日本でハリウッドVFXを制作! 「経産省アイディアボックス」 結果:  
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2010年7月31日土曜日

お知らせ

日本でハリウッドVFXを制作するために、経産省のアイデアボックスへ提案し、みなさんに参加していただくために、多くの方々に協力をしていただき、ありがとうございました。

この活動を通して多くの方と知り合うことができ、自分よりももっとすごい人がたくさんいることがわかりました。
そして、日本のCG界を元気にするために、多くの人が何か考えていることがわかりました。

 当ブログのトップにあったオレンジ色のバナーですが、CGトラッキングのタケチューさん経由でKoyoさんから提供していただいた、すばらしいものでした。

役割を終えた後も、このブログを訪れてくださった方のためにそのまま掲載していましたが、もう半年近くがたとうとしているので、そろそろこれも引退の頃かと思い、本日、当ブログから削除いたしました。


日本のCG業界を活性化する、なにかの刺激になればという気持ちで、始めました。
これが駄目でも、必死になって活動することで、なんらかの刺激になるのではないかと思いました。
実際、多くの反響をいただき、これがきっかけで自分なりの活動を始めた方もいらっしゃたので、それだけでもやって良かったかなと思います。

このアイデアは悪かったのか、それとも悪くはないが切り込み方が甘かったのか?いまだに答えの見つからない状態ですが、これを練り直すかもしくは、まったく違うアイデアが出てくるのかわかりませんが、気分を一新して、すべてを見直してみたいと思って、現在はいろいろと勉強中です。

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さて、最近Melスクリプトのエントリをほとんど書いておらず、ブログのタイトルにそぐわない内容になってきています。


個人的には、生活のために仕事を確保することが第一優先で、Melの勉強もその為でした。
しかしながら、自分のMelの学習速度では、時代の変化についていけず、仕事確保にはすぐにはつながってきません。
また、エフェクト界では、Houdiniが普及しているので、現在はその勉強に時間をそそいでいます。
Houdiniの勉強がおちついたら、Pythonも勉強しようかと思っています。

最近Melのエントリが少なくなったのは、もうひとつ理由があります。
プログラミング初学者のつきあたる「いろいろな障害から勉強を効率的に進めることができない」という第一の壁をやぶり、何とか勉強を進めさせる状態にもっていくことが当初の目的でした。
そして、これを達成できたと感じたというのがあります。
今では、過去の自分のメモと、Mayaのオンラインヘルプ、そして人の書いたスクリプトを見て、なんとかいろいろと考えて、簡単なスクリプトならかけるようになってきました。
まだまだ勉強は必要ですが、どうしてよいかわからなくなるようなことは、あまりなくなりました。
いわば、当初の目的はほぼ達成し、気持ち的には一区切りついたとうことです。




今現在もこれからも、Melを使うでしょうし、将来は初心者から中級者への成長過程で必要な事をまとめていくつもりです。
また、今までは気がついたことを、思いつくままメモしてきただけですが、これからはまとめ直して、より他の方がわかりやすいものにしていきたいと思っています。
こういった作業を通して最終的には、階段のように確実にステップを上がれるような形態にしたいと思っています。
 ただ、それにはまだまだ時間がかかりそうです。

すでに、Pythonもちょくちょく触っていますが、Houdiniの勉強が一区切りついたら、Pythonも本格的にやっていこうかと思っています。
そのときにはMelで培ったノウハウ(?)や知識が役に立ってくれればいいなと期待しています。


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当初はMelの学習のために作ったブログでしたが、今ではVFX業界の最先端の話題から、仕事としてのVFXに関連する幅広い情報を記録するようになってきました。
自分のために記録し、考えを整理する場所でもありますが、日本の方にとどきにくい情報を届けていきたいと思っています。
 
当初から、自分にできることだけをするつもりでおり、自分に興味のあることだけを対象としていくつもりでいます。これからもそれは変わらないでしょう。

業界の映像や、最新ニュースなら、CGトラッキングさん。
そのほかのソフトの使い方などであれば、それぞれに私よりも詳しく、専門的な知識をもった方が数多くおり、そういった方のブログに詳しく書かれていますので、そちらにお任せしたいと思っています。
同じ事をやっても、情報がダブるだけですので、自分のできる領域をさがして、活動したいと思います。
そのあたりは、こんな事がやってほしいなどの、ご意見ご要望があればどんどんお寄せください。



さて、いままで自分が書いてきたエントリを統合して考えてみると「VFX」もしくは「エフェクト」というカテゴリーに収まります。
それは自分にとっては、Melよりももっと根本にあるもので、Melはその一手段にすぎないことが、徐々にはっきりしてきました。

なので、将来はVFX専門のサイト(ブログ?)にしようかななどと、思っています。

ただいままでのやり方で、すでにそれに近い物になっているので、当面は大きな変化は加えずに続けていきたいと思います。
ただブログのタイトルはそのうち変えたいと思っています。
(いろいろ考えているんですが、どれも今ひとつで決まってない状態です)

質問やご意見がある方は、どんどんお寄せください。

これからもよろしくお願いします。

2010年7月30日金曜日

新しい技術、ソフト

シーグラフの話題は、ここかしこで見られるようになりましたが。
自分の中で、いくつか気になったことをまとめておきます。


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「GPUアクセラレーション」
とりたてて、新しくはないのですが、通常利用の段階になっていると考えて間違いなさそうです。

すでにCGソフトや、プラグインでもCUDAを利用する物はありますが、そのうち主要なソフトのシュミレーションやリアルタイムレンダリングソフトもどんどん一般的になりそうで、あと数年もすれば中小企業もその恩恵を得ることができるように思います。

会場では見ていませんが、The Last AirbenderのエフェクトでILMはQuadroを使ったGPUアクセラレーションを使ったとのこと。


炎、雲、砂嵐、衝撃波、土などを10-15倍の速度で高速シミュレーション。485のエフェクトシーン。

使用ソフトは、
Plume(インハウス・ソフト):GPUベースの流体シミュレーション
Mental ray
Renderman
Maya(アニメーション)
Nuke
Zeno(インハウス)
Saber(インハウス)


他に、GPUレンダリングがありますが、これは以前からちょくちょく取り上げているので、今回は省略します。




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「ICE」と「Lagoa multiphysics」
ブログ「コピモ」さんをみればLagoaで何ができるのか一目瞭然。

ICEは「インタラクティブ・クリエイティブ・エンバイラメント)の略で、ソフトイマージュXSIのプラットフォーム(?)で、
ノードベースで、様々な機能を使うことができるもので、拡張性もあり、マルチコアにも対応している。

日本のCG関係者の間でも、HoudiniかICE(Softimage)か?という話が頻繁に出ており、ことLagoaが発表されてからはその能力の高さから、一気に注目が集まった。

これだけなら、まださほど驚くことではないのだが、シーグラフの「Autodesk Entertainment Creation Suites Premium」では、Mayaか3dsMaxをメインにして、SoftimageとLagoa Multiphysicsがついてくる。
先日Illuminate Lab社がAutodeskによって買収されたが、その一番の商品であるTurtleもついてくる。
将来的にはTurtleは組み込まれるとのことで、いよいよMaya標準レンダラーの入れ替えが始まるのかと邪推してしまう。

話が少しそれてしまったが、このクリエーション・スィート・プレミアムでは、Mayaya3dsMaxと相互運用が可能となっている。
Iceのエフェクトを、Mayaや3dsMaxに移送可能だという。

FBXファイルの技術を使うのかどうかはわからないが、Mayaで作ったアニメーションやジオメトリキャッシュしたものを簡単にSoftimageに持ち込めるなら、エフェクトのみにICEをしようするという使い方もできる。
どれほどの安定性があるのかはわからないが、このLagoa Multiphysicsが使えるだけでも、かなりのことができる。
特に中小系のプロダクションは重宝するように思う。

最近はハリウッドではエフェクトにHoudiniを使うところが増えている。
特にエフェクト系はプロシージャルな操作が必要とされ、それらをノードベースで操作できるHoudiniはMayaよりも簡単な操作で作れる物もある。

Mayaはノードベースだが、そのアトリビュートを駆使してGUIによるノード操作だけで、複雑な物をつくるのはほとんどできない。
いわば、この部分がMayaの弱点でもあり、Houdiniに市場を奪われつつあるDiscreetが市場の巻き返しを図ろうとしているのかもしれない。

今回の、パッケージに組み込むやり方が、将来的にICEをMayaなどに組み込む布石となるのかどうかはわからないが、これはかなり強力な組み合わせだ。

まだHoudiniも満足に使えないのに、他のことに手を出すのはどうかと思うが、Lagoa Multiphysicsはすぐにでも使ってみたいと思わせる魅力に満ちている。



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「PTex」
PTexはディズニーが開発したもので、今年1月15日にはオープンソースとして公開されていた。
レンダーマン(PRMan15)ではサポートされ、今年5月25日には、3D-Coat v3.3でサポートされていた。

そして、今回のシーグラフで発表されたhoudini11でもPTexがサポートされた。
(動画: シーグラフ2010 PixarによるMudoboxとPRManを使ったPTexプレゼンテーション

AutodeskでもMudboxのアルファバージョンでPTexのデモを行っており、将来はMayaなどもPTex対応となるだろう。

大注目のテクスチャーペイントツールMariでもサポートされる予定で、もうUVに悩まされずアーティストの作業に専念できるようになりそうだ。

これで、Mariでテクスチャ作成に、UV面に関してはPTexで、革新がおきると思って間違いないだろう。



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「Alembic」
ILMとSPIによるオープンソース・パイプライン・システム
詳しくは、Memlogさんとますおさんのブログに書かれているのでそちらをご覧ください。

大手のプロダクションなどでは、シーケンスOBJファイルなどを使うということもよく聞きます。
ますおさんも書かれているように各社独自の方法を使っているようです。

先日、中規模のプロダクションで作業したときには、ジオメトリキャッシュを使ったのですが、
純粋なジオメトリは別に保存し、レンダリングファイルを作るときにそのきれいなジオメトリを読み込み、ジオメトリキャッシュを使うという方法でした。

こうするとレンダリング時に不要なエラーに悩まされずにすみます。
一手間かかるのですが、確かに安定して作業ができ、不要なエラーを処理する必要がなくなります。

Alembicが簡単に使えるようになればよいのですが、各社で独自のソフトを作る必要がある場合は、中小プロダクションにとっては、もしかしたらジオメトリキャッシュのほうが簡単かもしれません。

しかし、将来的には、Alembicも簡単に使えるようになれば、もっとやりやすくなるような気がします。




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それにしても、最近はアーティストは技術に悩まされることなく、アーティストとしての作業に集中できる環境がますます整ってきたように思う。

いいかえれば、習いたての人でもそこそこの物が作れるようになってきたということだ。
いままでは、長年の経験を生かして同じエフェクトでも早く結果を出したり、より複雑なエフェクトをつくってきていたわけだが、そういうことが通用するのも、時間の問題かもしれない。
言い換えれば長年の経験でも無用の長物となる部分が出てくると言うことになる。

これは、給料の低下につながるし、アウトソーシングも助長するかもしれない。

反面、アーティストはCGよりも、ますますアーティストとしての能力が問われることになり、作られる映像の質も妥協が許されなくなってくる。


ソフトはますます簡単に、ハードはますます早くなる。
おそらく、Zbrushでハイレゾ・モデリングのやり方が一変したように、これから1~2年で他の分野も新しい方向性が確立してくると思われる。

なんかついていけてないような気がする。

2010年7月29日木曜日

シーグラフ、再戦!

再戦と言うほど大げさなことではないですw

シーグラフ会場で、ディズニーのスタッフがデモリールやポートフォリオの評価をしてくれているのですが、これだけは是非、参加したかったので、今日は午前中会社を休んで行ってきました。


目的はとにかく、大手の人とコミュニケーションをとることです。
そしてデモリールをみてもらい、それについてコメントをもらうこと。
特にかく、自分の作品を少しでも業界人にみてもらうことです。


10時からチケットを配るとJob掲示板では書いてあったのですが、他の情報では9:30となっているのをみつけて慌てて、出発9:40ぐらいに到着しましたが、目的の410号室は、さほど混み合っている様子もなく、受付の人に聞いたら、クリップボードに名前と職種を書くようにと言われて、書いて待つこと5分。

周りを見ると、バーによくある高い机といすに座ってマンツーマンで指導を受けている人がたくさんいました。
話を聞いているとどうもキャラクターデザインとかやっている人が多そうで、結構分厚いポートフォリオを持っている人も。

すぐに名前を呼ばれて行ったところ、受付の片隅で、立ったままデモリールを見てもらうことに。
Fxアーティストの募集がないので、適当になっているのかどうかはわかりませんが、ポータブルDVDプレイヤーで再生。

一通りみて
「とてもたくさんのバリエーションのショットがあって、それぞれ良かったです。」
「アドバイスするとすれば、FXア-ティストとして売り込みたいのであれば、ジェネラリストとしての仕事は省いた方が良いですね。」
「ジェネラリストを求めている小さなプロダクションなどでは、このデモで効果的だが大きなプロダクションでは通常、職種を絞って募集している」
「FXのデモリールに、モデリングやテクスチャーが入ってくると、デモリールを見ている側は心の中でそのショットを切り離す。ようするに見ているが見てないようなもの、逆にそのように邪魔になってくるのでシンプルにFXを見せることに絞った方がよい。」

というアドバイスをいただきました。
またDisneyではHoudiniを使っているとのこと。
スクリプトができるかということについても聞かれました。
これは、Fxのポジションとしては近々、TDを募集することになるからということらしいのです。
Melスクリプトを少しすると答えたが、Pythonもやたほうが良いとのこと。
Pythonは幅広く使われていて、非常によいアドバンテージとなるとのこと。

こちらからした質問では、
Q)「各ショットで何をしたのか、それぞれ字幕をいれたほうが良いか?(Particle, Dynamicsなど)」
A)「Yes,それはかなり良いアイデアです」

Q)Houdiniのプロダクションでの経験はないが個人で作った作品を入れても良いか?
A)DVDにするなら、FXアニメーション、ジェネラリスト、個人作品などにメニューを分けて入れた方が良い。


約10分ほどですが、緊張してたのでこれでおわり。
肝心の自分のデモがどれぐらい通用する物なのかは聞き忘れましたw
どうしても、緊張すると聞くべき事をすべて忘れてしまいます。


その後はJobフェアーに行ったのですが、ほとんどのブースは、デモリールは受け取っておらず、オンラインからJobにアプライするような形式になっていました。


Exhibitionに行くと、Sony Imageworksのコーナーがあり、話をしてみたところ、デモリールを受け取ってもらえました。
Sonyはこれからたくさんのプロジェクトを抱えており、現在はモデラーなどを物色しているとのこと。
エフェクツ系は2ヶ月ほどで、申し込み者の中から、リビューを始めるとのこと。

他にもいくつかの会社があったので、デモリールを渡せるところは渡し、合計4つおいてきました。

あとは、Exhibitionの会場を一通りみましたがバーチャルリアリティー系のもの、立体スキャンor出力系が増えているなと感じました。

特に気になったのは、先日会場で見た、PolyJet Matrixテクノロジーを使った立体出力。
かなり正確な物も出力でき、チェーンなどは、ちゃんと稼働するものだったのは驚きです。
精度は、出力機械のグレードの差や材質にもよるのかもしれません。

バンダイではこの会社の機械を試作に使っているようです。
またコララインの人形に使われたのもここの機械です。

会場では、アイアンマンやアバターのパワードスーツなど50cmほどの大きなフィギュアが展示してありましたが、パワードスーツは出力に1週間以上かかったそうです。

後はコストがどれぐらいかですが、個人の作品を出力したいときはどうすれば良いのかを聞いたら後でメールしてくれるとのことで名札をスキャンして終わり。
メールが来るのが楽しみです。

2010年7月25日日曜日

シーグラフなど

ここ数日はかなりいそがしくしていました。

本日はシーグラフの初日とあって、友達に誘われて張り切って出かけたのですが、
Exibisitionはまだ始まっておらず、せっかくがんばって作ったデモリールも渡すところが無く、
Exibistionオンリーのパスでは入れるところもほとんど無く、通路脇でやっていた3Dプリンタのブースをみたり、自作CNC機械の実物をみて、後は本のコーナーを見た後に、リトル東京でご飯を食べて帰りました。
会場では日本人の姿がちらほら見られ、日本の大学の研究結果も掲示板に貼られていたりと、日本の存在感を感じることができました。

自作CNCは、3DプリンターのCupCakeCNCの存在はしっていたのですが、
もっとでかい、ドレメルツールを組み込んだ、CNCルーターである「DIYLILCNC」という装置は始めてみました。
木工にも使えそうで、これはかなり良さそうです。
家に帰って、実際調べてみるとCNCルーターは他にも市販されている物があり、意外と一般的なようでした。




以前の知り合いを通じて紹介されたところで、LightingとTextureの仕事を得て、やっていたところ気に入られて1週間延長。

その後、以前の職場からヘルプを求められ、二足のわらじで、
10:00-19:00
20:00-25:00
の二つのスケジュールで3日ほどやっていました。
途中一日は、夜の仕事にもかかわらず劇場映画の仕事が!!

