろうが、VFXの部分だけが目的なら早送りするだろう。

これと同じだ。
しかも見る側はプロとして数多くの作品を見なれた一目で善し悪しがわかる人間がみているのだごまかしは一切きかない。
個人的には、それをいろいろなものでオブラートに包んだようにされると、その人のガッツの無さを感じてしまう。


それにしても、たしかに学生のデモリールってストーリー作品が多いなと感じる。
たまにあるのが時間が無いため予告編みたいに作っているもの、ご丁寧に「The following PREVIEW has・・・」の部分から見せており、中は文字で解説をはさみ、最後にComming soonで終わる作品。



このパターンはあまり好きではない。
自分の作品に自信がないのか、最後まで作り上げることができなかったのかと思ってしまう。
多くは構想段階でアイデアが膨らみ、実際に作業している間にとても時間が足りないことがわかり、作品提出時には見せ場だけつくってしまおうということで、こうなってしまうのかなと思う。
それでも、作りかけの印象を与えないようにするには予告編風にしてしまうのが一番違和感が少ない。

まぁ学校内でみせるならそれでいいのだが、就職するためのデモリールは目的が異なる。
企業で審査する側は、採用する側の目的に合うものを探している。
CGだからCGを見せるデモリールであるべきだが、これが役者なら演技をみせるデモリールになるし、編集なら編集をみせるデモリールになる。

審査する側は、おそらく「The following PREVIEW has・・・」をうまく入れられる人、Comming Soonが絶妙なタイミングで入れられる予告編を作れる人を探していることは、ほとんどない。
またストーリー作品の鑑賞をしているわけでもないし、それを求めているわけでもない。
(一つの完成された映像作品をもとめている企業もあるかもしれないが、多くのケースでないだろうと思う)

商業作品の予告編は短い時間で印象に残し、人を呼び込むことにつなげるのが目的である。
印象付けられるのでデモとしてよいと考える人もいるかもしれないが、見る側はプロである。
映像から自分の目的にあったものを探すのに離れていて、小手先の技術には左右されない。
むしろノイズとなる。


そもそも、卒業制作だとしてもCGを見せるための物であるべきなのに、冒頭から文字ばかり見せていても仕方がない。


面白いストーリーを作りたくて、モデリングですごいものが作りたくて、アニメーションをかっこよくみせたくて、すべてを一本の作品でまとめたいというような。
その気持ちは学ぶ段階において必要なことだが、デモリールはその成果をみせるものである。
学生の間の、限られた時間でやるなら、そのすべてをやろうとすると中途半端にならざるを得ないことを忘れてはいけない。




-------------
さて話を戻すが、なぜそんなストーリー作品が多いのかを考えてみた。

学校としては映像作品としてのCGにかかわるため、その作業全体を教えるために、教えてもらったことをすべて応用してやろうという意気込みと、卒業制作という学生期間の集大成ということが関連して結果的ににそうなってしまうのかもしれない。

では、学校で作るような物はまったくもって無駄なのか?というとそうでもないとは思う。

ストーリーとストーリーボードを構築し、一部をプレビジュなどにして映像設計を済ませた後で、作り上げれば、映像が作られる流れを知ることができる。
どんな仕事でも大局で見て、自分がどこを担当しているのかを知っている人のほうが、自らの判断で動くことができるし、CGのように相互の分担が密接に関係している場合は他の部署にとっても仕事のしやすい結果を生み出しやすくなる。

また各種の映像コンテスト、シーグラフのアニメーション・シアターなどを目指すのなら、作品を作る必要がある。
また将来映像作家になり、自分の作品を作りたいならまさにそうすべきである。
ただそれは分化されたスペシャリストとしての「デモ」を見せるのとは少し異なってくる。

ただ、そういった作家性にすぐれた技術が伴っていれば、ストーリー作品であっても、雇ってもらえる可能性はあると思う。
ただし、突出した芸術性と技術をプレゼンテーション出来る必要がある。
技術が十二分にあって、ストーリーを効果的にみせるすべも心得ているというこおであれば、その人は技術をストーリーテリングに役立てる方法を知っていると見ることができる。
それは、それで貴重な人材である。
たとえば、シーグラフで入選するような人にはそのような人が多く見られると思う。

しかしながら、多くの学生は、そこまでの熱意がなかったり、時間がなかったり、当面の就職が目的であったり、どこかの会社でアーティストとして使ってもらうのが目的だったりする。

その場合は自分の目的(就職)にあったやり方に、注力するのが一番だと思う。

どうしてもストーリー作品に関わりたいなら、グループで制作し、自分の専門分野に特化して作業するのが良いように思う。
デモリールでは不要な部分を使わなければよい。
こちらの学生でもそうする人は良くいる。
これの良い点は、プロダクションでも共同作業というのは必須なので、共同作業の中できちんと自分の役割を果たせる人間かどうか?が伝わる事もある。(いつでもというわけではないが)


-------------
最後に、これは意見が分かれるところだと思うがデモリールの冒頭に自分の名前を結構な長さで見せる人がいるが、自分の好みではない。

フリーランスだから名前を売り込むべきだと、思うかもしれないがそれはちょっと違うと考えている。
わざわざ、自分の名前をデザインし、CI的な要素を含めたとしても企業的な活動をするのでない、一人の雇われアーティストとしては、悪くはないがちょっと的外れな感じはする。

実際、冒頭の名前だけ表示されている部分が長いと、早送りしたくなってくる。

今はデモリールの冒頭から作品を見せ、それに邪魔にならないレイアウトで名前をオーバーラップさせるようにしている。

これは自分の好みの問題かもしれない。


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以上に述べたことは学生だからわからないか? というとそうでもないだろう。
注意力があり、見る側の立場を考えれば簡単にわかることだ。

またWebのいろいろなところで見ることができる、デモリールを参考にすれば良い。
だれが冒頭の様々な文字による説明をみたいと思うだろうか?

