今日も、再びゲッティーセンターへ行ってきた。
土日はどこかへ出かけると思っている子供に押し切られた形だ。
新しい仕事も見つからず、家でぐだぐだしてても仕方がないので気分転換にもなるからいいかとは思って行くことにしました。
(相変わらず仕事募集中です! 仕事情報ある方はご連絡ください!!)
子供は、金曜日に熱を出し、病み上がりだったせいか、めずらしく、お決まりのトラムの5往復も要求せず、中庭でお昼ご飯を食べた後、子供コーナーへ直行して遊んでくれた。
ゲッティーセンターはうちからクルマで十分ほどでのところにあるのですが、LAの町が一望できる山頂にある無料のミュージアムです。
(駐車場代は15ドル、土曜日のevening hoursの日は5時以降駐車場代も無料)
非常にスケールの大きな建築と、たくさんの花に飾られた庭は、憩いの場所として多くの家族連れでにぎわっている。
そんな中に子供が美術作品に親しむための子供コーナーがある。
いくつかの美術作品をプラスチックの壁に印刷してあり、一部を自分で書き加えられるように空白になっていたりする。
他にもライトテーブルで模写をしたり、お面を作るコーナーもあり、小学校低学年ぐらいまでなら、楽しめる作りになっている。
(だいたいは幼稚園児が楽しんでます)
自分も退屈だったので、子供がお絵かきをしている間に、となりで絵を描いてました。
最初はまじめに昆虫の絵を模写してましたが途中から暴走。
デッサン力の無さがもろわかりですね。
こちらが、うちの子が描いた絵。
ジャンボジェット機だそうです。
この年齢の子供は、印象に残った部分は明確に描こうとするようです。
二階建て、片側二基のエンジンというジャンボの特徴を教えていたので、それがみれます。
また自分で観察した結果印象に残っている部分
●機体横のライン
●前輪部のアーム(正式名称は知りません。「く」の字型の部分」
そして最近異常な興味を示す。
●煙、炎系(後部にみ得る渦巻きのような物、たぶん煙ですね)
ピカソは「子供はみな芸術の天才だ」と言うようなことを言っていますが、確かに印象に残ったことをそのまま素直に絵にして、しかもその部分が強調されている。
最近は、「光るライト」や、エンジンから出る煙や火などが特に強調されています。
これらはいずれも、うちの子供にとって非常に印象に残ったこと。
それをどうしても書き加えたいという感情に従って書いた結果、強調しようとは意図してなかったにもかかわらず、結果として強調された絵になっている。
観る側も、その子供の強い興味と印象を再体験することができる(親だけ?)
描く側の感情と思想の追体験は芸術において非常に重要な要素だと思います。
ピカソの言う「芸術」の意味が少しだけわかったような気がしました。
ただ、自分の子供のが絵の天才だなんて全く思ってませんよw
うちはそこまで、親ばかにはなりきれないんですよね。
まぁ、絵が好きであってほしいとは思っていますが。
ちなみにピカソの10代の頃の絵はこれですからね、ほど遠いです。
さて、ゲッティーセンターには、モネをはじめとした印象派の絵もたくさんあります。
しかも何もガードされておらず、顔をかなり近づけて見ることができます。
もしかしたら、展示用に複製をおいている可能性もありますが、幼児なども気軽にみれるようにしているために、大丈夫なのか?と心配になるほどです。
さすがに、放置はしておらず、各部屋にガードマンがいますので、近づきすぎると注意されます。
今日は、おとなしくしてくれたので、ある程度じっくり観ることもでき、久しぶりの美術に触れて充実した日になりました。
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さて、いつもの癖で、なにも手元にないときは頭の中を動かしているのですが、
今日もゲッティーセンターへ行く車中とついてからもいろいろと思考を巡らせていました。
忘れないうちにメモしておきます。
<投資>
事業への投資というと、ハイリスク/ハイリターン。
ハイリスクなので、当然、選択を間違えると、もうけどころか、投資したお金も失うことになる。
苦い経験と引き替えに、時間と苦労を失うことになる。
また、「金持ち父さん」などの本にあるように、そうそう投資に回せるほどのお金を持ち合わせてはいない。
しかし、人生の中で投資をしない人はいない。
それは「自分への投資」という考え方。
自己管理で、大切な物として金銭の出納を記録するというのが自己啓発サイトなどで、よく見かけるが、
どこかで、これはいいなと思った出納帳がある。
出費にたいして、「浪費」か「投資」かを記録するようにできている出納帳。
自分がおこなった出費がどちらだったのか、考えさせられるようにできている。
「浪費」:金額以下の価値、もしくは将来、役に立たないものへの出費
衝動買いしたものなどがこれに当たる。
「投資」:金額以上の価値、もしくは将来の役に立つ物。
勉強のための書籍、学費など
個人的には「時間」の出納帳のような物もつけて、
「投資」にはお金だけでなく「時間」も考慮に入れた方がよいかもしれないと思う。
さて、投資が将来、すべて生かせるとは限らない。
そういう意味では、事業への投資と同じようにリスクがある。
ローリスクのときもあるし、ハイリスクの時もある。
仕事を辞めて、CG業界へ転職するために専門学校へ通うというのはある意味ハイリスクだ。
また海外へ仕事を求めて進出するのもハイリスクと言える。
どちらも自分が自分自身に行ってきた「投資」である。
しかし、それ以前の投資もあった。
学校の選択、就職先の選択。
それらすべては自分への投資とも見なされる。
全て将来が良くなると考えて、選択し、人生をまかせてきた(=投資してきた)わけだ。
それにたくさんの本を購入してきた。
あえて「購入」と書いたのは、購入してもちゃんと読み終えられなかったり、役に立たなかった本も大量にあるからだ。
生かし切れてない本への出費は、「浪費」とも言える。
このようにそのときは「投資」(役に立つ)
果たして、今までの自分にしてきた投資は、今の自分にどのように役に立っており、
どこが効果的で、どれが効果的でなかったのか?
