これまでのエントリ、その1、その2の続きです。
今日はキーイングについて述べてある第5章を勉強した。
後でも述べますがIBKキーヤーの部分については、Foundaryのサイトで全く同じ物をみることができます。
キーイングは、3Dやっているとほとんど関係ないのだが、以前AfterEffectsでコンプをやったときに苦労したことがある。
VFXの魔法を作り出すとき多くは3DCGが注目を集めるが、
3Dではトラッキング
2Dではキーイングもしくはロトスコープ、そして2Dマッチムーブ
が基本であり成功の鍵となると思う。
もちろん、CG、カラー調整、 ライティングなど、様々なテクニックを合わせて初めて、現実味のある映像に仕上がるのだが、以上のことがしっかりしてないと、すべてが台無しになるように思う。
特に3Dにおいてはトラッキングは非常に重要。
これが、うまくできていれば50%はショットが終わったと思っても良いかもしれない。
(あくまで私の経験「=一人で短期で1ショット終わらせるTVの仕事」の場合です。)
同じく2Dにおいてはキーイング。
基本なのだが、これがうまくできていないと作業が進まないし、グリーンスクリーン前で撮影された役者をうまく新しいバックグラウンドになじませることができない。
しかし、いくらグリーンスクリーンをバックに撮影されても、理論通りうまくいくことは、ほとんど無い。
通常の簡単なキーヤーでは、だいたい何らかの問題がでてくる。
キーイングのエフェクトはプラグインも含めて、かなりの種類を試したがうまくいかず、結局はいくつかの部分にわけ、ロトスコープと組み合わせてなんとか作り上げた事がよくある。
それ以降、キーイングには苦手意識がある。
今も、きれいなキーイングを見る度に、この人も苦労したのかな? それとも何かうまい方法があるのかな?と疑問に思うことがある。
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さて、今回印象に残ったのは、DDが開発したというIBKキーヤー。
チュートリアル用の画像なので、個々まできれいにできるのかもしれないですが、それを考慮してもこれはすごい!
以前の作業で、Primatte Keyer、Keylight、Ulitimatteなどは結構、良い結果が得られたが、簡単さと柔軟性という意味では、それ以上かもしれない。
これなら、簡単なコンプはもとより、作業時間的にも自分の作品作りに十分使用できそうだ。
個人的に印象的だったのは、ディファレンスキーの機能。
同じカメラからのクリーンプレート(人物などがない背景のみ画像)が手に入った場合、その違いを計算してアルファを生成することができるのがディファレンスキー。
チュートリアルではグリーンスクリーン画像だが、非常に簡単かつ、すばらしいキーイングできていた。
現実的には、まったく同じカメラからのクリーンプレートが手に入ることは、(あらかじめIBKキーヤー用に計画していない限りは)ほとんどない。
参照:Ayato.com「キーイングの種類」
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さて、Lynda.comのNukeチュートリアルは大絶賛だったのだが、今回はちょっと違う。
初心者向けのチュートリアルでこれは無いだろうというポカをしている。
「第5章:Filling in the core matte」
ここのIBKKeyerの説明で、いきなり「core_matte」ノードが出てきたのはとまどった。
(少し前にあらわれる「darks_lights」ノードも同じく)
ショートカットの説明もなく、どうやって作ったのか、どういうものなのか一切説明されてない。
映像が始まった時点でノードグラフの端っこに存在していおり、必要なときにそれを引っ張り出してくる。
このノードはNukeには存在しないし、チュートリアルの中でも一切説明はされてない。
他の部分が良いだけにかなり目立つ失態だ。
チュートリアルムービーで一番きらいなのがこういった何の前触れも説明もなく、
業界では当たり前とされているもの(もしくは説明者しか知らないもの)をポンと出されたり、説明の言葉の中に挿入されることだ。
特に初心者にはこれはきつい。
頭の中が真っ白になり、自分は初心者レベルのムービーでさえ理解できないのかと感じ、チュートリアルをあきらめるに十分な動機となり得る。
その後、人によっては英語のレベルが低いから、英語のチュートリアルは理解しづらいと考えるかもしれない(実際はそうではないのだが)
さて、このcore_matteについて調べてみたところ、VFXtalk.comの掲示板にその答えがありました。
同じチュートリアルを見ていた人が、やはり同じように疑問に思い、掲示板で質問していました。
要点をまとめると以下のようになります。
コアマットはホールドアウト・マットとも呼ばれ、Nukeの特定のノードでは無く自分で作るもの。
要するにKeyer(Primatteでも他のものでも)でもよいから、簡単にハードマットを作れればよい。
しかしビデオでは、明らかに一つのノードとして存在して(Viewerノードと同じ形)いるが、それについては説明されていない。
この点を補足すると、これはグループノード(グループ化したいノードを選択して、Ctrl+Gで作成される)である。
そのマットを作成するためのフローを別に作りグループ化し、名称をCore_matteに変えているだけだ。
グループ・ノードの形状はViewrの」形状と同じ六角形である。
実はこのIBKのチュートリアルは全く同じ物がFoundaryのサイトにあります。
(QTmovieであり、字幕はありません)
チュートリアルで使用する画像ファイルも含めてダウンロードできます。
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