急いでいるときに「この作品のVFXをどう思うか?」とその場で感想を求められた時のことを考えるとよいかもしれない。
見ようと思う部分とそうでない部分が明確に分かれるはずだ。

審査する側は通常、その審査だけを仕事にしているわけではない。
普段は仕事をしていて、通常は締め切りに追われる時間を使っている。
1分でも早く済ませて自分の仕事にもどりたいわけです。
その時間を使うわけだから目的のもの以外は見たいとは思わないのは普通かなと思う。
観客が娯楽で見ているのとは、姿勢も視点も違うことを忘れないでほしい。

なので、とにかく目にとめてもらいたいものだけを載せておく必要があることはわかるだろう。
一目で「これすげぇ」と言える物をいれておけばいいわけです。
そのことが考慮されたデモリールは、それだけでも業界のことをわかっているなと好感が持てるだけでなく、その人が目指すものが伝わってくる。
そのときは駄目でも、また新しいのが出来たら送ってねと言いたくもなるし、アドバイスをもらえることもあるかもしれない。

 すべての学習の始まりは興味を持つことであり、次に来るのは観察である。
学習とか人に教えられることは、もっと後である。
観察は自らが行うことであり、人に教えられることではない。

デモリールがどんな風であるべきか?興味を持ったのならいろいろと観察すれば自ずとわかってくることも多い。

2010年8月14日土曜日

ポリゴン・プレーンにシェーダーを市松模様にアサインする (2)

まずは前回までの内容を簡単におさらいします。

まず自分が、これでいけるのではないかという処理の仕方を考え、全体の流れを作った。

簡単にまとめると、既知の情報、今回のスクリプトでは、
フェイスID(0-899)、subdividsionsWidth 30
の二つを使って、条件(奇数行か複数行か)を見分けて、
それぞれ別の処理を条件にしたがって行える流れを作った。

また、このエントリでは、@Atsushiさんからもコメントをいただき、非常に有益な法則をおしえていただきました。是非前回のエントリのコメント欄をご覧ください。
現在はその法則に関する、理解を深めているところですが、消化できしだい、その方法を使ったスクリプトをつくってみたいと思っています。

今回はとりあえず、前回の段階で頭の中で考えていた物を出してみました。


-------------
<一つおきに彩色するスクリプト>
今回は、実際に実行する部分のスクリプトを作っていきます。

実際には「ある行で、二つおきにポリゴンに彩色する」スクリプトである。

これは前回、作りました。
前回のエントリで2つ目に上げたスクリプトを、少し修正した物を以下に再掲します。

※ 前回書き忘れましたが、このスクリプトはプレーンの名前は「pPlane1」、シェーダーグループ名は「lambert2SG」(シェーダーは赤などの色にしておくとわかりやすい)でなくては動きません。
<修正前>
{
// color on a line
$width = 30; //subdivisionsWidth
$height = 30; //subdivisionsHeight
$total = $width * $height;
int $i;

select -r pPlane1.f[$i] ;

for ($i=0; $i < $total; $i+=2)
{
select -add pPlane1.f[$i];
sets -e -forceElement lambert2SG;
};
}


1)ループの始まる前にフェイス「0」を選択していましたが、$iの変数にゼロを代入していなかったので代入。
2)そもそも、ここで選択しなくてもループで選択されるのでこの行自体を削除 (最初はselect -addだけでは最初のものは選択できないと思っていた)
3)select -rがなくなったので、何か選択していたら、それが残ってしまう。(たとえばオブジェクトを選択していたらそのオブジェクトにも色がついてしまう。)のでループが始まる前に、selct -clを追加。
4)ループ終了後に選択を解除するためにselect -clを追加。
5)今回は1行分ができればよいのでループの条件に、$totalを使わず、$widthを使った。

<修正後>
{
// color on a odd line
$width = 30; //subdivisionsWidth
$height = 30; //subdivisionsHeight
$total = $width * $height;
int $i=0;

select -cl;
for ($i=0; $i < $width; $i+=2)
{
select -add pPlane1.f[$i];
sets -e -forceElement lambert2SG;
};
select -cl;
}


これを実行すると最初の1行だけ、一つおきに色をつけることができます。
例: 一行目:0-29  (0,2,4,6,8,10,12,14,16,18,20,22,24,26,28)
これを奇数行につかうことにします。


-------------
<偶数行で彩色するスクリプト>
つぎに偶数行です。
偶数行への色づけは最初のフェイスが一桁目が「1」のものから色をつけていきます。
例: 二行目:30-59 (31,33,35,37,39,41,43,45,47,49,51,53,55,57,59)

