エントリ「日本でハリウッドVFXを製作:経済産業省へ意見提出」に関して、いろいろなところで反響があり、多くの人が賛同してくれているのを見ると嬉しく思います。
英語チュートリアルを日本語化する「acombee」さんからもTwitterで応援のお言葉をいただけました。(今泉さん、ありがとうございます。)
また、先日「経産省への意見提出について補足」というエントリで、最近の考えなどの情報を追加しました。
主題が主題だけにハードルも高く、駄目だったたとなるかもしれません。
話題だけで、いつのまにか忘れられてしまうのかもしれません。
でも、自分ではできるところまでは、やってみたいと思っています。
現時点では、経産省にスルーされることは予測の内ですw
現実的に見て、中国やインドの発展具合、日本が学び発展していく期間が必要な事などを考えると、あまり時間は残されていないように思います。
VFX映画がこれからも増え続けて、現在の世界中のプロダクションをあわせてもまかないきれない量になるのであれば、まだ日本が入り込める可能性はあるでしょう。
変な学校や会社にアイデアを盗まれて、中途半端になってしまうのは避けたいので公開しませんでしたが、有志の方にアイデアを得ていただくために、(C)melonということで詳細を書いてみました。
法整備に関する事(税優遇措置など)
1)経産省をうごかすだけの材料をそろえる
経産省がすべて認めてくれたとしても、まだハリウッドには認められたわけではありません。
プロダクションに関する事
2)VFXプロダクションの発展プランをまとめる。
3)できれば具体的に動き出すための有志を得る。
そしてこれをプレゼンにまとめることで、はじめて経産省の説得ができるのではないかと考えます。
要は、こちらの準備はできているので、あとはそちら(経産省)の援助があれば行けるよということになる。
実現するにはリスクも大きく、一大プロジェクトになるでしょう。
1)経産省をうごかすだけの材料をそろえる
まず、具体的な数値、情報が必要。
●具体的な映画タイトルをあげ、それに関するVFXの予算や実際にプロダクションに支払われた金額。
(できればアメリカ国外へ依頼されたケース)
●設備、人件費、会社の運営費など
●各国(例:カナダ、ロンドン、中国など)のとる優遇措置にどのようなものがあり、何がカギとなってハリウッドの仕事をとれているのか?
●どんな条件がそろえば、ハリウッドのプロデューサーが興味を示すのか?
●具体的に経産省に求めること(税優遇措置、会社やプロジェクトへの融資など)
●ハリウッドのVFXを日本で作れるようになればハリウッドの映画制作のノウハウが得られる。
●日本のコンテンツを作るときに、そのノウハウが生かされ国際的なマーケットにあったコンテンツを作る事ができる。
●日本のアーティストや学生の意欲向上
まずは現状調査からですが、VFXにかけられた金額なんてどうやったら調べられるのか検討がつきません。(>o<)
2)VFXプロダクションの発展プランをまとめる。
現状の日本のままでは、ハリウッドの仕事をとれるほどの技術はないかもしれません。
(日本の実情はあまり知らないので、間違っていたら申し訳ないです。)
少なくともプロジェクトの進め方はかなり違いがあります。
そして、ハリウッドの仕事をして数億円という収入を得るには大きなプロダクションが必要となります。
(これにより雇用を促進もできる)
要するに質と量が確保され、パイプラインがハリウッドのパイプラインになじめば良いということになります。
ただいきなり大きなプロダクションを作るのはリスクが大きくなります。
ピータージャクソンが最初は小さな会社からWETAをはじめたように小さな会社から始める必要があるでしょう。
最初はプレビジュはコマーシャル系がいいのでしょうか?そのあたりも調べる必要がありそうです。
(プレビジュだと素早い対応や監督との話し合いが必要になるので、ハリウッドに支部をつくる必要があるかもしれません。チェック時はそこで、話をして、作業は日本に渡すなどする必要があります。)
ハリウッドでは、アーティストが独立して、会社をおこし成功する人も少なくありません。
ただし失敗する人も沢山います。
その明暗をわけるのはなにか個人的に観察してきた結果では
1)会社を興した人自体が、優れたアーティストであり、目が肥えている。
(良い物悪い物がすぐにわかる。センスがある)
2)仕事をとってくるのがうまい。(どんどんステップアップできるような仕事をとってきます)
これは交渉がうまいとか人脈があるということなのかもしれません。
また他国での会社の発展を参考にすると、ハリウッド経験者が自国に帰ってから会社を興して成功するというケースもあります。
一つ仕事がとれたからといって継続して仕事がえられるとは限りません。
そのため、軌道に乗るまでは、柔軟な体制が求められるでしょう。
とにかく最初は、優秀な人材が不可欠です。
●ゴンゾの石川社長のような、先見性があり、経営について国際的な視野をもった人。
●英語が堪能で、アメリカのことをよく知っているプロデューサや交渉役、ハリウッド経験者。ハリウッド支社常駐?
