日本でハリウッドVFXを制作! 「経産省アイディアボックス」 結果:  
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2009年8月20日木曜日

3D(立体)映画に関するメモ (2)

AVwatchでパナソニックの立体映像に関わる人たちへのインタビューが掲載されていた。
パナソニックはいちはやく、民生用の立体映像システムに取り組んでおり、今から1年後の販売を予定している。
リンク:パナソニック/PHL関係者が語る「3Dに行く理由」

ハリウッドに研究所があるため、最新の情報を取り入れ、ジェームス・キャメロンも開発に協力しているらしい。
(そういえば、Avatorの予告編公開まで、あと3時間30分、今朝の7時に公開予定)

このインタビューでは、劇場映画と家庭用ビデオの違い、ブルーレイの利点といった試聴システムの開発者ならではの話がメインだが、以前にも少し話したカメラ間の視差の話も出ている。
友人が2台のRED ONEを使用して立体画像の撮影を試みていたが、やはり視差の設定は重要で、それを間違うと最近はやりの箱庭写真、すなわちミニチュアのようにみえてしまうそうだ。

以前の立体映画とはここが違うのだなと思った。
インタビューを読んでいて、今回の立体映画の復興では、驚きよりも臨場感が重視されていて、映像の体験を新しい次元へあげることなのだということを再認識した。

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また、うるまでるび氏がFinePix REAL 3D W1のリビューを書いていたのを少し前に読んだことがあるがそこに、興味深いことが書かれていた。

実は3D写真の世界では「手間に出すより奧に引っ込めろ」というのが常識です。

これはそのほうが、「見やすい立体画像になる」と言うことを意味しているのか、「立体画像を破綻しないでみれるようにするにはそうしたほうがよい」という意味なのか、「撮影した立体画像はそのように見える」と言うことを意味しているのかは文面からはいまひとつ読み取れなかった。

しかしながら自分の作業経験とこのパナソニックのインタビューに述べられていることからすると、立体画像はスクリーンに近い状況で見る必要があるということだ。
スクリーンに近い位置でみると、スクリーンのフレームが気にならなくなる。
そうすると立体世界により没入できることになる。

どちらにしてもこのあたりのノウハウが、これから立体画像を作る上でのカギとなるような気がする。
ただ二つの画像を左右のカメラで撮影して立体視できますよというだけでは、映画やTVの世界ではもう通用しなくなる。
そのノウハウが述べられた本などがあると読んでみたい。

他に、おもしろいなと思ったのが
最初は興味を持っていない人も、その立体映像を見ると意見がころっと変わる。
画質の向上よりも立体画像のほうが衝撃がある。
の2点。

今回の立体映像は様々なメディアで「ブーム」と記載されていたので、当初は「あぁまたか」という印象しかなかったが、実際に作業して新しいシステムでの立体画像をみるとその気持ちは吹き飛んだ。
たしかにころっと考えが変わるのを身をもって経験した。


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実は、ここ1年ほど、もう一つカメラを買いたいと思いつづけて、いろいろと物色してきた。

目的の一つはHDビデオだ。
用途は子供と家族の撮影のため、720pでも良いとは思っており、コンパクトカメラを考えていた。

VFX用途に使うのでなく、子供の記録や日常の利用であれば、それほど高画質の動画は必要無い。おそらく720pで90%の満足感は得られるだろう。


しかしながらコンパクトカメラでは、センサーが小さいせいか画質が今ひとつ。
720pとは言うものの画質の感じはSDとさほど変わりないという印象さえ受けた。
(実際には少しながら高画質だが)

最近になってマイクロフォーサーズのPenなどが発売され、画質も改善されてきた。
そろそろ買いかなとおもったが、やはり良い物は高い。
画質向上のために底までの金額を払うのも実は気が引けていた。

スローモーションも撮れるカメラが発売されたときには、これだ!と思ったが画質の点で満足度は今ひとつ。スローモーションを生かすには300fps以上で撮影する必要があると思っているのだが、それだと画質が640x480よりもかなり小さな物になってしまう。

実生活で、スローモーションを使う機会を考えてみると実は、それほど多くない。
使うとすれば、運動などでフォームを調べたり、アニメーションの勉強のためぐらいだろうか。
普通に日常を撮影しても、いろいろな発見はあるだろうし、科学的な実験などにも学習効果を高めてくれる働きはある。
しかしながら、日常の撮影で、いつもいつもスローモーションが入っていてはすぐに飽きるし、どちらかというとうざい感じもある。
要するに日常の利用ではなく、限定された用途になってしまうので、それに対して出費する余裕はない。

もし300fpsのスローモーションが最低640x480で撮影でき、通常モードでは720pのHD撮影が可能というカメラがでれば買おうかなとおもい待ち続けていた。

しかし、一向にその気配はなかった。

そして、先月、立体画像が撮影できるカメラがFujifilmから発売された。
丁度、仕事で立体画像のすばらしさを実感しただけに、これには食指が動いた。

それまでならどうしても、二つのカメラを使うか、プリズムで、二つの画像にわけるしかなかった。
そのため、動画撮影が手軽に出来る物はほとんど皆無。
たとえ静止画像でもあとでみれるようにPC内で処理を施す必要があった。

しかも今回のカメラは、静止画に限らず動画も立体画像として撮影できるし、撮影直後にカメラの液晶で確認できる。

おそらく現時点で手軽に立体動画が撮影でき、何も処理せずにすぐに、みることが出来るのはこのカメラだけだろう。
これは立体画像における革命とも言える。
静止画はいままでもなんとか工夫して立体画像を撮影する人がいたが、立体画像というとほとんど皆無だった。
しかもいかにも立体を意識した画像ではなく、手軽に日常が立体で撮影されたものなど見たことがない。

現時点では、このカメラの静止画像をフルサイズで裸眼立体視することはできないし、動画もHDではない。

しかし動画の画質もそこそこ行けているのではないかと思われるし、たとえSDの画質でも立体になることで情報量はアップする。

このパナソニックのインタビューでも言われているように高画質への(自分の場合はSDからHDへの)変更よりも、2Dから3Dへのほうが、衝撃的なのだ。


実際の撮影画像を見てみないとわからないが、未だに購買意欲は、さがっていない。

自分独自の仮説だが、自分の子供が成人になるころには、動画の分野は、立体画像が少なくとも20-30%のシェアを獲得するのではないかと思う。

それは日常生活の様々なところで、見ることができることを意味し、その時代に成長した人にとっては当たり前のような事になる。
丁度、昭和の時代に青春を過ごした人たちが、白黒画像からカラー画像への変化を経験したように。

そのときに、自身の幼少期の映像を立体で見せてあげられたらと思うと、今買うしかないかなという気持ちにさせられる。

今、購入するだけの余裕はないので、新らしい仕事をがんばって見つけるか。
月払いで買うか。
買わなくても良い理由が見つかるのを待つか。

そろそろサンプル画像が上がってきているが、購入を決定する前に、もっとリビューを見て、良い点と悪い点を把握しておきたい。

こちらでの発売は9月だが、どちらにしても嫁さんを説得するのがまず先か...。

 

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