日本でハリウッドVFXを制作! 「経産省アイディアボックス」 結果:  
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2010年2月27日土曜日

FAQ: 日本でハリウッドVFXを制作!

このページは書きかけです、後ほど内容の一部が改訂されたり、追加される可能性があります。

経産省のアイディアボックスへの投稿
ハリウッドVFXの仕事を日本で受注するための支援
に関するFAQです。


Q0)このようなアイデアには反対です。
Q0)反対の方は是非、反対に一票入れてください。経産省の方が現実の声を考えた上での評価をすることに役立ちます。もしよければその理由をコメントしていただければ、アイデアの欠点をみつけ、新たな道をみつける上でも役に立ちますのでぜひご協力下さい。できるだけ公平で、多くの人の利益を考えたつもりですが、個人的な経験が見過ごしや、欠点は存在すると思います。
賛成する人は多いと思いますが、反対する人の意見は状況を冷静に見ている場合がありますので貴重です。
経産省のサイトにはユーザー登録が必要ですが、名前はハンドル名(仮名)でかまいません。


Q1) これは特定の企業、学校、団体による営利活動ですか?
A1) いいえ。私(melon)が個人で行っている非営利活動です。私自身、一人のCGアーティストであり、企業経営者ではありません。
このアイデアを得たときに個人的に望むんでいたことは、帰国したときに同じ仕事を続けられる可能性がほしいという望みがあります。しかし、それが達成されるには時間がかかると思いますし、他にやりたいこともあります。そのときまで今の立場で同じ仕事を続けているかどうかは分かりません。
ようするに個人的利益となる可能性は少ないのではないかと思っています。
この活動を通じていろいろな人とお知り合いになれて、そちらのほうが自分にとっては大切な財産です。利益を得たとすればその点でしょうか。金銭面ではゼロ円です、いろいろと文章を書いている時間が削られているので、マイナスともいえますw


Q2) どうしてこのような活動を始めたのですか?
A2) 最初は、ハリウッドで仕事が減少したにもかかわらず、アメリカ国外では仕事がたくさんある状況を疑問に思ったところからはじまりました。調査するにつれ、ハリウッドのアウトソーシングの実態がわかり、日本だけがそこから外れていることがわかりました。
またハリウッド映画を作成しているプロダクションは必ずしも大プロダクションばかりではありません、日本でもよく知られたプロダクションでは、日本の大手よりも小さな会社さえあります。
それでも第一線で活躍していますが、それは技術的な物ではなく、パイプラインなどVFX/CG制作に対する考え方やノウハウの違いです。
日本は、そういったことを身につけるだけで、その市場に参加できると思い、経産省への支援を求めたのが始まりです。


Q3) なぜ本名を出さないで活動するのですか? 名前をだせば信頼性も高まり、より協力が得られるように思いますが。
A3) いくつか理由があります。もともとは、個人的なブログからはじまりました。あまり近い人に知られると、思ったことを気兼ねなく書き続けることができなくなる性分です。そのため本名をかくしてブログを書いていました。信頼のおける一部の人には私が誰であるか伝えることもありますが、これからもきがねなくブログを書き続けたいので一般公開はしていません。
もう一つは、ハリウッドで働いているというだけで、日本の方には、ある程度神聖視される傾向があります。
本名をあかせば、私の作成した作品もわかり、それが日本でも知られた物であればなおさらです。
人でなく、アイデアをみていただきたく。そして冷静に一人一人の人が検討してもらいたかったので、名前は公開していません。各自が現状の問題を自分なりに考えることが新たなムーブメントの力となると思っています。
また、もう一つ付け加えるとすれば個人の売名行為、営利目的ではないということを理解していただくことにつながると思っています。


Q4)melonとは誰か?
A4)日本人、男です。 LAでMayaをメインにTV、映画関係のVFX製作をするVFXアーティストです。


Q4)ハリウッドのVFXは大きなパイプラインをもったプロダクションで作成されているので日本で、仕事を請け負うのは無理がないですか?
A4)ハリウッドのVFXに関しては、数百人規模の大会社だけが作っているわけではありません。たしかに話題となる物は新しい技術が必要となりそれを開発できる体力をもった大手のプロダクションが関わることが多いです。
 しかし、ショットの内容によっては、そのような新しい技術が必要とされないこともあります、その場合は、数十人~100人程度のプロダクションが関係していることも、よくあります。
とくに既存の技術でなんとかなるようなものは、そのようなことはよくあります。
制作時に目指すテイストが日本と違いますし、程度にもよりますが、日本の最新VFXを担当している会社であれば、さほど大きな規模の仕事でなければ、技術的、設備的に対応できるものはあると思います。
  もちろん、そのようなものには、規模が小さい仕事もあり、さほど収入に結びつかないかもしれません。しかし、中規模の物になれば、それだけでも日本映画のVFX予算と同等以上になる可能性もないとはいえません。
また、実績を重視するハリウッドから信頼を得ることができれば、将来大きな仕事を得ることにつながります。
そして、大きな仕事を得ることができれば予算も増え、開発費用がかけられます。このように、ハリウッドのようなパイプラインをもったプロダクションを日本でも実現できる可能性があります。


Q5)日本で製作できれば、どのようなメリットがありますか?
A5)どんな規模の仕事でもいえることは、ハリウッドの質が求められる。「質」とは高品質ということだけでなく、日本とは異なるセンスの質という意味もあります。いままでとは異質のクライアントからの要求や、ハリウッド式の映画製作ワークフローに接し協調していくことで、ハリウッド業界のノウハウが得られます。

また日本のCG業界の活性化できます。
学生も海外渡航という大きなハードルを越えずとも、国内企業で世界的規模の仕事ができるとなれば、手の届く夢になります。
そうすれば士気もあがるでしょうし、成功例がでれば新しい市場に向けて国内企業も動き出すかもしれません。他にもいろいろな方が夢の実現にむけて動き出すでしょう。


以下は推測の域をでませんが、半ば夢や希望の部分がありますが、全くないとはいえないことです。

大規模のプロジェクトになれば大きな予算が入りますので
これにより、開発に費用がかけられます。
これらはコンピュータ・エンジニアやプログラマーの需要を生み、日本独自の技術を開発することに結びつきます。
プログラマーはCGを勉強する人に限りません。
企業や大学が協力することもできますし、その作業からのフィードバックを将来の商品開発にいかすことができるでしょう。それらは、すでにハリウッドで認められた物になり、世界市場にだせることができるかもしれません。
実際に海外のプロダクションではソフトウエアの会社が協力し自社のソフトがより業界にマッチするよう日々アップデートしています。


またこれらの作業から得られたノウハウを国内コンテンツの製作に生かすことが出来るようになります。高品質の物が簡単に作れる経験をつめば、そこまでの質が求められないものならばより簡単につくれるようになる。要するに効率が上がるかもしれません。
現在、ハリウッドの目は漫画やアニメなどの原作コンテンツに向けられていますが、日本人の味をいかしたVFXを売りにできれば、それらの仕事の依頼も来るかもしれません。
 
ハリウッド映画に関わるには、現在、海外へ渡るしかありません。そして日本で高度なレベルに達したアーティスト、学生でさえそれを望む人は増加する一方です。一方、海外で働いたアーティストで日本への帰国を望む人には、仕事を変えるぐらいの覚悟をしておく必要があります。
これら両者を解決し、 人材流出を防ぎ、日本の貴重な頭脳を国内で生かすことにつながります。

ハリウッド品質のCGを日本で制作することがハリウッドでも話題になれば、必ず監督やプロデューサーの視線がより日本へ向けられます。
これは、ハリウッドが日本はハリウッドと対等にビジネス上のコミュニケーションができるということを証明することにもなります。
そうすれば、言語の壁を感じさせないので、もっと多くの監督やプロデューサーのコミュニケーションを促すことが出来るでしょう。
それはコンテンツを売りたい日本の事情にマッチするでしょうし、より多くのCGの仕事を得ることにつながるかもしれません。

フルCGアニメは日本でも注目されつつありますが、同じ3Dソフトとコンプのソフトを使用できるし、基本的な部分はVFXと同じです。
ようするにVFXを作ることでCGアニメに生かせるノウハウも得られると言うことです。

シンガポールは国策でシーグラフを誘致し、ILMの支部を誘致することにも成功しました。その先には自国のアニメ産業を活性化しノウハウを蓄積し、国産のCGアニメーションを作ることにあります。
成功はしませんでしたが、すでに国産アニメを作成しています。


また、当初はハリウッド映画のノウハウを知っている人が必要となります。
そのためには、VFXスーパーバイザーやプロデューサー、パイプラインデザイナー、もしくはシニアレベルのTDやアーティストを雇う必要があるでしょう。
こういった人たちを海外から雇い入れれば、国際交流にもつながります。
また、その人達にお願いして大学や企業での講演をお願いすれば、日本のCG業界にノウハウを取り入れることにつながります。

また大きなプロダクションに育った場合、その規模は数百人になることも十分考えられます。
その地域における経済的活性化に貢献するでしょう。
お弁当屋さん、コンビニ、ドラッグストアといった生活に密着した商売の売り上げに貢献するでしょう。


ここに書いたのはほんの一例です。
まだまだいろいろなメリットがあると思います。


Q5)どうして企業の協力を得ないのですか? 
A5)企業協力を得ようとするといろいろと制限がでるのではないかと懸念しています。特定の企業の利益とならない物は歓迎されないでしょうから。
また、このような冒険は、企業の存続を危うくする可能性もありますので、アイデアが抑圧される可能性もあるような気がしました。
基本的にアーティストと会社経営者の方向性は一致すべきで、そうであることが多いのですが、いざお金が関わってくると、食い違うことは多々あります。
それは欲があるとかそうではなく、日々お金との戦いに密接に関係しているかどうかとの違いだと自分は考えています。そして経営者サイドは会社を存続することに責任があるし、会社が存続できるからこそ雇用がうまれ、アーティストが生きていけます。
ただ、それが現状を招いている一因かもしれません。


Q6)どのような方から協力を得ていますか?
A6)基本的なアイデアを提案したのは私ですが、多くの方からメールやコメントで様々なアイデアを提案していただけました。(一部は私のブログでも紹介しています)
また経産省の方とも、メールを通じてコンタクトさせていただいています。

また今回のアイディアボックスにおいては、 PR不足からご存じない方が多いのが実情です。
期間が短い(3/15まで)ということもあり、多くのかたにご協力をお願いしています。
私の方からは、知人へのメール、ブロガーへのコンタクトさせていただき、ありがたいことに多くの協力をいただいています。
また教育機関、VFX,CG業界のオピニオンリーダーである作家やプロデューサー、監督。 SF業界のライターの方などの一部にもコンタクを取っています。
企業には、直接経営者や社長などにコンタクトをとることは上記A6の理由からしていません。
これはすべての企業にいえることではなく人によるので、もし個人的に、この人なら同意してくれると思われる方をご存じであれば、お話ししてみてください。


学校は、そういった利益からは外れているところもあり、ハリウッド映画に関わる卒業生が増えることはPRにもつながるので、協力は得やすいと考えます。そのため学校関係者には、一部連絡をさせていただきました。
また学生の間で広まれば、数多くの票をあつめることができます。

しかし、私でコンタクトをとれているのは一部です、まだまだ広める必要がありますので是非、ご協力をお願いします。サークルレベルでも大歓迎です。
あいにく内容をシンプルにまとめることができていないので、理解するには時間がかかります。
私としては、3月7日ぐらいまでにできるだけ多くの方に知っていただかないと締め切りまでの票には結びつかないと考えています。

また、コンタクト先情報や、実際にコンタクトにご協力いただける方を大募集中です。
宜しくお願いします。


Q8)言っていることに興味はありますが今の自分には力がないので、何も出来ません。
A8)今回の経産省のアイディアボックスへ是非、投票してください。
その後、3/15までに時間があれば、コメントをお願いします。
それが現時点では最も重要な活動になります。
あなたの投票は決して価値が小さい物ではありません。
この意見をきっかけとして経産省が日本のCG業界を真剣に考えるきっかけとなります。
現時点でCGを勉強中でも将来の自分に関係してきますので学生さんも真剣に考えてください。

また今回の提案がだめだったとしても、将来何らかの形で、日本のCG業界はハリウッドと関わっていくようになると思います。
それにもしハリウッドのVFXに非常に興味を持っているなら、英語力をつけることをお勧めします。
将来、日本がだめでも海外へ出ることも出来ますし、日本で受注できるようになったとしてもハリウッド側とのコミュニケーションに映画ができたほうが良いです。
それにチュートリアルを始め、海外のいろいろなサイトから最先端の情報が手にはいります。
また、近々ハリウッドをはじめ、世界中で使われているチュートリアルが日本語に翻訳されるという動きもあります。そのようなチュートリアルを活用してスキルアップをすることもよいと思います。
このあたりは、個々の判断にお任せします。


Q9)アニメには関係ないでしょう?
A9)伝統的な2Dアニメには残念ながらあまり関係ないかもしれません。
しかし3DCGソフトを利用したアニメには少なからず関係してきます。
それは基本的な部分においてはVFXもアニメも同じだからです。
 実際に今までVFXを作っていたスタジオが立体CGアニメを作成するという動きも出ています。

Q10)アイデアは分かりますが理想論のように見えます
A10)う~ん、ごもっとも。
そもそもこのアイデアは、ある程度調査した物のしっかりとした数値のデータに根ざした物から生まれたわけではありません。
しかも、私は二本の現状については、知人やネットを通して得た数少ない情報しか持っていません。
こういったデータを徐々に調べて、アイデアを固めていこうと思っていたのですが、とりあえず経産省に意見を出しておこう。そしてこれからもたびたび意見をアップデートしていこうと思っていました。
そのため思いつくままに書き留めていったアイデアなので、自分の希望や推測が大半です。
裏付けは後からしようと思っていたからです。
しかしながらアイディアボックスが開催されることになり、アイデアを練る時間はありませんでした。
したがって、時間的に裏付けをとり、しっかりとしたものにもなっておらず穴だらけだと思います。
ご了承下さい。
また、そもそもアイディアボックスは、そのような裏付けがなくとも意見を提出できるということがポイントでもありますし、その意見への反響をしるためのもので、必ずしもここへ提出された意見をそのまま採択するための物ではありません。

また、実際に現実の物にするには、私一人では力不足です。より多くの人に知ってもらい議論してもらうことで、力を持った人の耳に届けばと思っています。


Q11)ハリウッドで使われているCGソフトはどんな物ですか?
A11)規模と作業内容によって違います。
モデリングにはMaya,VFXはHoudiniを使うところもありますし、
エフェクト系では最近3dsMaxをメインにつかうプロダクションもいくつか出ており、日本でも有名なファンタジー/SF大作に参加しています。
Mayaはエフェクトでも使われていますが、最近はHoudiniを使うところが増えてきました。

コンポジットは小さなところではアフターエフェクツが多く使われていますが、最近はNukeの勢いがつよくなりつつあり、ほぼ業界標準になりつつあります。
他にもインフェルノ、スモーク、Avidのような従来の物はまだまだ使われています。
レンダラーにおいても、日本でつかわれているようなソフトがふつうに使われていることはよくあります。
また大きな会社であれば、それぞれ独自のプラグインを開発したり、ソフトウエア自体も独自の物を使うケースがあります。
NukeなどはDigitalDomainで開発され、Foundaryに売られ、現在はKatanaと呼ばれるimageworksのライティングツールが組み込まれようとしています。
ILMでは独自のフレームワークZenoが使われ、ImageworksではArnoldと呼ばれるレンダラーが使われています。

Q12)この案が通れば、すぐに日本でハリウッドVFXが作れるようになるんでしょうか?
A12)それは、起きるかもしれませんし、起きないかもしれません。
既存の企業が自社で対応(英語の対応、ハリウッドとの交渉、製作)ができれば可能性はあります、また仮にある会社がハリウッドとの交渉を初めても、多くの場合は複数の会社が入札しますので、過去の作品の品質をデモリールでチェックされ、請負価格の検討がされます。

一般的には、それらがすべて通って初めてVFXの受注が可能となるので、(例外もあります)ただ交渉してすぐに仕事がもらえるという物でもありません。
ハリウッドの経験ある会社と競争して勝つ必要があるのです。
税優遇措置は請負価格を下げることにつながり、一つの重要な勝因となるでしょう。

もし既存の企業がその気にならなければ、誰かが起業しなければ無理です、むしろそのほうが、最初からハリウッドをターゲットにした起業体制が作れるので、良いかもしれません。


アバター、スパイダーマンのような大作のVFXとなれば、まだ実績がないのですぐには無理でしょう。
実績を作れば将来、大作のVFX市場に食い込んでいける可能性は出てきます。

経産省の役割はそれらを、やりやすくするためのサポートです、経産省がプロダクションを立ち上げて、代わりに受注してくれるわけではありません。

本当は、もうすこしじっくり考えてから実行していく予定でしたが、私が思った以上に反響があったのと、経産省のアイディアボックスが急に開催されたので、考えを練る時間がありませんでした。
なので、私の今回の役割は、日本と世界のCG業界の違いと、日本のCG業界の改善を経産省に意識してもらうことと、日本のCGアーティストに自ら日本を変えていくことを意識してもらうことだと考えています。