そういうことを一度じっくり書き出して考え直す機会を持ちたいと思った。
自分のこれまでの投資は成功していると言えるのだろうか?
<富豪>
ゲッティーセンターは、スケールの大きな建物が複数ある。
大体において天井が高く、2~3階分のスペースをもった空間になっている。
軽食を食べられるテラスは、3階建て以上の巨大なスペースになっており、ギリシャのパルテノン神殿を連想させる巨大な柱が並んでいる。
どこかのCGコミュニティーでここの風景を写真に撮り、スターウォーズ風の宇宙船発着場にしていたのをみたことがある。
実際ストーリーさえ思い浮かばせてくれるような景観である。
こういった大きな空間だが、壁は全て天然石のタイルで覆われた贅沢な作りになっている。
一般庶民ではこの石タイル一枚買うこともないだろう。
そして、いくつかの彫刻や、デザインされた噴水、水路などがあり、憩いの場となっている。
ここで、お昼ご飯を食べながら考えていたのは、こういった物を実際に購入する金持ちが存在するということだ。
もちろん、ゲッティーのように多くの物を購入できる大富豪はそうそう存在しないだろうが、
彫刻を一つか二つ、購入できる金持ちはもっとたくさんいるはずだ。
もし自分の収入のことだけを考えるなら、そういう金持ち相手に仕事をしたほうが収入につながるだろう。
以前、お金持ちの家を訪れたとき、そこのご主人は、宝石の売買をしていると言っていた。
石を鑑定し、知人にデザインさせて、収入を得ているらしい。
日本とも取引があり、頻繁に日本に行ってゴルフ接待を受けたりしている。
家には日本の企業からプレゼントされたという、80cm以上はあろうかという日本人形がおいてあった。
一階は境目がないのでわからないが広いリビングに、4つほどの応接セットがおかれていた。
超金持ちというわけではないが、それでも一般庶民には手の届かない生活を垣間見ることができたのは刺激になった。
他にも作品作りの関係で、監督屋プロデューサーの家に行ったことがあるが、
いずれも、豪華とは言わないがこざっぱりして、しっかりした作りの家に住んでいる。
日本人の感覚から言うと、決して最先端の設備がととのった「きれいな家」ではないのだが、ゆったり感はすばらしい。
だいたいは、ジャグジー付きのプール、中には温水設備も装備しているプールさえある。
個人的な経験だが、LAにはこのように金持ちに接する機会は、日本よりもずっと高いという気がする。
映画での、成り上がりも多く、人として尊敬できるのかどうかわからない人もいるだろうが、それでも金持ちが多いことには変わりない。
さて、動機が不純だが、仮に、これら金持ちを対象とした、芸術作品を作ってもうけるとする。
では、どのような物を作ればよいのか? どのような姿勢でそれに挑むべきか?
