先日の、マスオさんのお勧めどおり、Pythonを少しづつやっていこうと思っている。
その前に、いつも通り心の片隅に残っている小さな疑問から解消していこうと思う。
まぁ本人以外はどうでもいいことだとは思うので、興味のある人だけ読んでもらえればいい。w
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プログラミング言語「Python」の名前は、作者が「空飛ぶモンティ・パイソン」が好きだったことからその番組の名前にちなんで作られたという話は有名だ。
ちなみに「モンティ・パイソン」はそれに出演しているコメディーグループの名前で、「空飛ぶモンティ・パイソン」はTV番組名だが、番組自体が省略されて「モンティ・パイソン」と呼ばれることがよくある。
さて、この逸話について、「Python」は「ニシキヘビ」のことではなく「モンティ・パイソン」のことだと、こだわる人もいる。
そこで、いつもながら、つまらないことが気に掛かってしまった。
1)由来元の「モンティ・パイソン」のパイソンとは「ニシキヘビ」のことではないのか?
2)プログラミング言語「Python」はTV番組に由来するとしても、意味的には「ニシキヘビ」で間違ってないのではないか?
辞書で調べてもプログラミング言語以外の「Python」の意味は「ニシキヘビ」しかみつからない。
この疑問をはっきりさせるために「モンティ・パイソン」というグループ名自体の由来にさかのぼって調べてみた。
(いつもながら、ほんと、つまらないことにこだわりますw)
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答えはすぐに見つかりました。
サイト「Cinefil Imagica」にある「モンティ・パイソン宣言」という特集ページにその答えが見つかった。
「ちなみに「モンティ・パイソン」というグループ名の由来には諸説ありますが、第二次大戦のイギリスの英雄モンゴメリー元帥の愛称にして「おかま」の隠語(モンティ)と、男性自身の隠語であるパイソン(大蛇)を掛け合わせた、というのが一般的な解釈。」
パイソン=ニシキヘビ=大蛇=男性器
そのままプログラミング言語の「Python」を解釈すると「男性器」ということか?
まぁいかにもジョークのきついコメディーグループの付けそうな名前ではある。
しかしながらプログラミング言語「Python」の作者が、それほど深い意味を意識して「パイソン」という名前を使ったのかどうかはさだかではない。
「6年以上前の1989年12月、私はクリスマス前後の週の暇つぶしのため「趣味」のプログラミングプロジェクトを探していた。オフィスは閉まっているが、自宅にはホームコンピュータがあるし、他にすることがなかった。私は最近考えていた新しいスクリプト言語のインタプリタを書くことにした。それは、 ABCからの派生であり、Unix/Cハッカーの注意をひきつけるかもしれないと考えた。ちょっとしたいたずら心から(『空飛ぶモンティ・パイソン』の熱烈なファンだったというのも理由の1つ)、プロジェクトの仮称をPythonにした」
作者はオランダで生まれ育っているが、熱烈なファンだったということから推測すると、十分その隠語の意味を知っていたとも推測できる。
2009/12/23追記:Python作者による「Python チュートリアル」に以下の記述がありました。
この言語は BBC のショー番組、``モンティパイソンの空飛ぶサーカス (Monty Python's Flying Circus)'' から取ったもので、気味の悪い爬虫類とは関係ありません。
ようするに彼はモンティ・パイソンを固有名詞としてとらえており、その語源的意味は知らなかったようです。
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結論:
「「Python」は「ニシキヘビ」のことではない」という記述だが、「モンティ・パイソン」という名前をそのまま固有名詞として考えれば、ただの名前であり「ニシキヘビ」という意味は失われていると言えるかもしれない。
しかし単語(文字)としての「Python」は隠語としての意味があるとは言うものの、ニシキヘビとしての意味は失われていないと言える。