実際に、これを実現していくのは、経産省ではありません。
各企業、有志、そしてアーティストです、もし私が力になれるなら可能な限りしていくつもりです。

Q13)2Dアニメータには関係ない事ですか?
A13)そうかもしれません、しかし海外では2Dアニメーションのスキルは3DCGにおいても重視されます。アニメーションと言えば2Dが基礎というのは常識です。
そしてレイアウト、ポーズなども日本のアニメーションは非常にすぐれた特性を持っています。
日本も、海外市場にだせるものを作っていくのならそのスキルをCG業界にもっと取り入れる必要があります。
これから先3DCGで作られるアニメーションが増えたとき、それらのスキルと経験を持った人が重要視される可能性もあります。
また、ハリウッドの注目がさらに日本に集まれば、いくつかの会社がそうしているように2Dアニメーションをハリウッドのスタジオのために作成する機会も増えるかもしれません。

Q14)アクセスアップ狙いですか?
A14)いいえ。もともとは個人のメモで非公開ですが他の人の役に立てばと思って公開しました。
まぁ、アクセス数があがれば人との出会いも増えますし、アクセス数の変化で、いろんな理由がわかって見てるのには、おもしろいですがね。
アフェリエイトから収入を得ようとすれば、アクセス数を気にすることになりますが、やったところで収入は知れてますからアフェリエイトには興味はありません。そんなことに神経使うぐらいなら何もしない方がましだと思ってます。
そもそもアクセスアップ狙いならもっと人の注意を惹く記事はいくらでも他にあります、でも、そういう事すると自分がなくなって人に合わせる事になるので嫌なんですよ。いつも人の注意を惹く物を探さなくてはいけなくなりますから。
実際の所アクセス数がアップすると、思うままのことが、書きにくくなってくるので、また非公開に戻したほうがいいかななどと思うこともあります。人の目があつまるので著作権違法にも気を配らないと行けないですし。

まぁ他の方が興味津々ですので、公開を続けています。
本音としては前のようにのんびりやっていきたいです (/Д`)

パーティクル・インスタンサーの回転速度を特定の期間だけ遅くする

パーティクル・エクスプレッションでrotPPを使って、インスタンサーを回転させている場合。
パーティクルのConserveを下げて、急激に移動速度を落としたり、停止しても当然ながら回転数は落ちない。
エクスプレッションなのでConserveの影響は受けないからだ。

タイムワープの効果を出すためにパーティクルの速度を落としても、これではおかしい。
タイムワープをするときには、カメラがインスタンサーに近づきクローズアップされることも多いので
余計に目立つ。

以前、if分を使って、その回転数を変えようとしたがうまくいかなかったのであきらめたが、今回は時間があるので特定フレームの回転をかえるのに再チャレンジした。

----------------------------------------
まずif文を使うテストをおこなった。
ポリゴンのTorusを作成してz軸を回転させるためのエクスプレッションを作成。
pTorus1.rotateZ += 0.1;

これをフレーム300に達したとき回転を変えるようにしたいので、
まずフレーム300に達したときにフレーム数をプリントするエクスプレッションを作成して、きちんと動作するかどうか試してみた。

if (frame > 300){
$frame = frame;
print ($frame+"\n");
}


これはちゃんと動いたのでif文をちゃんと機能させられることがわかった。
次にこれを回転を変えるために用いてみる。

----------------------------------------
テスト1:
フレーム300に到達したらpTorus2のz軸の回転を0.1にする。
それ以外(この場合は1-299)は回転は1。
if (frame > 300){
pTorus1.rotateZ += 0.1;
}
else
{pTorus1.rotateZ += 1;}



テスト2:
フレーム300~599の間はZ軸の回転を0.1にする。
それ以外(1~299と600以降)の回転は1。

if (frame > 300 && frame < 600){
pTorus1.rotateZ += 0.1;
}
else
{pTorus1.rotateZ += 1;}


----------------------
では実際のパーティクル・エクスプレッションで試してみる。

前準備:
インスタンサーを追加し、パーティクル単位アトリビュートに
rotPPという名前のアトリビュートをvectorで作成し、以下のエクスプレッションを追加。

<Creation> 
particleShape1.rotPP=rand(0,360);

<Runtime before dynamics>
particleShape1.rotPP += 10;

InsatncerセクションのRoationOptionにあるRotationをrotPPに変えておく。

ーーーーーーーーーーーーーーーー
このRuntimeのほうをさきほどのif文と同じようにしてやればうまくいくはず。

if (frame > 300 && frame < 600){
particleShape1.rotPP += 1;
}
else
{particleShape1.rotPP += 10;}

----------------------------------------
うまくいったが、
フレーム数を変更しやすくするために変数を使うように修正。
// put time warp start/end frames.
int $start = 30;
int $end   = 60;

if (frame > $start && frame < $end){
particleShape1.rotPP += 1;
}
else
{particleShape1.rotPP += 10;}


今回はこれでなんとか動作してくれるものができたし、これで支障がないので終わりとする。
本来ならスピードが落ちるまでの時間を調整し、徐々にスピードが落ちるところまで表現したいところなので、それはまた次回までの課題とする。

メモ: 今すぐ見てほしい2009年を代表する14個の自主制作ムービー

ブログ:CreAtelier よりのエントリ
今すぐ見てほしい2009年を代表する14個の自主制作ムービー

学生作品が多いのに、このクオリティーが出せているのには驚きました。

本当に、国や年齢はもう関係なくなってきたように思います。
いままではCGといえば、みなどちらかというと技術を磨くことに注意が向いていたように思います。
しかし、今は技術はほご熟成段階にはいっているので、
これからは、この技術を、コンテンツ表現にどういかしていくか、
そのあたりの能力を磨くことが重要となってくるように思いました。

本日の飲み会

アニメプロデューサーになりたい大きな木」を書かれている5HOTAさんを迎えての飲み会に行ってきました。
実は、5HOTAさんとはブログで知り合ったのですが、インターネットがきっかけで知り合った人に現実世界で会ったのはこれが初めてでした。
ブログやメールで想像していたとおりの好青年で、日米の公平な視点をもって将来を広い視野から考える人だと思いました。

他にも大手プロダクションで働かれている方、アニメーション作家の方などを交え、楽しい時間を過ごせました。食事も大変おいしいところでしたw


いろいろな立場からの意見を聞くことが出来、様々な人が、日本のコンテンツやCG業界を世界の市場に通用するものにしようと考えたり、行動をおこしていることがわかりました。
コンテンツの売り込みの話など、そこまで積極的に展開しているのかとおどろくものもありました。
そして、自分にはまだまだ力がないなとも思いました。

ご本人の許可をとっていないので詳細は伏せさせていただきますが、先日他の方ともメールでやりとりをしたときに思ったのが

日本の現状に危機感を持っている人が多い。
そして
それぞれの立場からできることをすでにやっている。


それらのことは、将来の日本をよくすることにつながることでもあります。
このような人達の草の根的な行動や思考が寄り集まって最終的に大きな力となっていくのだなと思いました。
 
自分が果たしてそのようなことの一部でも援助できるのか?
そのような活動をする人間の一人になれるのか?

これからの日本の映像業界を考えると、そのような人間の一人にならなくては行けないと改めて思いました。

そして、日本にいる方も、もっと広い視点をもって、頑張って欲しいと思いました。

2010年2月26日金曜日

アバターの技術(1):パフォーマンス・キャプチャー

Avatar: Creating The World of Pandora - Simul-Cam
http://www.wired.com/video/avatar-creating-the-world-of-pandora--simulcam/63285040001

アバターの技術は様々なところから注目されているが、実は自分にはぴんと来ていない。
その多くの技術が撮影時に使われる物でポストプロダクション時には、それらはすべて、動きがキャプチャーされたデータだけになるからだろう。
ようするにVFXアーティストである自分のところにそれらが届くときはいつもの異慣れたデータになっているのだ。

ほかには、あげるとすれば立体映像なので、左右の画像があるが、これはアバターの技術と言うよりも立体映画であればすべてあることだし、奥行きに気をつけるぐらいの違いしかない。
確かにアバターを皮切りに、ブームとなったが、あえて現在の新技術の成果でもない。




実際にアバターの撮影に使われた技術はどれうぐらい凄い物だったのだろうか?
上記のリンクにあるビデオを見ていると、ほとんどの技術は、どこかで見たことがある技術を寄せ集めたものだ。
もちろん、精度を高め、応答性をよくした物であろう。

キャメロンは、自分が何を欲しているかを知っており、開発担当者はその要求を満たすまでOKが出なかったという。キャメロンのもつ明確なビジョンは本編だけでなく、VFXの技術にもおよび驚くばかりである。

おそらく、制作に必要な技術をすべて洗い出し、それぞれのクオリティー・レベルがどの程度の物であるかを、明確に考え出していたのだろう。
そして、開発時に先端技術であった個々の技術の微調整を行い、目的の精度、応答性がでるように変えていったのだろう。

一連の情報から、アバターによるキャメロンの革新は、それまで存在はしていたが、ばらばらであったものを集めて、一つの新しい映画製作のパイプラインを作り上げたことだと自分は捉えている。
そしてこれは、映画製作の考え方を変える物で、ローランドエメリッヒが惹かれたものである。

マスコミや一般に騒いでいるのを見ていると、まるでキャメロンがすべて開発したかのように見えるが、そうではない。彼は個々の技術を一から開発したわけではない。
ばらばらに存在していた先端技術で使えそうなものを寄せ集めて、とことん調整して行ったのだと思う。
だからといって、凄くないわけではない、実際その部分が一番大変だと思う。
技術的に何が欲しいかというのを明確に把握してたからこそ、その方向に引っ張って行けたわけで、それだけでも十分驚異的だ。


アバターのパイプラインで用いられた技術には、いくつかの部分に分けられる。

1.パフォーマンス・キャプチャー
2.サイマルカム
3.フェイシャル・キャプチャー
4.フェイシャルパフォーマンス・リプレースメント
5.フィージョン3Dカメラ
(eiga.com 映画ニュースを参照しましたが元記事はなんか説明が混乱して不正確に思います。)http://news.livedoor.com/article/detail/3770950/


今回は、まずこのパフォーマンス・キャプチャーを考えていきたい。

まず誰もが思うのは、パフォーマンスキャプチャーは、モーションキャプチャーの精度を上げた物だろうということだ。
メイキングなどの映像を見た感じでは、モーキャプと違い、マーカーが小さくまた大量にあることから皮膚表面の動きをより細かに取得していることは想像がつく。

しかしここではいつものように言葉の定義から考えてみた。
モーション:運動、動作
パフォーマンス:演技、演劇

このことから考えるとモーションキャプチャーはたしかに演技の動きを捉えることは出来るが、関節の動きがメインで、演技とよぶにはおおざっぱすぎる。

演技とは、関節の動き、筋肉の動きを通して感情や表現を表に出すことである。
参照:演技の基礎
http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Library/3206/message1.html

たしかに関節の動きだけでもある程度は表現できる。
そこに何らかの表情の変化が加わることで、それは格段に違いが出て来る。
それを理解するにはスイスのパフォーマンス集団「ムメンシャンツ(Mummenschanz)」のパフォーマンスを見るとよくわかる。http://www.mummenschanz.com/
参照:Youtube
http://www.youtube.com/watch?v=xe95sn0cN3k

通常のマスクを付けていると、基本的には体の動きで見せることになる。
しかし、彼らの使うマスクは何らかの形で感情を表現することができる、これにより彼らの演技は一気におもしろい物に変わる。

ようするにパフォーマンス・キャプチャーとは動きを通してでてくる感情や考えまでも捉えることを意図していることがわかる。。
これは顔の表情だけでなく、感情の違いによる、筋肉の弛緩など多岐にわたる動きを捉える必要がある。
実際には、これらは機械的にみると皮膚表面の動きに過ぎないので、多くのサンプリングポイントの動きを捉えられるように小さく大量のマーカーを使う事になる。

実際には、ゼメキスの映画でパフォーマンスキャプチャーがつくられたわけだが、簡潔に言えば「フェイシャル・キャプチャー」と「モーション・キャプチャー」をあわせたものである。
参照:パフォーマンス・キャプチャー技術と3Dフュージョンカメラ(究極映像研究所)
http://bp.cocolog-nifty.com/bp/2006/12/jamescameronsav.html

通常のモーションキャプチャーとの違いはHideyuki Tamura氏による「VFX映画時評」に説明がある。
http://www.rm.is.ritsumei.ac.jp/~tamura/sfx/sfxv_content214.html
通常のモーション・キャプチャーなら数台から10数台程度のカメラで身体の主要な部分に取り付けた数十のマーカーを観測するところを,この映画では200台ものカメラを用意している。
マーカーは,ボディ部に約60個に対して,顔面と頭皮には153個も着けてデータを計測している。表情から指先までしっかりと観測し,俳優の微妙な演技をCGキャラに伝えることができるので,これを「パフォーマンス・キャプチャー」と呼んでいる。



「ユナイティッド・シネマ」に掲載されたポーラ・エクスプレスの記者会見を抜粋したい。
Q3.(監督へ)100年後にはどのくらいの撮影規模の映画が出てくると思う?
A. もっともっとシンプルになるんじゃないかな。フィルムはなくなり全てがデジタル化しているだろうね。『ポーラー・エクスプレス』で使った技術はまだまだ赤ちゃんみたいなものだよ。

http://www.unitedcinemas.jp/catch-up.php?c=64
ポーラ・エクスプレスは2004年。アバターの撮影が開始されたのが2008年4月で2009年1月に撮影が終っている。撮影開始された2008年4月には、すべての技術が一通り確立されていたはずなので、ポーラエクスプレスから少なくとも4年は経過していることになる。
まだゼメキスが言うように100年経たずして、パフォーマンスキャプチャーの技術も向上し、全てがデジタル化している。



現在の映画ではパフォーマンス・キャプチャーは小さなマーカーを付けたスーツがつかわれているが、研究段階のものでは、マーカーを使用しない物など様々な物が存在する。

ブログ:「TEDのおもちゃ箱」の「シーグラ日記2008 8月15日」にその詳細説明があったので、引用させていただきました。

●Performance Capture
Data-driven Modeling Skin and Muscle Deformation
モーションキャプチャデータから動きによる身体の震えるダイナミックス表現を生成する事例です。モーションキャプチャでは、格子状にマーカーを配置しています。モーションキャプチャシステムを使用した、動的3Dデジタイザといった感じです。
取得したデータを17の部分に分割し、この動きからスケルトンを生成して、キャラクタのメッシュをアニメーションします。この結果に加えて、格子状のマーカーから肉体の揺れを取得し、局部的な変形表現を行っています。筋肉の表現をRIGで表現する手法とはまた別のアプローチですね。デジタイズ的なモーションキャプチャシステムの使い方が面白いです。

Articulated Mesh Animation from Multi-view Silhouettes
複数のビデオカメラから収録した画像を基に、キャラクタメッシュやスケルトンを生成するモーションキャプチャです。あらかじめ、リファレンスとなるテンプレートポーズを作成して、取得しきれない部分を補っています。またアウトラインによる、形状の補完を行って、ディティールの精度を上げています。こうしたマーカレスのモーションキャプチャは今後、より精度を高めることによって、色々と可能性が期待できると思います。

Performance Capture from Sparse Multi-view Video
カメラから取得した点群を基にトラッキングを行い、動きを生成するモーションキャプチャです。ディティールのついたオブジェクトも一緒に得ることが出来るという点が特徴です。メッシュ取得向けにハイレゾリューション、トラッキング用にローレゾリューションといったように目的に応じて使用するデータを取得しています。
http://www.mpi-inf.mpg.de/resources/perfcap/

Markerless Garment Capture
これもマーカーレスのモーションキャプチャシステムです。こちらは衣類に限定しています。欠損した部分をいかに補かについて研究が行われています。この例では、取得したメッシュに対して、リファレンスポイント(首、裾、腕)を基にマッピングを行い、どのように欠損しているのかを分析することで、欠損部分を補おうとしています。裾や袖口などはマッピングを行ったジオメトリを参照して、再構築されています。
http://www.youtube.com/watch?v=9TQvPcJ25Jk

(2010年2月27日 追記)
飲み会でDDでTDをしている方から、アバターのパフォーマンス・キャプチャーは、ベオウルフのものとは全く違うシステムである。
また、CGにおいても作り込みがすごいので、管理して仕上げていくのはそれはそれで大変Dataだろうというお話を伺いました。

2010年2月25日木曜日

そういえばどうなった? 面接

鍋 潤太朗さんのブログでも紹介されている、通称ピラミッドと呼ばれるSonyビル。まぁそう呼ぶのは一部だけかもしれないがw

そのSonyビルの地下に駐車し、道路を横断して、撮影スタジオの中にはいっていった。
それは、その中の一つのビルが面接場所に指定されていたからです。
これは、鍋さんのブログにかかれているツアーとほぼ同じルートです。
(自分もそのツアーに6年ほど前、参加したことがあるのでわかりますw)

