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2010年8月23日月曜日

「アメリカ大手VFX会社の給料」の一覧表に関する感想

少し前にアメリカの大手VFX会社の給料の一覧表が公開されましたが、今日はその感想を書いてみたいと思います。


実はブログは翻訳した物の一覧表自体はさらっと目を通しただけで、ほとんど金額はみてませんw
まぁ見て、役に立つとしたら、大手の会社に就職するときにどれぐらいの相場で給料を交渉できるかということにしか使えないからです。
今のところ、悲しいことにそれが必要となる兆候がみられないので、仕方がないかなという感じです。

結局の所、アーティストの相場は、これから先さがっていくとは思いますし、ある程度の給料を望むなら、現場の指揮がとれるか、もしくは効率化がはかれる人間でないと無理でしょうから、今の自分にはすぐには出来ませんw

ピクサーの給料については、低いといって驚いた人がいたのですが、自分としては、予測よりちょっと低かった程度でした。
おそらくこちらで長い人は、なんとなく予想が出来た人もいると思います。

なぜ、ピクサーの給料については、そんなに低いかと考えていたかというと。
まず、第一に社員に対してのケアがすばらしい。
概して、こちらでは給料があまり出ないところは、社員に対するケアが行き届いていたりします。
一例をあげるとピクサー大学ってのがあって社員が自由にいろんな事を学べるそうです。
(参考エントリ:「UP」と「PIXARの小西園子さん」)
http://shikatanaku.blogspot.com/2009/11/uppixar.html
これはまったくの想像ですが、結果的には会社としてはそのほうが安上がりなんだと思います。

これは間違いかもしれませんが、人から聞いた話ですが、ピクサーはプロジェクト単位でなく日本と同じく、終身雇用だということです。
終身雇用で、ケアが行き届いており、そのうえ給料も良ければだれも辞める人がいないはず。
(念をおしておきますが、間違った情報の可能性があります。ただそれを元に自分で勝手に推測しているだけです)
しかし、意外と元ピクサーで働いてた人ってのに出会うことがあるんですよね。
ということは、なにか満足が得られない部分があるからだと思います。
まぁ理由は様々で、
実写のエフェクトがやりたい。他にやりたいことがある。ピクサーの人間関係になじめない。仕事がきつい。
とかいろいろ人によって理由があると思いますが、やっぱり「給料が少ない」ってのもあると思います。
50%ぐらいの人は、勢いでこの分野に入ってきた人が多いと思いますし、本当にCGが好きで好きでピクサーの仕事が一番やりたいことだってひとは、そんなにいないと思いますから。
そこまでのめり込めない人は、やはりお金で動くと思います。
特にアメリカ人はリタイヤのことを若いときから考えている人が多いですから、早めに一儲けして、はやくリタイヤして好きなことをやりたいと考えている人も多いと思います。
ピクサー(またはCG)にそこまでのめり込めない人はやっぱりリタイヤのことを考えたら、やっぱり金がほしくなるんじゃないでしょうか?
これは深読みしすぎかもしれませんが、まるっきりはずれているとも思えない節があります。

まぁ、そもそも終身雇用ってのは全員ではなく、一部の人はプロジェクト単位で働いたりしている人がいるという、おちかもしれませんが。


意外だったのがDreamworks.、全米働きがいのある会社トップ100の第6位に選ばれるほどの会社でありながら給料はそこそこでる。(参考エントリ:全米で働きがいのある会社ベスト100)
会社の環境もすばらしく。
いつかは働いてみたい会社です。


ここだけの話。
これからはCGはアニメーションが安定していると思っているのですが、Dreamworksはご存じの通りアニメーションを作る会社。
しかもほとんどがヒットしているので、収入も安定しており、在りし日のカリフォルニアCG業界の活気を未だに保っているところなのかもしれません。
うらやましいです。

まぁどちらにしても、給料は一昔前ほどには上がらなくなりますね、絶対に。
いったん上がった物が下がることはないかもしれませんが、下げないと仕事がもらえなくなったりするでしょう(実質下がるって事ですがw)
他の会社がそうなったときでも、ピクサーはさほど変わらず、いまの給料レベルとよりよい社員のケアを継続しているような気がします。
実際、20年近く前はCGやってるってだけで、時給100ドルってのもあったようですが今はそんなには言ってないですしね。時代の流れですね。


ところで、「アメリカ大手VFX会社の給料は?!」の冒頭にあった四コマ・マンガはディルバート(Dilbert)という風刺漫画で、こちらの新聞などにのっていて、一部ではよく知られています。

  Wikiから説明を抜粋しますと、
『ディルバート』は、企業文化を、自己目的化した官僚主義と生産性を妨げる企業経営がはびこるカフカ的悪夢として描いている。 そこでは、従業員の技能と努力は評価されず、忙しく見せかけるだけの仕事が評価される。 管理の誤りに対する自然な反応として登場人物たちが明らかにばかげた決定をするところに、多くのユーモアが見られる。
ということで、まさにその通りの内容だったわけです。

サイト「@IT」では、ディルバートの日本語訳を掲載しています。もしかしたら英語の勉強になるかも?!
どれぐらいポピュラーかというとGoogleで検索するとこんなにひっかかるほどです。


実際、プロダクションで使えない人間が自分より給料をたくさんもらっていたり、何もしてないのに自分達と同じ名誉に授かると、このマンガ通りの気持ちになります。
 そんなことがこっちでは頻繁におきて、もう怒る気にもなれません...。(と言いつつも実際にまたおきたとしたら、むかつきますがw)

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