しかし単純な物で実作業的には数時間でおわるものでしたが、
なんとか?
Featureフィルムを履歴書に加えることができましたw

また数年コンタクトがなかった知り合いから、仕事の紹介がとどき、
来週火曜日には、面接に行く予定。

といっても、小さな会社で、トラッキングメインの仕事となりそうです。
まぁ背に腹は代えられません。仕事がないよりはましです。

しばらく子供の相手をしてなかったので、土曜日は、日中はサンタモニカへ海水浴へ、
ここ数年(二年ほど?)ずっと工事していたサンタモニカ・プレースが来月オープンと言うことで
周辺の駐車場が閉鎖されており、駐車場を出たり入ったりと延々1時間近くさまよいました。


夜は近くのSawtelにあるお寺の夏祭りに行ってきました。
子供も、太鼓をたたく姿が近くで見れて満足そうでした。
Sawtelは日本人が多く住むWestLAの地域ですが、そこには日本のお寺があり、
毎年,隣接する道を1ブロック閉鎖して、盆踊りをしています。
日系二世をはじめ、在米日本人や、日本文化に興味を持つ現地のアメリカ人、興味本位できてみたメキシコ人やインド人もちらほら見られる多国籍の雰囲気にあふれています。
盆踊りは自由参加ですが、うまいへたは関係なくそれぞれに楽しんでいるようです。
今年は、例年の日本の盆踊りの曲にくわえて、アメリカ(?)の曲が流されました。
最初はどう踊って良いのか戸惑う人もいましたが、なれてくると、みんな楽しんで踊っていました。

2010年7月18日日曜日

プロとしてのエフェクツ・アーティストとはどんなものか

プロとしてのエフェクツ・アーティストとはどんなものかを考えてみた。
あくまで自分の考えであって、一般的に言われていることでも、こうであるべきだと偉い人がいっていることでもありません。
自分自身を方向付けるために、自分がなろうとしている物、やろうとしていることを明確にするために考えたことです。

それぞれ、いろいろな意見はあると思うし、私もそれほど経験があるわけではないので、
いろいろと見聞きした中で自分なりの考え方をみつけようともがいているだけである。

なので、考えの至らない点や、間違った点はあると思うが、
基盤となる方向性を固めるために、いろいろと考えてみた。


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先日のGnomonの記事で、「9(ナイン)」の監督 シェーン・アッカー氏が語っているように、
全ての我々の仕事は「ストーリー・テリング」に帰結する。


以前、プレビジュで有名なある人との共同作業で、ことあるごとに強調されたのも「ストーリー テリング」だった。

この目的の下には、「ツールが何か」、「作り方は何か」と言うことは問題にはならない。


ようするに我々エフェクト・アーティストがいつも気に掛かる、「どんな技術をつかっているのか?」というのは、映像製作においては、ほんの一部のことでしかない。
ただ、技術によって、そこから生み出される物の質が大なり小なり違いがあり、よりコントロールを得て、よりイメージに近づけるために様々な技術が必要ではある。


映画におけるビジュアルエフェクツは、煙、炎、水、光を使い、環境や現象を表現する。

その形や、動き、色などを通じて、見る側にいろいろな心象をあたえて、そのショットで表現したいもの(ストーリー)をよりよくつたえようとする手段の一つである。
これは第一人称における環境からうける印象であったり、観客に緊張感や臨場感をあたえる雰囲気であったりする。

煙一つとってみても、それは場面によっていろいろな役割をし、そのためにいろいろな動き、形、色がある。
そのバリエーションは数多くあり、定式化できないともいえる。

ある煙はただ黙々と広がる。
ある煙は回転するように筋をひきつつ広がっていく。

これらをショットにより,「そのショットが与えるであろう心象」によって、使い分ける必要がある。
こういった数々のエレメントが頭の中に入っており、クライアントが求める漠然としたイメージをすみやかに具体的な映像に置き換えていく必要がある。


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監督が求めている明確には意識できていない部分を、くみ取り、監督に変わって具体化したエフェクトを作り出すのがプロとしてのエフェクト・アーティストといえるだろう。
これは、カウンセリングとか、子育てにも通じるものがあるw
相手の心をよみとり、先手を打って導いていくという意味で..。


これは元来スーパーバイザーやエフェクト監督の役割と言うことも可能だが、それらを他人任せにせず、プロのエフェクトアーティストとして引き受ける責任感も必要であろう。

まず、プロとしてのエフェクトアーティストとしての存在が上位にあり。
次に、その種類としてスーパーバイザー、監督、アーティストがある。
どれを選択するかは、個々の判断になる。

具体的なイメージとして、一人の独立したアーティストとして、個々のプロジェクトを運営する会社と契約することになる。
ここは、会社 対 個人の契約である。
たとえ雇う側と雇われる側という関係であるにしろ、雇う側の意識が「使ってやる」という意識があるにしろ、
個の独立したプロフェッショナルな精神をもった「一人のアーティスト」でなくてはならない。
自らの責任に全責任を負うぐらいの気迫が必要である。

この姿勢で、仕事をしていくからこそ、将来の地位も上がるし、なにより自分の仕事をよりよいものにし、
将来へのステップアップへの道も開けてくる。


自らの直接のクライアントは、スーパーバイザーやエフェクト監督であるが
最終的なクライアントは、監督であり、スタジオなどの配給会社である。

それらの最終的なクライアントは具体的なイメージの固まっていない /持っていないことがほとんどである。

「恐ろしい雰囲気で」
「不気味な感じ」
「じわっとくるように」
「ふわーっとした感じで」
というありとあらゆる言葉による抽象表現が出てくる。
実際、言葉で表現するのは限界がある。

彼らの漠然としたイメージを具現化し、彼らが予想だにしたい「ストーリーテリング」の力をもったエレメントを作成するのが、自分の仕事である。
この細部に至る部分では、監督の力を超える必要がある。

監督は映画製作を「監督」してはいるが、細部に至るイメージをすべて生み出しているわけではない。
そんなイメージを持たない人に任せてはいられないでしょう。だからエフェクトアーティストがいるといっても過言ではないし、全体をみてバランスをとるのが監督の仕事とも言える。
監督と個々のアーティストの共同作業により、エフェクトショットが作られている。

ただ言うまでもなく監督でも非常に具体的で詳細なイメージを持っている人もいる。
逆に言えばそのような人と仕事をするのは、ある目的に向かっていくので、無駄な試行錯誤は減ってくると思われるし、相互のコラボレーションもしくは自分を高みにつれていってくれるだろう。


細部そして末端部分にいたるイメージは、各担当者が作り出している。

映像に対して責任をもって事に当たるというとは、細部まで責任を持って作られた映像を生み出すと言うことになる。

プロは細部にいたるまでのコントロールと責任を持っているからこそ任すことができる存在である。
あいまいな技術力や、やとってもらうことで、言われたことをやるだけなら、プロとは言えない。
(雇う側は言われたことをそつなくやってくれる人を求めることも多々あるだろうが)

これがプロとしてのエフェクト・アーティストの姿だろう。


そのための手段としてCGソフトを使うこともあるし、撮影したフッテージを使うこともある。

CGソフトを使うときは、目的の表現を実現するために、ソフトのコントロール方法や組み合わせを熟知しておく必要がある。
結論からいえば、炎を表現するためにスプライトであろうと、フルイドであろうと、フッテージであろうと関係ない。
3Dですべて作り上げようが、2Dのプレートと組み合わせようが自由である。
結果として目的の映像ができれば良いのである。

多くのテクニカルな部分というのは、その映像の質をあげるために貢献している限りにおいてよしとされる。
そうでなければ不要である。
エフェクトアーティストになるために、様々なテクニカル面の知識を学ぶのは、
この質をあげるために貢献するかどうかという、視点で評価する必要もある。

現実には、いくら個人がテクニカルな面を勉強しても追いつかないほどの量があるので、そういったことを考える必要が無く、
望む職種をめざせばよいのだろうが、

基本的なスタンスはやはり確保しつつ、自らのポジションを自由意志により自分で選択するという姿勢はわすれてはいけない。

2010年7月15日木曜日

GnomonスクールがGnomonスタジオを設立!

とりあえず、メインのニュースを翻訳しました。
気がむいて、そして時間があったら、他のソースからの関連情報も後ほど翻訳します。

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Gnomon School of Visual Effects Unveils Gnomon Studios
(VFXスクール・ノーモンがノーモン・スタジオを発表。)

情報元:Business Wire

ノーモン・スタジオで、生徒はデジタル・エンターテイメント・プロダクションの実地訓練に参加できる。
最初のプロジェクトは、(「9」のアカデミー賞ノミネート監督シェーン・アッカーの新作ショートフィルム「プラス・マイナス(Plus Minus)」。

「VFXスクール・ノーモン(Gnomon School of Visual Effects)は、エンターテイメントとデザインの領域で活躍するアーティストのための、プロフェッショナル・トレーニングの業界リーダーである。
ノーモンは、今日ノーモン・スタジオが設立されたことを明らかにした。
プロダクション・プロフェッショナルの指導と助言の元、スタジオの環境でショートフィルムの作成にたずさわることで、上級のノーモンの学生はプロフェッショナルとしてのキャリアに備えることができる。
ノーモン・スタジオは、現在アカデミー賞ノミネート監督シェーン・アッカー氏のショートフィルム「プラス・マイナス」を制作中である。


ノーモン・スクールの創設者/取締役であるAlex Alvarez氏は、以下のように語る。
「ノーモン・スタジオは、学生達のラボでの作業を通して、グループプロジェクトに関与しているので、それらのプロジェクトは、現実のビジュアル・エフェクツ・スタジオのワークフローや構造を反映している必要がない。」
「ノーモン・スタジオでのインターンシップを通して、私たちの生徒は、シェーン・アッカーのような有名な監督と、現実的なスタジオの環境の中で、プロフェッショナルなプロジェクトで、共同製作ができる。
これらのプロジェクトは、我々の最近の卒業生がすばらしい仕事をしている将来のキャリアへ、直接むすびついた役割の仕事をすることで、大変貴重な経験をさせてくれる。」


2010年のノーモンのクラスを卒業したジョン・パトリック氏は、設備を設立するためにノーモン・スタジオのためのプロジェクトで働き、つい先日Sony Picture ImageworksにパイプラインTDとして採用された。

パトリック氏は以下のように語っています。
「雇用する側は、数々の問題に対して解決策を見つけてくれるよい人材を捜し続けていると覆います。特に技術的領域においては、これは本当です。インタビューを得るにはデモリールはとてもすばらしい方法です。しかし、ノーモン・スタジオは、現実の問題につきあたり、困難な締め切りに間に合うように取り組まなければならないような状況におかれ、それを証明できるようにトレーニングしてくれました。
学生が卒業するときにそういった経験をすでに持っているような他の学校を見つけることは、非常にまれだと思います。


ノーモン・スタジオは、ハリウッドの中心地にあるノーモンの敷地にあります。
本当の経験を用意するために、ノーモン・スタジオは、プロフェッショナルなビジュアル・エフェクツ・ショップを手本にしています。
生徒は、コンセプト・アーティストから、アニメーター、アートディレクター、プロデューサーといった様々な役割の中で仕事をします。
業界の制作標準に従い、各プロジェクトの監督は、外部のクライアントの役割を果たします。
ノーモンの創設者/取締役のAlex Alvarez氏とそのほかのノーモン教師陣そしてスタッフは、プロダクション・プロセスを通し生徒を導く助けをする助言者(メンター)として、働きます。


アッカー氏の「プラス・マイナス」のようなショートフィルムがノーモン・スタジオの焦点であり、プロダクションの中心となります。
Alex Alverez氏は、ノーマン・スタジオが最近2011年の映画である「グリーン・ランターン」や有名なTVシリーズ「フリンジ」へ参加したように、機会があればを映画のプロジェクトに参加させたいと思っています。

アッカー氏は、「ノーモン・スクールの生徒は、デジタルプロダクションの最前線で働くことを学んでいます。ショートフィルムを作るのは、そしてクラスルームで学んだことを検討しテストするとてもすばらしい方法の一つです。
(中略)
この実地経験は、フィルムプロダクションの厳しさを浮き彫りにし、現実世界に備える助けになります。
これは、どんな実践も実地経験も積まなかった、他の学校の卒業生に比べ、大きな強みを与えてくれます。」




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Gnomonは講師も大手プロダクションで経験を積んだ人がたくさんいてその実践的な質の高さでは知られています。
DVDチュートリアルの質の高さでは日本でもしられているところです。
生徒も、一度プロダクション経験を積み、さらに勉強してステップアップを図ろうという人が多いことから、
大手への就職率も高いという印象がありますが、今回のスタジオ設立で、さらにそれに拍車がかかりそうですね。

インターンについてですが、こちらでは、多くの人は学生の間にインターンを行うので、例年大手スタジオでは夏が近づくと、インターンの募集が始まります。
卒業後も、やはりインターンから始めることが多く、経験が無い間は、給料がでないか、非常に安い金額で働くことになります。
お金のない弱小プロダクションでは、このインターンを使うことでやりくりしているところも少なくありません。

そのあたりの問題はまた次にするとして、一人前を見なされるまでには、インターンを通して経験を積み、実際に実務に耐えるとうことをデモリールで証明しなくてはいけません。
しかし、実際にはインターンもピンからキリまでありますし、インターンに採用してもらえるかどうかもわからないという状況はあります。


一時的な物ではなく、スタジオを作ってしまい。
教育の一環として完全に組み込むことで、「実地経験を得られる」ことを非常に重視していますが、
学校の一環ということもあり、通常のインターンとは違い、細部に至るまでいろいろと援助がうけられそうです。

近年ますます要求が厳しくなり即戦力をもとめられますが、このスタジオでの経験で、実際にハリウッド(もしくは同等の海外プロダクション)で仕事につけるまでの道がかなり短くなるような気もします。

自分が学生でお金があるなら、たぶん、選択肢にいれますね。

このノーマン・プロダクションへの参加基準など詳細はまだわかりません。
海外からの人もGnomonのクラスを卒業すれば参加できるのかどうか気になるところです。

著名な監督と一緒に働けるのは非常に魅力的ですし、すでに、グリーン・ランターンへの参加をしていたりと、これからが楽しみです。

2010年7月14日水曜日

LAの絶景プロダクション。

今日は3AM帰宅。
明日は9時出勤で、最後のショットのライティングを仕上げないといけないので翻訳の時間がとれません。
最近3~4時間の睡眠が続いているので、そろそろ限界。
今日はもう寝ます。
(といっても、4時間半ほどしか寝れないけど....。)


ー-------------
お詫びに、今つとめているところから見た風景の写真を掲載します。
さて、今の会社の人には、かなり気に入ってもらえたみたいで、次の仕事も使ってくれるそうです。
よかったよかった。
しかし、今回は同時に前の会社からも2週間ほどの仕事があるとの連絡がきました。
コミコンに間に合わせないといけないので、時間がなさそうなことを言ってました。
また残業か? どうしようかな....。

ところで、今の会社は13階にあり、窓側は大きな公園で、開けており、隣接する建物がないので、窓の外には広い空間がひらけており、非常にみはらしがよくなっています。しかも角部屋。
前方にはLAのダウンタウンがあり、ダウンタウンの高層ビル群を一望できる絶景ポイントです。
LAのCGプロダクションでは、大小あわせて、いままで見た中で一番の絶景ポイントをもった会社です。
おそらく大手でもここまでの絶景をみながら仕事ができるプロダクションは無と思います。
DDとR&Hには無いと言い切れます。おそらくSONYも。たぶんドリームワークスにも無いはずw

(私が知らないだけかもしれませんが)


昼間は暑くなるので、カーテンを閉めているのですが、残業で遅くなると、たまに全開にすることも!
まるで展望台で残業しているような気持ちになれますw
ちょっと写真を撮ってみましたが、暗くてAFがうまく働かず、ぼけてしまいました。
でも雰囲気は伝わると思います。
 

夜の2時半、帰宅前に夜景を撮影。
まず部屋の中から外を見てみます。
左には、まだ仕事をしている人がいて、ガラスに反射して見えています。

奥に見えているのがLAのダウンタウンにあるビル街
手元に見えている暗いところは公園の池です。
かなりひろいところで、池の左に見えている道路を挟んで反対側にも公園があります。
そして、この道路は一直線にLAのビル街に通じていて、(通り名はWilsherです)
街頭が一直線に並んでいるのが見えます。

残業してても、この夜景を見ていると癒されます。

まぁ、私は社員ではなくフリーランスなので、仕事がおわったらまた他へ行くわけですが、
この場所は余計なストレスが少なく、集中して仕事をすることができました。
ちなみにコリアンタウンに近いせいか、働いている8人のうち、3人が韓国人でした。
みんなとても良い人たちでした。