上記のスクリプトに少し手を入れてこれを実行できるようにします。
二行目用なので、
1)30から始まるので$iの初期値を30にする。
2)しかし、実際の色づけは31からなので「+1」を$iの初期値に加えています。
3)条件も30+$widthの値にする。

{
// color on an even line
$width = 30; //subdivisionsWidth
$height = 30; //subdivisionsHeight
$total = $width * $height;
int $i=0;

select -cl;
for ($i=30+1; $i < 30+$width; $i+=2)
{
select -add pPlane1.f[$i];
sets -e -forceElement lambert2SG;
};
select -cl;
}


これを実行すると二行目に色がつきます。


-------------
<ポリゴン・プレーンを市松模様にする>
さてこれを前回最後に作ったスクリプトに組み合わせてみる。
予定としては
1)$iはフェイスIDとして使う。
2)メインループは、行のカウントのみに使う。
3)サブループはある1行のなかの処理(フェイスの着色処理)のみに使う。
4)メインループの$iの値をサブループで使うことで、行の情報を利用することが出来る。
5)メインループへ戻ってくるのは1行の処理が終了した後、すなわち$widthが増分値となる。


{
$width = 30; //subdivisionsWidth
$height = 30; //subdivisionsHeight
$total = $width *$height;
int $i =0;
int $odd;

for($i=0; $i<$total; $i+=$width){
$odd=$i/2%2;  // odd=0 mean the line coloring start from odd number , not mean odd line.

if ($odd==1){
    // color on an even line
    select -cl;
        for ($e=$i+1; $e < $i+$width; $e+=2)
        {
        select -add pPlane1.f[$e];
        sets -e -forceElement lambert2SG;
        };
    select -cl;
    }else{
    // color on a odd line
    select -cl;
    for ($o=$i; $o < $i+$width; $o+=2)
        {
        select -add pPlane1.f[$o];
        sets -e -forceElement lambert2SG;
        };
    select -cl;
    };

};
}


これで無事、市松模様になりました。



ただ安心するのはまだ早い。
WidthとHeightの値が異なる数字でもちゃんと機能するかどうか? ポリ・プレーンのサブディビジョンとスクリプトの変数を変えて試してみることにします。
スクリプトは「汎用性」があるほど、有益ですから、これは自分のスクリプトの価値を試す重要なテストです。


....。

結論から言うと、試すんじゃなかった。

width = 20
height = 30

にすると、一列に並んで縞模様になってしまいました。
$odd=$i/2%2;
全部偶数と判断されるようです。

width = 19
height = 30

にすると、こんどは2行おきに市松模様。
同じく、$odd=$i/2%2;
の行で、奇数行、偶数行の判定がうまく出来ていないようです。
まあなんで最初2で割る必要があるのか? これは、Widthが偶数でも2で割れば奇数にできると思ったからなんですが、それが言えるのは10とか30といった数字だけの話でした。
20とか40、そして19には使えません。


どうも汎用性がある奇数行、偶数行の判定はこの公式では駄目そうですね。


数字の基礎的な部分の法則について、知らなかったことが原因の一つでしょうね。
あまりにも、無知すぎますが、まぁこういった失敗を繰り返すことで、知識がしっかりとした物になるのだと思います。

数学の法則を見つけていくのは大変な労力が必要だし、全て見つけるのは不可能ですから、@Atsushiさんのような経験者の方からいただくアドバイスは非常に、良い手助けとなります。

しかし、アドバイスいただいたことを、しっかりと理解し、自分の中で消化し、それを身につけることも同じぐらい重要なことなので、じっくりと検証していきたいと思います。

しかし、「市松模様」 思った以上にはまりました...。
(つづく)


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奇数と偶数判定のMelについてざっと調べてみたところ、情報がいくつかあったので次回のためにメモ:
1) 林田ブログ 「楽しんでスクリプト
2) Digital Matrix 「tripleSwitch
3)Area 「mel script with diamond checker board question tia sal2
4)SPAFi 「Even or Odd? Black or White?


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関連エントリ
ポリゴン・プレーンにシェーダーを市松模様にアサインする (1)

2010年8月11日水曜日

経産省が(プロデューサー養成コースへの)留学支援

アイデアボックスが終了後まとめられていたないようからするとプロデューサー育成に力を入れようとしていることは見て取れましたが、いよいよ具体的な行動を起こすようです。

この流れには、基本的に賛成ですね。
とても良い流れだと思います。

個人的な意見を言えば、海外の大きな資金を動かせる人材に育ってほしいですが、その点はプロデューサー養成コースだけでは、無理なように感じます。
まぁ経産省の目的はそこではなく、「海外へコンテンツを出そうとしても、あまりにも交渉できる人材がいなさすぎるという現状の改善」というところが当面の目標のようです。
ハリウッドに真っ向から立ち向かおうとかそういう、向こう見ずなチャレンジではないので、上記のような意見は、外れてはいます。
外れてはいるものの、やはり日本にはそこまでがんばってほしい!という気持ちがあるので、どうしても期待してしまいますw


さて、これは大学院のコースのようですね。
大学で経済学などを熱心に勉強してお金の知識を充分に持ち、かつ国際感覚をみにつけた英語ぺらぺらな人が望ましいかもしれません。
資格があれば良いというわけではないですが、MBAなどで、実践シミュレーションを勉強したりインターンを行ったことがある人であれば、なお良いですね。

けちをつけるつもりはまったくないのですが、海外の豊富な資金を日本に入れるには、人心を知る以外にも、お金の動きにも詳しく、ハリウッドで動く大金をコントロールできる人が必要ではないかと感じています。

それがプロデューサー養成コースでどこまで身につけることができるのか?