ことの顛末は以前のエントリ「面接」を呼んでいただくとして、今日はその経過報告です。

面接後、週明けの月曜日には返事をいただけるはずでしたが、2週間、音沙汰無しです。
なので、「今回は無理かな?」と思っていました。
通常は駄目な場合はすぐに返事が来るのにもかかわらず今回はなにも無かったのが少し引っかかっていました。
推測できたのは、おそらく仕事のペースが早いので、新たなCGエレメントを増やすよりもできるだけ2Dでやっているうちに、何とかなったと言うことだろうと思っていました。


そして今日、やっと返事が来ました。かなり忙しくて連絡をとれずに申し訳ないと言うこと。
そして、まぁ詳細はわかりませんが推測したとおり今回は誰も雇う必要がなくなったとのこと。
 ただ近い将来、本格的なプロダクションが始まるので、そのときに呼ぶかもしれないと言うことが丁寧に書かれていました。
この対応をしてくれたコーディネーターは大変親切で、こちらの質問もすべてきちんと答えてくれる人でしたので、悪い気はしません。
(こちらの人はメールで二つ以上質問すると答えは1つしか返ってこないことがよくあります。注意力に欠けてんでしょうね。数字を振って5つぐらい質問を箇条書きにしても返ってくる答えはせいぜい3つぐらい。まぁ大体は電話してくれと言われます。)

そして心配していた給料は、問題ない、そのレートならOKとのことでした。
この返事も言葉通り信頼できそうでした。

最後にこちらから出したメールでは、VFXスーパーバイザーのEverett氏のことについてふれてありました。
5年ほど前にみたGnomonスクールでのHellboyのメイキングを見に行って、それに感銘を受けたことと、そしてそれ以降の彼の活躍は知っている。ぜひ一緒に働きたいと思っていたということを書いておきました。(実際思っていたことなので)
 
それについてご本人に話してくれたそうで、以下のように書かれていました。
Everett is quite touched by your admiration.
「エヴェレットは、あなたの賞賛に痛く感動してましたよ」

まぁ「おおおおっ」って感じではないとは思いますが、少なくとも、 悪い印象は与えてないようですw。

結果としては駄目でしたが、近い将来に必要になったときに絶対あなたのことを考えておくからと言ってくれました。(「あなたを雇ってあげる」とは言ってませんので、勘違いしないことが重要ですw


なので、まだ完全に駄目になったわけではありませんが、少なくとも良い印象を残すことはできました。
今回の映画がだめでもまた将来声を掛けてくれる可能性もないとは言えないようです。


とりあえず、そのときのためにNukeを急いで勉強する必要がありそうです。

経産省 アイディア・ボックスに関する活動と反響のご報告(1)

最近はアイディアボックスの準備とかで、大変いそがしく寝不足が続いてましたが、やっと一段落しました。
その間に集めた情報で色々書きたいことも沢山あるのですが、とりあえず現在の活動と反響のご報告です。


-広報活動---------------------------------------
今回の件(日本でハリウッドVFX映画を受注・作成する)に関してまとめページをつくったのはすでにご存知かと思います。

このアイディアボックスはみなさんの真剣度を伝えるために、できるだけ多くの人の意見(投票/コメント)を集めることが重要です。
また時間もありません。
アイディアボックスは約3週間で締め切られます。
締め切りの3/15までに出来るだけ多くの意思表示が必要です。

そのために出来るだけ多くの人に知っていただけるように広報活動をしています。
具体的には、ブロガーの方を始め多くの知人にメールを出してお願いしています。
また、CG業界でも重要な地位にいらっしゃる方にもコンタクトを取らせていただいています。

その甲斐あって多くの方から快いご協力の返信をいただき、大変感謝しています。
これからも、広報活動を続けていく予定ですので、宜しくお願いします。

さてコンタクトをとっった中には、日本のVFX業界でも有名な方がいます。
その方は、すでに日本のVFX業界を改善すべく活動していることを教えていただき、同じ気持ち/考えであることをおしえていただき、大変心強く思いました。現時点では私とは違う部分からのアプローチですが、すでに政府筋ともコンタクトをとっているようで、そのうち具体的な動きがみえてくるかもしれません。(ハリウッドVFXの受注ではありません)
そして決して日本(おそらくハリウッドも)のVFX業界は、楽観視できる状況ではなく何か改善策が必要だということも、話の中ででてきました。
 (ご本人の了承をいただいていないのと、その活動に支障がでるといけませんので、その活動の詳細は伏せさせていただきます)




-アイディアボックスのコメント---------------------------------------
またアイディアボックスにも貴重な意見が、いくつか寄せられていますので、ここでご紹介させていただきたいと思います。

コメント#12----------------------------------------
映画製作においては、スタッフを集め、制作して、完成して公開されそしてメディアになるという現状の流れから、会社に利益として帰ってくるサイクルがとても長いため国内市場だけをターゲットにして行く事に限界があります。

支援していただく事で、きっかけ作りができるのではと思っています。その情報を国内でも共有する事で支援してもらった資産を無駄無く国内で利用し、結果として人材・ノウハウが国内で育てば自立して進むのではないでしょうか?
もちろん自立するためにも、支援に頼るのではなく自分たちももっともっと改善して行く必要はあります。しかし支援を利用してその考える余地を数パーセントでも現在よりも広げたら、違う角度で見れるんじゃないでしょうか?

Pixarのスタジオの形が示している様に、映画は芸術と技術が融合し完成しています。「技術の土台を近づける」「コミュニケーション手段の標準化」のきっかけが、この支援によって実現されると良いのではと考えます。
masaruさん
----------------------------------------

コメント#13----------------------------------------
ハリウッド映画に日本が参加出来るメリットとして
・CG業界に入りたい人材の増加
・日本のCG全体のクオリティアップ
・邦画のCGに対する予算アップ
どれも業界において意義のある事だと思います。
 szm23269さん
----------------------------------------

コメント#14----------------------------------------
まずはドイツ並みに”映画に投資した額を全額経費として収入から控除する”ぐらいはやっていいと思います。
そうすれば海外投資家や企業だけでなく、3Dコンテンツをほしがる国内家電企業も節税対策にもなるため乗ってくると思います。
そして、全制作費の5割を日本国内で消費することとし、スタップも半数以上を日本人(海外在住を含む)として最低賃金を決める。
アニメとゲームも同条件。
さらに、内容は日本および、特定国家、国民を理由なく悪者としないこととし、
また、公開後のTV放映収益等は、一部国民の年金に当てる。
そのため国民も関心をしめし、結果、視聴率も上がる。

・・・・くらいのことをやれば何かが変わり面白いと思います。
newkさん
----------------------------------------

これらのコメントでいただいた情報や意見は決して私一人では考えつかない部分があります。
一見同じことを言っているような部分も、やはり他の人からでた考えは微妙に違うのです。
これは、おそらく経産省の方の心を動かすための後押しとなることでしょう。
個々の方々が意見を出すことの重要性を感じます。
コメントを下さった方にはこの場を借りて、お礼申し上げます。


まだいろいろな人の議論にまでは発展しておらず、個々のコメントに止まっていますが、これがもっと盛んな議論に発展すると、もしかしたらすばらしい意見が生まれるかもしれませんね。



さて、最後に、広報活動のご協力をお願いします。
時間も無いため、私一人では限界があります。

単純に計算して、みなさんが誰か一人を、誘うだけでも二倍の意見が集まります。
その一票が貴重です。

HP、ブログ、社内メール、メーリングリスト、Twitter、Mixi、 学校、飲み会、いろんな手段で是非この活動の存在を広めて下さい。
 また、学校など、いろいろなコンタクト先を探して広報活動をお手伝いして下さる方も募集します。
このブログ左のメールフォームよりご連絡下さい。

アイディアボックス投稿ページ

これまでの情報をまとめた当ブログのページ

経過報告3: 経産省 アイディア・ボックスに関する活動と反響のご報告(2)

2010年2月23日火曜日

アイデアボックスのPRにご協力を!!

アイデアボックスのカテゴリ修正がおわりました。

エントリ「経産省のアイディアボックスへの投票、コメントのおねがい」へ書いたように、どんどん投票、コメントをお願いします。

アイディアボックス


そして、どんんどん広めて参加者を増やすのにも、ご協力ください!!

ご紹介していただくときには上記のエントリへのリンク
「経産省のアイデアボックスへの投票、コメントのおねがい。
 http://shikatanaku.blogspot.com/2010/02/blog-post_7846.html

もしくは、
「日本でハリウッドVFXを製作: 総まとめ」
http://shikatanaku.blogspot.com/2010/02/vfx_9898.html

をご活用ください。

経産省のアイデアボックスへの投票、コメントのおねがい。

<アイディアボックスは3/15締め切りです!!> 

「ハリウッドVFXを日本で製作」するアイデアを、経産省のアイデアボックスに投稿しました。
タイトルは「ハリウッドVFXの仕事を日本で受注するための支援」 です。
https://open-meti.go.jp/ja/idea/00131/
カテゴリは「3.コンテンツ産業の振興」です。
FAQはこちらこれまでの経緯詳細はこちら



<おねがい>
日本のVFXと映画産業全般に関する現状の強みと弱みをご存知の方、またそれに対しての支援措置でいろいろとご意見のお持ちの方は是非、コメントをお願いします。
すでにコメントした方でも、コメントは何度でも追加していただけますので宜しくお願いします。

----------経産省よりのコメント-----------------


多くのコメントありがとうございます。
コメントを拝見させていただいたところ、本件に関しては、日本のVFX、さらには、映画産業全般に関する現状における強みと弱みに関する情報を把握した上で、支援措置についてアイディアを出していただくことが必要かと存じます。
当省でも昨年、映画産業に関する研究会を行い、下記の報告書を取りまとめておりますので、御参照ください。
http://www.meti.go.jp/p...downloadfiles/movie.pdf
----------------------------------------

----------経産省より上記内容に関するコメント-------------
上記については、他の参加者の方から、映画・映像産業に関するお問い合わせが何件か出ておりましたので、皆様の議論がより進むよう、現状について、引き続き情報提供をいただければと思い、書き込みをさせていただいた次第です。
また、税制措置も含め、支援内容・形態について、御提案いただければと存じます

----------------------------------------



----------------------------------------
このアイデアは、簡単に言ってしまうと「日本に居ながらにしてハリウッド映画の製作ができるようにしよう!」ということです。
ワーホリなどですでに海外で働いている人にとっては、帰国したときも仕事を続けることができ、学生にとっては、将来海外にでるとしても、ハリウッド映画のノウハウを国内でみにつけ、将来海外に出るとしても、その基礎を作ることができます。
起業にとっては、収入を増やし自社の設備向上、世界市場へむけた作品作りのノウハウを蓄積できます。


どんどんご参加ください。
投票、コメント。あまり堅苦しく考えず、いまの自分の感じるままで大丈夫です。

投票が多ければ多いほど、このアイデアに力を与えます。
その力とは経産省へ訴える力です。
頭の中で考ているだけで、なんらかの形で、表に表さなければだれにもわかりません。
どうか、恥ずかしがらず、自分の一票など取るに足らないと考えず、また夢物語だと考えず、行動を起こしましょう。
傍観して期待することもできますが、この状況をかえるのは一人一人の意思表示です。
学生のかたは将来の自分に関係します。
少数の意思表示が、無視されてきたからこそ、今の状況があるともいえます
3人寄れば文殊の知恵といわれるように、多くの方のアイデアが集まれば経産省の方だけでは思いもつかなかった、解決策が生まれる可能性もあります。
それがこのサイトの目的でもあると思います。
 

もしよく分からなければ、私Melonにコメント、もしくは、左のフォームからメールをお送り下さい。
どんな質問にもお答えします。

もしこのアイデア以外の物をお持ちの方は、日本のCG業界を改善するためのご自身のアイデアを是非、アイディアボックスへ投稿して下さい。
とにかく経産省に、日本のCG業界の改善を求める意見が沢山あるということを伝えるのが最重要です!!!!
このアイディアボックス以前に経産省の方とやりとりをしましたが、その中で経産省の方は一般に思われているよりも広く、真摯に耳を傾けてくださることがわかりました。
みなさんの意見もちゃんと届きます。
実際、アイディアボックスの状況は、逐次情報が届くらしく、ほぼリアルタイムで状況をご存じでした。

たくさんの方の意見をあつめるために、この意見とアイデアボックスの存在を広く伝えることに、ご協力ください。
友達、先生、親戚、上司、学生、会社員、管理職、フリーランサー、自営業、アーティスト、プログラマー、日本、海外問いません。
是非、ブログ、HP、Mixi、Twitter、メールマガジン、掲示板などでも是非ご紹介下さい。

サイトをお持ちの方はバナーもご利用いただけます。(こちら

この活動と経緯など詳細な情報は、「日本でハリウッドVFXを製作: 総まとめ」をご覧いただけます。
バナーのリンクは、ご自身のサイトで紹介してくださったページでも良いですし、上記の総まとめページもしくは下記リンクの説明ページにしていただくこともできます。
http://shikatanaku.blogspot.com/2010/02/blog-post_7846.html



-----<コメントについて>-----
投票だけでなく、できるだけコメントを書いていただけると、どのような考えをみんながもっているかがより伝わり、効果的です。 簡単なコメントでも結構です。
どうしてもコメントを堅苦しく考えてしまうようであれば、まず投票をお願いします。
掲示板、Twitterと同じように、コメントは新たにいくらでも追加できます。


特に、企業経営者、プロデューサーなど有識者の視点からの意見は経産省でも参考になります。
現役の方は当然ながら、これからの将来を背負って立つ身である学生の方の意見も重要です。

また、通常の掲示板と同じように、質問、応答ができますので、議論を展開できます。
2chのように無駄な会話は慎んだほうがよいですが、真剣な議論の場としては、居住国、年齢、立場に関係なく自由に議論を展開出来ると思います。


また、ハリウッドVFXを請け負うことで、発生した波及効果についてご存知のかたは具体例のご報告をいただけると、貴重な情報となります。
税優遇措置などの施策、それが仕事を受注することを強くサポートしていることはわかっているのですが、それにより地域などにどのような波及効果をもたらしているかということです。
政府にとってはそのあたりも、判断材料となるからです。
特に税優遇措置の地域で働かれている方で、現地情報をお持ちの方がいたらお願いします。

※注意:コメントの文字数制限は500字です。
 もし字数が足りない場合は、一度コメントを投稿し、そのコメントへの返信という形にすれば、続きの内容だとわかります。

返信をクリックした場合、コメント欄の先頭に、元のコメント番号が自動的につくはずです。(例:#001)これが表示されないこともあるので、その場合は、自分で#***と元のコメントの番号を入力すれば大丈夫だと思います。



-----<目的>-----
ハリウッドVFXを受注・製作できるようにするためには、他国との競争力をもつために政府支援が不可欠です。
ロンドン、カナダ、ニュージーランドなどの会社は、政府の税優遇措置や助成金などの支援により、ハリウッドのプロダクションよりも有利な条件となり仕事の獲得につながっています。そして、会社の規模を急速に拡大しています。
さまざまな支援策はハリウッド・プロダクションの国内への誘致にもつながります。
日本でハリウッドの仕事を受注するためには、これと同じように税優遇措置や助成金が不可欠。願わくば他国より有利な条件が必要です。
ほかにも解決すべき問題はありますのが、これらの政府支援は前提条件といっても過言ではないと思います。
また、金銭だけでなく、さまざまな面での企業支援も必要かもしれません。
今回の意見提出は、この政府側の支援をお願いすることを目的としています。



-----<バックグラウンド>-----
コストダウンのために、世界中にアウトソーシングされているハリウッド映画のVFX。
アウトソーシングされる国は、人件費が安い国(中国、インドなど)と、税優遇措置などの政府支援がある国(カナダ、イギリスなど)の二つです。
高度な技術と潜在能力を持っているにもかかわらず、日本はこの流れから外れた存在になっています。


-----<メリット>-----
★VFXの作業を通じCGのノウハウを得られる。これはCGアニメーションと共通部分が多い。
★「CG」には、3DCGだけでなくコンポジットも含まれます。エディティングは、場合によっては必要となるでしょう。ようするに現場撮影以外のソフトを使う部分にはメリットがあります。
★将来、日本で世界市場を狙う作品作りのための、ノウハウが得られる。
★ハリウッド映画は予算が潤沢なため、VFXの予算も高いすなわち企業収入があがる。
★企業収入があがることは給与アップや待遇の改善につながる。
★世界の国を相手に技術力を競うため、CGの技術力が高まる。
★すなわち、国内で予算がなくとも、海外の資本により日本のCG技術の向上が期待できる。
★国内CG業界の優秀な人材の流出が防ぐことにつながり士気を高める。
★国内の雇用促進に役立つ
★プログラミングの技術も必要とされるため、プログラマーの需要もできる。
★ストレージやレンダーファーム、ネットワークなどのハードウエア技術者の需要もできる。
★海外を相手に活躍したい営業、マネージメントの需要ができる。
★国内のCG教育機関が活性化する。
ほかにも、いろいろと多くのメリットがあります。


-----<現時点での問題>-----
★海外のスタジオと交渉するノウハウが少ない。
★英語によるコミュニケーションが取れる人が少ない。
★潜在能力はあるが具体的にハリウッドのメジャー作品を作れるほどの技術は十分でない。
★時間と費用をかけて製作するハリウッド的な運営経験がない。
★海外プロダクションと比べて受注額での競争力がない。(これを税優遇措置で解決しようとしています)
★新制度を利用して仕事を受注しようと考えるプロダクションが(現時点では)ない。
★日本のアーティストの士気が弱い(自分たちの力を過小評価している)
これらには、それぞれに対応策が必要で、いくつかは解決するのもさほど難しくはないと思われます。

経産省のアイデアボックスへ投稿しました

 経産省による意見募集サイト「アイディアボックス」でお伝えしましたが、

タイトル「ハリウッドVFXの仕事を日本で受注するための支援策について」 
で本日投稿しました。

しかし、投票/コメントは待って下さい!!