 直属のボスは、牛のように鼻輪(ピアス)と耳輪がついてます。(タグはついていません。)
 なんという分野なのかわかりませんが、部屋の壁いっぱいにストリートの落書きっぽい手書きのアートがあります。
この人が、今回のライティングとテクスチャーをとても気に入ってくれて次回も使いたいといってくれているのですが、次回の前に是非給料を上げてもらいたい。
前よりも一日(8時間)で、40ドルも安いんだから。


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さて、先日再販されたはやぶさのプラモデルを購入したのですが、さっそく日本から届きました。
いつもはなかなか送ってこないのに、今回は何も連絡していないのに、送ってきました。
なぜか異常にフットワークの軽いうちの親。

写真には二つしか写っていませんが、箱の底にもうひとつあります。
3つ買いました。
一つは自分用、一つは子供用、ひとつは保存用です。
もっとも最近かったプラモデルは日本にいた頃ですから8年前。
同じプラモデルを複数買ったのは高校生の時以来ですから、20数年ぶり。

あけてびっくり、部品点数は、かなり少ない。
予測した量の、半分以下。
これでこの値段は少々高いかもと感じるが、まぁ記念のプラモデルだし、昭和の時代と同じくニッチなプラモデルを出す姿勢を変えないアオシマに敬意を表してよしとしましょう。
大体ニッチすぎて、もうけになっているのかどうかもわからないし。

2010年7月13日火曜日

VFX補助金戦争は、国際間の戦いに発展

先日から翻訳している記事以外に、急遽翻訳したい記事がふたつあり、そのうちの一つをまず翻訳しました。

まず一つは、今回のエントリで訳したもの。
カリフォルニアのVFX業界に打撃を与えている各国の助成金活動について、経済面からの考えをまとめたものです。
映画の都ハリウッドを抱えるカリフォルニア州は助成金に乗り出しておらず、仕事がどんどん外へ出て行っています。
はなぜか?
その答えがあります。

もう一つのニュースは、この写真の人が関係しています。
 ヒントを一つあげましょう。
彼の名前はAlex。

彼の勤務先はこの業界人とCG学生の間では、超有名、知らない人はいないでしょう。
「G」の字で有名です。
困ったときに、ここのプロダクトのお世話になった人もいるでしょう。

その彼の勤務先で活気的な試みがなされます。
自分がCGを学ぶ学生だったら迷うことなく、この選択をするでしょう。
ただ、Visaの関係などがあるので、アメリカ人以外にどこまで有効かはわかりませんが、それでもかなりかなり魅力的です。
狙い通りに、うまくいけばこの業界に入ろうとする人にとっては、救世主的存在になるかも。
明日には翻訳したいと思っていますのでお楽しみに。
たぶん知っている人はすでに知っている。
まだTwitterでも流れてませんが、明日には話題になりそうです。




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では翻訳です。

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VFXの補助金戦争は、国際間の戦いに発展
VFX Subsidy War Grows Into Global Trade War @VFX Soldier


VFXとゲーム業界の補助金に関するニュースがいくつかあります。
基本的に、補助金戦争は、国際間の戦いに徐々に変化しつつあります。
(写真は、デジタル・ドメイン バンクーバー支部長「Troy Brooks」氏)


カナダがVFXハウスに対して強硬な姿勢にでる。
デジタル・ドメイン、イメージワークスのようなVFX会社がバンクーバーに支部を開くための作業をすべて終えた後、
今は、カナダ政府が、VFX/ゲームの仕事に関する外国人へのVisa発給を完全に見直すことに時間を費やそうとしていることに非常に憤慨しています。

本当に泣き所となるのは、ディズニーのようなスタジオがバンクーバーに支部をオープンするために、いかに腕組みをして取り組んできたかと言うことです。
スタジオは、利息がいらない政府資金を切望し、おそろしいほどに最高で申し分のないカナダの映画補助金を利用しようとしました。

この計画を機能させるためには、才能ある人々が必要です。
我が友、カナダ人のVFXアーティスは、おそらく聞いたことがないかもしれませんが、バンクーバーの仕事の募集はほとんどがカリフォルニアで行われます。
かれらは、うまくいくようにするためには、我々をつれていかなくてはいけないのです。
いったんプロジェクトが終わったら、我々の多くはカリフォルニアでお金を使うために返らなくていけません。
これはおそらく、カリフォルニア州が、補助金戦争に参加するのを非常にためらっている理由の一つでしょう。

ささいなVFXの施設ではなく、カナダ政府がエサに使ったお金が自分達にもどってくるための保証をもとめています。
どんな地位でもカナダ人によって埋められ、それらの会社からカナダにお金が支払われるようにするため、時間を費やしています。

彼らは長い間補助金を提供し、大きなスタジオが移転をほのめかしても、その度にもっと良い補助金の提供をしてきました。


会社のグループはカナダ人のパスポートに関する離れ業が横行するイギリスのゲーム業界にうんざりしている。
イギリス政府は、大きな赤字を避けるために緊縮を強制されました。
私が以前、「最初の犠牲者はイギリスのゲーム業界の補助金受領者である」と予測しました。
その理由は貿易のイベントで、多数国間ビジネスのグループは、作り物のカナダ人パスポートを「なぜカナダなのか?」という情報と一緒に配っていたからです。それは30%の補助金の提供です。
ゲーム会社にとっては、良い選択肢です。
イギリスのゲーム開発者は、それに関してはそれほどよく思っていませんでした。



中国、保護貿易主義にさらに深く入り込む。
Hulett-zer氏は「貿易戦争の中国最前線」で、以下のようにかいています
「中国が、海外アニメを大量に輸入することには難色を示す理由は、国内のアニメーション業界の妨げになるからです。」

今週、我々が巨大な貿易戦争の待っただ中にいることを認識しました。
インテルのCEO、アンディー・グローブ氏は、戦うためにアメリカ人向けの戦略を公開しました。
ロバート ライシュ元合衆国労働長官は、これまでの軌跡を紹介し、なぜこれが大きいのかを読者に紹介しました。


ピータージャクソンはWetaデジタルに障害を負わせたか?
ピータージャクソンは、最近ニュージーランド映画協会にリビューをだしました。
イギリスの映画協会がやんわりとした見解なのに対して、それはあけすけな本音を語っています。
私は以下のような、レポートを読んでショックを受けました。

ニュージーランドに持ち込まれる非常に大きな映画は、通常、経済的理由よりも、品質と製作の理由のためであると結論づけられた
2005年のLBSPG評価の財務報告書。

LBSPG: Large Budget Screen Production Grant
ニュージーランドの大型予算映画製作助成金のこと。
詳細はJ-Pitchのこちらのページ


これは事実に反する。
LBSPG無しでは、ユニバーサルは瞬く間にキングコングをカナダに持って行ってしまうでしょう。
この国には、ユニバーサルユニーバーサルが予制作奨励金なしで、映画の製作をおこなう理由はありません。


ジャクソン氏は、そのすばらしい仕事に対して、数々のオスカーと栄誉をWetaデジタルが受け取った後に、
大手スタジオは助成金無しでは、それはあり得なかったと真剣に考えているのでしょうか?
すごいですね。
Wetaのみなさんありがとう。
これは平手打ちです。
この報告書は、ニュージーランドの助成金はいかに対に金を失うかに触れていますが、基本的にこの国の市民の名誉であると言うことに置き換えて正当化しています。


この委員会の31年にわたる全てのデータにアクセスすることはできませんので、
1993-2006の間のデータをみると、その時期の58の映画に対する出資に対して、20%以下しか取り戻せていません。
ドルに換算すると6620万ドルの出資に対して、1290万ドル市価取り戻せていないことになります。



国際化とVFX
Scott Squires氏は、国際化に関する投稿のなかで、以下のように述べています)

不幸にも助成金から最も損失(または利益)をうけた場所はカリフォルニアです。
それは少なすぎ、そして遅すぎました。
カリフォルニア(特に南カリフォルニア)への大きな収入の流れは映画により生まれます。
多くの人がこのビジネスで雇用され、そして、彼らは、自分達の地域でサービスや製品にたいして、お金を費やすために戻ります。

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VFXアーティストが経験してい状態は悲しい物です。
全てのクリエイティブで技術的なスキルは、季節労働者が仕事があるところへ移動するのに似ています。
けっこくの所、労働者が動く本当の理由は、その値に収穫があり、成長の季節があるからです。
VFXアーティストの場合は、小部屋です。
世界のどこにあるかは関係ありません。
移動するたった一つの理由は、たんにその国の助成金とスタジオの思いつきです。




私の助成金を反対する理由の一つは、スタジオがいくらかのお金を得るためだけに、VFXアーティストとその家族はいろいろなところへ引き回されるからです。
もし助成金受領者が、存在しなければ、VFXの仕事はVFXアーティストが住みたいと思っている主要な地域に行くことになります。

私はプロのカリフォルニア人でいることを訴えます。
私はここにすんでいますが、カリフォルニアのVFXマーケットを支えている本当の理由は、助成金無しでVFX市場が存在している唯一の場所であり、それ故にバランスのとれた最小価格(Artificial price)になっているからです。


カリフォルニアのVFXジョブのマーケットは打撃を受けたのでしょうか?
「Yes」そして、この助成金戦争によって多くのアーティストが打ち負かされるのは、見るに耐えません。
しかし最も重要なことは我々には規律(自制)が必要だということです。
イギリス、カナダ、オーストラリア、そしてニュージーランドは仕事を得るために殺し合いをしています。
取引戦争で、誰も勝つことはありませんが、カリフォルニアは間接的に利益を得ます。

大きなスタジオは、カリフォルニアにとどまり、海外助成金から大きなもうけを上げようとしています。
これは、より多くの税収を引き入れ、州議会はそれを知っています。
彼らは映画の助成金から学び、それが損失のための戦いであることを知っているのです。
短期で見ると苦痛ですが、長期で見たときには、この期間がいかに馬鹿げた時期であったかを、後で思い出すことになることに私は確信があります。

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以上、翻訳終わり

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カリフォルニア州がこの事態に対して傍観を決め込んでいる理由がはっきりした。
これはまさに肉を切らせて骨を断つというような戦略かもしれない。
この大不況においては、最終的にお金を呼び込んだ物の価値。
そのあたりの読みがあってのことだったとは。
(基本的には、著者の推測ですがほぼ間違いないと思います。)

また、各国の抱える問題や、それらに勝ち目がないことなど、いろいろな事実がわかりました。
これらのことを考えると、楽観視はできなくても、多少は望みが残ります。

メモ: 立体撮影用 レンズキャップ

まぁたぶん買わないだろうけど。

レンズを取り外した一眼レフのマウント部に取り付けて使うLens in a Capシリーズ。
その中に3Dが撮影できるものがあったのですが、
今回、新しいバージョン(Model 9005)が出たようです。


左右のレンズで取り込んだ画像を鏡を使い一つの画像にまとめるもので、
撮影された写真は一枚を左右でわけた写真になります。
ようするに解像度は半分になります。

今度は、レンズ部が丸くなりワイド・コンバーターレンズも用意されています。


Loreoのホームページを見ていたら、いつの間にかMacro版も出ているのを発見。(Model9006)

これは昔は改造して自作してたたみたいですよ。
参照1
参照2



さてこのレンズを使って撮影したものを見るときには、
平行法やクロス法といったむかしながらのほうほうですが、少ない予算でも手軽に遊ぶことができます。

印刷した物やPC画面上の物を見やすくするためのビュワーも売っています。
ぜひ、SDカード指すだけで、立体映像がみれる小型液晶をそなえためがね型ビューワーをだしてほしいところです。



ところで、個人的には、ステレオ・カメラを使って、
視差から立体モデルを作ることができないかなと思っています。

立体スキャナ代わりですね。
視差があるので、より深度が見つけやすいと思うので、ソフト次第ではできそうな気もします。
またPCにつけたWebカムでできてほしいところです。
この3D Lens in a CapならなんとかWebカメラにつけられるかもしれません。

2010年7月12日月曜日

4倍速で学ぶには。

※注意※ 
今回は自分の考えをまとめるための目のです。
例によってグルグル思考ですので、あまり一緒にグルグルしたくな人は、リンクの記事(4倍ルール)だけを読んだほうがいいですよw
たぶん頭の言い方は、とっくにもっと良い解決方法をみつけているでしょう。


ここ数週間、仕事が無くて追い詰められてきたが、
それが逆に、忘れていた挑戦への意欲を思い出させてくれた。

仕事がない時には、将来の投資のためにチュートリアルをやっていたが、
それと同時に、どうやって自分を成長させるかについても考えていた。

すぐれたアーティストになりたいなら、早く知識を身につけ、的確にたくさんの仕事をできるようにならなければならない。
しかし、そこまではみんなやっていること/もしくはやろうとしている。
しかも英語ができる人は、自分よりももっと広範で的確な知識を素早く得ている。

目標を大きく持つなら、これらの人を追い越すほどになりたい。

しかし、英語は今からやるには、時間がかかりすぎる。
では、他の部分で補うしかない。

それには、徹底して無駄を省く、そして習う内容は、一度で理解できるようにするのが理想だ。

これは「言う」はやすし、完璧に「行う」はほぼ不可能に感じてくるがw
チャンレンジもしないでやる前からあきらめていては何にもならない。

「考える」
不可能を可能にするように、頭を使ってがんばってみることにする。
人に勝つには、とにかく考えること。

誰かのHowToを本で読んで、それをそのままやってみることではなく、
とにかく、自分で考えること。
これが一番重要である。

遠回りのようだが、
「考える」というのは自分に一番あった答えがでやすい。
人のアドバイスが自分に当てはまるかどうかは自分が一番よく知っている。
逆に言えば、自分ほど自分のことを知っている人間はいない。
「考える」ということは、他の誰でもない、自分に最適な答えを見つけ出すことになる。
そして、それが一番の近道となる。
自分にしっくりこない猿まねをしていても、いずれは元の道の戻ることになる。
何度も、回り道してみて、初めてわかることなので、説教ぶるつもりはない。
これは自分の場合はそうだったという報告。


考えるとは文字通り考える。
何かを参考にすることではない。
本を読んだり、教えを請うことでもなく、友達に相談にのってもらうことでもない。

目をつむり、自分の頭に思い浮かぶことと、観察した細部を思い返し、無理にでも異なる視点からみたりして、いろいろと熟考してみること。

普段、いろいろな情報をインプットしている人は、情報をインプットしないで、自分の中にある情報だけを相手に、自ら答えを模索するのである。




(これに関して、良いトレーニングになったと思うこと)
まず、思考をその場でメモしていくこと。
Twitterではない。
人につぶやくのではなく、思いついたこと感じたことをいつでもメモできるように小さなノートとペンを持ち歩く。
おすすめなのは、コンビニでよく売っているコクヨのキャンパスノートの5号(105×148)。
ポケットに入るので便利。
これより小さいと携帯には便利なんですが、書きにくくなります。
また、電源を入れる手間やキー操作を考える必要がないので、思考を妨げることがありません。

ペンは、ボールペンなどでインク漏れが防げるキャップ付きが良い。
芯が折れない工夫ができるなら、シャーペンでもよい。
自分はいつもおしりのポケットに入れていたので、シャーペンは折れてしまいすぐお釈迦にしてしまった。

これを起きている間はいつももちあるき、何か思考が動いたときにそのとき感じていること、考えていることを書く。


人は不思議な物で、目に入る物、聞こえる物、ちょっとした単語、皮膚に触れた感触、スピード感、あたたかさ、様々な感覚をとおして、数限りなく連想し、こころがとらわれたり揺り動かされたりしている。
それらについて、無意識のうちに考えているのだが、それを捕らえて書くことで、自分の意識化の動きがわかり、さらに自分の思考過程を把握することに役に立つ。

無意識下の思考をわしづかみにして、意識でコントロールできるようにすることを意識するといいかもしれません。

自分の場合は、
「自分が日常、何を考えているのか」
「いかに思考が関連性もなく飛び飛びになるのか」
「何をきっかけに考えているのか?」
を知ることができました。

これらの行程で得られた物で、一番の大きいと感じる物を一つあげるとすれば、
自分は「何も知らない」ということがわかった。
これは自分の人生に対する姿勢を変えてしまうほど、大きいものでした。

まぁ、偉そうに行っていますが、謙虚さが足りないので、
その後も自分は「知っている」と思い込んでいることが多々あります。
お釈迦様ではないですからね。悟りには達していませんw


大体、数週間で手帳一冊、早いときでは1週間で使い切っていた
これをおそらく10冊は続けたと思う。


次にやったことは、
何かを考えるときに、自分のない面の情報だけを頼りに考える。
「こうだからこう」という常識で考えない。
一つの事を多面的に捕らえ、アイデアをどんどん出す。
アイデアを批判しない。
ようするに、ブレインストームを一人でやる。