そのあたりも是非知りたいところです。

ちなみに、最近、私もプロデューサー業に興味があるので、しばらくの生活資金と、英語がもっとできればこの支援に立候補したいところです。
まぁどっちもないので、無理ですがw


 映画・アニメ、ハリウッド流で輸出を 経産省が留学支援(Asahi.com)

メモ:マンガで分かる JavaScriptプログラミング講座

マンガで分かる JavaScriptプログラミング講座


プログラムの例がJavaなのでわかりにくいが、基本を易しく説明しようとしている。
あまりじっくりは、読んでないので本当にわかりやすいかどうかは不明。

ポリゴン・プレーンにシェーダーを市松模様にアサインする (1)

今回は仕事で、ポリゴン・プレーンにnClothを使って紙吹雪を作成した。
赤と白の紙吹雪を作るために色をつける必要があったのだが、当初、ポリゴンプレーンを市松模様にすればまんべんなく出来るのではないかと思いついた。
(実際にはその必要は全くなかったのだが)
そこで二つのシェーダー(赤と白)を各フェイスにアサインするのを自動でやってみようと思った。

目標:ポリゴンフェイスを選択して実行すれば自動的に赤と白のシェーダーを市松模様上にアサインするスクリプト

条件:30x30のポリゴンフェイスを持ったポリゴン・プレーンを使用


まずは先日、Twitterで@Atsushi氏に教えていただいたアドバイスを念頭におき、作業を進めることにした。

「物事をどれだけ単純な要素にバラせるか?」

細分化し、規則性を見つけ出せば、規則性のあるところはループさせることで自動化できる。


-------------
<一つ飛ばしのループ>
交互に違う色をアサインするためには、一つおきにフェイスを選択する必要がある。
まずは一つの色をアサインすることを考えてみる。

一つおきに何かが実行されるループを作ればよいと言うことなので、まずは一行分つくってみることにした。
プラス2(一つおき)の増分値をsubdivisionsWidth数に到達するまで繰り返す(15回繰り返す)ループを作ってみた。
printは仮のコマンドで、後に実行するコマンド群と置き換える予定である。

「細分化した単純な要素」として、まずはフェイスである。
フェイスにはそれぞれIDがあるので、最低限それがどのIDから始まるかを知っておけばFor文を作るときに役に立つ。
フェイスを選択し、スクリプトエディターの履歴表示で調べてみたところ
pPlane1.f[0] ではじまり、pPlane1.f[899] で終わっている。
要するにゼロから始まるループにする必要がある。

{
// color on a line
$width = 30; //subdivisionsWidth
$height = 30; //subdivisionsHeight
int $i;
for ($i=0; $i < $width; $i+=2)
{print ($i+",");};
}


結果: 0,2,4,6,8,10,12,14,16,18,20,22,24,26,28


-------------
<市松模様にならない理由>
一見、これを最後のフェイスIDまで継続すれば良いようだが、そうすると、実は市松模様にならない。
上記のMelを最後のフェイスまで実行するとどうなるか少し実験してみた。

実際にフェイスを選択し、シェーダーをアサインしたときにスクリプトエディターの履歴に表示されるコマンド(「select」と「sets」)を使い、赤色をつけてみた。

{
// color on a line
$width = 30; //subdivisionsWidth
$height = 30; //subdivisionsHeight
$total = $width * $height;
int $i;

select -r pPlane1.f[$i] ;

for ($i=0; $i < $total; $i+=2)
{
select -add pPlane1.f[$i];
sets -e -forceElement lambert2SG;
};
}


しかし、結果は、このように市松模様にはならずにストライプになってしまう。




フェイス番号をつぶさに調べ、行が移り変わるときに何が起きているのかを調べてみた。

市松模様にフェイスを選択すると、選択されたフェイスの番号は以下のようになる。
一行目:0-29  (0,2,4,6,8,10,12,14,16,18,20,22,24,26,28)
二行目:30-59 (31,33,35,37,39,41,43,45,47,49,51,53,55,57,59)
三行目:60-89  (60,62,64,66,68,70,72,74,76,78,80,82,84,86,88)


ここにある規則性は
一行目:偶数フェイス
二行目:奇数フェイス
三行目:偶数フェイス

というふうに偶数と奇数が行によって交互に繰り返されるというパターンになっている。

色がつけられるフェイスを数字で見ていくと
まず一行目は、フェイスIDが29に到達すると次の行に移る、そのとき色がつけられるフェイスは28が最後であり、その次の行で色がつけられるのは、31からなので、色つけにFor文を使うならこのときだけ増分値は2+1=3である必要がある。
二行目の最後のフェイス59に到達すると次は60なので、このときだけ増分値は2-1=1にある。

一つのfor文では増分値は固定のため、これでは対処できない。
もう少し規則性を見つける必要がある。


-------------
<奇数行と偶数行の判定>
あらためて考え見ればフェイスIDの規則性は、複数の規則が合算されている。
それよりも、もっと単純な規則性を持っている部分は、奇数行と偶数行によって色がつけられるフェイスIDも奇数と偶数が切り替わっているという部分である。