間違ってしまいましたカテゴリを (^_^;)。ごめんなさい。
本来は「3.コンテンツ産業の振興」にすべきだったのですが、「2.中小企業とITシステムのあり方」になってしまいました。

最初はちゃんとしてたんですが、本文の文字数を合わせているうちにタイムアウトになり、それで再度ログオンして書き直す羽目に。
書き直したときに間違えたようです。
修正しようにもできないので、いま経産省の方にカテゴリの変更をお願いしてあり、24時間以内に変更される見込みです。

カテゴリ変更時にそれまであった投票やコメントが間違って消えてしまうといけないので、カテゴリが変更されるまでお待ちください。
(そんなことは無いとはおもいますが、 コンピュータに関わることなので最悪のケースを想定しておいたほうが良いと思います)
カテゴリが変更されたら、こちらのブログでもお伝えします。
その後は大々的なPR作戦を行います。

それまでは、「日本でハリウッドVFXを製作: 総まとめ」でも、ご覧いただき、どのようなコメントを書こうか?などと考えていただければうれしいです。


このアイデア投稿については、経産省の方からも、このサイトへ意見を再提出することで、
★オープンに意見が開示され、記録として残る。
★かついろいろな方との議論が起きるので、経産省でも参考として重く受け止める形になる。
というご返事をいただけました。


上記で触れましたが、この意見のカテゴリ修正後に、この活動を広めるPRを行います。
そのタイミングは、このブログで発表します!

そのときには、ぜひ、お知り合いの方にどんどん広めて下さい

そして、学生、社会人、社員、フリーランス、アーティスト、管理職、国内、海外問わず、できるだけ多くの投票数を得たいと思います。
できれば有識者の方の意見も広く集まると、より説得力があります。
もちろん、反対意見も歓迎です。

そして、みなさん、できるだけコメントを残して下さい、私一人の意見に賛成・反対だけでなく、みんなの考えが見えることが、一番重要で、政府を動かすカギとなります。
みんなの本気度をつたえ、「ハリウッドVFX」を日本で作れるようにしましょう!

2010年2月21日日曜日

オブジェクトの軌跡をNurbsカーブで描く。

移動するアニメーションがついたオブジェクトの軌跡をNurbsカーブで描くスクリプト

アニメートされたオブジェクトにパーティクルをからめるために、その軌跡をみて、どこで急旋回しているかを見る必要があったので、その軌跡をカーブにすることにしました。

MotionTrailを使う手もあるのですが、アニメーション変更時に重い時があったのと、後でパスカーブ・アニメーションに使う事も考えて、スクリプトでNurbsカーブを作成することにしました。


内容的には以下のようなスクリプトになります。
★フレーム毎にオブジェクトの位置情報を取得し格納
★最後にその情報をもとにカーブを描く


以前作ったスクリプトが応用できそうなので、そちらをベースに作る事にしました。
参照1:「exercise: ロケータ位置をpvとするカーブを描く
参照2:「1フレーム毎にオブジェクトをデュプリケートし、表示を切り替えるスクリプト



----------------------------------------
まず各フレームのロケータの位置情報を取得するスクリプト。
最初、テスト用にPrint文をforループの中に入れていたので、毎フレーム$pointの中身を表示して、すべてのフレームを終了するのに時間がかかりました。
これをfor文の外に出して、すべてのフレームが終了した後にprintを実行するようになりました。
currentTimeは、現在のフレーム位置を指定するコマンドです。
一フレームずつ進めるにはfor文でループを作りその中で、このコマンドを使います。
フレーム数はfor文の条件でつかう変数で指定すると簡単です。

{
vector $pointLoc;
string $point;

int $startFrame = 1;
int $endFrame = 10;

string $name[] = `ls -sl`;


for ($i=$startFrame; $i<$endFrame; $i++){
currentTime $i;
$pointLoc = `xform -q -t -ws $name[0]`;
$point = $point + " -p " +$pointLoc;
}
print $point;
}


実行結果:
-p 0 0 0 -p -0.5776165648 0.7466481419 0.0007793744514 -p -1.225671132 1.524006415 0.00294898415 -p -1.92303246 2.32286197 0.006256059731 -p -2.648568749 3.134001317 0.01044782912 -p -3.381149095 3.948211975 0.0152715252 -p -4.099641563 4.756280305 0.02047437456 -p -4.78291548 5.548994105 0.0258036127 -p -5.40983845 6.317139182 0.03100646194

-----------------------------------------
次にこのデータを使ってNurbsカーブを作成するように変更。

{
vector $pointLoc;
string $point;

int $startFrame = 1;
int $endFrame = 10;

string $name[] = `ls -sl`;

for ($i=$startFrame; $i<$endFrame; $i++){
currentTime $i;


$pointLoc = `xform -q -t -ws $name[0]`;
$point = $point + " -p " +$pointLoc;

}
eval ("curve" + $point);
}


実行結果:
10フレームまでのNurbsカーブが作成されました。


---------------------------
実際のシーンは合計2000フレームほどあるので、1フレーム毎だとPVの感覚がせますぎます。
このため、5フレーム毎に位置情報を取得するように変更しました。
二つのループを入れ子にすることで、内部のFor文はフレームを一つづつ進めて、外部のForを5フレーム毎に動作するものにしました。

{
vector $pointLoc;
string $point;

int $startFrame = 1;
int $endFrame = 10;

// string $name[] = `ls -sl`;

for ($i=$startFrame; $i<$endFrame; $i+=5){

for ($k=$i; $k<$i+5; $k++){
print ("$K="+$k+"\n");
};
print ("$i="+$i+"\n");
};
}

実行結果:
$K=1
$K=2
$K=3
$K=4
$K=5
$i=1
$K=6
$K=7
$K=8
$K=9
$K=10
$i=6


$kが現在のフレームを意味しています。
$iは位置情報を取得することを意味していますが数字にはいみはありません。
$i=1は$k=5の後にあります、これは5フレーム目に到達した後が、位置情報を取得することを意味しています。
$i=6は$k=10なので、この場合は10フレーム目に到達した後に位置情報を取得します。

これでは、位置情報を取得するフレーム。すなわちカーブの始まるフレームが毎回5フレーム目からになってしまいます。


----------------------------------------
フレームを進める前、すなわちFor文の前にスタートフレームの位置を取得する行を追加します。
以下は、その行を書く位置を確認するためにprint文を使っています。

{
vector $pointLoc;
string $point;

int $startFrame = 1;
int $endFrame = 10;

// string $name[] = `ls -sl`;

print ("GetStartFrame"+"\n");

for ($i=$startFrame; $i<$endFrame; $i+=5){
for ($k=$i; $k<$i+5; $k++){
print ("$K="+$k+"\n");
};
print ("$i="+$i+"\n");
};
}


実行結果:
GetStartFrame
$K=1
$K=2
$K=3
$K=4
$K=5
$i=1
$K=6
$K=7
$K=8
$K=9
$K=10
$i=6

これで"GetStartFrame”と$iのprintコマンドがあるところへ、位置情報を取得する行すなわち「$point」へ代入する式を配置すればよいことがわかります。


----------------------------------------
上記では5フレーム毎ですが、設定を自由に変えられるように変数を使いました。
また、タイムラインで途中のフレーム位置にいると、スタート・フレーム位置を取得すべきタイミングで、現在位置を取得してしまうので、(たとえばスタート・フレームが1に設定しても、現在のシーンファイルでフレーム5にいたら、フレーム5の現在位置を一番最初の位置情報として取得してしまう。)
最初の位置情報取得前にcurrentTimeを使ってスタートフレームにリセットするようしました。


{
vector $pointLoc;
string $point;

int $startFrame = 1;
int $endFrame = 30;
int $perFrame =5;

string $name[] = `ls -sl`;

currentTime $startFrame; //reset TimeLine

$pointLoc = `xform -q -t -ws $name[0]`;
$point = $point + " -p " +$pointLoc;

for ($i=$startFrame; $i<$endFrame; $i+=$perFrame){

for ($k=$i; $k<$i+$perFrame; $k++){
currentTime $k;
};

$pointLoc = `xform -q -t -ws $name[0]`;
$point = $point + " -p " +$pointLoc;
};
eval ("curve" + $point);
rename "pathCurve";
}


これで目的を達成出来ました。

メモ:Making Of HBO Logo 1980 /ジョンカーペンターの音楽

http://www.slashfilm.com/2010/02/18/votd-making-of-the-classic-hbo-intro-from-the-1980s/

ミニチュアのデティールの限界を感じますが、これは現在のCGでも同じことですね。
モデリングや、テクスチャーなどは、共通点があります。

これはTVなので仕方がないかなと思いますが、映画では1/6とか1/2とかの巨大なミニチュアを作ったり、場合によっては、原寸大、もしくは原寸よりも大きな物を作ったりしています。

まぁ以下はさほど参考にはならないかもしれませんがYoutubeからなつかしいものを見つけたので 
縮みゆく男(1957)
http://www.youtube.com/watch?v=z7iqJo2-6M8

『妖怪巨大女』(『Attack of the 50 Foot Woman』 1958年)
最近では、エイリアンVSモンスターでパロディー化されたキャラがでてましたね。
ヤングスーパーマン(Smallville)のクロエの部屋の壁には、たしかこの映画のポスターが貼ってあったと思います。
http://www.youtube.com/watch?v=F2cLmbCyzhE
まぁこんな映画が1983年にはダリルハンナ主演でリメイクされています
http://www.youtube.com/watch?v=OWrsLInvnTc



ミニチュア(Wikipedia)
原寸より大きい場合は、もはや「ミニ」チュアとは呼べないので、やはり大道具とかセットとか呼び方が変わってくるのでしょうか?それともスケールモデルという呼び方適当なのか?

スターフィールドのアニメーションも参考になりました。
この技法を応用すれば今でも使えそう。

----------------------------------------
関係ないですが、このHBOのメイキングを読んでて、「遊星からの物体X」のタイトルを思い出した。
板に文字を切り抜き、黒いビニールを貼り、裏から強烈なライトを照らした状態で、そのビニールに火を付けて撮影したという記事をどこかで読んだのを思い出しました。

この映画の音楽は結構好きなんですが、今このオープニングをみていてビックリしたのが作曲がエンニオ・モリコーネ
ジョンカーペンターは自分の音楽は自分でつくることが多いし「遊星からの物体X」の音楽もいつも通りのカーペンター風だったので、すっかり彼が作ったと思い込んでいました。しかも彼の作品の中では最高の音楽だと思っていました。
なるほど、たしかに彼の作品にしては音楽がまとまりすぎているぐらいしっかりしたのもこういう理由か。
エンニオ・モリコーネはクリントイーストウッドの「荒野の用心棒」、「ニューシネマパラダイス」、「ホタルの墓(アニメ)」で有名ですが、どことなく寂しげな、情緒を刺激する音楽が多いように思います。
そして、その映画にぴったりの音楽を作る人だと思います。

「遊星からの物体X(1982)」はジョンカーペンターが映画監督を志すきっかけとなった映画「遊星よりの物体X」のリメイクと言うこともあり、最高の物にするためにエンニオ・モリコーネに頼んだのでしょうか。


もしそうだとしたら、その試みは大成功、恐怖感が闇の奥底から徐々に顔をだすような映画にぴったりあった音楽になったと思います。
もちろんジョン・カーペンターの意見も伝えられているので彼の音楽っぽくなっているのだと思いますが、エンニオ・モリコーネの感情を刺激する音楽感覚が、恐怖感を引き出すのにも生きてくるとは意外な発見でした。
それにしてもオープニングはよく考えられています。
最初の崖を見あげるシーンも手持ちのカメラで、撮られていて不安感を煽ります。
他のショットではちゃんと固定されているので、これは意図的な物だったと思われます。

なつかしくなったのでジョン・カーペンターが音楽を担当した映画をあつめてみました。

ザ・フォッグ(1980)
「ハロウィン」の音楽によく似ています。
初めて見たカーペンターの作品で、これではまりました。
中学高校のころは、こんな風に霧と光を使った8mm映画を作りたいと思ってました。
でも好きな曲はこっちのほうです。

ニューヨーク1997(1981)
ちょうどマイコンが流行ってた頃ですね。
コンピューターっぽいです。
恐怖映画とは違った音楽ですが、いつもと同じ、単純な旋律の繰り返し。

クリスティーン(1983)
これはザ・フォッグの単純な繰り返しに、ニューヨーク1997の空間的広がりの感じをミックスしたような感じ。
とにかく最初から最後まで、徹底した旋律の繰り返しが心地よいです。
テンポの良さでは「遊星からの物体X」よりもこちらのほうが勝っていると思います。

ゴースト・ハンターズ(1986)
内容が内容だけに、多少雰囲気が違いますが、単純旋律の繰り返しは、彼の十八番ですね。

パラダイム(1987)
最後のクライマックスでは、結構ぞぞっときた映画です。

ゼイリブ(1988)
ジョン・カーペンターのすべての作品が好きというわけではなく、
まともに見たのもこれが最後でした。

2010年2月20日土曜日

ブログ:F値の低いレンズがボケる訳ではない

F値の低いレンズがボケる訳ではないカメラマンの覚え書き

望遠よりのレンズのほうがボケがよいとは、経験でわかってたけど、理論(実行径)は理解してませんでした。
簡単な説明で参考写真もあり、わかりやすいです。

経産省による意見募集サイト「アイディアボックス」

実は二日ほど前に海外チュートリアル日本語化を推し進めるAcombeeCom社の今泉氏と
以前より応援していただいている有限会社エストループの杉田氏より
経産省主催の意見募集サイトを教えていただきました。


経産省による意見募集サイト「アイディアボックス」
2010年2月23日(火)~2010年3月15日の期間限定ですが、
IT政策に関する意見を国民から広く募集する目的で行われ、
ユーザー登録すれば、経産省への意見(アイデア)を投稿することができるサイトです。
http://open-meti.go.jp/

このサイトの凄いところは、投稿されたアイデアに関して
●賛成反対の投票
●コメント

が入れられると言うところです。

投票により、そのアイデアがどれだけ広く関心を集めているのかがわかり、
コメントからそれぞれの方がそのアイデアのどこに、どのように関心を持っているのか、その詳細や熱意が伝わります。



たとえば、「日本でハリウッドVFXを製作」というアイデアを現在、投げかけているわけですが、
これは経産省から見ると私一人の意見にすぎません。
このブログのアクセス数が400件をこえていても、それがこのアイデアに感心を持つ人なのかどうかはわかりません。アクセス数はそのアイデアを書いたエントリに目を通したことさえ保障していません。
ようするに経産省からすると、ごく一部のアイデアに見えても仕方がないと言うことです。
多数の人が望んでいるんだろうなと感じたとしてもそれは想像にすぎません。
たとえ、一部の意見だとしても、具体的に賛成50人、反対30人という具体的な数字でみないと現実感はわかないと思います。

私が最初につかった経産省のサイトからの意見投稿は、実際の担当であるメディアコンテンツ課には1ヶ月を経過した時点で届いていませんでした。
内部的な事情で時間がかかっているのか、それともどこに振り分けて良いかわからず迷子になっているのかはわかりませんが、この「アイディアボックス」ではそういうことは起こらないと思います。


私もさっそくユーザー登録をすませました。

しかしながら現時点では、投稿するかどうかは未定です。
その理由は、これが「アイディアボックス」が目的とする「IT関連の意見」に含まれるのかどうか迷ったからで、いたずらに騒ぎ立てるのは嫌なので、現在、経産省の方に聞いています。
休み前だったこともあり現時点ではまだ返事をいただけてません。

OKがいただけたら投稿します。
そのあたりは当ブログでお知らせします。


投稿するとしたら当然ながら「日本でハリウッドVFXを製作する」というアイデアを予定しています。
仕事の関係で初日の2月23日中に投稿できなかった場合、翌24日中には投稿する予定です。
投稿したらこれもブログでお知らせします。

これまでの経緯と関連情報をまとめたエントリを準備しましたので、あらかじめ読んでいただくことができます。
「日本でハリウッドVFXを製作」:  総まとめ
私個人の考えをまとめた物ですが、ご自身の考えをまとめるためにお役に立てれば幸いです。

日本のアニメ業界に関すること

元情報:アニメのビデオソフトの売上がどのように減少しているかをまとめてみた(白石運送)


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まずブログ「longlowの日記」より
アニメのビデオソフトの売上がどのように減少しているかをまとめてみた

ここで興味深いのが日本のアニメと海外アニメの売り上げの違い。
年によって、5倍から18倍と違いはあるが、いずれも日本アニメのDVDの売り上げが海外作品を上回る。


これはDVDの比較だが、日本での歴代映画興業成績(Wikipedia)をみても海外市場との差がはっきりしている。

全世界でアバター以前に一位だった「タイタニック」(262億円)でさえ、「千と千尋の神隠し」(304億円)に大きく差をあけられている。
全世界でタイタニックを抜いたアバターも日本では全く違う様相を見せるだろう。
参照:シネマトゥデイ
参照:アニメ!アニメ!