やはり、それは購入してくれる顧客のニーズにあった物でなければ、現世で収入につながることはないだろう。
顧客のニーズを知るとは、
顧客となる人の感じていることを感じ、考えることを考えなければ見えてこない。
服装をまねしてみるとかも役に立つかもしれない。
私のようにアニメや映画の世界とは離れて育った人もいるし、それこそ本当に美術にしか興味を持たずに育った人もいるだろう。
明らかに自分の知っているマーケティングが通用しない世界が存在している。
金持ちといえども、楽をしてなれた人ばかりではないだろう。
それなりに苦労して、大きな責任を引き受けたからこそ、社会からの見返り として収入を得られたわけである。
実際、宝石の売買をしていた人も、多大なストレスをうけると話してくれた。
そういう人だからこそ、心の琴線に触れる芸術に触れ、憩いの対象として、または自分の居場所を確かめようとしているのかもしれない。
LAにいる間に、こういった金持ちと接する機会を増やし、彼らの考え方、どのような物に感動し、興味を持っているのか?を知りたいと思った。
実際に、お金持ちの人たちの苦労や、経験を聞くのはエキサイティングな気がする。
<お金の流れ>
ゲッティーセンターからは海に面したLA一望できる場所がある。
そこには無数の建物が存在し、たくさんの高層ビルが建ち並ぶ。
下の写真は、ちょっと手前が写りすぎ得ていてその絶景感は伝わりにくいが、前方の町並みの、やや右手に海がある。
これらの家、そしてビルの窓はまるで「点」のようだ。
そしてこれらの点には、確実に「人間」が存在している。
まぁ厳密に言うとすべての点に同時刻に、かならず誰かが存在しているわけではないが、
それでも60%以上の点には「人間」が関連しているだろう。
実はこの感覚は、20年以上前に広島で山頂から夜景を見たときにも感じた。
広島市内を観たときに無数の灯りがついている。
そこには必ず人間が存在し、そしてそれぞれに考えと感情がある。
その量を考えたとき、圧倒されるようなボリューム感を感じた。
さて、それら全ての点に、人が存在し、そこには経済活動がある。
ありとあらゆる名目の金の流れがある。
一人の人をターミナルとした金の流れは、多種多様である。
それが企業となるとさらに種類が増える。
これらすべての金の流れを、「線」にしてこの風景に重ねたら、線ではなく「面」に見えるほどの無数の線の集合体となるだろう。
これはとても、把握しきれる物ではない。
把握しきれない動きとは「混乱」である。
ようは自分は、社会の金の動きに対しては混乱しており、その詳細は把握し切れていない。
まぁこれは普通だとは思う。
すべてを把握できている人なんていないだろう。
お金持ちになりたいならお金の動きをコントロールする必要がある。
(「お金のコントロール=節約」ではない。 節約はお金のコントロールの一部だが「コントロール」自体ではない。)
何かをコントロールしようと思えばコントロールしようとする対象を、より詳しく知らなければならない。
より多くのお金をコントロールしようと思えば、お金の流れのいろいろな面を詳しく把握する必要があるのかもしれない。
そしてもう一つ重要なことがある。
前回のエントリにも関係することだが、
お金は非常に感情と結びついたエネルギーである。
感情とは人が持つ物だ。
お金の流れをコントロールしようとするときに、「人間」のこともよく知っておかなければならない。
人を知り、その感情を理解しなければ、その流れは止まってしまうだろう。
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とまぁ、こんなことを考えていました。
どちらにしても、気分転換になりましたw
Melonさん、こんばんは。
返信削除いつも面白い事を、お考えですね。
細かく考える人の、頭の中身は興味深いです。
ちょっと影響も受ければ、良い事もあるかもしれない。(笑)
私にとって「投資」は、妻と子との為の、「時間」。
(死ぬ直前に、後悔しない為の投資)
対して、「浪費」は、自分の夢の為の「時間」。
(どうせ実現しないやって、ナイーブな性格なので)
人それぞれでしょうね。
私は20年以上前、演習場の山の坂から、街の夜景を見たとき、
自衛隊に入った事を、後悔した事がありました。
布団に入って、寝れる事の有難さや、自分の弱さを、しみじみ感じました。
お子さんの絵、いいですね。
車輪のちゃんと、前後にあるのが、いいですね。
お父さんの絵は、すっかりハリウッドで、ございます。
バットマンか、鉄人28号か。
絵を描く脳への投資も、大事でございますね。
我が身に鞭打ち、お続け下さいませ。(笑)
こんにちはヤマドリさん。
返信削除「投資」も「夜景」も本当に人によっていろんな考え方があるものですね。
「妻と子の為」これは個人にとって非常に重要ですね。これまで「投資」としては考えたこともなかったので、目からうろこです。
夢のための時間、「浪費」になるか、「投資」になるか、結果が出てみないとわかりません。
たとえ悪い結果になったとしても、それまでの経験が何らかの形で生かせれば結果として「投資」になるのかもしれません。
これも深い、内容ですね。こんどじっくり考えてみたいです。
私の絵ですが、ご指摘の通り、世代的に横山光輝(鉄人28号)+プラモデルのボックスアートですねw
こういう、デッサン力を気にせず、好きなように書いていくのが大切だなと思いました。
がんばって続けますw