奇数行と偶数行を判定できれば、条件分岐でそれぞれ違う実行内容を選択できるようになる。
パターンであるから必ず自動化できるはずである。

まず考えてみたのは、「subdivisionsHeight」の値を使えば、その判定ができるのではないかということ。

奇数か偶数かを調べるには剰余を求める演算子「%」を使い、余りを求め、それがゼロでなければ奇数と言うことになる。
ちなみにoddは奇数、evenは偶数のこと。

//odd or even
{
$height = 30;
int $j;

for ($j = 0; $j <$height; $j +=1){
$rem = $j%2;

if ($rem <1){
print ("even="+$rem+"\n");
} else{
print ("odd="+$rem+"\n");
};
};
}


これで行の判定はできるのだが、0~899まで継続するフェイスIDとの関連性を持たせるにはどうすればよいのかわからない。
行の判定はできるが、フェイスIDとは関連がないのだ。
(出来なくはないだろうが、これを書いている時点では明確に出来なかった。プログラミングでは明確でないものは書くことが出来ない)



わかっていることは
1)ループにフェイスIDを使う必要がある。(0~899)
2)奇数行と偶数行を見分けて、それぞれに違う実行文を使う。
(方法A(奇数行)を実行したら、方法B(偶数行)を実行する。)

ここでもう一度、考えを整理し直し。
もう一度パターンを見てみる。

1回目0-29(30)(偶数IDのみ)
2回目30-59(30)(奇数IDのみ)
3回目60-89(30)(偶数IDのみ)

これを見るとわかるが、繰り返しのパターンが現れている「30」という数字がそうである。

これでループの増分値は「30」であることがわかる。


次に同じ処理は何かを考えてみる。
1)一つ飛ばしで赤色をつける。
2)偶数行では、最初のマスから始める。
3)奇数行では、二番目のマスから始める。

奇数と偶数の処理が違うので、これは条件判定で切り替えることはわかる。
問題は、その条件である「奇数行」と「偶数行」を判別するにはどうすればよいかを考える必要がある。

増分値は「30」なので、これをもとにして奇数と偶数を振り分ける方法を考えてみる。
各行のフェイスIDは0,30,60,90・・・というふうに30を基準とした値で始まっている。
これを30で割れば0,1,2,3・・・という単純化され順番をしめした数字になる。
それに対して演算子「%」を使えば各行が奇数か偶数かは判定出来るはず。

00/30=0 -> 0%2=0
30/30=1 -> 1%2=1
60/30=2 -> 2%2=0
90/30=3 -> 1%2=1
・・・


これを条件判定に使えば、奇数行と偶数行で異なるコマンドを実行できる。

これを実際に使ってみたのが以下の物。

{
$width = 30; //subdivisionsWidth
$height = 30; //subdivisionsHeight
$total = $width *$height;
int $i;

for($i=0; $i<$total; $i+=$width){
$odd=$i/2%2;
if ($odd==1){
print ($i+" =odd line "+$odd+"\n");
}else{
print ($i+" =even line "+$odd+"\n");
};
};
}


現在の行が奇数行か偶数行かを判定し、それにより実行内容を交互に切り替えている。
また$iの値は各行の最初のマス目のfaceのid番号を示している。
要するに最初の「For」文で使われている変数「$i」の値をそのまま「if」文の中で使うことができ、各行のループの初期値として利用できると言うことである。

これで基本となる流れの部分はできた。
あとは奇数行と偶数行で行われる内容を記述してやればよいことになる。
(つづく)

2010年8月10日火曜日

ダニエル・サイモン氏がエイリアン・プリクエルに参加

シドミードの後継者といわれるダニエル・サイモン。
代表作Cosmic Motorsで一躍有名になり、TRON Legacyを皮切りに、キャプテン・アメリカなどの最新ハリウッド映画にデザイナーとして参加するようになりました。

TRON Legacyでは、ライトサイクルを始め様々なコンセプトデザインを行い、キャプテン・アメリカでも、乗り物デザインをしたようです。
そして今度は、最新作の「エイリアン」です。
現在、最初のエイリアンを作ったリドリー・スコットが前章作を制作中ですが、そのコンセプトデザイナーとして、働くことになったようです。

実はエイリアン2(Aliens、ジェムスキャメロン監督)では、シドミードが宇宙船のデザインに参加しており、今回シドミードの経歴をなぞるかのように、ダニエル氏が採用されたのは偶然ではないでしょう。
(図は、シドミードによるエイリアン2の宇宙船デザイン)

ダニエル氏は、自信のブログ「COSMIC MOTORS」で、今回の参加について以下のように報告しています。
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エイリアン前日譚:デザインチームに参加
長年待ち望まれたエイリアンの前日譚(タイトルは現在未定)に、リドリースコットと作業するデザインチームに参加することになったことをお伝えすることをとてもうれしく思います。
おそらくご存じだと思いますが、スコット氏は、1979年のオリジナル「エイリアン」や、画期的な映画「ブレードランナー」や「グラデュエイター」などを作った天才です。
詳しくはIMDBをご覧ください。