○○さんだったらどう考えるか?
その人になりきって、その人の思考パターンで、考えてみる。
同じ人でも精神状態が違うとどのように考えるのか?も考えてみたりする。

とにかくいろいろとシミュレーションしてみる。

そしてなぜそうなの考えるか?を考える。
そう考えている間の過程もメモする。

とにかく、考えて考えて、考える。
メモしてメモしてメモする。


最初はとりとめもなく、ノイローゼのようにグルグルになる。

.....思い出してみると、これは、おすすめできないじゃないですか。
ほどほどに、やってみてください...。

あまりにも答えが見つからないなら、自分の頭の中の情報が足りないことに気がつくかもしれません。
そのときこそ、GoogleやTwitterを活用する時です。
真剣に考えているときほど、一番必要としている情報や本に出会う確率も上がります。
不思議ですが世の中うまくできています。
真剣に頭を使ってない人にはそれは起きません。


不思議ですが、思考というのは、答えにたどり着くことが必然のようです。
どれぐらいかかるかはわかりません、考えることを止めなければいつかはたどり着くような気がします。
鶏が先か、卵が先かという問題に一生をかけるつもりはないですが、どうすればCGのスキルが上達するかを考えるのは多少の時間を使ってもいいかなとは思います。
仏陀も命についてずっと悩み続けましたが、死ぬ前に答えを見つけることはできました。
CGの悩みなどそれにくらべたら、もっと具体性があってわかりやすいですw

徐々に答えがみつかることもありますし、いきなり良さそうな解決策がおもいつくこともあります。
また時間がたったら、それほどぴったりの解決策ではなかったなと思ったり、さらに良い解決策を思いついたりします。

一つの解決策がでたからといって、それに縛られる必要はないと思います。
それも回り道ですが、回り道をしている自分も許してやりましょう。
最初からストレートな思考ができる人なんてほとんどいないですから。

多くの場合、誤った答えにいきつくのは、感情的に影響を受けているときです。
若さゆえの過ちとシャーはいいましたが、若くなくても起こります。


さてさて、勘のいい人は、わかるかもしれませんが、
私がブログは、おおむね上記のように、そのとき考えたことを記録しているということです。

人間の頭はたえず動いているので、いくらでも新しいことが出てきてしまいます。
わすれないうちにと思って、ついつい入力してしまうんですよね...。





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さて、この「毎日Melスクリプトの勉強」以外にもいくつかブログをもっているのですが、
そのうちの一つに、経営に関するリンクやアイデアをスクラップしていくブログももっている。(非公開)

1週間ほど前に、ある記事が気になりスクラップしておいたのだが、
これが、ここ数日、ずっと気になっている。

大体にして意識から出て行かないことには何かあり、意識するしないにかかわらずそのことを考えている。

Nukeのチュートリアルで勉強しているとき、Houidiniの勉強をしているとき、
ここ二日ほどのテクスチャー&ライティングの仕事をしているとき....。

ずっとこの記事のことを考えていました。

それは、比較.comの取締役「中尾彰宏」氏の記事「第8回 「勉強する人が一番怖い」――率先して勉強しまくる医師CTO」です。


この中にある、「4倍ルール」――成長するために人の4倍の速度でやる。
3年かかって成長するなら、4倍の速度、すなわち9ヶ月で同じ結果を得られるようにすると言うことです。

シャー専用よりも早い4倍です。
なぜ4倍なのか?という根拠も書かれていないので、わかりませんが、すごそうなので気になっていました。


最初は、4倍は無茶だろうと思ってリンクをメモしただけなのですが、3日ほどしてから、「スキルアップが4倍で、できたらいいなぁ」と思い始めました。
CG以外にも勉強したいことは山ほどある。
やりたいこともたくさんある。
寿命はもう半分近く使ってしまったので、あまり時間は残されていません。
体力のあるうちに、何かを成し遂げるにはもう残された道はないような気もしてきました。

そこで、実際4倍にするにはどうすればよいのか?
本気で考え始めました。


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<無駄を省く / 一切無駄なことをしない。>

ここで考えるべき事は「無駄」とは何か?です。

無駄とは、一度やったことをもう一度やらなくてはならないということです。
製造業など、同じ事を繰り返すことで生計を立てることを否定しているのではありません。

やらなくても良い状態にできるにも関わらず、もう一度やらざるを得ないということです。

これは細かなことに当てはめると、郵便でとどいた請求書にも言えます。
請求書が届いたら、まず封筒から出し、中身を見る。
また後で払おうと思い、また封筒に入れて忘れる。
数日して、封筒からだし、インターネットから支払いをする。

これは最初に封筒から出したときにすぐに支払い手続きをしていれば、再度封筒からだす手間はかからないとも言えます。
大体は再度封筒から出す前に、探したりする手間が付け加わります。

これらは、数秒から数分のことですが、一生に何回こんなことをするでしょう?
毎月同じようにしていれば一年で12回。10年で120回。
一回、一分を損失するとして120分。
地域全体で同じようなことをしている人が100人いるとしたら、200時間です。

まぁ、そもそもこれを無駄と見るか?という疑問はありますが
4倍にするには、無駄を極限まで切り詰める必要があるかもしれません。
すべての可能性を探ることは必要です。



最重要事項はこれです。
「同じ事を二度やらない」
同じ事を繰り返すことで、その人の損失時間は二倍になります。
4回繰り返せば、4倍です。

これをチュートリアルを通した学習に当てはめると、
DVDもっているから後で見直せばいいやと、ざっと見をしたとします。
60分を使って、見たとしてそこで終わります。
数日して「あれどうやるんだっけ?」と、再度見ようとします(二度目)。
そのために、該当箇所をさがすという無駄(二度目の再生)も発生します。

チュートリアル・ビデオは一回で終わりにした方がいいという結論になります。
で、次に考えることは「そうするにはどうすればいいのか?」とういことです。
極端かもしれませんね。
デモその極論で、さまざまな事を考えるきっかけになり効率化につながるなら
その極論を一度受け入れてみるのも良いのではないでしょうか?


ただ、こうして考えながらチュートリアルを見ると、
真剣度が変わってきます。

細かなことを聞き逃すまいとし、メモをとり、わからないことをはっきりさせるようにします。
ざっと通してみるときにはこんな事はしないかもしれません。
考えをかえるだけで、勉強にに積極的に参加しようとする姿勢ができあがりますね。



つぎの重要事項は、「きまりを守る」です。

また、きまりに従わないことで、無駄が発生することもあります。
仕事が終わったら、報告することになっているとします。
仕事をだれかにお願いした後、いつまでたっても報告がないのとしたら、
再度チェックのためにその人の所に行ったり社内電話をかけます。
本来の「報告」という行為がないために発生した「無駄」な作業です。

信号というルールを無視すれば、事故がおきたり、切符を切られたりという本来必要ない「無駄」が発生します。
それを取り締まる警察官まで準備するとなっては金の無駄にもなります。

要は世の中、無駄だらけってことですかね。


ここから思いつくのは、チュートリアル・ビデオから知識や知恵を吸収する。
「学ぶ」のではなく「吸収」です。
自分のものになり、何も見ないでもできるほどになっていて初めて吸収したと言えます。
その状態がプロとしての姿のように思います。
マニュアルみながらジャンボ機運転するパイロットはいませんよね。
CGはあんちょこ見ながら仕事するするのが許されますが、より高位に上り詰めるなら、やはりプロの態度をみにつけないといけないんでしょうね。


この「吸収する」という過程が決まっていなければ、無駄が多い勉強の仕方になっているかもしれません。
自分なりのパターンもしくは吸収方法を確立すれば、無駄が発生しないということになります。
それがない状態は、信号無視に気がつかないで運転しているようなものかもしれません。

まぁいきなりは無理ですが、なにか無駄なことを省く道筋を見つければ、後はそれに従えば良いだけです。
勉強の仕方の道筋と言うかパターンを身につければ、かなり無駄は省けます。



次に重要なことは、
「すぐ、その場で解決する」

これは非常に難しいこともありますが、基本姿勢は変えてはいけません。
これを崩したら、なし崩しになぁなぁになってしまいます。

先ほどの請求書の話はその場で解決しようとしなかったからこそ、二度手間になっています。
「まぁ後でいいや」というのは大体この二度手間を発生させます。

思いついたとき、処理すべき問題にであったときに解決するようにします。


もちろん、すぐに解決できないこともあります。
しかし、基本姿勢は崩してはいけません。
それは例外処理としてできるだけ早く解決する必要があります。

これを少し変えて、仕事当てはめると、なにかダイナミックスで処理しようとしている。
そういえばあれはあのチュートリアルにあったなぁと思います。
でも、今は手元にチュートリアルがないので後で見てみようと考えることはよくあると思います。
結果的に、たとえチュートリアルが手元にあったとしても数十分から数時間は仕事の進行が低迷します。

一度見たチュートリアルならそのエッセンスをまとめていつでも見れるようにしてあれば、すぐその場で解決できます。
まぁ早い話がノートであり。
みなさんそうしていると思いますが、そのノートにもみやすくしたり、検索性をよくしてあればより早く解決できます。

さらに、チュートリアルの内容をマスターしていれば、ノートを見る必要もありません。
マスターというのは完全に理解している言うことです。

そこまでの状態になるには実はチュートリアルの内容だけでなく、
関連ノードの詳細など、「なぜその操作を行えばその結果が出るのか?」ということを理解しておく必要があります。
当然理解していれば応用も広がります。

チュートリアルでは、ノードの一部機能しか説明されていないことがありますが、少し手間をかけてヘルプファイルを読んでみたりすることで、今現在チュートリアル内で起こっていることの筋道がわかるでしょう。

「これとこれを使って」
「個々と個々を結んで」
といった具体的な操作に頼らずとも、知恵で対処できるようになるのです。
ようするにチュートリアルに頼る必要さえなくなるってことです。




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まぁこんな感じで早足にまとめてみましたが。
具体的に何をするのかは、ケースバイケース。 人によってちがいます。

異なる視点から、異なることに重要性をみつけたほうがわかりやすい人もいるでしょう。

ただ、4倍速にできるのではないかな?と考えるのは楽しいですし、自分で考える習慣をつけるrにも役に立ちます。


ちなみに
思っただけでは何も変わりません。
答えを見つけただけでも何も変わりません。

見つけた答えを行動に移すことだけでが変化を起こせます。

あぁ、めんどくさい....。

などと思ってはいけないんでしょね。きびしいです。がんばらねば

2010年7月11日日曜日

国際化とVFX (その1)

スターウォーズEp1、ヴァンヘルシング、ファンタスティックフォー・シルバーサーファーなどのVFXスーパーバイザーをつとめ、Squires スタジオを経営するScott Squires氏のブログ「EFFECTS CORNER」に興味深いエントリがポストされました。
このブログには、氏の長い経験に裏打ちされ、経営者の立場もふくめた、いろいろなVFX業界の話題が書かれており、以前から、愛読しているブログの一つです。
(といっても英語なので斜め読みw)
他のVFX情報ブログと違い、一つ一つのエントリに重みがあります。



タイトルは「国際化とVFX

私も以前、「フラット化するCG業界」で書いたようにこの話題は、現在のハリウッドVFXの将来を考える上で避けては通れない話であり、人ごとではありません。

結論としては、「すでにこの流れを止めることはできない。
ますます加速していく」というのが現実的な見方ではないかと思っていますが、

Scott氏は、どのような結論に行き着いているのか?
自分とはことなる展望があるのか?
同じ結論に達するとしても彼なりの対応策をもっているのか?
きになります。
今回も、例によって自分のために、少しずつ訳してみることにしました。
(例によって適当な訳ですから、その質については保証できません)


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国際化とVFX

VFXの会社とアーティスト達が直面している一つの問題は、国際化に関する問題だ。
Taxに関する奨励金、世界中で差がある生活費など、ほとんどのフィルム・スタジオは映画の仕事をするために今よりも、より安価な方法を探しています。それにはVFXも含まれます。


このブログは、世界中で読まれています。
この記事は、カリフォルニアの事に偏っているかもしれませんが、いつもビジュアルエフェクツにおける、現在の問題を記録するようにしています。


映画の黄金時代にはハリウッド映画はニューヨークで少しは行われましたが、ほとんどがロサンゼルスで撮影されていました。
スタジオは、可能な限り効率的にするため、映画製作所を設立しました。
もし金曜日に撮影が終われば、月曜日にはまた別の撮影を始めます。
ステージ、セット、バック・ロット(撮影用の土地)、そして、リア・プロジェクションは、スタジオ・ロットの範囲を超えて、広範囲な撮影を可能にしました。
もし1890年代のニューヨークへ行きたいなら、バックロットをワンブロック歩けば良いのです。
も1940年大のミッドウエスト街へ行きたいなら、バックロットの道を左へ曲がればいけます。
多くのロケ地が、スタジオ内の簡単にアクセスできる場所にありました。
そこには、大牧場や、西部の町並みを作ったり、特別なセットを作るための野外の場所もありました。


イージー・ライダー(1969)のような映画で、スタジオは自分達に何が必要かを再び考え直すようになりました。
多くのバック・ロットは短期の収入のために売り出され、より多くの真の場所で撮影がなされました。
いくつかのケースでは、より低価格で、異なる場所を使った撮影ができましたので、これは理解できます。
他の場合には、フィルム内で本当の場所を求めるために、その場所に行くことでした。


スターウォーズや未知との遭遇といった映画が撮影されたとき、ほとんどのVFXはロサンゼルスで行われました。
ILMがカリフォルニア北部へ引っ越ししたことで、その仕事はほんの少し広範囲になりましたが、それでもハリウッドVFXの仕事のほとんどは、カリフォルニアで行われました。
VFXの会社は、その活躍場所の格付けにのせられ、仕事は「能力」、「クオリティー」、そして「コスト」によって契約されました。


VFXのデジタル時代には、いくつかの国と州がVFXを含んだTax奨励金を提供しはじめました。
デジタル時代は、どこにでもセットできるコンピューターとソフトウエアを使うことができます。
VFXアーティストは、どこからでも呼び寄せ、そして少ない尽力でセットアップできます。
VFXアーティストは、基本的を地方で訓練でき、インターネットは仕事を終わらせるために、イメージをどこにでも素早く送ることができるようになり、どこにいてもリビューすることができるようになりました。
スタジオは、いつでも節約を切望しており、失敗がないようにしています。
彼らの視点では、VFXはどこにでも終わらせることができる便利な物なのです。


現時点では、多くの国がTax奨励金、払い戻し、特定の仕事が国内に流れ込むことを条件に映画への投資(Pre-investments)までしています。
いろいろな州でも、数億円に及ぶプロダクションの費用がかれらの州に流れ込むように、Tax奨励金を用意しています。
詳細は大変異なります。 内容によっては、賢い投資にもなり、ばかげた投資にもなります。


続く...

メモ: 1.忍耐 2.優秀な人と仕事をすること 3.謙虚であること

今日は土曜日だが、急ぎの仕事がとれたので、行ってきました。
久しぶりにSantaMonica blvdを通り、Wilsherをドライブして、ビバリーヒルズ、コリアンタウンを通り抜けていった。
このビバリーヒルズを通り過ぎたあたりからコリアンタウンの終わりぐらいまでは非常に道がわるくて凸凹している。
凸凹どころか、中には水平が出ておらず水平が相互にねじれていること頃もある。
以前は、勤務先が近くにありバスで通っていたこともあるが、そのときはバスの運転が悪いから揺れるのだと思っていた。
しかし、自分で運転してみてわかったが、これはかなり道が悪い。
会社に到着するまで約30分。
自分で車を運転するようになって、20年以上だが、初めて軽く車酔いしてしまったw

会社はLAダウンタウンに入る少し手前にあるマッカーサーパークの隣。
道を一つはさんだビルの最上階のペントハウスなので、見晴らしは最高。
マッカーサーパークの巨大な池が一望できる。

仕事は、テクスチャーとライティング。
Mac版Mayaはほとんど使ったことが無かったので、最初の1~2時間は手間取ったが、
だんだん調子がでてきて、おもしろくなってきた。
やっぱり自分はライティングはすきだなと感じる。

それにしてもしばらく仕事にありつけなかったので、仕事があることの幸せを感じることができました。



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Twitterを使い始め、しばらく立ちましたが、
まだRTとリプライの使い分けや、自分のがRTされたことに返事しようかどうしようか迷うこともありますが、
徐々になれてきました。
最初は情報収集のために使おうと思っていたのですが、思ったように情報があつまらず「どうなの?」と思いましたが、
フォローしたり、フォローしてくれる人が増えると、自分の疑問に答えてくれる人もでてきて、すばらしいです。

それに同じようなことに関心を持っている人からの情報がどんどん入ってきます。


そんな中で、あるつぶやきが気になりました。

@tkjuly トイストーリー3の脚本家による成功のためのアドバイス。よくまとまってる。「1.忍耐 2.優秀な人と仕事をすること 3.謙虚であること」

ピンと来たというか、今の自分なら十分理解できると思いました。

<忍耐>
以前は忍耐一筋でやってたような気がします。しかも見当違いのw
一カ所で粘り強くやっていれば、いつかチャンスが巡ってきて、経験もたまり、大きく飛躍できる日が来る!
と思っていましたが、結局他力本願なところがあり、「いつか」は決してやってきません。

この人の言う「忍耐」とは、自分を伸ばし、仕事を得られるようになるまでにいろいろとがんばり続けるということですね。
外部への不満を耐えるという意味もありますが、自分に負荷をかけ続けそれに耐えるという忍耐の意味があります。

前回のエントリで書きましたが、極限までおいつめられると、逆にアドレナリンがでてくるというか、
こうすればいいし、これもいけるしという、自分をステップアップさせていくためのアイデアがぽんぽんでてくる瞬間があります。
すぐれた実業家というのはこんな状況にいつもいるんですかね~?