本当に日本市場という特殊性を感じざるを得ない。
 これとは逆に海外市場では見向きもされない、もしくは敬遠されるものも多いはずだ。
一時期話題になったパンツが空を飛ぶアニメはこちらの人間には奇異な目でみられ、日本人=変質者的な印象をもたらしている。
同じスタンスで作られた日本アニメが多いのも事実だろう。
これは特殊な例かもしれないが、より一般的なアニメに対しても当てはまる部分はあるかもしれない。 現在、日本で作成したアニメを海外へ輸出することをねらいとした動きがあるが、将来、日本だけで企画、製作した場合にどこまで世界市場へ入り込むことが出来るのかは、わからない点が多いように思う。(まぁ無難なところから始めるんだとは思うが)


話を戻すが、上記の表を見ると、以前から言われているように日本国内向けと海外向け(主に北米対象)ではうけるものがかなり違うのだと言うことがわかる。
まぁ生活習慣のちがい、育った環境の違いからリアリティーがもてる部分が違うのだから当然だろう。
上記のシネマトゥデイでも言われているように、小さい子供をつれてみせることができるということも大きく影響しているのだろうが、それだけではないような気もする。
おもしろいと思ったのがハリー・ポッターが上位にあること。
ハリーポッターはイギリスを舞台としており、イギリスの作家によるものだ。
イギリスに住んだことはないので推測になるのだが、日本人の好む傾向としてはアメリカよりもイギリスのもつ雰囲気が強いように思う。
これは服装や、デザイン、観光地、料理と全般的に言えるように思う。
もしかしたらそのあたりがハリー・ポッターが好まれる傾向に貢献しているのかもしれない。


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次に「切込隊長BLOG」
アニメ市場の縮小について→ヲタ市場の飽和と分散


「違法動画うp問題」について
アメリカでは劇場映画が、違法アップロードに関係なく観客動員数を増やしているという調査結果もあるとどこかで読んだ。
これは、やはりハリウッド映画の大作は劇場の大きなスクリーンで見たくなるからだという。
ハリウッドの大作アニメーションは、CGで作られているが、そのテクスチャーや質感は、非常に繊細な部分にまで気を遣ったもので、われわれCGをやっている人間が見ると1フレームでみても、その出来映えにはため息がでるほどのものがある。(日本のCGアニメ「ファイナルファンタジー」(Youtube)でもそうであった。)

最近のクリスマスキャロルなどをみると毛穴の質感まで伝わってくるほどだ。アバターにいたっては、IMAXと通常の劇場でもジャングルに飛び交う小さなほこりが見える見えないなどの違いがあるという話も読んだことがある。
一般的にはどうかわからないが、自分はこの質感をたのしむために、できるだけIMAXでみるようにしている。
(ちなみに、劇場に足を運ぶのは2~3ヶ月に一度)
こういった小さなデティールは小さな画面ではつぶれてしまって見えなくなるからだ。
個人的な感覚では立体映像は実際の画面サイズよりも小さく感じるので、立体映画が増えるとこの傾向は強くなるかもしれないと思っている。
しかし、こうしてみると、日本のアニメは(3DCGソフトを使ったアニメに対して)まだまだ2Dが主流。
セル画アニメーションの質感では、スクリーンサイズが大きくなっても見えるのは大きくなったノイズだけでは、劇場へ足を運ぶ楽しみは音響効果だけになってしまう。
最近は、PCでも音響は良くなっているので、そうなると劇場へ足を運ぶ意味が半減してしまう。
要するに違法動画問題に対抗するだけの力を持っていないということになる。


「売上金額」について
製作者にお金がおちてこないというのは気になるところだ。
ハリウッドのアニメーション製作会社ドリームワークス・アニメーションは、
全米企業「働きがいのある会社ベスト100」の第6位である。

税金体系がちがうとはいえ、給料も最低でも20ドル/時を超えており、4~5年の経験者で35~57ドル程度になる。
これはこちらのCG業界でも平均以上だと思う。
それにしても1/3が税金で引かれるとしても、日本の状況とは違いがありすぎる。
これは向けられた市場の違いもあり同じ土俵で較べるには不公平すぎるのだが、たとえ小さな2Dアニメーション制作会社でもやはり日本よりはマシではないかと思った。
特にこの記事(アニメーターの給料をなんとかしたい!)をみたあとはそう思った。

参照:深夜アニメ減少の打撃、苦悩の映像ソフト業界



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以前も取り上げた記事
俳優は不要? キャメロン監督新作『アバター』の全貌に迫る


これは、日本と海外の市場の違いを明確にあらわしていると思う。
ハリウッドは、ずっと以前から世界市場を相手に映画製作がされており、その製作体制が整っている。
当初はディズニーぐらいしかなかったアニメーション映画も、ピクサーやドリームワークスなどが参入しいずれも成功しているが、これも世界市場を相手にした、その制作体制があったからかもしれない。
日本のアニメーションは、いろいろなところでリポートされているように、国内市場にむけた制作体制であるにもかかわらず、世界市場に通用する物となっている。

市場で見る 日本アニメの潜在力
海外から注目を浴びる日本アニメのビジネス


たしかに、日本のアニメーションやマンガがハリウッドで映画化されている。
しかしそれが必ずしも成功しているとはいえないような気もする。
これは、その作品を知らない人にも、見てもらい楽しんでもらいたいという考えから現時点での世界市場へ向けた物なのかもしれない。
ある意味これは、小説の映画化の過程のように思う。
しかしながら、漫画やアニメではすでにイメージが定着している。
ファンの反感をかったり、雰囲気を変えたにもかかわらず、中途半端に原作のイメージを残したりして、作品としても中途半端になり、それにより原作の持つ良さを失ってしまっているのかもしれない。

大こけしたスピードレーサーも、基本アイデアだけもってきて、まったく違う作品にしていたらいけたかもしれない。製作者側が下手に原作に愛着があると、そのあたりの思い切りも悪くなるように思う。
まぁ原作者側もあまりイメージをかえられると反発するのだろう。
アトムにしても、大きく変えてターミネータ並みのリアリティーある敵とAIの未来感、ロボコップのアクションと、サロゲートのような実在感、このあたりをとりまぜた実写にすればいけるような気がする。
どちらかというと基盤は浦沢直樹のPLUTOでOKかと思う。
どちらにしても今回こけたことで、ずっと昔からでては消えるアトム実写化の話は消えてしまったかもしれない。
日本では今、マンガの実写化がブームだがぜひPLUTOやるなら世界規模に展開出来る質と内容にしてほしい。
ロボコップ予告編(音楽がターミネーターw)
AI予告編(これはピノキオですね)

いくら日本のコンテンツがすぐれているからといって、かならずしも成功するとは限らない。
それは世界市場に慣れたハリウッドでも同じである。
日本が独自に世界市場向けにコンテンツを作ってもそれが成功するとは限らない。
CGで世界市場を狙うならハリウッドから生み出されるものに注意を向けて見る必要があると思う。
それらが、大予算にささえられたパイプラインに頼った物であるなら、それが必要なのではないか。
CG製作の環境を整え、より規模の大きなプロダクションが成り立つように変えていく必要があるように思う。
同じ予算規模にするべきとはいわないが、最先端の技術と、日本の管理技術、勤勉さ、優れた頭脳を結集すれば、ハリウッドより小さな規模でも、十分太刀打ちできるプロダクションを作る事は不可能ではないように思う。

日米アニメーションの違いとVFX

アメリカでTVアニメというと、シンプソン、パワーパフガールズ、ファミリーガイ、デクスターズラボ、サウスパーク。
よく、日本と較べてアメリカのアニメはなめらかだとかフレーム数が多いと言われますが、低予算のものは、やはりうごく部分が少なくなってくるのは同じですね。
ただ厳密に見ると動く範囲とか、動く物の数とかはちがいがあるのかもしれません。

最近では、DVD販売だけのアニメとかの製作で、時々きくのがフラッシュをつかったアニメーションです。
最初はフラッシュというと、Web用だと思っていましたがそうでもないようです。
YouTubeのHISHE.comのチャンネル。
これはパロディー専門のアニメ作品で、個人が作ってものだがその動きをみると、おそらくフラッシュで作ったと思われます。 
そしてその動きは、最近のアメリカの低予算TVアニメに似ているように思います。
(HISHEとは、「How it should have ended(こう終るべき)」の略)
http://www.youtube.com/user/HISHEdotcom
アメリカは、こういう動きが少ない物に関しては、もしかしたらTVでもフラッシュを使っているのでしょうか?
サウスパーク(Youtube)
http://www.youtube.com/watch?v=IzQ0T7ccRsQ

トムとジェリーなどは違いますが、かなり昔の「ミクロ決死隊(Fantasitc Voyage)」やアニメのスーパーマンも同じようにかなりフレームや動き自体を省いた感じがします。
http://www.youtube.com/watch?v=SLzXlCPx49U


しかしレイアウトもキャラもかなり単純化(象徴化)されていて、日本とはあきらかに目指すところがちがいますね。
これでも人気があるのは、そのセリフとリアクションなどによるところが大きいいようです。
紙芝居に音声を付けて、少し動きを加えただけのような感じでしょうか。


そのあたりは、おそらく長年のアメリカの習慣的な物もあり、日本のようなTVアニメーションを作る製作体制はないように思えます。

このあたりが日本のアニメが世界市場に食い込んでいける狙い目でもあるのでしょうね。
GONZOの「アフロサムライ」。
出ましたっ!「パワパフガールズZ」は東映アニメーション、アニプレックスなどが製作。
最近ではマーベルの以下の作品をマッドハウスが製作しています。
アイアンマン
http://www.youtube.com/watch?v=L4Q7xgxDJh4
ウルヴァリン
http://www.youtube.com/watch?v=sLYjywXyyDI
アイアンマンは一緒に働いているアメリカ人にも受けが良かったです。
ウルヴァリンはかなり日本テイストが濃くなっているので根強いファンには抵抗がありますが、私は興味がわきました。
どちらもそうですが、このクオリティー、カメラワーク、質感、動きなどは日本人にはみなれたものですが、アメリカ人にはまねできない物だと思います。


おもしろいなと思ったのは、TVやDVD用の作品においては、劇場アニメとは逆転現象がおきているような感じがするところです。
なめらかな動き、細部に至る表現は、劇場アニメではハリウッドが勝っていますが、TVやDVD専用アニメでは日本のほうが強いように見えます。
これにより、日本のアニメーションの定評があがれば、ハリウッドの資本を足がかりに、世界市場に十分通用するTVアニメが作れるんだろうなと思いました。
ストーリーに関してはやはり日本が秀でているように思います。
複雑な物もうまくこなすし、精神的な微妙な変化を描くのがうまいです。


さて、以上は2Dアニメーションの分野ですが、これから日本のアニメーションが、CGを使ったものを目指すのであれば、ハリウッドの劇場アニメのよさを取り入れる必要があると思います。
経産省がいまCGをサポートしているのは将来の立体アニメーションをCGで制作するということを視野に入れています。
2Dアニメーションと違い、3DCGソフトを使ったアニメーションは微妙な変な動き(不要な動き)がCG臭さを出してしまい、幻滅してしまいます。
このあたりを自然にするためにモーションキャプチャーなどを使うのも一つの手だと思いますが、やはりフルアニメーションに慣れることが必要なように思います。
そしてそのあたりはハリウッドの十八番でしょう。
日本でハリウッドVFXだけでなく、ハリウッドのアニメーションを作る事も視野に入れても良いかもしれません。
しかしハリウッドのアニメーション大作というとほとんどが、特定のスタジオですべて作られていますから、その作業を請け負うのはVFXに較べて難しいでしょう。
ハリウッドVFXには、ハリウッドのアニメーション技術が使われています。
一見違うようですが、誇張表現などが違うだけで、ポージングや中間フレームの考え方は同じです。
そうするとハリウッドVFXの制作を請け負い、それを拡大していくことでハリウッドアニメーションのノウハウを取り入れることにつながるような気がします。

2010年2月18日木曜日

「日本でハリウッドVFXを製作」:  総まとめ

当ブログの過去エントリを中心に関連情報をまとめました。
これからの新規情報は、ここにそのURLを加えていきます。
リンク切れ、誤字脱字を発見された方は、お手数ですがコメントもしくは左のメールフォームから投稿していただけると大変助かります。

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アイデアボックスに関する情報----------------
新着情報--------------------------------
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2010年3月18日:「円谷プロ買収とニッチな映画とアルビン・トフラー」を「日本の現状と諸外国との比較」へ追加

2010年3月16日:「波及効果マインドマップ」を「草案」へ追加

2010年3月15日:「デプス情報をもつ3D-USB カメラ」を「その他」へ追加。

2010年03月13日:「映像産業とかカジノとか」を「日本の現状と諸外国との比較」へ追加

2010年03月13日:以下のエントリを追加しました。
ハリウッドVFX成功事例:(IRAS/ネパール)
メモ:「小規模CGプロダクションチーフの会」議事録
ハリウッドから仕事をとれれば給料があがるのか?
メモ:元WETA DIGITAL 村本浩昭氏の人材育成セミナーのレポート
経済波及効果の意味と、CG業界との関連

2010年3月3日:「エージェント会社の発想」を「草案」へ追加

2010年3月02日: 「日本でのプロダクション運営案」を「草案」へ追加

2010年2月28日: 「FAQ」を下記「まえがき」へ追加




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まえがき----------------------
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<まえがき&ダイジェスト>

下記の内容すべてを簡単にまとめた物です。
概略を理解していただくには、これを読んでいただくだけでも大丈夫です。
http://shikatanaku.blogspot.com/2010/02/vfx_18.html

< 経産省のアイデアボックスへの投票、コメントのおねがい >
この提案をわかりやすく箇条書きにしてあります。
http://shikatanaku.blogspot.com/2010/02/blog-post_7846.html

<FAQ: 日本でハリウッドVFXを制作!> NEW!!
http://shikatanaku.blogspot.com/2010/02/faqvfx.html

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草案------------------------------------
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日本でハリウッドVFXを製作: 経済産業省へ意見提出
http://shikatanaku.blogspot.com/2010/01/vfx_13.html
経産省への意見提出について補足
http://shikatanaku.blogspot.com/2010/02/blog-post_02.html
日本でハリウッドVFXを製作: プランについて
http://shikatanaku.blogspot.com/2010/02/vfx.html
日本でハリウッドVFXを製作: 構造改革特別区域
http://shikatanaku.blogspot.com/2010/02/vfx_06.html
日本でハリウッドVFXを制作: 経産省よりメール有り
http://shikatanaku.blogspot.com/2010/02/vfx_13.html

日本とハリウッドのVFXプロダクションについて、
ハリウッドのVFXプロダクションの作業内容について考察し、
日本でハリウッド映画の仕事を受注するにはどうすればいいかを考えてみました。
http://shikatanaku.blogspot.com/2010/02/vfx_17.html

アニメーション製作と実写VFX製作との共通点
日本では今、経産省によりコンテンツ産業の一躍を担うCGアニメーション製作がサポートされています。 ハリウッドのVFX製作が、日本のCG業界、アニメーション業界にいかに利益をもたらすか考察してみました。
http://shikatanaku.blogspot.com/2010/02/vfx_16.html

日本でのプロダクション運営案 :Myaさんより
岐阜の例を中心にプロダクション設立と運営の問題点を考える。
http://shikatanaku.blogspot.com/2010/03/mya.html

エージェント会社の発想 NEW!!
melonが考えたエージェント会社

http://shikatanaku.blogspot.com/2010/03/blog-post_5774.html

「波及効果」マインドマップ NEW!!
 eighteenPercent作成によるマインドマップ、ユーザー登録すればだれでも追加・変更が可能です。
http://www.mindmeister.com/ja/44435080/vfx


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税優遇措置について----------------------
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決して人件費だけでは、安いとは言えないイギリス。
ハリウッドの仕事をどんどん取り込み急成長するカナダ。
これらの国がとる税優遇措置とは何か?