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長年、映画ではすぐれた宇宙船などがデザインされていましたが、現代のセンスを持ったダニエル氏が起用されるのは非常にエキサイティングなことです。
特に最近の映画では、(個人的には)刺激の少ないデザインが多かったので、ダニエル氏の活躍は、ハリウッド映画の在りし日の活気がもどってくるのではないかと期待させられます。


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参考リンク(シドミード関連)
ブログ:Syd Mead Freak
ALIENS エイリアン2 ミード師匠インタビュー(1)
ゲーム「ALIENS」 シドミード先生がデザイン監修


ブログ「ひびのたわごと
対談 富野由悠季×シド・ミード(1/3):「禁断の惑星」から「スター・トレック」まで
対談 富野由悠季×シド・ミード(2/3):アート・ディレクションの重要性
対談 富野由悠季×シド・ミード(3/3):人間が生きる上での背景としてのデザイン

2010年8月9日月曜日

スクリプト言語の学習におけるミッシング・リンク

(画像は霊長類進化のミッシング・リンクと言われる「Ida」)


ひさしぶりにスクリプト関連のエントリを書きました。

現在、過去のMelスクリプト関連のエントリを見直し、まとめる作業にはいっています。
これには、まだまだ、たくさんの時間が必要ですが、今、時間を見つけて少しづつ進めています。

さて、その過程で思いついたことなどは、新たなエントリとして書き加えていきたいと思います。

 -------------
今日はその第一弾として、2009年1月23日に書いたエントリ「いらいら」を読んでい、このエントリでうまく言い表せなかったことを再度考えてまとめてみた。


思考で行っていることを、プログラム化しようとすると、細かな部分をステップ分けして明確にする必要がある。
これは通常無意識に行っている部分を明文化しないといけないということである。

いわば、プログラミングのために注目すべき点、明確にすべき点は、日常の思考とは異質な物である。

しかし、この訓練は、さけられない部分である。

通常、プログラミングの勉強では、
1)コマンド
2)文法
3)プログラミング的思考

のすべてを一度にやるので、この発想法になれていないと非常に苦労する。
そのため、プログラミングには慣れが必要と言われるし、数多くこなすしかないということにもなる。


いままでの訓練では、そのあたりをコマンドと文法から切り離して身につける方法は、ほとんど無かった。

実際にこの考え方を理解するために行われるたとえ話(説明)は、
●学校の卒業式のプログラム
●運動会のプログラム

といった、全くコンピュータとは異なる部分の話でされる。

これで大体はわかったような気になるのだが、実際にプログラミングを始めると、どんな簡単な物でもそういった「プログラム」とは全く異質である。
特に初心者には発想の転換を強いられ、ようするに使えない知識(もしくは使いにくい知識)である。


ここにプログラミング学習における「ミッシング・リンク」が存在する。
この部分が解決されれば、もっと多くの人が速やかに、プログラミング学習をすることができ、途中挫折も減ってくるのではないかと思う。


このプログラミングをするために必要な情報(以下の1~3)
1)必要なステップ
2)その順番
3)そのほか(今は思いつかない)

を的確に見抜き抽出する能力の訓練が、その部分に該当するのだと思われる。


この部分を効果的に、しかもコマンドやプログラミングの文法を使うこと無しに、鍛える方法はないものか?
実際には、プログラミング作業とは切っても切り離せないものだということはわかるのだが、
少なくとも、この基礎となる、発想法(注目すべきポイントを理解している)というか公約数的な部分があるはず。
それがわかれば、この能力を独自に鍛える方法がわかるかもしれない。
しかもコマンドやプログラミングの文法を学ぶ前にそれらと切り離せて学習できれば、コマンドや文法を習い始めたときにはすでにその基礎能力が身についていることになる。



そのたとえとして、エントリ「いらいら」ではIf文の比較演算子が意味する「同じ」「大きい」「小さい」という言葉に注目するのが、良いのではないかと思い、例としてあげている。

またこれエントリ以前からやっていた「TTSneo」の勉強で感じたこと気づいたことも、この学習に貢献することと結びついているように思っている。

また、この問題への別の解決アプローチとして、「シーケンス制御」の考え方を理解することが役に立つのではないかと以前のエントリ「初心者プログラミング教育のブレイクスルーになるか?」に書いた。
ここで紹介した、「マンガでわかるシーケンス制御」 を最近入手し、現在読み進めている。
まだ完読していないので、なんとも言えないが、このアプローチ方法には、別の問題があると感じ始めた。
それは、電子部品の知識が必要となるという点だ。
電子部品に興味を持って育った我々の世代ならよいのだが、最近の自分で電子部品を組み立てるということから離れ興味のない世代や、電子部品にアレルギーのある人たちには、別の障害となり得る。
これはこれで、自分で読んでみて、その中から自分が使えると感じる部分を抽出する必要があるようだ。


-------------
将来的には、こういった要素が抽出でき、それを効率的にきたえる手順を構築できればいいなと思っています。


とにかく、この部分を何とかできれば、スクリプト言語の初学者にとって、大きな助けになると思っている。(思い込んでいるw)
とくに、スクリプト言語の学習に抵抗が強い人や、何度もくじけた人の助けになればと考えています。