<優秀な人と仕事をすること>
これは先日の仕事で、特にそう思いました。

とても刺激になり、仕事に対する姿勢や着眼点の勉強になります。
直接、関係ない仕事であっても、そういったのアイデアや考え方は非常に参考になります。
優秀な人は、自分が思いつかないような考え方を持っていたりもします。

それに目が肥えている人が、少し説明してくれるだけで、自分の目が開けてきます。

Twitterもけっこう、そう行った人たちにふれあえる場だと最近感じます。

さて、私はよく「アメリカ人は」と愚痴りますが、本当に優秀な人は、ごまかしをしたりはしませんし、下手な日本人より勤勉です。
そして、自分の仕事に妥協せず、仕事の結果に対して非常に謙虚です。


<謙虚であること>
LAにいると、たまに謙虚であることがばかばかしくなることがあります。(自分の場合)
自己主張と、自己PRだけで実質の伴わない人間が、自分と対等の地位どころかよりよい地位や収入を手にしているのをみると特に不公平に感じて謙虚でいることが、ばかばかしくなることがありました。
主張した方が得、ごね得ならと思い、まねしてみることもありますが、所詮自分の本来とは違う他人からの借り物の態度なので、
うまく行かず、誤解を招くだけです。

「人の意見には謙虚に耳を傾け」とありますが、これは最たる物。
自己主張する前に、その人が行っていることを真摯に受け止め、理解しようとする努力が必要です。

・・・しかし、謙虚に耳を傾けていても、こちらの受け答えがわるいと、「こいつわかってないな」と思われてしまうのは嫌なんですよね。
まぁそんなことを思う奴はあいてにしないという方法もあるんですが、
習慣の違いからか?ちょっとした言葉の使い方によって、誤解されてしまうことが多々あります。
このあたりは、克服しないといかんなと思います。

しかし、日本から来たばかりの頃はもっと謙虚だったと思う。
きつきつの会社勤めから解放されて、謙虚さを少し失ったようだ。
気を引き締めなければ。

「謙虚」ということば、今度じっくり調べてみよう。


上記三つの事は、企業の規模には直接関係しないのですが、やはり社長やスーパーバイザーが優れた会社でないと、良い仕事が継続してとれず、会社のテンション下がってきます。
概して、小さなプロダクションや貧乏なプロダクションは、上記のことから外れてくるような気がします。
 もし、気がついたら、そのような会社からは早めに出た方が将来の自分の為になりそうです。







さて、最近思ったことで、デモリールについて付け加えることが一つ。

就職に関する物ですが、
当たり前のことだが、「技術的な面の可能性よりもアート的になにができるのか?(結果重視)」を見られていると思います。

ようするに「技術的にこの人ならこの程度のことはできるだろう」と見なされると言うことはほとんど無いということです。
以前に、ある仕事でうまくいったことを再度やらされるとか、デモリールで見せていた仕事が舞い込むという話をしたことがありますが、それが裏付けとなっています。
要するに以前やった仕事であれば、アートとしての映像に、具体的な結果がだせるということを証明してるからです。
まぁたしかに、資格をいっぱい持っていて、有名大学をでているからといって、優秀な医者だとは限りません。
なので、どれだけ苦労して、「このショットを作ったから、こんなショットも時間さえもらえればできるよ」ということを理解させても、仕事につながることはあまりないでしょう。


世の中、結果が全て、そしてこの業界は「映像作品」が結果です。

自分がやったことのない仕事が、本来やりたいことなら、そして仕事ではそれができないなら、
自分の時間を使って、「作品」を作り上げなければ、いつまでたってもチャンスはやってこない。

そして、デモリールにある「作品」が、自分がやりたい仕事に使われるものと類似してなければ、仕事が得られることもない。

これが今の自分のでもリールの弱点でもあると思いました。

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さてさて、今日の職場で知り合った人と話してたんですが、アウトソーシングの流れについてどう思うかを聞いてみました。
二人はフリーランサーだったのですが、それほど心配はしていないようでした。
というのもアウトソーシングされているのは、ロトスコープや、インビトゥイーン・アニメーション、トラッキングなどの、技術的には難しくなく労働的なしごとがほとんどだからだとい見方からです。
いわば、もっと技術的、アーティスティックな面に集中できるのでよいのではないか?ということでした。
また、時差の問題も上げていました。
やはり時差のある国と働くのは、それほどやりたいことではないと。

これが、楽観的な見方なのか、それとも現実としてそうなのかはわかりませんが、現地のネイティブが感じていることが聞けて参考になりました。

 ただ、大手の会社が支部をもつのは、教育やパイプラインを持ち込みますからアウトソーシングとは違い後で、ボディーブローのように聞いてくる可能性があります。
たぶん、あと6~7年もすれば海外でそのような大手の会社で経験を積んだ人が自分達の会社を立ち上げ始めると思いますので、そうなるとアウトソーシングの内容も一段階あがってくる可能性があります。

2010年7月10日土曜日

やっと仕事にありつけた。

6月22日に最後の仕事を終えて、約3週間。
やっと仕事にありつけました。 といっても土日だけ(運が良ければもう少し)の仕事。
仕事内容は、テクスチャーとライティング。

ここのところ、就職サイトでしったところに応募すると同時に、知り合いにメールを出しまくって、仕事内科聞いてたんですが、そのうちの一人。
以前一緒に働いた、友達の紹介で今回の仕事にありつけました。
かなり小さいところで、給料はこの額で一ヶ月続くときついなぁ という感じですが、それでも背に腹はかえられない。
無いよりはかなりまし。ありがたいことです。

他には、3月頃働いた職場がもしかしたら来週中頃から仕事があるかも?!というメールが!!!
しかし、この会社そのときの給料を一ヶ月分、未だに払っておらず、今回の窮状を招くおおきな一因となっています。(残業が多かったので額が大きい)
仕事がとれそうなので、来週には少し払えるかもなどと行ってますが、どうなることか。
仕事がないので、今回も再び支払いが遅れるとしても、貯金と考えて仕事をしてもいいのですが、とにかく今はお金が必要。。。。
 
Motion Theoryからも再びトラッキングのラブコールがw
自分は「トラッキング・アーティストではない」 と前回返事だしているにも関わらず、まったく聞いてないw
あまりトラッキングは気が進まないのですが、無いよりはまし、こちらもとりあえずOKの返事しておいたww

もうひとつは、今月末からですが、友達の会社でもしかしたらモデリングの仕事ができるかも。

まぁこんな感じで、レスポンスがない状態→ 多少レスポンスが得られる状態 →結果(仕事)が得られるレスポンスへと流れが変わってきました。
 今、現在作っている新しいデモリールを月曜日に配布する予定なので、それによってまた少し流れがかわってくると期待しています。


新しいデモリールは、いままでのものを再構成し、新作二点を追加。
これからの就職活動にあわせて、より劇場映画作品を前にもってきました。
そしていくつかダブっているような物は削除して短くしています。


しかしながら、 現時点では、小さな企業で働くことが多いのと、作品の少なさから、ジェネラリストとして理解してもらうには、どうしてもTVっぽい作品は残さざるを得ませんでした。

そのような会社には、そうしたほうが、うけがいいのです。逆に劇場作品やクオリティーの高い物ばかりにすると、(あまりもってませんが) 小さい企業は人件費を気にしてひいてしまうところもあります。
そうしてみるとジェネラリストとしてのリールと、FXアニメーターとしてのリールはわけて作った方がよいようです。
両方を含めると、どうしてもどっちつかずな物になってしまいます。

 今回はかなり短くなったなぁと思って満足して一度終わったのですが、Breakdownを作成しているときに、のせようと思っていたのに入っていない物があるのを発見。
現在、修正中です。
Vimeoのアップロードは一週間に500Mbまでですが、すでに350MBつかってしまっているので、日曜日にならないとアップロードできませんから、まだ少し時間は、あります。



どうも、この時期、この業界はスロー(あまり仕事が無い)で、毎年夏になると、時間はあるが金がない状態になっていたのを思い出しました。
就職サイト情報には、かなりの募集が投稿されているのですが、ほとんどLA以外の場所、またはシーグラフに関係したもの。
特に海外(アメリカ外)での募集がかなり多くあり、それに比べてしまうので、余計少なく感じます。


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まだ危機を脱したわけではないのですが、今回は学ぶことがたくさんありました。
精神的に追い詰められると、かなり見えない物が見えてくるなというのが一番でした。
渡米直後の頃は、とにかくがむしゃらにやっていましたが、そのときの感覚がよみがえったような感じ。

できないと感じることを実現するために、気力だけでなく行動に変えていくことの大切さ。
自分の経歴に対して、おごることなく素直に受け止め、自分が見たくない自分の現実に向かい合うこと。
自分の領域の仕事に関して、自ら進んで責任を受け入れることの重要性。

こういったことを思い出しました。
自分でもうすうす気がついていましたがGCがもらえた、おかげで少し精神的にゆるんでましたw


今は、再び収入が安定して気が抜けてしまうまでに、これらの感覚をできるだけ思い出し。
継続して、気を引き締めてやっていける下地を作っておこうと思っています。

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この前のCM仕事は、なれないクロスシミュレーションでしたが、それ以外にもミスコミュニケーションやら、いろんな事が裏目にでてしまい、おそらく「使えない奴」と判断されたのではないかと思っています。
 実際、結果としては、プロデューサーなどのCGやってない人から見ると、かなり簡単にみえるものです。
実際、最初から製作時のスケールをごまかせば、おそらく4日は早く仕上げられたかと思います。
当初、このような大きなスタジオ(といっても中規模?)に行ったことがなく、ごまかしはいけないと思い、まともに取り組みすぎました。
しかも、最初に渡されたセットアップを変えてはいけないと思い、間違ったカメラそのままで作業し続けたことも、あだになりました。

 なぜあんなに時間がかかったのかプロデューサー側からみれば理解できないと思います。
よくよく、考えれば、スタンドアローンで作業している場合は、最初からごまかししてでもプロデューサーの要求を素早く満たすことの方が、優先すべきでした。


またそれを英語で説明できなくて、相手の言うままだったのも原因でしょう。
周りにすごい腕を持った人が多かったし、英語もままならなかったのでそれに比べたら浮いてしまいます。

こちら(日本でも?)では、自分の落ち度ではないことは、説明してソリューションを提示した方が、好印象を持たれるようで、何も説明しないで時間だけ黙々とついやして、やっとできたでは、確かにあまり良い印象は持たれないでしょう。
日本で、CG以外の仕事をしているときは、結果を出せばそれでOKだったし、途中経過は会議で、そして「説明よりも結果を出せ」それですべてOKというのが、あたりまえの環境でした。
 しかし、今は同じ結果を出すのに同じ時間がかかっても、こちらではそれをうまく説明できる人間のほうができる奴と思われるように思います。
 プロデューサーの立場からすると確かに何が起きているのかをわかりやすく説明してくれる人間のほうが、クライアントなどにも説明しやすいので助かるのでしょうか。
それに、仕事感があまりにも違いすぎる人たち(プロデューサーとアーティスト)が直接は無しをしていれば、その違いをうめる作業が必要になります(通常はスーパーバイザーだと思いますが)

このあたりは、日本で働いてたときとは業界も違うし、ちょっと自分の考え方をかえる 必要がありますね。

自分のやっている事、問題、解決策などをきちんと説明できるようにしようと思いました。
日本の企業で言う「ほうれんそう(報告、連絡、相談)」に似ています。

問題 (問題の詳細を把握し、簡潔にまとめる)
原因 (問題の原因を絞り込み、相手が判断できるだけの情報)
解決策(解決するための方法をできるだけ多く提案する)

これを、CGが理解できない人にも、わかりやすく説明する必要があります。
ここでは、一番よく対象となるプロデューサーを取り上げてみます。
プロデューサーでCGのことをきちんと理解できる人は、ほとんどいません。
皆無ではありませんが、概略しか理解してないか全く理解していない人がほとんどです。


また、相手が気にしている問題に還元する必要もあります。
プロデューサーが一番気にしているのは、スケジュールです。
CGアーティストの立場からすると、解決策が一番気になることなんですが、プロデューサーはスケジュールです。
ようするに 上記全てのことは全てスケジュールにからめて考える必要があります。
スケジュールに余裕があるときに問題を説明しても、プロデューサーは機嫌良く聞いてくれているようで耳の左から右へぬけていることもあります。
たとえ問題が無くとも、締め切りが迫ってくると、プロデューサーは原因を探りたがります。
 このプロデューサーの態度をうざがらずに、ちゃんと立場を理解してあげて、スケジュールの問題に照らし合わせて、説明してあげる必要があります。
どんなにCGに詳しい説明をしても、最後に来る質問は「で、どれぐらいでできる?」ですから。


品質に関してはどうか?
これはケースバイケースですが、CGの質に関しては、満たして当たり前という感じがしますし、大体は満たしてきたので、自分の場合は、あまり問題になることはありませんでした。
プレビジュ段階、アニメーションのチェック段階、最終段階でことなります。
基本的には、前回のクライアントからの注意書きを満たしていれば、OKです。
 逆に、品質に予想外の問題があると、どんな小さな物でも、たちまちシリアスになります。
この判断は、基本的には、クライアント中心です。



というのはクライアントは、CGに関してはプロデューサーよりも理解していないからです。
99%のクライアントは、フォトリアルな物が簡単に作れると思っています。

たとえ、簡単なアニメーションチェックでグレイのシェーダーを使う場合でも、それは仮の物で後からきれいな物に差し替えられるという説明はしておいたほうが良いです。
アニメーションチェックと説明されてもクライアントは「後でこれはきれいな画像(シェーダー)にかわるんだよね?」と念をおしてきます。
これはおじいちゃんにCGを説明するのと同じぐらいのめんどくささがあります。
ただ大体はプロデューサーが対応してくれるので、アーティストとして必要なのは、どれぐらいで最終的な質になるかと言うことをプロデューサーに説明しておくことぐらいです。

(書き出してみるとこれらのことは日本でも変わらないんでしょうね。) 

「問題」「原因」「解決」、これらは英語力のなさもそうなんですが、たぶん日本語でもちゃんと説明しきれなかったと思います。

というのは、CGはほとんど英語環境でしか使ったことがなく、しかもスタンドアローンで1ショット受け持ちでやることが多く、ほとんど人に作業を説明する必要がなかった。
そして英語ができないが最終的には結果を出すということを理解してくれる人がまわりにいたので、説明をする必要もありませんでした。
一番大きな原因は理論よりも経験重視で、どこのアトリビュートを調整したらどうなるかというのが、そのときになるとすぐに思い浮かぶのですが、作業中でないときはちゃんと説明できないことかもしれません。

そのため、日本語で説明する機会があっても、自分の向かい合っている問題の原因と、その解決策を示すことがままなりません。
CGの作業に関しては、自分の頭の中で考えていることが、説明する習慣ができてないのです。

これは、正社員で雇われているときや長期の仕事の場合はまだ余裕がありますが、フリーランスで短期の仕事をするときには致命的です。
とくにLAでは、仕事できなくても口だけは達者な人が多いし、またそれを信頼するプロデューサーも多いので、このあたりは何とかしなくてはいけませんね。

まぁ、今回の大きな原因は、 クロスの知識不足で手間取ったことなので、完璧でなくてもちゃんと見せられる物を素早く作れるようにしようとは、思いました。

仕事が継続できなかったのと、せっかく知り合えた人に好印象を残せなかったのは残念ですが、大き目のプロダクションで働く良い勉強になったので、次への布石になりました。
それに、将来、再度雇ってもらえないとは 限りませんし。 まだまだこれからです!