税優遇措置とは(1)
http://shikatanaku.blogspot.com/2010/01/blog-post_01.html
税優遇措置とは(2)
http://shikatanaku.blogspot.com/2010/01/blog-post_8565.html
税優遇措置とは(3): 日本でVFX
http://shikatanaku.blogspot.com/2010/01/vfx.html
税優遇措置とは(4): 日本でVFX、実現に向けて
http://shikatanaku.blogspot.com/2010/01/vfx_02.html


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ハリウッドの現状------------------------
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VES主催 第1回 先進VFXスタジオ首脳会議が開催される(01/09/2010)
(情報元:鍋 潤太郎☆ハリウッド映像トピックス)
最後のほうにある「プロダクション・ビジネスと、世界経済の動向について」でハリウッドのアウトソーシングとその問題点などが書かれています。
http://nabejun.blog.shinobi.jp/Entry/149/

VFXの海外流出について
アメリカからどんどん海外へアウトソーシングされるVFXの仕事
http://shikatanaku.blogspot.com/2010/01/vfx_9142.html

カリフォルニアのビジュアルエフェクツ業界は、日々、弱っている
中国などの安い人件費はハリウッドのVFX業界に価格破壊をおこしつつあります。
採算を重視するプロデューサーにより、ますますこの傾向は強まりつつあります。
そしてその影響は思ったより深刻です。
注:日本語訳は正確さにかけます。英語が読める方はリンクにある元のページをご覧下さい。
http://shikatanaku.blogspot.com/2010/02/blog-post_3467.html

VFXpro.com盛況中
VFX業界専門の人材募集掲示板
最近、大量の募集が目立ちますが、ほとんどがアメリカ国外でした。
http://shikatanaku.blogspot.com/2010/02/vfxprocom.html


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諸外国の関連情報------------------------
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メモ:シンガポールのアニメ産業事情2009
シンガポールはアニメーション会社を各国から呼び寄せるだけでなく、その延長には独自コンテンツを制作するというもくろみがあった。
http://shikatanaku.blogspot.com/2010/02/2009.html

シンガポール 世界の頭脳を呼び寄せろ
IT産業に限らず、様々な分野で優秀な人材をあつめるシンガポール。
その産業は急成長し、今アジアでもっとも裕福な国なっているという。
国が、シーグラフを誘致し、CGプロダクションを誘致している。
http://shikatanaku.blogspot.com/2010/02/blog-post_2634.html

Weta給料:1週間110万円
アバターは、その政策においてニュージーランド政府から助成金を受け取っていました。
http://shikatanaku.blogspot.com/2010/01/1110.html

ハリウッドVFX成功事例:(IRAS/ネパール) NEW!!
ネパールからハリウッドのアニメーション/VFXを受注する会社IRASの紹介
http://shikatanaku.blogspot.com/2010/03/vfxiras.html

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日本の現状と諸外国との比較----------------
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日米アニメーションの違いとVFX
低予算(TVなど)のアニメーションにおける日米の違い。
ハリウッドVFXを製作することで日本のアニメにどのような貢献が考えられるか。
 http://shikatanaku.blogspot.com/2010/02/vfx_20.html


日本のアニメ業界に関すること

http://shikatanaku.blogspot.com/2010/02/blog-post_20.html


ネットワークを利用しての先端映像統合作成システム研究の背景と概要
早稲田大学 安藤教授のレポートです。
「研究の背景」のところに、日本とハリウッドのVFX予算について比較した情報があります。
また右側にあるリンクからもいろいろと興味深い話がみれます。
http://www.giti.waseda.ac.jp/GITI/koudo/ando/index.html

NHKスペシャル 第2回 日本アニメ vs ハリウッド
日本のコンテンツを世界の市場にのせる。アフロサムライでエミー賞を獲得したGONZOの石川社長の奮闘。アメリカと日本のコンテンツ産業の違いをきちんと理解した人だと思います。

http://shikatanaku.blogspot.com/2010/01/nhk-vs.html

VFXの給料がわかるサイト
各国のVFXプロダクションで実際に仕事をした人からのレポートにより作成されています。http://shikatanaku.blogspot.com/2010/01/vfx_5113.html

メモ:「小規模CGプロダクションチーフの会」議事録   NEW!!
日本の現場を率いる人達からみた日本の現状

http://shikatanaku.blogspot.com/2010/03/cg_08.html

メモ:元WETA DIGITAL 村本浩昭氏の人材育成セミナーのレポート   NEW!!
アバターで大成功をおさめたWetaDigitalその現場にいた村本氏の講演レポートです。
日本との違いなどにも触れられており、ただWetaの事例を紹介する物ではありません。
http://shikatanaku.blogspot.com/2010/03/weta-digital.html

映像産業とかカジノとか   NEW!!
ranpouさんのブログエントリ
パチスロ業界が日本のCG産業をささえている?!
政府からも存在しないかのようにスルーされている、隠れた存在と映像業界の実際。
http://maruko.to/2010/03/post-81.html

円谷プロ買収とニッチな映画とアルビン・トフラー   NEW!!
隠れた存在であったパチンコ業界が、ついに映像産業の上に立った。
日本の特撮の代名詞でもあった円谷プロの買収とアルビントフラーの
「第三の波」から、これからの世界と日本お映像産業を考える。


http://shikatanaku.blogspot.com/2010/03/blog-post_18.html

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VFX業界の傾向---------------------------
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ファウンデーションシリーズをローランドエメリッヒが映画化しようとしている
「私はアバターのセットへ行き、それがどう機能するかをみてこう思いました「これは究極の映画制作方法だ」と」
http://shikatanaku.blogspot.com/2010/02/blog-post_13.html

アバターの技術(1):パフォーマンス・キャプチャー  NEW!!
ジェムスキャメロンの映画アバターは何が凄いのか?
実際の所、特に目新しい物もないようにみえますが。
http://shikatanaku.blogspot.com/2010/02/blog-post_26.html


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その他----------------------------------
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ジェームスキャメロンの言葉
ハリウッドと日本との違い?
それを説明してくれるかもしれません。
http://shikatanaku.blogspot.com/2010/01/blog-post_4549.html


全米で働きがいのある会社ベスト100(Gigazine)
アニメーション製作会社であるDreamWorksが6位になっています。
アニメーション(もしくはCG)=苦しい
というのは必ずしも真実ではないことがわかります。
http://gigazine.net/index.php?/news/comments/20100126_best_companies_to_work_for/


公開書簡 ジェームスキャメロンへ :ビジュアル・エフェクツ・アーティストへの公平さについて
かならずしもすべてのプロダクションに当てはまっているわけではありませんが、
アメリカのVFX業界が抱えている問題がわかります。
http://shikatanaku.blogspot.com/2010/02/blog-post_10.html

ハリウッドから仕事をとれれば給料があがるのか?  NEW!!
ハリウッドからただ仕事を得るだけではあまり見込めません。
それには成長を前提としたプランが必要です。
http://shikatanaku.blogspot.com/2010/03/blog-post_06.html

経済波及効果の意味と、CG業界との関連 NEW!!
経済波及効果はこの計画を進める上でも重要な要素です。
その言葉の意味と、いろいろな事例について情報をあつめてみました。

http://shikatanaku.blogspot.com/2010/03/cg.html

デプス情報をもつ3D-USB カメラ NEW!!
カメラがデプス情報をもつとどのように将来の映像業界が変化するのか。
http://shikatanaku.blogspot.com/2010/03/3d-usb.html


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当ブログに引用された文章、イメージ、ファイル、ムービーの著作権は、それぞれの著作者に帰属します。また著作者Melonによる文章、アイデア、イメージ、ファイル、ムービーについては、無断で転載や利用、放送・出版は固く禁じます。
(こちらからお願いした場合、許可を受けた場合はこの限りではありません。 )
(C) 2009-All Right reaserved melon 

NHKスペシャル 第2回 日本アニメ vs ハリウッド :リンク切れ

以前のエントリにYoutubeへのリンクを掲載していましたが、元動画が削除されていたようです。

veoh
http://www.veoh.com/browse/videos/category/educational/watch/v163781702yedgtgY#

まえがき「日本でハリウッド映画のVFXを受注、製作する」

<日本でハリウッド映画のVFXを受注、製作する>
----ダイジェスト----

現在、映画にはCGによるビジュアル・エフェクツ(VFX)は不可欠な作業です。


VFXはポストプロダクションともよばれ、映画撮影後にCGの技術を使って映像に様々な加工をほどしたり、撮影時に存在しないものを追加したりします。
近年のVFX対策と呼ばれる映画では、宇宙船、恐竜、エイリアン、ロボット、超人、惑星、爆発、等さまざまなものがCGにより製作され実写と合成されます。
最近はSF映画が全盛であり、映画作成自体がVFX作成といっても過言ではないほど、その比率は年々大きくなり「アバター」に至っては、背景やメインの人物、ジャングルの動物まですべてがCGで作られており、そのCGを担当したニュージーランドのWETAでは、最大900人の人員を動員していたことは有名です。



CG/VFXというとアバターのようなSF大作などを想像しがちですが、通常のドラマでも背景を置き換えてロケ地をごまかしたり、小物を追加したり、窓ガラスに反射を加えたりというふうに気がつかないところにも使われています。


そのVFX作業は一社でつくられるのは希なことで、通常は、制作元である大手スタジオからハリウッドの大小、様々なVFXプロダクションへ発注し、処理されるのが通常の流れだと思います。
そして監督のイメージするとおりの映像をつくるというこの作業は増加の一途をたどり、VFXに割かれる経費も増加しました。

そのためハリウッドの映画製作会社は、このVFXの経費削減のためにより安い経費で仕上げられるところを探し求め、ハリウッドのVFXプロダクションもそのその受注額を安くせざるを得ない状況がありました。
しかしながら、ハリウッドのVFXプロダクションでは安くするにも限界があり、製作会社は海外にその活路を見いだしました。

それは人件費が格段に安い中国。
IT産業で今や世界を席巻し、英語も堪能なインド。
そして税金の優遇措置や映画撮影に関する政府支援が得られ、なおかつ技術的にも高度な物をもっている国、カナダ、ロンドン、ニュージーランド。
それらの国のプロダクションへ仕事をアウトソーシングするようになり、映画だけでなくTVでさえ(ゲーム業界もそうかもしれません)そうなっています。
ネットワークの発達により、ビデオ会議、データの転送などが世界中どこの国にいても、アメリカ国内と同じようにできるので、もはや海外と国内の違いは時差以外には、ほとんどありません。

映画やTVのプロデューサー間では、みなが口を合わせたように「カリフォルニア意外ならどこでもいいよ」といっているという話もあります。(カリフォルニアはご存知の通りハリウッドのある場所です)

ここハリウッドの大小とりまぜたVFXプロダクションも活路を見いだすために、それぞれにメリットのある国を選び、カナダ、インド、シンガポールなどへどんどん支部をつくり、いままでカリフォルニアの本社で行っていた仕事の多くをそちらへ送るようになりました。
そのため、現在ハリウッドではVFXの仕事が大幅に減少し、おおくのアーティストが将来の不安を抱いているほどです。


またハリウッド映画のノウハウを持っていなかった中国やインドも早くからこの業界の仕事を受注しており、ロトスコープなどの基本的な作業からはじめ、現在では一部の会社は高度なVFXやCGアニメーションを手がけるようになってきました。
シンガポールも政府が率先してアニメーション業界を活性化しており、大手ルーカス・アニメ-ションをはじめVFXプロダクションでさえ、シンガポール支部を持つに至る状況です。

最近のVFX映画の半数以上に、ロンドンのプロダクションが関係しています。
ロンドン、カナダ、ニュージーランドは映画製作が古くから行われており、ハリウッドとの共同作業にも歴史があります。俳優の人種的にもロケ地についても、共通する部分があり、撮影も行いやすいという面もあるかもしれません。
しかしロンドンは東京と比較されるほどの物価高の国でした。
調べてないのでわかりませんが、平均給料も決して東京と大きな差はないかもしれません。
それでも、予算に厳しくなったハリウッド映画を受注できるのは、その映画製作の歴史だけでは無理です。
そこで功を奏したのが税優遇措置です。
税優遇措置は、以前からアメリカの様々な州でロケの誘致などにつかわれていますが、おそらくそれよりも魅力的な条件だったのでしょう。
しかもVFXに関して言えば、アメリカのほとんどのプロダクションがカリフォルニアにあります。


アバターに至ってはほとんどがニュージーランドで作成されましたが、プロデューサーがニュージーランドを選んだ理由は税優遇措置でした。
そして、このアウトソーシングの流れはその他のアジア諸国をとりいれつつありますます広がる様相をみせています。


今やハリウッド映画は、世界各国で作られているのです。
正確にいうと
ハリウッド映画の製作作業世界の様々な国でおこなわれています。

ハリウッドが映画製作の指揮をとっているのは今もかわりません。
映画スタジオと呼ばれる会社が企画し、プロデュース、広報、配給を行います。
古くから、ハリウッド以外の国で撮影やSFXが行われていますが、近年コンピュータをつかったCG/VFXの製作作業は、いままでになく爆発的に世界各地へ広がっています。



「アバター」で、より高度なレベルに至ったモーションキャプチャー、バーチャルカメラ、CGの技術は、映画製作を変える物とも言われ、ハリウッドの大物監督ローランド・エメリッヒも注目しています。
このような映画が増えれば、VFXの作業は飛躍的に増加するかもしれません。
そのときには、すでにこの流れに乗っている国は、大きく成長しより多くの関連産業がうまれるかもしれません。


一方、日本のVFX、CG業界は、一般的には貧弱であり、競争力がないと思われています。
このひとつの要因は低予算にあると言われています。
また、技術力がないからだとも言われます。

これは本当でしょうか?
これまでのハリウッドVFX業界をみてみますと、多くの日本人が関係しています。
それらの人は、ただ業界に関わるだけでなく、第一線でリーダーとしてチームを率いているような重要なポジションについているひとも沢山います。
そして、それらの人がそろって口にするのは「日本人は決して技術で大きく劣っているわけではない」ということです。
ハリウッドで働いている日本人には、日本で勉強したり、日本でCGの仕事をしていた人も多数含まれます。
それがそのことを証明しているともいえます。

日本のCG業界で長年の経験を積んだ人は、次のステップとしてハリウッドを目指す人が多いのも事実です。学生に至っては、最初からハリウッドを目指したいと思っている人も沢山います。

多くの人がハリウッド映画にあこがれ、夢をそこに求めています。
しかしながら日本ではそれは達成できない夢であり、日本の貴重な人材が流出していくのを指をくわえて眺めているしかないのが実情でしょう。


それにしても、なぜ中国よりも技術力を持ち、インドよりはるかに早く発達したIT産業国である日本が、この流れからはずれているのでしょうか?



映画制作に関するものは、CG/VFXだけではありません、実際のロケ、セットの作成、機材などさまざまなものに予算がわりあてられます。
したがって総制作費が2億ドルとしてもVFXにさかれる費用はその一部となります。
しかしながら一部と言っても、ハリウッドの大作映画になると、数千万ドルを超すこともあるでしょう。
VFXという一分野であっても決して無視出来る金額ではないように思います。

アバターでは、VFX(CG)に使われた金額は桁違いだったと思われます。
そしてVFXの作業でも、それらを様々な業者やプロダクションで細分するわけですが、日本映画のVFX制作費とくらべて十分な収入が見込めるなら、日本でハリウッドVFXを制作することは不可能でないと思います。


カナダやイギリスといった映画産業全体をフォローする体制があり、その歴史もある国にはまともには太刀打ちできませんが、CG(VFXとアニメーション)分野に的を絞り、日本人のもつすぐれた技術力を生かせば、安い人件費で勝負している中国やインドを出し抜くことはできるかもしれません。
たとえ、後発であっても、日本人の仕事の効率化や改善は他国の追随をゆるさないものあります。
こういった得意の能力を生かして、CG業界で勝負することは出来るように思います。

そして、これによりハリウッドの信頼を勝ち得れば、より大きな仕事を得て、それらの作業を通し、独自のノウハウを構築することができます。
これは日本の重要な財産であるコンテンツを生かすことにつながってくるでしょう。
逆にこの分野で出遅れれば、すでに信頼を得つつあるインドや中国が、そのシェアを伸ばし日本の入り込む余地はなくなるかもしれません。

2010年2月17日水曜日

ファイナルファンタジーとATOM

映画ファイナルファンタジーは日本が主導権をにぎってハリウッドの人と協力して製作したような感じがする。
そしてATOMはハリウッドが主導権をにぎり、日本の虫プロが、キャラクターのイメージなどに主導権を握った。

で、どちらも失敗しているのは偶然か?

VFXpro.com盛況中

VFXの求人掲示板 VFXpro.comでは、ここ数日、様々な会社から沢山の募集が投稿されている。
こんなに沢山の募集が続くのは近年まれにみるほどの盛況ぶりではないかと思う。
しかし....LAのプロダクションは少ない!!