●システム関係を整備できる人
●TDレベルのハリウッド経験者、(外国人でもOK)
●シニアレベルのアーティスト、ハリウッド経験者
●全体をとりまとめることのできるスーパーバイザーやプロデューサ、ハリウッド経験者が望ましい。
●国際的なセンスを持ったディレクター(外国人でもOK)
●通訳(必要であれば)
まぁ現実には難しいので、あくまで理想です。
そしてこの人達が、仕事をとり、ハリウッドの信頼を獲得しそれを深める役割を担います。
そしてそれからの日本のVFXの発展を背負うことになります。
もし進めていく上で日本の業界に存在している、既存の起業関係で障害になるよう物があれば、
一切をハリウッドとの関係ですすめて、間に他企業をはさまないようにすることが必要かもしれません。(そのようなことがあるのかどうかはわかりませんが。)
とりあえず、最初は、このような人達で高質な映像をつくり、できればオリジナル作品なども出していきます。 足りない時は、日本のアーティストを雇っても良いでしょう。
まぁようは、会社をお越し、軌道に乗せるのが先決と言うことです。
そして安定してきて、大きなプロジェクトが入るようになれば、
●日本にいる人材を活用する方法を考える。(日本のスタイルとの違いを教えるなど。教育機関も必要か?)
●新人教育については、ある程度軌道に乗るまでは無理でしょう。特に最初は少数精鋭主義でいかないといけないでしょう。
将来的には、
●学校とのコラボレーションをして日本のVFXの質をあげる。
●日本のコンテンツを世界のマーケットに出していけるようにノウハウを応用する。
●少なくともデジタルドメインやリズム&ヒューズぐらいの規模のVFX会社にする。
運営の問題点としては、
●時差の問題
●言語の問題
●プロジェクトの進め方の違い(仕事のやり方の違い)から来る問題
がありますのでそれらを解決するひつようもでてくるでしょう。
これらをまとめ上げて、5~10年ぐらいのプロジェクトプランをまとめる。
(具体的な数値を上げて)
また、会社の運営や数値に関しては
実際の有識者に相談して意見や情報を得る必要があるでしょう。
これは実際に経産省のまとめた「コンテンツグローバル戦略報告書(PDF)」にも有識者の意見が書かれているところからも、経産省は有識者の意見には、耳を傾けることがわかります。
これが大体今の時点で自分が考えていることですが、こういったことを調べる時間がほとんどとれないというのが実情です。
またこういったことをやったことがないので、どこからどうやって情報得たり、有識者とコンタクトをとったりすればいいのかもこれから手探りでさがしていくことになります。
これは私のプランですが、是非、コメント欄であなたの声をきかせてください。
今回、人それぞれいろいろな考え方を持っているということです。
私が思いつかないよう無いアイデアをもっている人も沢山います。
それにみんなで意見を共有すれば、良い解決策も出てきそうな気がします。
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(2月5日追記;Yuさんよりコメント欄にすばらしいアイデアをお寄せいただきました)
(2月6日追記:エントリ「日本でハリウッドVFXを製作: 構造改革特別区域」を掲載)
中央行政だけじゃなくて、地方行政も攻めるという手もあると思います。
返信削除たとえば、映画の町として、構造改革特区認定をうけるとか。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A7%8B%E9%80%A0%E6%94%B9%E9%9D%A9%E7%89%B9%E5%88%A5%E5%8C%BA%E5%9F%9F
http://www.wagamachigenki.jp/saisei/01_04.htm
メニュー例による「地域再生に資する民間プロジェクトに対する課税の特例」
なんか、まさにそうじゃないでしょうか。
映画は、砂漠のスタジオから発展したハリウッドなど、町単位で発展してきた歴史もあります。
そこで、課税特例だけじゃなく、火薬もばんばんもやせて素材も撮れる。街角の撮影も許可が簡単。
学生だって撮影し放題。学校では宮崎はやおや北野武が教鞭をとっている。
みたいな町をつくれば、海外資本や留学生も入ってきやすいんじゃないでしょうか。
そんな構造特区にするなら、どんな町がいいですかねー。
すばらしいアイデアですね。
返信削除政府からの協力が得やすいというのがよいですね。
税の優遇措置は、投資に関する物だけのようなので、そのあたりはまだ検討の余地がありそうですが、なかなか興味深いです。
自分としては、神戸に注目していますがどうでしょうね~。それについては別のエントリで詳しく書きますね。