2010年7月9日金曜日

メモ:Melのループを途中で止めるスクリプト、 そのほか

Melのループを途中で止めるスクリプト

その1
情報元: spx808 (Twitter)
Interrupt a running script

$lock = ( `internalVar -userTmpDir` + "lock.tmp" );
print $lock;

$fileId=`fopen $lock`;
fprint $fileId "Maya lock file.\n";
fclose $fileId;

for ($i=0; $i < 10000000; $i++){
    if ( `filetest -e $lock` ){
        print ($i + "\n");
    }
    else {
        break;
    }
}


その2
情報元:horonig (Twitter)
もっと簡単かつESCでループを抜けられる
if(`progressBar -query -isCancelled $gMainProgressBar`) break;

progressBarコマンド(オンラインヘルプ)


その3
上記ほどシンプルではないですが、同じproguressBarを使ったこんなのもありました。
これもESCでループを抜けられます。
SVENNEVE.COM 「Maya progressBar and interrupting a script loop

global string $gMainProgressBar;
int $maxPBar = 10000;
progressBar -e -bp -ii 1 -max $maxPBar $gMainProgressBar;
for($i=0; $i < $maxPBar; $i++)
{
    if(`progressBar -q -ic $gMainProgressBar`)
    {
        break;
    }
    // here goes you code
    progressBar -e -s 1 $gMainProgressBar; // increases the progress bar
}
progressBar -e -endProgress $gMainProgressBar; // call this when you stop the script or when the script is done


いろいろ手はある物ですね。


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Maya
レンダーパスのコンセプトとテクニック(英語)
Render Pass Concepts and Techniques (PDF)



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Dancing nCloth Cape 
Mayaスタジオ・プロジェクト-Dynamicsの著者SP EffectsのTodd PalamarによるClothのチュートリアル
SP Effectsからはそのほかにもいくつかチュートリアルをだしている。
その中からすでに日本語訳されている「ダイナミックス」以外で、同じ著者によるものは三つある。
Maya nCloth Basics(DVDまたは、ダウンロード) PDF版付き
nClothの基本
金属やガラスなど破壊の表現での使い方。
それぞれのアトリビュートがいかにシミュレーションに影響するかの比較
全シーンファイル付き


Maya cloth for Characters(本または、PDF版ダウンロード)
NclothとNucleusを使ったクロスの基本
ポケットやボタン、縫い目、重ね着といった複雑な上着の作り方
キャラクターに服をフィットさせる方法
クロスアニメーションの修復と微調整
リファレンス用の、動画とファイル付き
ウエイトが設定されたキャラクタ付き

この本のサブタイトルになっている"The Making of Human Food Part I"ですが、
著者の作っているHuman Foodというホラー映画のメイキングであるという意味です。
このほんの全内容がそのメイキングの説明なのか?それとも、作っている間にわかったことをチュートリアル本としてまとめたのかは読んでないのでわかりません。
映画は2009年12月公開となっていますが、どこにも予告動画もないところをみると、途中止めになっている可能性もありです。
氏のブログによると、今年3月にサイト:CG Societyで開催された「B-Movie」というコンテストで、The Killer Shrews(殺人トガリネズミ)という1959年のB級ホラー映画をCGで再現しようとしていることを明かしています。
http://forums.cgsociety.org/showthread.php?threadid=844049
http://forums.cgsociety.org/showthread.php?threadid=844055


Maya Feature Creature Creation: Second Edition(本+CD)
アナトミー・ベースでフォトリアルなCGキャラクタを作る。
筋肉(Muscles)と腱(tendons)を使った物理的ダイナミックス・スキン。
バインド・ツール無しで、キャラクタのリグを作る。
著者によるサイトRenderosityでの説明



著者の「Todd Palamar」氏は、CG業界17年の経験者であり、オリジナルビデオやビデオゲームを多数手がけており、日本のセガで働いたこともあり、アーケードマシン用のタイトルや、PlayStation向けの作品に携わった。
現在はVcom3D,Incでキャラクター・デベロップメントのTDをつとめている。

経歴を見るとどちらかというと、TVや、ゲーム系の方のようで、映画関係を目指すにはものたりない部分もあるかもしれません。
ただ、目の付け所がよいというか、あまり無い分野のチュートリアルを出しているので、nClothやマッスル系を知りたい人には良いかもしれません。


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ポージングとボディーランゲージ
 (Posing and Body Language – Part 1)
ダブル・ネガティブのキャラクターアニメーター「Samy Fecih」氏による
ポーズとボディー・ランゲージに関するアニメーション・レクチャー

キーフレームや、キャラのセットアップという多少的外れなものではなく、アニメーションの原則という堅苦しいないようでもなく、日常生活の中でどのようなことに着眼すべきかという「目」をきたえることについて説明しています。
まだ全部は読んでませんがアニメーターでなくても十分役に立つ内容のようです。


著者の経歴を翻訳し、一部情報を追加しておきます。
Samy Fecih氏は、オンラインのアニメーション学校「Animation Mentor」で学んでいる間にTVシリーズで働き、その後、AtttudeStudioで「9」の仕事を経た後、ロンドンへ移住、フレーム・ストアでアバター、怪獣たちのいるところなどを手がけ、キャラクターアニメーターとしてダブルネガティブに移籍、ソーサラーズ・アプレンティス、アイアンマン2などにキャラクターアニメーターとして参加。
2009年からはアニメーションを教え始め、「Bring Your Own Animation」というイベントをロンドンとパリで毎月第三月曜日に開いています。
これは、これからアニメーション業界に入ろうとしている人ならだれでも参加でき、自分の作品をもってきてプロの方に評価してもらえるというイベントです。
さすが急成長のロンドンという感じですね。こんなイベント、LAでもやってもらいたいです。


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フルイドシミュレーション・プラグイン
Exocortex TechnologiesのSlipstreamVX
ただしソフトイマージュ2010用

2010年7月8日木曜日

子供に絵をおしえるには

子供ってのはおもしろいというか、すごいというか、本当に小さいときからいろいろと教えると、すぐに覚えていくんですよね。
しかも、大人顔負けですごいことをしたりします。

5歳ぐらいまでの子供を持つ、普通の親なら、「うちの子、頭いいな」 と素直に感動することは一回や二回は、あったと思いますし、口にはしなくても「才能があるのではないか?」と少し本気で思っている人もいるんじゃないかと思います。

自分も見てきた感じでは、どんな子供も、その子供なりに非常にすぐれた能力をある一面で発揮する事があります。
ただ、日常のあまりにさりげないときに、その一端が垣間見られても、ほとんどのケースでは、それを見過ごされたりすることが多いように思います。
また、その現れ方によっては、社会的には受け入れられない挙動だったりして、周りの大人からは、無視どころか否定されるケースでさえあります。

子供の言動を否定し、矯正しようとするのは簡単ですが、能力をつぶさないようにそれをする必要があると思っています。


また、どんなに優れていても、「年齢の割には」という但し書きがつきます。
その面をそのまま伸ばしてやることができなければ、年と共に他の子のほうが優れていくこともあります。
こういった能力の目は、非常に早く詰まれてしまうように思います。
というのは、実際に、定型化された幼児教育や、大人の観察眼をおしつけるのが教育と勘違いされている面があり、それに沿わない物は、無駄と思われることも少なくないからです。

特に最近は幼児早期教育がさかんで、一律化の傾向は、強いように思います。
早期教育には、興味がなくても、普通の親なら発達教育は、必要と感じると思います。
個人的な感覚ですが、この発達教育には、この一律化の傾向が強いように感じています。


実は自分の親もそうでしたが、しょっちゅうコース教材を買ってました。
学研の科学と学習をはじめ、小中学生には自宅学習の教材、月刊誌など。
実際の所、勉強嫌いの自分には活用できず、ほとんど金の無駄でした。

実際に自分にとって何が役に立って何が役に立たなかったかを、幼児期の自分にもどって肌で感じていたことを思い返す。
そして、それが本当に自然な人間の発達に結びついているのか?
これが自分の教育方法の基準となっています。

そして、根本において、これは人に何かを教えることと同じで、幼児の場合は語彙や経験が少ないので、それを多少加味してやる必要があると思っています。


そんなわけで、うちの子供には、まず自分で判断して結論を出すことを、教えるのではなく、感情的に体得できるようにしてきました。
これは吸収力の高く、あとから自己修正がしやすい「幼児」にしかできないことかもしれません。

 大人だと同じ方法をとっても、自己否定や、社会の許容性を考えて単純な結論がでずに、ぐるぐしたり、自己の思想や感情にしばられて自分を変えることができにくいのです。

自分で判断すると言うことは、周りの状況を冷静に見る必要があり、親ができる事は、もっと冷静にみれるように助言したり、指し示してやることぐらいです。
まぁ実際の所、二歳を過ぎると、子供の自我が強くですぎて、周りとの関係を考えるとたえず、そうするわけにもいかず、しかったりすることも増えてくるんですが、しかることをやりすぎると親もそのやり方になれてしまい、いつしか子供への助言を忘れてしまいます。

我が家も例外ではなく、いつしか子供の態度矯正のために、脅すような言い方を使うようになっていました。


そこで、最近は以前やっていた観察に基づく判断というのをもっと取り入れてるようにし、何か問題のある言動をしたら、助言をし、自分で判断するための材料を与え、結論をだすまでに余裕を与えるようにできるだけしています。
実際の所、モンテッソーリ教育の基礎として子供の考える速度は大人の5倍以上だそうです。
それを「早くしなさい!」「どっちなの!」とせかしても、無駄もしくは「自分は遅い」という自己否定もしくは、親任せにする子供になってしまうように思います。



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エントリのタイトルとずいぶん違う内容からはじめてしまいましたが、実は絵を描くと言うことにも自分なりの考えがあって、いままで積極的に教えることはせず、自分で観察したことに基づき、描くようにさせていました。

たとえば、よくあるクルマや人、家といった定型的な線画イラストの描き方を教えない。
しかしながら、うちの嫁さんが知らない間に教えていたり、友達が書いているのを見たりして、少しづつそういった絵を描き始めました。
そもそもうちでは絵本を毎日読んで見せているので、その弊害?もあります。
また、幼稚園でも習ってくるらしく、最近はすっかり線画です。

特に以前知人にもらっておいてあった、タンタンのシリーズに最近はまっています。
タンタンには、拳銃、矢、大砲、剣、殴り合い、爆発といった危険な要素がいっぱいで、基本的にうちでは見せるのを避けていた物が、この本にだけは大量にあるからですw
幼稚園のお友達は、TVからこういったものをよく知っており、その友達から聞いて知っているようで、子供同士の遊びも剣の戦いや拳銃の撃ち合いなので、うちの子にとっては最高に興味がある部分なんですよね。
それに、飛行機、船、ロケットといった大好きな要素もいっぱいあります。

どのようにはまっているかというと、さすがにストーリーは難しすぎますし、まだ字も読めませんから興味のあるコマをみつけては(大体は拳銃が出ていたり殴り合いのシーンw)説明をねだります。
それから、絵本を参考に、たくさんの絵を描きます。
大体一日に5~10枚は落書きしており、この前のエントリで説明したようにピカソ的手法で、1~2時間ぐらいは描いてます。

実はこれだけなら、良いのですが、来週からうちの嫁の兄弟の家族が一ヶ月ホームステイする予定なのです。
自分がすこし戦々恐々としているのは、その一番下の小学四年生の男の子。
この子がかなり暴れん坊で、言動も激しく、また自分の考えを押しつける傾向があるのですが、うちの子はその子が大好きで、日本に返った時も、ぴったりマークして遊び続けてました。
その子のまねが抜けるのに約2ヶ月。
しかしそのときは約1週間ほどしか一緒にいなかったのにそうでしたから、一ヶ月も同じ屋根の下にいたらと考えると恐ろしい...。

これと絵とどう関係があるのか?
というとうちの子が落書きしているとかならず「こうしたほうがいいよ!」とかいろんなアニメ要素をてんこ盛りにして指導するだろうと言うことが目に見えているからです。

ここは、そろそろ、陰影を主体にした観察眼を、先に教えておいた方がいいかなと思っています。
なぜ陰影かというと、線画は輪郭しかみていないからで、それは一要素、しかも非常に限られた要素でしかないからです。反面、輪郭は非常に強い要素で、絵を支配し、その書き方にいったんとらわれるとそこから抜け出すのが難しいのではないかと思っているからです。

 それに比べて陰影を主体にした絵の書き方は面です。
こちらのほうが、自然ですし、自分の先入観を取り除いて真に観察する必要があります。


これらは自分の勝手な思い込みかもしれませんが、とりあえず考えていることです。
 

もう1週間も残っていないのですが、幼児に何か教えるにはファースト・インプレッションが非常に大切です。
これは良いことも悪いことも同じです。
そして良いインプレッションと悪いインプレションの区別はありません。
最初の印象」に従うのです。
特に強烈な印象は、長くついて回り、その子の見た目の性格さえ形作るといっても過言ではないかもしれません。(性格には見た目の性格と、本当の性格とがあると思っています)

幼児は心に残ったことに、非常に強く影響を受けます。


幼児教育は、ファースト・インプレッションさえうまく与えてやれば、自ら動き始めます。
ここがうまくいけば、大体後は順調で、本人も進んでやります。
 たとえ、そのうち飽きてやめても、心のどこかに残っているので、数ヶ月語、数年後に突然思い出したりもします。
そのため、何かを教えるときには、いつも 最初の導入に気を遣い下調べを十分にしてから、ファースト・インプレッションが良い物になるように行います。


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さて、私は工業デザイン学校を卒業したにもかかわらず、プロトタイプなどの立体模型にしか興味がなかったので、絵の法の知識はあまりありません。

もし陰影を主体とした教え方、観察方法の導入の仕方などをご存じの方、アドバイスをいただけると非常に助かります。また参考サイト情報もお待ちしています。
このエントリへのコメントでも良いですし、左枠にあるメールからでも結構です。

とりあえずは、
線と面の概念を教える。
線画という概念を教える。

白い物を観察させ、陰影の概念を教える。

 黒の水彩絵の具と「水を柄にいれられる筆」を使って、単純な陰影を絵にさせてみる。
好きな物や観察した物を陰影(面)で描かせる。
「陰影」「面」で描くという概念があることを教える。
色つきの物を陰影で描かせる。
自分の好きな物がかなりリアルにかけるというインプレッションを持たせることができれば、良いかなと思っています。

 という手順で行こうかと思っています。
以前は、自分が水墨画をならってそれを見せてからやろうと思っていたのですが、時間もなく実現できていません。

2010年7月7日水曜日

ついにマシンが死にました。

といっても古い方のマシンですが。
渡米前に購入したので7年以上になりますから、最近はIDEの一つがうまく動作しなかったり、電源いれなおさないとHDDが回らなかったりしてました。

新しいマシンが届いてからは、キッチンの隅に押しやられ、たまに起動して、VNCで接続していた程度。
いつまでも置いておくわけにはいかないし、ほとんど中にあるソフトも使わないので、そろそろ潮時かと思い、HDDをすべて取り出し、捨てました。

HDD取り出すときにみたら外付けUSB-LANの端子が若干曲がっていたので、もしかしたらただのLAN接続だけの問題かもしれませんが、いまさらモニタつなぎ直すのも大変なので、そのまま捨てました。

実は、先日のCMを取り込んで、新しいデモを作っているんですが、一部のデータが古いマシンに入っていたので、取り出そうとして電源を入れたんですが、VNCでつながらず。
おかしいなとおもっていたら、なにやら焦げ臭いにおいが....。

以前、HDDのチップが焼けたときと同じにおいだったので、嫌な予感がしたのですが、今回は大丈夫でした。

80GB、120GB、250GBのHDDが入っていましたが、どれも無事で、データもコピーでき、無事作業を続けることができそうです。

残念ながら今回は、時間がないのでNukeのコンプではなくAEで、行きます。

今は、以前のフォントがなくなって、インターネット検索中。
フォントの名称を覚えてなかったので、探すのが大変です。

わかった...。

なぜ、最近仕事が少ないのか?
やっとわかった。

 毎年のように繰り返されていることだが、忘れていた。
夏休み中の7月、8月は毎年のように仕事が少ない。
業界関係者もバケーションをとる人が多いし、TV番組も、レギュラー番組が休みだったりする。

今回は、予定外の一時帰国があり、多大な出費となったので、
今回は蓄えが無いどころか借金になっているので、かなり危ない。
来月から、新しい学校の支払いも始まるし。

普通の仕事でもするしかないか。 ><

2010年7月6日火曜日

メモ: Wayne Hollingsworth氏のサイト

Moving PicturesのWayne Hollingsworth氏のサイトにMayaのFluidコーナー発見。
参考になるのでメモ。

CGTalkのFXwarsで見事優勝した、Tron Homage: Disk BattleでVFXを担当しています。
 
Tron Homage: Disk Battle from Kiel Figgins on Vimeo.