SonyイメージワークスがインドオフィスのFXスーパーバイザーを募集
ZoicすたじをバンクバーオフィスのVFXプロデューサー募集
Rising Sunピクチャー(オーストラリア)スーパーバイザー募集

そして、Animal_Logicはまたも大量募集。
Animal_Logicは現在かなり大きなプロダクションになったようですね。
2月22日~25日には、LAオフィスでFX-TDの面接をやるそうだ。
これは応募すべきか?!と一瞬思いました。まぁ実際に行きたいというよりもどんな感じが話を聞きたいだけですが。

それにしてもここまで募集掛かってるのにLAは少ないというのはいよいよLAはおしまいか?!
先日のジェームスキャメロンへの手紙は、なんとなく遅すぎたような気もしてくる。

どちらにしてもVFXアーティストはLAを目指すのではなく、世界のどこでも働ける心構えをしておいたほうがよさそうだと思った。
いろいろな国に行けて良いかもしれないけど、金に余裕がないときつい。
独身ならいいだろうけど、 家庭持ちには、きついね。
これじゃ、いくらもらっても引っ越し貧乏になってしまうだろうし。

日本とハリウッドのVFXプロダクションについて、

一般的に、ハリウッドのVFXはすごい、日本のVFXはしょぼいと評価されることが多いですが、最近は日本のVFXも頑張っており、あっと思わせるVFXショットも度々みられるようになってきました。

そして、ハリウッドで働いている様々な日本人が口にしているように、決して日本人の技術レベルが低いわけではありません。ハリウッド第一線で活躍する日本人が多いのはご存知の通りです。

参照:『アバター』制作の裏側!! 元wetaデジタル村本浩昭さん講演メモ(元ブログ:CGクリエイターができるまで)


日本で、高度なレベルに達した人は、海外を目指す人が多く、実際に渡米して成功している人も多いのが事実です。
これは日本から優秀な人材が流出していると言うことでもあります。
今もやる気ある学生などは最初から、海外を目指す人が多いようです。




その原因の一つとして、日本は低予算であるということがあるように思います。
作業工数も限られ、日程も短いために作り出される映像の質をきわめていくことが難しい。
これは想像ですが、ようするに上級者にとっては、がんばっても、それがかならずしも質に結びつかなかったり、評価に結びつかず、おもしろみがなくなり、やりがいも無くなるのでしょう。
ハリウッドの大手プロダクションでは、開発に必ず時間とお金、人材が割かれ、大作映画ではほぼ毎回のように、新しい技術が開発導入されている。

いわば日本のCGプロダクションでは、多くの場合、自分の可能性を試すだけの環境がないともいえます。(あくまで一般論で、日本でもすぐれたプロダクションはあります。)
簡単に言えば夢がもてないということかもしれません。

日本のプロダクションの実情は、人から聞いた話しかしらないのですが、予算の制限などの諸事情を考え合わせると、ある程度想像することができます。
まずお金がないということは、人件費を節約する必要があり、作業時間も切り詰める必要がある。
そうすると一人が担当するカット数が増え、締め切りまでの時間も短いと言うことは想像がつく。
結果として、締め切りに間に合わせるには、既存の技術を使うことが増え、目新しい技術を使うような余裕はあまりなくなる。
そして、質を十分につめていく時間も不足することはよくあることかもしれない。


ハリウッド映画でいえるのは、質を十分につめるためにすべてが行われる。
開発もそのためだし、様々な専門分野のアーティストを集めて作業をするのもそのためだ。
末端の作業においても、ライティング、アニメーション、シェーディング、そしてコンポジットなど。
すべてが求める質を得るために力が注がれる。
不自然で実写となじんでいないコンポジット、不自然な動きをするアニメーションなど、すべてが完璧になっているとは思わないがそれぞれに完璧と思われるできになるまでは、妥協しない。

現在では、長年にわたる、そういった制作体制を経験した人がチームを率い、そこから生み出されるものをよく知っているCGスーパーバイザーやVFXプロデューサーが増えている。
こういった人達は非常に目が肥えており、微妙な違いまで指摘し、最終的な質を確保することに貢献する。


またハリウッドでは、沢山の映画関係者がいることから、競争も激しい。
そのため必然的に優れた能力を持った人が生き残ることになります。
そしてそれは大作映画にかぎらず、TVや、低予算映画でも、非常にするどい目をもった人がいる。
これらの人は、中小規模のプロダクションで活躍し、大手のプロダクションが作り出すような質を、創意と工夫で乗り切ります。
日本で公開されたハリウッド映画で、小さなプロダクションが市販のソフト、いくつかのスクリプト、市販のプラグインを使ってVFXが作られたのを知っています。
おそらく日本のプロダクションよりも、技術的には劣っているのですが、スーパーバイザーやプロデューサーは見せ方を知っています。そしてクライアントもこだわりがあります。


実際の所、こちらの中小規模のプロダクションは技術や設備は、日本とほぼ違いがないように感じる事もあります。
ただ、質へのこだわり方や、それを導く人達の感性や考え方が異なるだけではないかと思う。
こう書くと「日本人の感性や考え方を棄てろというのか!」とお叱りをうけるかもしれない。
それはここで言いたいことではなく、誤解であることをお断りしておく。
作品に反映される感性や、制作における考え方は日本人のほうがすぐれていると感じる部分もある。
だからこそ、なぜ日本人がこの部分において弱いのかが疑問である。
感性や考え方はすぐれているのだが、それをどうやって最後まで生かしきるのか?と言う点が足りないような気がする。ようするに様々な制約により、本来出せるべき感性や考え方が、どこかでしぼんでしまって100%だしきれていないというのが日本のCG産業をみていての正直な感想である。


日本には、こういった人材が少ないもしくは、そういった経験を積んできた人が少ない(と思われる)、もし日本でハリウッドVFXを制作するとしたら、こうした微妙な違いまで見極められる目の肥えた人達が必要となる。
そうでなければ仕事を発注する側から相手にされなくなるだろう。
その一番の早道は、海外からスーパーバイザーやプロデューサーを雇い入れることではないかと思う。
それは日本人でもよいが、ハリウッド映画に長年関わった人であることが好ましいでしょう。
こうした人について働くことで、日本にもそういったセンスをもった人が増えてくることがハリウッドの仕事を受注することの一つのメリットです。

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ハリウッドVFXを日本で制作するというと、ロードオブザリングや、スパイダーマン、はてはアバターのような物を日本で作るのか?と思われる人もいるかもしれない。

正直言って、それがすぐにできるとは思っていない。
これにはハリウッド映画がどのようにして作られるかを知っておく必要がある。

まず、この業界に興味がある人なら誰でも知っていることだが、一つの映画のVFXをたった一つのVFXプロダクションで作ることはない。
量が多すぎるのだ。期限内でおわらせるには、それを分散する必要がある。
また、ショットの内容によっては、水を得意とする所、動物を得意とするところ、爆発などを得意とするところなどにわけて発注する。
この部分は、主に大中プロダクションがしめている。
大手プロダクションは自社の得意とするところを全面に押し出すために、日々新しい技術の開発にせいをだし、他の追随を許さない。
中規模プロダクションでも自社ソフトウエアを開発し、売り物となる得意分野を開拓したところもある。
このようなケースでは100ショット以上の受注も普通に行われることだろう。

実は、どんな大作映画にも、その他の中小プロダクションが関わっている。
これらは自社ソフトを開発するほどの体力はもたず、スクリプトなどで既存のソフトを改良して使っている程度のことが多い。(もちろん、簡単なソフトであれば開発することもある)
小規模のプロダクションにおいては、ほとんど市販のソフトとプラグインしかつかわないところもある。
これらは、VFXがあるとはわからないようなショットを手がけたり、マニーショットそのものではないが、それに近い物を作ったりする。
小規模であれば、予告編につかう4カットのトラッキングだけを受注することもあるし、数十カットのワイヤーリムーバルを手がけるところもある。他にも爆発関連を10カットとか、水しぶき関連を5カットとか、胸に付けているバッジの絵柄を変えるだけとか、いろいろだ。
このように、大手プロダクションの技術をそれほど必要としなくとも作れるようなショットは、小分けにして小さなプロダクションにまかせることがある。
このようなケースは数多くあり、あまりにも少ない作業だと、映画のエンドロールにアーティスト名はおろか会社名さえ出ないこともある。

このようなプロダクションは、クライアントに自社のデモリールを見せてアピールしたり、ショットの具体的な予算を提示する。クライアント側は同じショットを数社に依頼して、テストをやらせることもよくある。
提示された予算と、テストの出来具合からクライアント側が最終的な判断をする。
これは一般的な方法であり、これ以外にも知り合いの人から確保することもあるだろうし、一度関係を持った監督やスーパーバイザーから、再度別の映画の仕事を依頼されることもある。

良い仕事を確保するには、この仕事をとるときのやりとりにこつがあるのはおそらく日本も同じだろう。

一般的には、駆け出しの中小プロダクションは、このような単発的な映画のショットを手がけて経験をつんだりCMなどを作成して経験を積む。

(余談ですが、ハリウッドというと映画が注目を浴びますが、TVやCMの仕事も大量にあります。TV主流、CMやモーショングラフィック主流、映画主流などいろいろとプロダクションによって得意とする分野は違いますが、必ずしもマーケットは映画だけではありません。 そしてCMは質が問われる物が多く、映画もCMも質においては同等に扱われることも多いため、CMも映画も平行して行っているプロダクションは数多くあります。TVに関しては継続して発生することが多いため、それ専用のチームを作る事が多いようです。)



これはほぼ個人のアーティストと同じ流れだが、こうやって作った作品でそのプロダクションの得意とするスキルを見せる事ができる。
もし、将来増えてきそうな仕事の傾向をすばやく見抜き、それに関連する仕事をはやくから受注していくことができれば、将来への布石となるでしょう。
そのためには有能な営業能力を持った人が必要である。
自分は、詳しくないのですがおそらく、それはプロデューサー(映画のプロデューサーのことではなく、各プロダクションのCGやVFXプロデューサーのこと)の役割でしょう。


日本でハリウッドの大作映画を受注するには、大体このステップを踏んで、ハリウッド界での信頼を徐々に確立していくことが多いように思います。
どんなものを作るかによって、そのステップの一つ一つはおおきくなることもあるだろうし、小さいままになるかもしれません。
仕事の選び方がうまいプロダクションは、4~5年で数倍以上に大きくなっています。
ようするに会社の成長と、アーティストにとってやりがいのある仕事がとれるかどうかは、プロデューサーに掛かっているのかもしれません。


理想的には現地の経験あるプロデューサーやスーパーバイザーを雇い、現地のアーティストと日本からのアーティストをとりまぜたハリウッドの支部を作り、最初はそこをメインに仕事をまわし、日本は、それのサポートをしていくような形にするといいのかもしれませんが、あいにく経験がないので実際の所、どうすれば良いのかはわかりません。

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ハリウッドのVFXプロダクションのパイプラインは、プロダクションの規模により以下のように分けられると思います。

●大規模~中規模:独自のソフトや、プラグインの研究・開発を行い、他ではまねできない作品を作る。
●中規模~小規模:小規模予算で対応できるソフト開発や、独自のプラグイン開発。それにより作業効率の改善を図る。
●小規模~個人:主に市販ソフト用のスクリプトで作業改善を図る。

日本のプロダクションはここの中規模~個人までの間にふくまれると思います。

大規模のパイプラインがそのまま導入できれば理想的ですが、大量の仕事が継続して受注できなければ維持できません。

中小規模のプロダクションのパイプラインは日本の大手プロダクションと非常に制作環境(ハードウエア、ソフトウエアに関して)が似ているのではないかと思います。
小規模においては、全世界共通で中国ではこの手のものが一番多いと思われます。


もし、日本に大きなVFXプロダクションをいきなり設立するのがむずかしいのなら、中小規模のプロダクションからはじめ、経験を積み、徐々に大きな仕事を得られるようにすればよいかもしれません。


日本の映画は低予算といわれていますが、過去に1億3700万ドル(157億円)かけたアニメーションがありました。
スクエアUSA制作「ファイナルファンタジー(2001年)」です。実際にはCGプロダクションを新規にハワイへ設立したので、純粋な制作費とはいえないと思いますが、それでも大予算であったことには違いありません。
そのアニメーションの技術は、当時としてはずばぬけており、いまみてもすばらしいものです。
ポーラ・エクスプレスや、クリスマスキャロルは、技術的な面をみると、この映画の延長線上にあるといえるかもしれません。

あいにく、映画としては失敗に終り、プロダクションの閉鎖へつながりました。
これは日本人主導で、ハリウッドのアニメ・プロダクションに近いものを設立した唯一の例だと思います。
もし成功して、次々と作品をつくることができたら、日本でハリウッド映画を作成するパイプラインが構築できていたかもしれません。



アニメーションということで見てみると同時期に「シュレック」が公開され成功しています。
そしてそれ以降もいろいろなアニメーションが作られていますが、ハリウッドではいずれも成功しています。

シュレック(2001年):6000万ドル
シュレック2(2004年):7500万ドル
シュレック3(2007年):1億6000万ドル
ポーラ・エクスプレス(2004年):1億6500万ドル
クリスマス・キャロル(2009年):2億ドル

いずれも、脚本などの部分がすぐれており、世界規模のマーケットを視野に入れた製作で成功していると思われます。

経産省で一番の焦点となるのはここではないかと推測します。
ハリウッドのVFXを日本で作成することで、個々のアーティストやスーパーバイザーのレイアウト、アニメーション(動き)、色、質感、等々を詰めていくことに関してはノウハウが得られるでしょう。
これは日本映画のVFX作業や、アニメーションにも生かせるでしょう。
ちょとしたことが、国際市場にのせる作品をつくるのに役立つことがあるかもしれません。

しかしながら、一本の映画を製作する上での総プロデュースや、監督のノウハウは、思ったほど得られないかもしれません。というのが小さな仕事では、それらのトップレベルの人との接触はほとんどないと考えられるからです。
かなりの大きな仕事、たとえば一本のVFXほぼ丸ごととかを受注できれば、監督や総プロデューサーとの接触があり、彼らの活動に触れることができるかもしれません。そうすれば、仕事を通して、ある程度のノウハウを吸収することはできるかもしれません。

2010年2月16日火曜日

アニメーション製作と実写VFX製作との共通点

日本でハリウッドVFXを制作できるようにするためには、政府だけでなくプロダクションや、個々のアーティストでさえ、多大な努力と費用が必要になると思われます。
そこで、ハリウッドのVFXを制作することで、実際どんなメリットがもたらされるのかが重要な焦点となります。
検討すべき一つのことは収入面がありますが、 もう一つはどんなノウハウが吸収できるかと言うことです。
制作を通して得られるノウハウが日本映画の制作やアニメーションの制作においていかすことができ、日本の映像産業を飛躍させることができるのであれば、そのメリットは大きいと言えます。

そのためには、現在のハリウッド映画の制作状況を知ったり、日本とハリウッドの制作におけるテクニックの比較や、何が導入できてなにが導入できないかなど、様々な角度からの検討が必要となってくるでしょう。

今回はアニメーション(非リアリスティック)作品とVFX作品の制作における共通点を調べてみました。


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ハリウッドでの大作劇場アニメーションでは、ほぼすべてCGが主体となっています。
アニメーションは、キーフレームを手作業で作っていく作業と、モーションキャプチャーで作っていく作業の二つあるのはご存知の通りと思います。
通常の非リアリスティック、もしくはカートゥーンと呼ばれる分野はもちろんのこと、実写のVFX映画においてもその二つがよくつかわれます。
これは「アニメーション=カートゥーン」ではなく、「アニメーション=動き」と理解すればわかりやすいと思います。
実写VFX映画では、エイリアンや恐竜、怪物、ロボットといった異質なキャラクタをCGで作成したり、通常では不可能な人間やカメラの動きを作るために俳優がCGで再構築されます。
これらの動きを作るのはすべて非リアリスティックなものとまったく同じです。
(当然ながら、非リアリスティックは動きを派手にするなどの、違いはあります。)

おもてにはでてこないところでは、変身につかわれます。
まずCGで、役者やキャラクタが作られ、撮影された役者や動物の動きにぴったり合わせてCGキャラクターのアニメーション(動き)を作成します。
その上でCG役者をいろいろな形に変形させたり、皮膚を鱗のように変えたり、簡単なところでは傷をつけたりという作業が行われ、実写と合成されます。
また光線や、炎、煙などを役者とからめたりするのにも使われます。
このようにキャラクターの動きを作成する部分には、VFXといえども、非リアリスティックな作品(アニメーション)と共通する部分が多いのがわかります。

煙、炎、光線など多種多様なエフェクトも、大作アニメでは、基本的な技術は通常のVFX映画と共通する部分が多数あります。
また、CGキャラクターの質感、たとえば皮膚、毛などといったものを作る技術も基本的には、共通していると言えます。

おおざっぱにいえば、大きな違いはレンダリングの違いだけともいえます。
(もちろん、厳密に言えば、それぞれに演出の違い、最終的イメージの違いがあるので、技術の用途も異なってきます。)


非リアリスティックな作品(アニメ)では、ピクサーや、ドリームワークスが有名です。

昨年末に公開された「ディズニーのクリスマスキャロル」は、それらとは異なる見た目をもったアニメです。
「クリスマスキャロル」は、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」で有名なロバートゼメキス監督による作品ですが、従来の非リアリスティックとリアルなものとの中間的な質感をもったものです。
ロバートゼメキスはこのような質感をもったアニメーションに2004年の「ポーラ・エクスプレス」から取り組んでいますが、その柱となるテクニックがモーションキャプチャーです。
また、ご覧いただけたらわかると思いますが、皮膚の質感などのテクスチャーは、非常にリアルな物で、背景などの小物にしても、実写に近い質感を持っています。
http://www.trailerspy.com/trailer/5347/A-Christmas-Carol-Trailer-HD
http://www.apple.com/trailers/disney/achristmascarol/hd/