プログラミングには詳しくないので、プログラマーやTDの方、また勉強方法に詳しい方などのご意見をいただけるとうれしいです。
それは不可能!という意見から、こうすればいけるんでは?というアイデア、またはまぁがんばれやという励ましでもなんでも結構です!!!
Twitte、このブログ左枠のメール・フォーム、またはこのエントリへのコメントをご利用ください。

2010年8月5日木曜日

Huodini ブログ 「魔法使いの弟子(一般公開版)」の更新

Huodini の学習過程でまとめたことを記録するブログ 「魔法使いの弟子(一般公開版)」をひさしぶりに更新しました。

個人で使う目的の物から有料チュートリアルに関する部分を取り除いたのがこの「一般公開版」です。
Houdiniの日本語情報はあまりないので、Houdini学習者の参考になればと思い、この一般公開版を公開していますが、現時点では検索エンジンへの公開はしていません。


「毎日、Melスクリプトの勉強!」と違い、「魔法使いの弟子」は、海外チュートリアルやHelpの翻訳。
それにハイパーリンクを加えてあとで参照しやすいメモを残すことが目的で、Houdini学習以外の内容は含まれていません。

 

2010年8月2日月曜日

「CGアーティストが勉強すべきこと」を読んで

Mayaマスターとして有名な林田宏之氏のブログ「林田ブログ」に掲載された「CGアーティストが勉強すべきこと」というエントリを読んでから、ずっとなにかすっきりしないもやもやがある。
いつも林田氏のエントリを読んでいて納得できないことはないのだが、今回は違った。

エントリの内容がわるいとか間違っているとかではなく、自分に原因があることはわかっているのだがそれが何なのかがわからない。

それは、自分がCGを始めてから、ずっと心の片隅に残っていたことと関係しているように思う。
林田氏はCGアーティストとして勉強すべき事として、特撮技法について知ることだと書いている。

これについては、実は最初、ピンとこなかったというか戸惑った。
それは見当外れなのではなく、読むべき本として推薦されていた本が、すべて自分が読んできた本であったからだ、
今年の春に一時帰国したときも実家に保存してあった初期の日本語版シネフェックスのほとんどと、中子真治氏の「SFX映画の・・」シリーズは全巻は未だにあり、なつかしくなって「SFX映画の世界」をこちらに持ってきたところだった。

実際、これらの本は、当時出版されていた本の中では一番詳しく現場を紹介しており、

自分にとっては、林田氏がこのエントリで述べていることは自然すぎるほど、当たり前のことであり、あえてこれを特別なこととは思ってこなかった。
だから、林田氏があえて、このことをCGの基礎として述べている意味がわからなかった。

同じ世代と同じように、多くのロボットアニメや、特撮TVなどをみて育ち、スターウォーズでSF映画にとらわれた。
小学生だったので、小学生向けのそういったSF怪奇映画を特集した本などをよんだり、映画雑誌ロードショーなどを最初は読んでいた。

そして、TVでそういった映画が放映されるときは必ず見た。
最初はスターログに出会い、徐々に毎月定期購読するようになり、徐々にSF映画の舞台裏にのめり込んでいった。

中学生になると、宇宙船という雑誌も定期購読に加わった。
SF映画はかならず映画かTVで見たし、雑誌に載っていた記事もタイムリーな内容で理解が進んだ。
徐々に一般にも特撮が普及し、TVなどでも特集番組がくまれたりした。
映画公開に合わせた特集本なども発刊され、それには舞台裏の話がのっていたり、映画の目新しい写真が出ていたりするので、それらも漏らさず目を通していた。(参照:劇場用映画パンフレット研究所

まぁそういった本はあまりにも詳しすぎて映画を見るときに楽しさが半減するので、発売されても映画を見るまでは見ないようにしていたがw

マンガ少年別冊 すばらしき特撮映像の世界 (参照)を手に入れたときはちょうど夏休みだった。美人のお姉さんに英語の家庭教師してもらっていた。
たしか、この本には海外のお店のコンタクト先が出ていたので、そこで授業が終わった後に、この本を持ち出してこのお店にコンタクトするにはどうすればよいのかを聞いたりもしたw。
中学生にもなってこんな子供っぽい本を持ち出すなど、ばかな子供だと思われたかもしれないが、やさしく対応してくれたことは今でも感謝している。

また中学生の頃には、新聞配達で貯めたお金で、当時10万近い、ビデオデッキ(VHF)を購入。
映画やアニメだけでなく、ワイドショーなどで紹介される数分という予告編を録画しまくった。

林田ブログには、「雑誌で読んだ内容を確認する」と書かれていたが、そんなことは意識にさえのぼってこずに自然にやっていた。

このころには、自分が将来やりたい仕事はプラモデル屋さんか、特撮のミニチュア・モデラーであった。

高校生のある夏、スターウォーズの最新作が公開されるという情報が入ってきた。
「ジェダイの復讐」である。
スターウォーズに狂っていた自分は、「ジェダイの復讐」の公開がまちきれず、少しでもジェダイ特集が書かれている本は全て目を通していた。
オリジナルの予告編が録音されたテープ(音のみのカセットテープでビデオテープでは無い)がもらえると聞いて、ジャパン・スターウォーズ・ファンクラブの会員にさえ入会した。(参照:劇場用映画パンフレット研究所