Fluidは、いままであまり触れてない領域。
ちゃんとしたのを作るためにも、しっかり勉強しなくては。

2010年7月5日月曜日

『パウル・クレー手稿 造形理論ノート』


パウル・クレー手稿 造形理論ノート
 こんな本があるとは知らなかった。

 パウルクレーの直筆ノートの複写など、ほとんど観る機会はないだろう。
これは読んでみたい。

バウハウス関連では、ヨハネスイッテンの色彩論しか読んだことはない(しかも途中までしか)。
色彩論を書いたのはゲーテが最初らしいが「ゲーテの色彩論」の存在を知ったのはずっと後のことだ。意識し始めたのはシュタイナー教育について情報を集め始めた、ここ2~3年のことである。


現代工業デザイン教育の始祖とも言えるバウハウスで行われた教育理論は、哲学的でもあり、芸術と手工芸を取り入れており、付会しそうに根付いている。

そんなバウハウス当時の教師によって書かれた本は、現代のHowToものと比べて難解な物がある。しかし、イッテンの色彩論は、わかりやすい。
 わかりやすいが、その一端を理解すると、ほんの少しだが、宇宙の神秘に触れたような感じがする。



それにしてもこの『パウル・クレー手稿 造形理論ノート』、Amazonで27980円(中古)は、高い。



バウハウス関連ではカンディンスキーの「点、線、面」もずっと興味を持っている。
 1990年代後半には、バウハウス叢書(全14巻)が発刊されており、中古だがリーズナブルな価格で入手できる。



バウハウス叢書には、「点線面」も含まれており、以前も紹介したトリディアック・バレエの創作者「オスカーシュレンマー」の書いた『バウハウスの舞台』(バウハウス叢書4)も含まれている。


いつか、読んでみたいと、ずっと思っているが、簡単だった「色彩論」でさえ完読していない。
たぶん読んでも10%も理解できないことはわかっている。
一冊読み終わる前に、書棚の重しと化すことは見えているので、まず買うことは無いだろう。

どこかでわかりやすく解説したビデオなどがでてくれれば良いのだがw

(写真: トリディアック・バレエの衣装)

メモ:Bunkspeed レンダラ

http://www.bunkspeed.com/move/index.html

2010年7月4日日曜日

ゲッティー・センターで考えたこと

今日も、再びゲッティーセンターへ行ってきた。
土日はどこかへ出かけると思っている子供に押し切られた形だ。
新しい仕事も見つからず、家でぐだぐだしてても仕方がないので気分転換にもなるからいいかとは思って行くことにしました。
(相変わらず仕事募集中です! 仕事情報ある方はご連絡ください!!)


子供は、金曜日に熱を出し、病み上がりだったせいか、めずらしく、お決まりのトラムの5往復も要求せず、中庭でお昼ご飯を食べた後、子供コーナーへ直行して遊んでくれた。



ゲッティーセンターはうちからクルマで十分ほどでのところにあるのですが、LAの町が一望できる山頂にある無料のミュージアムです。
 (駐車場代は15ドル、土曜日のevening hoursの日は5時以降駐車場代も無料)

非常にスケールの大きな建築と、たくさんの花に飾られた庭は、憩いの場所として多くの家族連れでにぎわっている。
そんな中に子供が美術作品に親しむための子供コーナーがある。
いくつかの美術作品をプラスチックの壁に印刷してあり、一部を自分で書き加えられるように空白になっていたりする。

他にもライトテーブルで模写をしたり、お面を作るコーナーもあり、小学校低学年ぐらいまでなら、楽しめる作りになっている。
(だいたいは幼稚園児が楽しんでます)

自分も退屈だったので、子供がお絵かきをしている間に、となりで絵を描いてました。
最初はまじめに昆虫の絵を模写してましたが途中から暴走。
デッサン力の無さがもろわかりですね。



こちらが、うちの子が描いた絵。
ジャンボジェット機だそうです。
この年齢の子供は、印象に残った部分は明確に描こうとするようです。
二階建て、片側二基のエンジンというジャンボの特徴を教えていたので、それがみれます。
また自分で観察した結果印象に残っている部分
●機体横のライン
●前輪部のアーム(正式名称は知りません。「く」の字型の部分」
そして最近異常な興味を示す。
●煙、炎系(後部にみ得る渦巻きのような物、たぶん煙ですね)


ピカソは「子供はみな芸術の天才だ」と言うようなことを言っていますが、確かに印象に残ったことをそのまま素直に絵にして、しかもその部分が強調されている。
最近は、「光るライト」や、エンジンから出る煙や火などが特に強調されています。
これらはいずれも、うちの子供にとって非常に印象に残ったこと。
それをどうしても書き加えたいという感情に従って書いた結果、強調しようとは意図してなかったにもかかわらず、結果として強調された絵になっている。
観る側も、その子供の強い興味と印象を再体験することができる(親だけ?)

描く側の感情と思想の追体験は芸術において非常に重要な要素だと思います。


ピカソの言う「芸術」の意味が少しだけわかったような気がしました。

ただ、自分の子供のが絵の天才だなんて全く思ってませんよw
うちはそこまで、親ばかにはなりきれないんですよね。

まぁ、絵が好きであってほしいとは思っていますが。
ちなみにピカソの10代の頃の絵はこれですからね、ほど遠いです。


さて、ゲッティーセンターには、モネをはじめとした印象派の絵もたくさんあります。
しかも何もガードされておらず、顔をかなり近づけて見ることができます。
もしかしたら、展示用に複製をおいている可能性もありますが、幼児なども気軽にみれるようにしているために、大丈夫なのか?と心配になるほどです。
さすがに、放置はしておらず、各部屋にガードマンがいますので、近づきすぎると注意されます。


今日は、おとなしくしてくれたので、ある程度じっくり観ることもでき、久しぶりの美術に触れて充実した日になりました。


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さて、いつもの癖で、なにも手元にないときは頭の中を動かしているのですが、
今日もゲッティーセンターへ行く車中とついてからもいろいろと思考を巡らせていました。
忘れないうちにメモしておきます。

<投資>
事業への投資というと、ハイリスク/ハイリターン。
ハイリスクなので、当然、選択を間違えると、もうけどころか、投資したお金も失うことになる。
苦い経験と引き替えに、時間と苦労を失うことになる。
また、「金持ち父さん」などの本にあるように、そうそう投資に回せるほどのお金を持ち合わせてはいない。

しかし、人生の中で投資をしない人はいない。
それは「自分への投資」という考え方。

自己管理で、大切な物として金銭の出納を記録するというのが自己啓発サイトなどで、よく見かけるが、
どこかで、これはいいなと思った出納帳がある。

出費にたいして、「浪費」か「投資」かを記録するようにできている出納帳。
自分がおこなった出費がどちらだったのか、考えさせられるようにできている。


「浪費」:金額以下の価値、もしくは将来、役に立たないものへの出費
衝動買いしたものなどがこれに当たる。

「投資」:金額以上の価値、もしくは将来の役に立つ物。
勉強のための書籍、学費など

個人的には「時間」の出納帳のような物もつけて、
「投資」にはお金だけでなく「時間」も考慮に入れた方がよいかもしれないと思う。


さて、投資が将来、すべて生かせるとは限らない。
そういう意味では、事業への投資と同じようにリスクがある。
ローリスクのときもあるし、ハイリスクの時もある。

仕事を辞めて、CG業界へ転職するために専門学校へ通うというのはある意味ハイリスクだ。
また海外へ仕事を求めて進出するのもハイリスクと言える。

どちらも自分が自分自身に行ってきた「投資」である。
しかし、それ以前の投資もあった。

学校の選択、就職先の選択。
それらすべては自分への投資とも見なされる。
全て将来が良くなると考えて、選択し、人生をまかせてきた(=投資してきた)わけだ。

それにたくさんの本を購入してきた。
あえて「購入」と書いたのは、購入してもちゃんと読み終えられなかったり、役に立たなかった本も大量にあるからだ。
生かし切れてない本への出費は、「浪費」とも言える。
このようにそのときは「投資」(役に立つ)

果たして、今までの自分にしてきた投資は、今の自分にどのように役に立っており、
どこが効果的で、どれが効果的でなかったのか?
そういうことを一度じっくり書き出して考え直す機会を持ちたいと思った。

自分のこれまでの投資は成功していると言えるのだろうか?



<富豪>
ゲッティーセンターは、スケールの大きな建物が複数ある
大体において天井が高く、2~3階分のスペースをもった空間になっている。
軽食を食べられるテラスは、3階建て以上の巨大なスペースになっており、ギリシャのパルテノン神殿を連想させる巨大な柱が並んでいる。
どこかのCGコミュニティーでここの風景を写真に撮り、スターウォーズ風の宇宙船発着場にしていたのをみたことがある。
実際ストーリーさえ思い浮かばせてくれるような景観である。

こういった大きな空間だが、壁は全て天然石のタイルで覆われた贅沢な作りになっている。
一般庶民ではこの石タイル一枚買うこともないだろう。

そして、いくつかの彫刻や、デザインされた噴水、水路などがあり、憩いの場となっている。


ここで、お昼ご飯を食べながら考えていたのは、こういった物を実際に購入する金持ちが存在するということだ。
もちろん、ゲッティーのように多くの物を購入できる大富豪はそうそう存在しないだろうが、
彫刻を一つか二つ、購入できる金持ちはもっとたくさんいるはずだ。

もし自分の収入のことだけを考えるなら、そういう金持ち相手に仕事をしたほうが収入につながるだろう。

以前、お金持ちの家を訪れたとき、そこのご主人は、宝石の売買をしていると言っていた。
石を鑑定し、知人にデザインさせて、収入を得ているらしい。
日本とも取引があり、頻繁に日本に行ってゴルフ接待を受けたりしている。
家には日本の企業からプレゼントされたという、80cm以上はあろうかという日本人形がおいてあった。
一階は境目がないのでわからないが広いリビングに、4つほどの応接セットがおかれていた。

超金持ちというわけではないが、それでも一般庶民には手の届かない生活を垣間見ることができたのは刺激になった。

他にも作品作りの関係で、監督屋プロデューサーの家に行ったことがあるが、
いずれも、豪華とは言わないがこざっぱりして、しっかりした作りの家に住んでいる。
日本人の感覚から言うと、決して最先端の設備がととのった「きれいな家」ではないのだが、ゆったり感はすばらしい。
だいたいは、ジャグジー付きのプール、中には温水設備も装備しているプールさえある。


個人的な経験だが、LAにはこのように金持ちに接する機会は、日本よりもずっと高いという気がする。
映画での、成り上がりも多く、人として尊敬できるのかどうかわからない人もいるだろうが、それでも金持ちが多いことには変わりない。


さて、動機が不純だが、仮に、これら金持ちを対象とした、芸術作品を作ってもうけるとする。
では、どのような物を作ればよいのか? どのような姿勢でそれに挑むべきか?

やはり、それは購入してくれる顧客のニーズにあった物でなければ、現世で収入につながることはないだろう。

顧客のニーズを知るとは、
顧客となる人の感じていることを感じ、考えることを考えなければ見えてこない。
服装をまねしてみるとかも役に立つかもしれない。
私のようにアニメや映画の世界とは離れて育った人もいるし、それこそ本当に美術にしか興味を持たずに育った人もいるだろう。
明らかに自分の知っているマーケティングが通用しない世界が存在している。

金持ちといえども、楽をしてなれた人ばかりではないだろう。
それなりに苦労して、大きな責任を引き受けたからこそ、社会からの見返り として収入を得られたわけである。
実際、宝石の売買をしていた人も、多大なストレスをうけると話してくれた。
そういう人だからこそ、心の琴線に触れる芸術に触れ、憩いの対象として、または自分の居場所を確かめようとしているのかもしれない。

LAにいる間に、こういった金持ちと接する機会を増やし、彼らの考え方、どのような物に感動し、興味を持っているのか?を知りたいと思った。
実際に、お金持ちの人たちの苦労や、経験を聞くのはエキサイティングな気がする。



<お金の流れ>
ゲッティーセンターからは海に面したLA一望できる場所がある。
そこには無数の建物が存在し、たくさんの高層ビルが建ち並ぶ。
下の写真は、ちょっと手前が写りすぎ得ていてその絶景感は伝わりにくいが、前方の町並みの、やや右手に海がある。



これらの家、そしてビルの窓はまるで「点」のようだ。
そしてこれらの点には、確実に「人間」が存在している。
まぁ厳密に言うとすべての点に同時刻に、かならず誰かが存在しているわけではないが、
それでも60%以上の点には「人間」が関連しているだろう。

実はこの感覚は、20年以上前に広島で山頂から夜景を見たときにも感じた。
広島市内を観たときに無数の灯りがついている。
そこには必ず人間が存在し、そしてそれぞれに考えと感情がある。
その量を考えたとき、圧倒されるようなボリューム感を感じた。


さて、それら全ての点に、人が存在し、そこには経済活動がある。
ありとあらゆる名目の金の流れがある。

一人の人をターミナルとした金の流れは、多種多様である。
それが企業となるとさらに種類が増える。

これらすべての金の流れを、「線」にしてこの風景に重ねたら、線ではなく「面」に見えるほどの無数の線の集合体となるだろう。
これはとても、把握しきれる物ではない。

把握しきれない動きとは「混乱」である。

ようは自分は、社会の金の動きに対しては混乱しており、その詳細は把握し切れていない。
まぁこれは普通だとは思う。
すべてを把握できている人なんていないだろう。



お金持ちになりたいならお金の動きをコントロールする必要がある。
(「お金のコントロール=節約」ではない。 節約はお金のコントロールの一部だが「コントロール」自体ではない。)

何かをコントロールしようと思えばコントロールしようとする対象を、より詳しく知らなければならない。
より多くのお金をコントロールしようと思えば、お金の流れのいろいろな面を詳しく把握する必要があるのかもしれない。


そしてもう一つ重要なことがある。
前回のエントリにも関係することだが、
お金は非常に感情と結びついたエネルギーである。
感情とは人が持つ物だ。

お金の流れをコントロールしようとするときに、「人間」のこともよく知っておかなければならない。
人を知り、その感情を理解しなければ、その流れは止まってしまうだろう。


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とまぁ、こんなことを考えていました。
どちらにしても、気分転換になりましたw

2010年7月3日土曜日

Lynda.com でNukeチュートリアルを体験 (その3)

これまでのエントリ、その1その2の続きです。

今日はキーイングについて述べてある第5章を勉強した。
後でも述べますがIBKキーヤーの部分については、Foundaryのサイトで全く同じ物をみることができます。


キーイングは、3Dやっているとほとんど関係ないのだが、以前AfterEffectsでコンプをやったときに苦労したことがある。

VFXの魔法を作り出すとき多くは3DCGが注目を集めるが、
3Dではトラッキング
2Dではキーイングもしくはロトスコープ、そして2Dマッチムーブ

が基本であり成功の鍵となると思う。
もちろん、CG、カラー調整、 ライティングなど、様々なテクニックを合わせて初めて、現実味のある映像に仕上がるのだが、以上のことがしっかりしてないと、すべてが台無しになるように思う。

特に3Dにおいてはトラッキングは非常に重要。
これが、うまくできていれば50%はショットが終わったと思っても良いかもしれない。
(あくまで私の経験「=一人で短期で1ショット終わらせるTVの仕事」の場合です。)


同じく2Dにおいてはキーイング。
基本なのだが、これがうまくできていないと作業が進まないし、グリーンスクリーン前で撮影された役者をうまく新しいバックグラウンドになじませることができない。


しかし、いくらグリーンスクリーンをバックに撮影されても、理論通りうまくいくことは、ほとんど無い。

通常の簡単なキーヤーでは、だいたい何らかの問題がでてくる。
キーイングのエフェクトはプラグインも含めて、かなりの種類を試したがうまくいかず、結局はいくつかの部分にわけ、ロトスコープと組み合わせてなんとか作り上げた事がよくある。
それ以降、キーイングには苦手意識がある。
今も、きれいなキーイングを見る度に、この人も苦労したのかな? それとも何かうまい方法があるのかな?と疑問に思うことがある。


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さて、今回印象に残ったのは、DDが開発したというIBKキーヤー。

チュートリアル用の画像なので、個々まできれいにできるのかもしれないですが、それを考慮してもこれはすごい!
以前の作業で、Primatte KeyerKeylightUlitimatteなどは結構、良い結果が得られたが、簡単さと柔軟性という意味では、それ以上かもしれない。

これなら、簡単なコンプはもとより、作業時間的にも自分の作品作りに十分使用できそうだ。

個人的に印象的だったのは、ディファレンスキーの機能。
同じカメラからのクリーンプレート(人物などがない背景のみ画像)が手に入った場合、その違いを計算してアルファを生成することができるのがディファレンスキー。
チュートリアルではグリーンスクリーン画像だが、非常に簡単かつ、すばらしいキーイングできていた。
現実的には、まったく同じカメラからのクリーンプレートが手に入ることは、(あらかじめIBKキーヤー用に計画していない限りは)ほとんどない。
参照:Ayato.com「キーイングの種類



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さて、Lynda.comのNukeチュートリアルは大絶賛だったのだが、今回はちょっと違う。
初心者向けのチュートリアルでこれは無いだろうというポカをしている。

「第5章:Filling in the core matte」
ここのIBKKeyerの説明で、いきなり「core_matte」ノードが出てきたのはとまどった。
(少し前にあらわれる「darks_lights」ノードも同じく)

ショートカットの説明もなく、どうやって作ったのか、どういうものなのか一切説明されてない。
映像が始まった時点でノードグラフの端っこに存在していおり、必要なときにそれを引っ張り出してくる。

このノードはNukeには存在しないし、チュートリアルの中でも一切説明はされてない。

他の部分が良いだけにかなり目立つ失態だ。

チュートリアルムービーで一番きらいなのがこういった何の前触れも説明もなく、
業界では当たり前とされているもの(もしくは説明者しか知らないもの)をポンと出されたり、説明の言葉の中に挿入されることだ。

特に初心者にはこれはきつい
頭の中が真っ白になり、自分は初心者レベルのムービーでさえ理解できないのかと感じ、チュートリアルをあきらめるに十分な動機となり得る。
その後、人によっては英語のレベルが低いから、英語のチュートリアルは理解しづらいと考えるかもしれない(実際はそうではないのだが)