このように、最近では、非リアリスティック(アニメ)な作品も、質感においてはどんどんリアルになる傾向があります。


また実写VFXにおいても手作業のキーフレーム、モーションキャプチャー共に使われています。
最近ではフェイシャルキャプチャーの技術が発展し、昨年公開された「ベンジャミンバトン」もCGで作成された老人の顔の動きは役者であるブラッド・ピットからとっています。
参照:デジタルドメインVFXメイキングサイト
(ちなみにこのベンジャミンバトンでも日本人が多数活躍しています)
参照:鍋潤太朗★ハリウッド映像トピックス


そしてこの延長線上にあり、質感も実写とほぼ互角になったのが「アバター」です。
参照:公式「アバター」サイト
アバターは人間部分は実写ですが、衛生パンドラの環境や、原住民ナヴィや生物はすべてCGです。
監督のジェームスキャメロンはクローズアップにこだわったと言うだけ有り、顔の動きは自然なものに成っています。


アバターには革命的な技法がたくさんありますが、立体視の技法、バーチャルカメラ、フェイシャルキャプチャーの技術は飛躍的に向上しています。

「2012」の監督ローランドエメリッヒは、アバターの撮影現場を訪問したことがあり、「究極の映画制作方法だ」「大作映画はすべてCGで作るべきだ」と賞賛しています。
そして自身の作品に、その技法を取り入れ、すべてCGを使って作成したいと考えているようです。
参照:ファウンデーションシリーズをローランドエメリッヒが映画化しようとしている



上記にあげたようなモーションキャプチャーはシステム的に高精細であり「パフォーマンス・キャプチャー」と呼ばれます。
これが、「アバター」をきっかけにますますVFXを試用する映画の監督からも注目をあびつつあるのは事実なようで、これからのハリウッド映画制作の傾向の一つになる可能性はあると思われます。
ただ、これは大予算を前提としたハリウッド映画界での動きです。

日本においては、独自のアニメーション作品を作り出しており、そこへのこだわりもあります。
これが現在の日本映画やアニメに予算的に導入可能な物なのかどうかはわかりません、(おそらくアニメには予算的に無理でしょう)。

しかしながら、 「パフォーマンス・キャプチャー」が注目を浴びているとはいえ、通常のモーションキャプチャーは、ハリウッドVFXでもまだまだ使われています。
そして日本でもゲーム界などではよく使われており、確立されたテクニックではないかと思います。



「アバター」を作成したのはWETAデジタルが主体と成っています。
「日本でハリウッドVFXを作成する」という視点からこの制作パイプラインをみると、WETAデジタルではアバターのパフォーマンス・キャプチャーは行っていません。
すべてハリウッドで、とられたモーキャプデータがWETAデジタルへ送られてWETAではそれを利用しただけです。
これは俳優や監督がわざわざニュージーランドへ出向かなくても基本的な撮影ができるのでそうされたのも一つの理由でしょう。

このように、予算的に無理なものを導入せずとも、そのVFX作業を行うことは可能です。
そして、そのVFXの制作過程において、パフォーマンス・キャプチャー・データの使い方、生かし方、修正方法のノウハウは蓄積できます。
それは、基本的には現在のモーキャプの延長にあり、将来的には、パフォーマンスキャプチャーの導入への準備を整えることになると思います。



この「アバター」を制作したのは、過去には「ロード・オブ・ザリング」シリーズ、「キングコング」などを作成、数々のアカデミー賞を受賞したニュージーランドのプロダクション「WETAデジタル」です。
WETAデジタルでは、現在スティーブンスピルバーグ監督とピータージャクソン監督(ロードオブザリング)の共同作品「タンタンの冒険旅行」(三部作)の作成が2011年公開をめざして進行しています。
参照:Wikipedia

「タンタンの冒険旅行」は、ゼメキス監督のアニメ作品のようにパフォーマンス・キャプチャーを用いたフルデジタル3Dアニメーションと伝えられています。
これがその通りだとすれば、VFXで有名だった大手プロダクションがアニメーション界へも進出することになります。
このことは、CGを使うのであれば、アニメーションでもVFXでも、基本的な技術に共通点が多いことを裏付ける物だと思います。

またフルCGであるアニメ作品はもとより、アバターのようにVFXのショットをフルCGで作れば、実写合成よりも立体映画の作成が簡単になります。




日本でのアニメーション作品の制作において、これからどのようなものが必要になってくるのかは、まだまだはっきりしていない部分があります。
どちらかというと昔ながらの2Dアニメーションがまだまだ主流で、3DCGソフトを使ったCGアニメーションに関しては、模索している状態ではないかと思います。

以上は私個人の見解なので、十分でない箇所や間違い、また異なる見解もあると思います。
ブログをご覧のみなさまで、自分の考えをお持ちの方はぜひ、コメント欄に投稿をお願いします。 

2010年2月15日月曜日

アンケートへのご協力ありがとうございました

2010年1月31日~2月15日にわたり、ブログの内容について以下のアンケートを行いました。

みなさま、アンケートのご協力ありがとうございました。
本日、回答数100件に達しましたのでアンケートを終了させていただきました。

アンケート期間は2010年1月31日~2月15日
内容は:
----------------------------------------
「現在、MELとVFXの情報が混在して、本来の目的から若干それています。
この二つの情報は、別々のブログに分けるべきかどうか、あなたのアイデアをおしえてください。

●現状で問題なし
●分けた方が良い
----------------------------------------


アンケート結果
http://melon.enq1.shinobi.jp/enquete_p/77259/

●現状で問題なし:70件(70%)
●分けた方が良い:30件(30%)


嘘のようにぴったりの数値で終りましたw
後から気がつきましたが「現状で問題なし」ではなく、「分けないほうが良い」としたほうがより明確な答えが得られたと思うのですが、すでに始めていたのでそのままとしました。

また結果に関しては、「現状で問題なし」の回答者の中には「しかし分けたほうが見やすい」と思われている方もいると推測しています。
そのあたりを考慮にいれると、「分けたほうが良い」と感ている方はおそらく35~40%ではないかと思います。

アンケート結果を踏まえ、将来的にはブログを分割していくことにします。
しかしながら、当面は経産省へ提出する情報集めを優先させたいので、本格的な分割作業がいつになるかはわかりません。


<<これからの予定>>
●新しいブログを作成し、タイトルを「毎日、Melスクリプトの勉強!」にする。:「新URLブログ」とする
●現在のブログはVFX情報専用のブログにします。(タイトル変更予定):「現URLブログ」とする。

引っ越し方法は現URLブログの最初のエントリから少しづつ内容を新URLブログへ移設していきます。
基本的にはコピペですが、リンク切れと誤植を修正し、必要であれば加筆して新URLブログへ移設します。

新URLブログの内容は、プログラム、スクリプト、Melに的をしぼります。

そして現URLブログについては、内容はそのままに残します。
(Melスクリプト部分のエントリを削除することはしません)

新URLブログが公開されたら、それ以降は現URLブログはVFX情報のみのエントリを作成し、スクリプト関連の内容はすべて新URLブログにのみで公開します。

新URLブログへのリンクは現URLブログのわかりやすいところへ記載します。


したがって、現在、お気に入りに登録されている方はそのリンクを使った場合
「現URLブログ」(VFX情報のブログ)が表示されます。
そのため、特に二つに分けることに関しては混乱は生じないとおもわれます。


ただ、仕事の都合もあり、今年は忙しくなりそうなので、少なくとも半年は現状のままになると思います。

2010年2月14日日曜日

アンケートについて

このブログ左上にあるアンケートですが、総投票数が100件に達したら、終わりとします。

現在の総投票数は81件

現状で問題なし:59件(72.8%)
分けた方が良い:22件(27.2%)

です。

あと19件です。

これを機会にあなたの意見をお寄せ下さい。

ハリウッドで通用するアーティストになるには

まず、これは単に自分自身が考えたことで、正しいかどうかはわからないことをお断りしておきます。真偽は、読む人の判断にお任せします。

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ハリウッドのVFXは誰が見てもすばらしいと感じると思う。
もちろん、すべての人がすばらしいと感じているかどうかはわからない。
ただ、ここではそんな少数派は切り捨てて考える。

●本物と見間違えるほどのリアリティー
●異常なほどの作り込み

これらはどのように達成されたのか、いつも議論の主役になり、注目の的である。

帰結する解答はいつも似ている。
大人数で作り上げるパイプラインの存在。
高度な知識に裏打ちされた独自のシステム開発。
これらを支える大予算の存在。
大体はこういったに帰結する、そして「だから我々にはできない」という結論にも...。


日本映画には予算も時間もないから、あそこまでのクオリティーは作れないという意見もよく聞かれる。
それは実際の所、本当だと思う。
映画全体を考えたときには全くその通りだ。
だからこそ、あきらめもつく。

しかし、個々のアーティストにはそれはあてはまらないと思う。
そこであのクオリティーを追究することを諦めてはいないだろうか?とふと疑問に思うことがある。

ハリウッド映画は確かに大人数で作っている。
予算もあるのでトータルの工数も増加できる。

しかしながら最終的なクオリティーを分解したときに、その要素の一つ一つを決断し作り出しているのは個々のアーティストである。

あるショットのある一部分のクオリティーを出すために、一台のマシンで一人のアーティストが奮闘することだってあるのである。
特に大手のようにシステム開発の予算も体力もない中小企業がハリウッド映画にかかわるときはそうである。大予算の恩恵もそのレベルまで下りてくると薄くなってくる。
そしてこういった環境で作られるショットも少なくない。
名前さえ表に出てこないエフェクト・ハウスが関係してくることもよくあるのである。
それは純粋な3Dソフトとどこでも手に入るプラグインでつくられていることさえある。
最近では3dsMaxを使ってハリウッド映画を作る会社もある。

個々のアーティストの生み出す小さな結果がトータルに組み合わさって、できているのがハリウッド映画のVFXだと思う。


今、目の前に「このショットにこういうVFXを追加して欲しいのだが、何ができて何を他の人にやってもらえばいい?」と聞かれたとしたらあなたは、どう反応するだろうか?

もちろん、足りない技術は他のプロフェッショナルにお願いするとして、あなたがそのショットの一部に貢献してハリウッドのクオリティーをだせるだろうか?

たとえばトランスフォーマーのようなものを作りたいとして、映画のあるショットを取り上げてみる。
そのショットの以下のどの部分でも良いが、映画とまったく同じクオリティーにできるかどうかということだ。
ロボットのセットアップ(リグ)ができる。
ロボットの変形アニメーションができる。
テクスチャーがリアルに出来る。
見た目をリアルに出来る。(ルック・デヴェロップ)
ライティングをリアルに出来る。
エフェクツ(パーティクルなどをリアルにできる)

全く同じではなくても、90%ぐらいは近づけられるだろうか? 80%ならどうだろう?
見た目であれば、まず静止画から挑戦してもいい。


最近、気がついたが(「遅すぎ!」というツッコミはなしということでw)、
こちらで就職活動をするということは、そういうことをアピールするということだと思う。
デモリールやレジュメはそれを証明するための手段である。
一部でもそれがリクルート担当者やスーパーバイザーの目にかなえば、道が開けてくる。
たとえある映画の1ショットをまるっきりコピーしていてもよいと個人的には思う。
それをどんな手段を使ってでも、まったく同じクオリティーに見えるようにつくっているなら、それでいい。なぜなら求められることはショットを作る事に貢献できるかということだけだから。

今日、友人と話していたことだが、ハリウッドでは人脈が大切といわれることがよくある。
しかしそれは、大作映画を作る環境には、かならずしも当てはまらない。
人脈はたしかに大切だし有効に働くこともないとはいえない。
しかしそれはクオリティーを作り出せる腕前があり、それが採用側のタイミングとそのプロジェクトに必要なものであるときに初めて有効な手段となる。
それらの前提がシビアになってくる環境ほど、人脈は関係なくなってくる。
アーティストを選別するスーパーバイザーやプロデューサーには失敗は許されないのだ。
なぜなら大金が掛かっているからだ。
情に流されて採用して、もし駄目だったら責任はその人に降りかかってくる。
反面、それほどシビアではない環境、たとえば中小企業であれば、逆に人脈が生きてくる。


100%そうだとは言えないが、ハリウッドで人脈が生きるのは、たくさんの中小企業があるというのも一つの理由ではないかと思う。


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さて、ようするにハリウッド映画のVFXを作るには、仕事でも個人の作業でも良いので、とことん何かを追究し、これならハリウッド映画のクオリティーが出せると、自他共に認められるスキルを身につけておかなくてはいけない。

これは経験を積むことによってもできるし、個人の独学でも達成できる。
手段はどうでもよい、あなたがそのスキルを持っていることが証明できる結果をみせられることが最重要だ。
チャンスが来たときにそれをつかむためにも日々の訓練を積み重ね、精進しておくことが必要である。一日10分でも1週間で70分、1ヶ月で280分(4時間40分)、一年で56時間の勉強ができる。
「ゼロ」と比較してどれだけの差があるか考えてみて欲しい。
時間が無いという人も多いが、本当に意図すればであればたいがいの人は時間を作り出すことができるだろう。
本当に時間が無い人もいるだろうが、そういう人は、ハリウッドで仕事をするつもりはないか、もしくは自分なりの工夫をすでに始めている人だろう。


また、趣味的にとりくむこともできるが、それでは時間が掛かり、意図が散漫になる。よって得られる物も少なくなる。
やるなら明確な目的を持ち、意図を強く持って突き進むことで、不要な物を切り捨てることができ、効果が上がる。

明確な意図を持ち、実践したのがデジタルドメインの坂口氏ではないかと思う。

最近の記事などでは、デジタルドメインで仕事をしながらの努力が紹介されているが、以前、読んだCGワールドの「海外で働く日本人」(鍋潤太朗 著)にあった坂口氏のインタビューによると、彼の努力は日本にいたときからすでに始まっている。(インターン前に必要と思われる、C言語を勉強したといったようなエピソードだったと思う)


おそらくそれは学校で学べることではない。
学校に行けばなんとかなるのではないか? 卒業して経験をつめばなんとかなるのではないか?という中途半端な希望は棄てた方がむしろ精神的に良い効果をもたらすかもしれない。
それは、有効に働くこともある。
しかしながら、気持ちの持ち方がしっかりしていて行動に移すことが出来る人が勝利するのは変わりない。
「あなた自信」である。それは学校では学べない、自分が向き合う必要がある。


そして、世界中のどこの国にいても、たとえ日本にいても、実行できることであり、だれもが今すぐ、スタートできることである。
現にハリウッド映画をめざす世界中のアーティストは、そうしている。

淡い夢を抱き、のほほんと暮らしている人と、死にものぐるいで日々の時間を向上に費やしている人が同じ土俵にたったとき、どちらが勝つかはだれにでもわかることだ。

ハリウッド映画に関わる優れたアーティストとは、それをこなしてきた個々のアーティストからなる。
決して「ハリウッド映画のアーティスト」という集団が最初から存在していたわけではないし、一律にそういった才能をみにつけるシステムがハリウッドに存在しているわけでもない。(と自分は思う)


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また日本のCG業界で死にものぐるいで働いている人達の努力は決して無駄にはなっていない、
日本でCG業界でスキルを身につけた人はこちらでも高い評価がされることがある。

しかし、自分がハリウッド映画のどの部分なら担当することができるか?
そこに焦点をあてて、一日に少しだけでも努力をすることでもう一歩ふみだし、それを研ぎ澄ますことで、夢に近づくことになるのではないかと思う。


 現在ハリウッド映画のVFXは世界中へアウトソーシングされている。
将来ハリウッドであろうと、カナダであろうと、イギリスであろうと、オーストラリアやニュージーランドであろうと、そして日本であろうと、ハリウッド映画のVFXを手がけたいなら、要求されることは同じではないだろうか?
チャンスが,巡ってきたときにそれを物に出来るかどうかは、このあたりに掛かっている。
そして、それは日本がそういったアウトソーシングの潮流からガラパゴス化しているのことを説明してくれる理由の一つかもしれない。


日本にいると、このあたりのリアリティーがわかなかった。
努力が必要で、それが効果をもたらすことはわかっていたが、その努力をどちらへ向けていけばよいのかわからなかった。
こちらで6年も仕事をしてきて、やっとわかってきた。
いやわかってはいたが、面と向かい合えるまで時間がかかったというべきかもしれない。

「でも坂口さんは人並み外れた努力をしたからできたんだ」とか、「かれは格別だから」、「かれはすごいから」という言い訳は可能だ。

でもあなたがそうなりたいのなら、それについての私の解答は明白だ。
事実は、目を背けても、逃げても、そこにある。

以前にも書いかもしれませんが、マトリックスのでVFXスーパーバイザーをつとめ、バレット・タイムで一大ブームを作った(とされる)ジョン・ゲイタは、マトリックス・リローデッドのメイキング公演会で、あるリスナーから「どうすればあなたのように優れた人(並外れた人)なれますか?」という質問をうけた。

それに対しての彼の答えは、
他の人がテレビゲームで楽しんでいる時間を自分は、勉強に費やしました。それだけです。