劇場公開までは、このわずか数分のテープを何回も繰り返し聞き、そこから聞こえる音や声で場面を特定しようとしたほどだ。友達にも聞かせたりして、しらけられたりもした。(当時の友人にはアニメファンしかいなかった。SF映画に狂っているのは自分一人だけだった)
公開が近づくにつれて、TVでも様々なショットが紹介されはじめた。

その「ジェダイの復讐」公開前だったか、公開後だったかはおぼえていないが、決定的とも言える本、日本語版シネフェックスが発売された。(画像掲載元:ブログ「お楽しみは映画 から」)

高校生の夏だったと思う。
創刊号は、「ジェダイ日誌」と題されたILM特集で、ちょうど「ジェダイの復讐」の公開に合わせた発刊であった(と思う)。
内容はそれまでに読んできた雑誌とくらべて何よりも濃い内容であった。

岡山市の、ある大型書店で初めてその本を見つけたときは、どこか熱いものが腹の底からわき上がってくる感じがした。
これは買うしかないと思った。

それからは、ほぼ毎号購入していた。
高校生には高い本だったが季刊誌だったこともあり、昼飯代をやりくりしてなんとか購入することができた。
舞台裏の楽しさがつたわってきて、毎回一生懸命よんでいた。
本によっては何度も読み返した記事もある。
いまでもいくつか記事の内容は覚えている。
今でもこの表紙を見ると、暑い夏の時期、扇風機を回しながら読んだことを思い出す。


もちろん、こういった雑誌以外にもTVシリーズの特撮特集本なども目を通していたし、日本特撮を特集した本。
大特撮」といった本も読んだりしていた。

林田氏のブログを読んで、どうせ上げるなら是非日本の特撮本もあげてほしいななどと思ったりしたw。

中子氏の「SFX映画の○○」シリーズもこのころから発売された。
このころには特殊メイクに興味を持っていた。
シリーズは、「SFX映画の世代」で終わりだったが、この最終刊は、実際にサルの頭部の作り方が詳しく写真入りで説明されており、内部のメカニカルな構造の作り方まででていた。
これを読んだ頃には自分にもできるのではないかと思うほどだった。(参照:TS変身願望


この頃は特殊メイクばやりで、シネフェックスでも「グレイストーク」にあわせたリックベイカー特集があった。

しかしフォームラバーやオーブンという日本にはなじみのない物がネックとなり、特殊メイクは一度も触れずに終わった。
しかし、これがきっかけで有機体のモデリングに興味を持つようになり、当時の模型趣味とあわせて、粘土による造形をやったりもした。


最近のシネフェックスは、CGばかりで内容も専門的な内容がつよく、読んでいて面白味に欠けるが、当時のシネフェックスは本当にいろいろな話がありおもしろかった。

ちょうどその時代に生きていたので、内容的な物はほとんど理解することができた。
今の学生達は、こういったものをあまり知らないのだろうか?
それさえも、自分にとってはまったくといっていいほどリアリティーがない。
その状況を知らないだけにますます林田氏がわざわざこういったことを書いている意図が理解できなくなっていた。

またCGも、いろいろな人が知恵を出し、いろいろな技法を駆使して作られていると思っていたので、違いが見えなかった。


また自分がCGをやっていて、当時の知識がそれほど役に立っていると感じていないというのもあるかもしれない。
あまり意識できないのだ。

ひとつだけ違いを感じることがあった。
CGの世界しか知らない人と仕事をしていて感じたことは、他の人は満足するような映像でも、自分はほとんど満足することができない。
これは林田氏が述べている内容から来ることなのか?
それとも自分が完璧さを追い求めているからそうなるのかはわからない。
それとも、そもそも自分がそれほどの質を求められるプロジェクトに参加できていないことからくるのか?

だからいつも自分の作った物には満足をしていない。
いくら他人に良いできだと言われても、大体いつも良くて50~65%程度、よくて75%程度の満足感にとどまる。
自分で作った物をすごいだろう!自慢して言うことができない。

逆に他人が作った物でもそうだ。
さすがに大手プロダクションがつくったVFXは、すばらしい95%ぐらいの満足度はある。
しかし、どこかあらが目についてしまったり、違和感を感じてしまう。
あと5%が埋まらない。

これは、実写とCGの違いなのだろうか?
VFXにおける不気味の谷なのか?

これが林田氏のいう特撮世界を経験し、知識をもっていることからくることなのだろうか?
そもそも、林田氏のあげた本を全部読んでいたからといって、林田氏が言うセンスや知識を自分はみにつけているのだろうか?

この満足感が得られないというところが、私のCGに対する不信感にもなっている。
それは技術を上げればなくなってくるのか?
知識を増やせば軽減されるのか?
まぁそもそも特撮だとCGほどの完成度はないはずで、このように求めているのは完璧主義すぎるのかもしれない。
今回の林田氏のエントリはその解答のようでもあり、関係なさそうにも感じる。
初心者向けのアドバイスであり、基本の基本をのべているだけなのか?
これだけでは、さほど十分でないということなのか?

それとも、自分は、それが当たり前になりすぎていて見えなくなっており、なおかつ完璧さを求めすぎており、自分の実力やかかわっているプロジェクトがその理想を達成するためには、離れすぎているのか?


これは今現在、自分の心の片隅で、いつもくすぶっている疑問であり、解答を追い求めていることのように感じた。