さて、このcore_matteについて調べてみたところ、VFXtalk.comの掲示板にその答えがありました
同じチュートリアルを見ていた人が、やはり同じように疑問に思い、掲示板で質問していました。

要点をまとめると以下のようになります。
コアマットはホールドアウト・マットとも呼ばれ、Nukeの特定のノードでは無く自分で作るもの。
要するにKeyer(Primatteでも他のものでも)でもよいから、簡単にハードマットを作れればよい。



しかしビデオでは、明らかに一つのノードとして存在して(Viewerノードと同じ形)いるが、それについては説明されていない。

この点を補足すると、これはグループノード(グループ化したいノードを選択して、Ctrl+Gで作成される)である。
そのマットを作成するためのフローを別に作りグループ化し、名称をCore_matteに変えているだけだ。
グループ・ノードの形状はViewrの」形状と同じ六角形である。


実はこのIBKのチュートリアルは全く同じ物がFoundaryのサイトにあります。
(QTmovieであり、字幕はありません)
チュートリアルで使用する画像ファイルも含めてダウンロードできます。

2010年7月1日木曜日

Lynda.com でNukeチュートリアルを体験 (その2)

Lynda.comのNukeチュートリアルを初めて、今日で4日。
結構時間を割いているにもかかわらず、メモをとりながらなので時間がかかっていますが、なんとか半分の第4章まで終わりました。

前回のときにはわからなかった点など、ここまでで、このチュートリアルを使ってみた感想をまとめてみました。

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教え方が整然としていて、手慣れた感じがする。
可能な限り画面上の動きで、わかるようになっている
視聴者が混乱しないでついてこれるように、細かなところまで配慮されているという感じ。


たとえば、ショートカットもいきなり使うのではなく、最初は必ずメニューから実行し、
その機能を一通り説明した後に、ショートカットを説明。
その後も、重要なショートカット以外は、メニューから実行することが多い。
ショートカットを使うときには、ここでショートカットを使うと言うことを明確にし、再度ショートカットの簡単な説明をする。
こういったことを何度も繰り返す(時としてくどいぐらい)ので、ショートカットの一覧などを見る必要もなく、
ビデオに集中できる。

また、ほとんどの操作が行われているので、何がおきているのか、何をしているのかがわかりやすい。


RGBのそれぞれのチャンネルを表示するときも、何が起きているのかわかりやすくするために、わざわざプルダウンからRを選び、Gを選び、Bを選ぶというように手間をかけている。

通常のチュートリアルでは、曖昧になりがちなところ(レイヤーやチャンネルの違い)を明確に視覚化している。
一つ一つの手順をさらっと流すのではなく、明確に区切りをつけて、説明している。

あまり耳慣れない専門用語が説明なく急に出てくるが、他のチュートリアルに比べたらかなり少ない。
出てきても後で、説明していたりするので、問題はないともいえる。
(残念ながら、overなど、レイヤーの重ね方に関する用語は解説してない)

カラースペースの項目では、Nukeだけでなく、異なるファイルタイプによるカラースペースの違い、LUT(Look Up Tabel)などNukeに限らずコンポジットという作業に必要な基礎知識も十分な時間をとり、しっかりと説明している。

今のところ迷ったのは、基本的にNuke5.2をベースに説明されているため、Nuke6で新しくなった部分については、フォローされていない。
若干ノード内のアトリビュートなどが違ったりする。
時々ですが、あれっ?と思うときもありました。
他の部分が細部まで配慮されているだけに目立ちましたが、もしかしたらそれもバージョン の違いによるものだったのかもしれません。

ここまでで、つまづいた部分について書いておきます。
第一章の一部で、画像をキーボードのテンキーで移動(ナッジ)する方法。
第三章の「Preprocessing images for the viewer」でのGizmoファイルとinit.pyの保存先。(特にこちらは、明確には説明されずマニュアルを見るようにとの指示のみ。重要なファイルなのであまり自由に変えられるようにするとプロダクションで問題が起きるかもしれないという配慮からかもしれない)
同じく第三章、Bezierノードは、Nuke6ではRotoPaintノードに置き換えられている。操作も大きく異なっているので、ショートカットなどは役に立たない。
しかし描かれたBezierの基本的役割は同じなのでそのあたりはちゃんと見ておいた方がよい。
その後もBezierノードは頻繁に出てくるので、RotoPaintノードでBezierを各方法はマニュアルなどを見ておく必要がある。
これをいい加減にやると後で、つまづくのでNuke6でこのチュートリアルを進めたい人は絶対にクリアしておく必要があると思う。
自分はマニュアルは見ないで、いろいろ触ってBezier曲線を作る方法を理解した。


ここまでやってみた感じでは、ノードに関連した、コンポジットの基礎知識も含めて説明してくれるので、非常にしっかりした知識が身につけられる。
ただ、作例は本当に基本的なことなので、これをみればコンポジッターになれるかというと疑問がある。
あくまでNukeの操作を習得することが目的となっている、それでもあまりコンポジットの知識をもってない人には良い勉強になるだろう。



Essentialと名付けられている通り、Nukeの機能の要点を知るにはもってこいである。


時間が少ないので、結構飛ばしたため忘れている部分や、混同している部分も出てきているが、6章では3Dコンポジットが説明されており、早くやってみたい。

実は3章を途中で飛ばして気になった第4章のCGIのコンポジットのところを少し見てみたが、やはり順番通りやっていった方が習熟度に合っているので、全体の進みとしては早くなると思った。

メモ: CGの歴史(タイム・ライン)

CGI:History

コンテンツ+キャリアという考え方

 奇妙な自作電子楽器による演奏や、おもちゃをプロデュースしているアートユニット「明和電機
中小企業スタイルで活動おしているため、社長の肩書きを持つ土佐信道氏による「社長ブログ

昨日「アートアニメーション」というエントリが投稿された。

アートアニメーションがいかに大変な作業で、いかに収入につながらないかということについて話がされており、その一つの原因として最近のコンテンツ作品の問題(違法コピー・ダウンロード)を取り上げている。

それを付加価値の問題に翻訳しており、非常に興味深い考察だと思った。

強引な言い方をすると、これまで、プラスチックに付加価値をつけて高く売るプラスチック販売会社が、「レコード会社」であった。
紙に付加価値をつけて高く売る紙販売業者が「出版業界」だった。
それは「コンテンツ(情報)」と「キャリアー(物質)」が分離不可能だったから成り立つ商売でしたが、デジタル時代は、それが個人レベルで簡単に分離できるようになってしまった。

ここで同じくコンテンツとプラスチックが融合した「オモチャ」を見てみると、現時点ではそれが分離できない。
「ああ、自分はオモチャを作れてよかった・・・」と思うのは、分離できないゆえ、複製するしかなく、それが即収入になることであろう。



今回はこれをきっかけに考えたことなどをまとめてみた。
例によってグルグルととりとめのない部分もあるので前もってお断りしておきます。

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物質(キャリアー)と分離不可能であれば、商売として成り立つというのはおもしろい。

実際、アニメや映画業界では、昔から作品(コンテンツ)の売り上げだけでなく、
キャラクターグッズをはじめとする「おもちゃ」にその付加価値を乗せて収入を得ている。
中には、それを前提として作られている作品も少なくない。

そういう意味では「おもちゃ」や「本」などの媒体を主体として考え「コンテンツ」はそれらに付加価値を与える、手段ととらえることもできる。
こうなると広告と同じで、人の心を捕らえることができれば勝ちとも言える。

しかしながら広告と違うのは、そこにない価値を「コンテンツ」から容易かつ大量に生み出すことができるということだ。
「広告」は特定の製品やサービスを印象づけることしかできない。無から有を生み出すことを目的としているわけではない。
しかし「コンテンツ」は無から有を生み出すことができる。
これは、いわば現在の錬金術とも言える。


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「キャリアー(物質)」+「付加価値」という考えを、現在のCG業界をとりまく環境に(多少強引だが)あてはめて考えてみた。
雇用する側から見たとき、自分が採用されるのは、自分自身のスキルや経験があるからである。
それをコンテンツと見なした場合、雇用する側からみると自分の肉体はキャリアーである。
コンテンツが「自分独自の物=自分と分離不可能」であれば商売として成り立つ=仕事が得られるということになる。

しかし自分と同じスキルを持つ人が増えた場合、雇用者側から見ると「その人独自の能力ではない=スキルが分離される」ということになる。
それはこちら側からすると仕事を失うことにつながる。

もし、将来仕事を失いたくなければ、自分とは分離不可能なコンテンツを内包する必要がある。
たしかにコンセプトアーティストなどは、分離不可能なコンテンツを内包しており、はたから見ても仕事を失うことはないように思えてくる。

まぁ、こういう分析をするまでもなく、それはわかりきったことだが。



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お金も同じである。

実際の所、お金も、金属または紙でできていて、そこに付加価値をつけただけのものである。
製品としてみた場合、実際の物質的価値は非常に小さいことはわかるが、だれもそのようなとらえ方はしない。

自分もそうだが、多くの人は、私利私欲、感情がいりまじりただの金属もしくは紙と見なすことはできないでいる。
頭でそう考えようとしても、どこかにそういう感情が入ってしまう。

多くの場合、お金は労働と共に手に入れることができる。
みな、お金の持つ付加価値のために働いていると言っても過言ではない。

そしてDVDやCDとの関連づければ、「お金のもつ付加価値」と「キャリアーのもつ付加価値」を交換するということになる。
これは昔は、「物々交換」であり、その原則はお金を使う社会でも変わっていない。
「等価交換の原則」であるw

現代では、お金のキャリアー(物質)面は失われつつあり、コンテンツ媒体のキャリアー(物質)面も失われつつある。

不思議とお金のキャリアー面は失われても、その付加価値(金額の示す価値)部分は色あせることがない。
もともと人はその付加価値に注目していたからとも言える。
非常に人の人生そして感情と堅固に結びついている付加価値である。

他に、それと同等の結びつきをもつ物はほとんどないかもしれない。

しかし、CDやDVDの場合は、物質的価値のほうが優先されて考えられてしまう。
日本では幸い本に関しては、割り引きできないという決まりがある(もしくは制限がある)と聞いた。
それが真実なら、古本以外は価格がさがらない仕組みができていると言うことだ。

CDやDVDに関してはそれがないので、すぐに値段が下がってしまう。
見た目もさほど手間がかかっていないし、同じである。
なので、買う方も中身が違うだけで、なぜこれだけ値段が違うのか理解できないと言うこともあるだろう。


付加価値をエネルギーと捕らえるとすべてはエネルギーのフロー(流れ)となる。
「お金や付加価値の流れが滞る」=(イコール)「経済活動の停滞」である。

逆に言えば「お金の付加価値」と「コンテンツ」との相互の流れを確保できれば、それだけで経済が成り立つ。
これも以前から言われていることを言い換えただけで、みんなそのために四苦八苦している。


しかし「付加価値=コンテンツ=情報」、「キャリア=物質」、「コンテンツとキャリアの分離」、「フロー」、「物々交換=等価交換=相互フロー」というキーワードを元に考え直せば、もしかすると新しい発想は生み出しやすくなるかもしれないと思った。

その一例として、新しい「キャリア+コンテンツ」の組み合わせを考え出すことがある。
現在は以下のような組み合わせがある。いずれも「相互のフロー」という面からみれば衰退しつつあるものだ。

CD/DVD(プラスチック)+コンテンツ
本(紙)+コンテンツ
劇場+コンテンツ
TV+コンテンツ
インターネット+コンテンツ

これ以外の組み合わせが何か考え出せれば、もしかしたら切り口が見つかるかもしれない。
実際、いくつか思いついたが、考えがまとまりきっていないので今回は割愛させていただきました。

ガンマについて

ガンマについて、疑問に思っていたことを調べてみました。

疑問に思っていたことは、

ガンマは、なぜ曲線なのか?
ガンマ補正で数字入力もしくはスライダでしか表示してないガンマ補正は曲線ではないのか?
カーブを直接いじることができるガンマ補正との違いは何か?
グラフを表示していて数字入力できるグラフの場合でも、反比例のグラフなどと違い曲線の変化が推測できにくい。

非常に便利でよく利用するのですが、ずっと疑問だったのはなぜ曲線なのか?
数字しか入力できないのならカーブの形はどのように決められているのか?


<ガンマはなぜ曲線なのか?>
この理由は、以下の参照元からの抜粋で推測できました。
基本的には、ガンマをいじるのは、中間調を変えることが目的です。

実はコンピュータのディスプレイの輝度は入力に対しリニアに増えません。

ガンマ値の違いにより、中間調が意図せず暗くなったり、明るくなったりしてトラブルになる事が多々ありました

なぜガンマカーブ補正が必要かというと、実はほとんどのディスプレイで出力特性がリニアになっていないからです。
つまり、黒 → 白 への明るくなり方が安定していない・バラつきがある、ということです。

(参照元:液晶ディスプレイとカラーマネージメント 編


ようするに中間調を変化させることが目的で、最暗部~最明部の間はなだらかに変化しなければ不自然な画像になる。そのために曲線を使う必要がある。

ということだと思いました。

従って必然的に、数字入力しかできないガンマ補正画面でも、内部での計算はグラフを作るのと同じ計算式が使われている。ことがわかります。

このサイトには、赤みがかかったディスプレイ、コントラストが高すぎるディスプレイではどのようにガンマがゆがんでいるのかも説明しています。

これは、モニターで、ガンマカーブをそのように設定しているというよりも、ハード的な制限や限界から、入力信号を正確に出力できないということで、それを曲線にプロットすると「ガンマがゆがんでいる」と言う意味だと思います。

通常言われるモニターのガンマ補正はこのガンマ曲線を相殺して直線にするためです。
(それに関しても上記サイトで説明してある)

もちろん、最暗部、最明部も変更可能ですが、それをすると階調が失われるため、意図的でない限りは変更されません。
(参照:サイト 南の色白:『ディスプレイガンマの調整』

グラフではなく、数値を入力してガンマ値を変更する場合は、グラフの最暗部、最明部は不変と思われる。これも同じ理由からだと思われる。



<数字入力とグラフを直接いじるのはなにが違うのか?>
参照:サイト Komin's Photos on the Net 「レベル補正」 の 4、ガンマ補正
これはPhotoshopの「レベル補正」について書かれていますが、レベル補正のヒストグラムでガンマの補正をする手順が説明されています。

ガンマ補正とは一番暗い部分から一番明るい部分まで、どのようなカーブ(ガンマカーブ)で変化させるかを 補正する処理で、言うなれば明るさの中間の位置を変更させることになります。

方法としては、グレーのスライダーを左右に動かすことにより行います。
中間部を明るくするためにはスライダーを左に動かして入力レベルの中間の数値を1.00以上とし、暗くする場合は右側に動かして数値を1.00以下にします。(数値を直接入力することも可能です)
この数値をガンマ補正値と言います。
ガンマ補正により画像は明るくなりましたが、最も暗い部分と最も明るい部分は変化しません。



これを読むと、ガンマを数値で指定する場合は、このレベル補正のように、スライダの位置=中間調の位置のことと捕らえることができる。

文章でみるとわかりにくいが実際にPhotoshopで行うと何が起きるかがわかりやすい。
以下のページでそれを見ることができる。
参照:サイト 秋田大学医学部のページ 「明るさの調整(γ補正)
参照:サイト 画像処理ソリューション 「ルックアップテーブル

中間調の位置を変えることにより、ヒストグラムが変化しているのが見て取れる。
簡単に言うとヒストグラム全体が横に広がったり、縮まったりする。
この秋田大学の例をよくみると、ただ単にレベル補正のヒストグラムを横に広げただけでなく、ガンマ曲線に従い、グラフの密の所と粗のところが段階的に分布していることがわかる。

ようするに「中間調の位置」(数値)によってガンマ曲線が作られる。
ガンマ曲線は複雑な数式に従って作られるらしいが以下のサイトにその簡単な説明がされている。
サイト:Osakana Factoryの「ガンマって何?」 の 6. ガンマ補正のしくみ

入力された数字を元に数式に従ったグラフが作られているといえる。
(実際にはグラフ表示は人間へのGUIであり、計算処理だけが行われていればよい)
基本的には、明度を変更することを主体としていると言える。

グラフで点を追加してガンマ曲線を変更する場合は、もっと複雑で、非規則的な変化をもたらす。
これはただ単に明るくしたり暗くするのではなく、不自然な、非現実的な効果を生み出す。
(この場合は、ガンマ値が二つ以上になることもあり、公式も多少変わってくると思われる)




<ガンマ曲線は反比例のグラフのように一定した変化をみせるわけではない>
あたりまえだが、計算式が異なるので、中間点から左右が同じような変化をするわけではない。
なので、グラフだけを見ていると値を0.5、1、1.5、2と変化させても、そのグラフ形状を推測することは難しい。



そのほか
参考:LUT(Look Up Table)
 カーブ形状により、どのような部分が強調されるのかを説明した図


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おまけ
モニタのガンマ補正方法