したがって「Python」=ニシキヘビはまるっきり間違ってるわけではない。
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さて以上で終ってはおもしろくないので、調べる間に出会ったいろいろな情報をメモしておきたい。
モンティ・パイソンは人気があるため、その番組内容に由来するものがいろいろなところで散見できるらしい。
その一つがスパムメールの「スパム」の語源になっている。
ブログTATEZO「スパム行為 スパムの語源となったモンティ・パイソンのSPAMのコメディー」
もう一つはゲームに出てくるキャラクタ。
ブログnillaブロより「Vorpal Bunnyとウィザードリィとモンティ・パイソン」
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さて、さらに「Python」の語源を調べてみた。
まず「Python」を辞書で調べると下記のような定義がある。
〔ギリシャ神話で、アポロンに退治された大蛇ピュトンにちなむ〕ニシキヘビ。
ニシキヘビは、アナコンダと並ぶ大ヘビで、TVや映画でもおなじみの大蛇である。
(写真:wikipediaより)
蛇遣いがニシキヘビを首にかけている映像はよくみかける。
他にもヘビ柄の革製品などでよく見かけるのもこのニシキヘビが多い。
話がそれるが以前、日本の動物園で5Mぐらいのニシキヘビを展示していたのを見たことがある。
そのとき、その大きな蛇の一匹が壁とガラス面でできた角の部分を上へと登り始めた、自分が通りかかったときはすでに体の1/3しか地面に残っていなかった。
蛇はこんなところも登れるんだなぁと感心して通りすぎたとたん、「ビッターン!」と大きな音が。
振り向くとその蛇はくの字に折れ曲がって頭からコンクリートの床の上に倒れていた。
脳しんとうを起こしていたのか、しばらくじっとしていたが3分ほどして動き出したので、無事だったらしいが、意外とまぬけなんだなと思った。
さてニシキヘビの英語名「Python」の語源となった「大蛇ピュトン」とは何か?
Webページ「BABEL ~世界の言葉~」の「ニシキヘビ」の項目によると
「ギリシア神話で,デルフォイに棲息していた大蛇。
英語パイソンの語源。
大地女神ガイアの神託所の番をしていたが,アポロンに退治された。」
とある。
Wikiには「ピュートーン」で登録されている。
つづりは英語の「Python」とまったく同じである。
Wikiには上記のストーリーが詳しくのっており、「ガイア」の子供であったことがわかる。
「ガイア」とはTV番組「ガイアの夜明け」でもおなじみの言葉だが、ギリシャ神話の「大地の女神」であり、ひいては地球そのものを表す言葉としても使われるようになった。
ガイアは、ウーラノスという天の神の母親である。
しかしながら、そのウーラノスとの間に数々の魔神や魔物をもうけ、産んでいる。
そして「ピュトン」はその子供の一人であり、姿は大蛇である。
(図:wikipediaより)
以下の有名な画家の作品では、その姿を大蛇として描かれている。
ギュスターヴ・モロー作『大蛇ピュトンに打ち勝つアポロ』
ウジェーヌ・ドラクロワ作『大蛇の神ピュトンに打ち勝つアポロン』
余談だが、ガイアとウーラノスの間に生まれた子供には、一つ目の巨人として有名な「サイクロップス」もいる。
そして、末子は「クロノス」(ピュトンの弟)というが、その「クロノス」の子供が「ゼウス」(ピュトンの甥)。
そしてゼウスと人間の娘「ダナエー」との間に生まれたのが「タイタンの戦い」で有名な英雄「ペルセウス」(ピュトンの又甥)である
同じくゼウスの子供である「アポロン」(ピュトンの又甥)がピュトンを殺したとされる。
「アポロン」は生まれて三日目でピュトンを殺したと書かれているが、弓を射て殺したとされており、上記のリンクで見られるように、いろいろな絵画では成人した姿として描かれている。
サイト「ギリシア神話」にはこの親子関係の系列図や、ポイントとなるストーリーが時系列に沿って書かれている。
さて生息してた場所はデルフォイ(Delphoi:デルポイまたはデルフィとも表記されることもある)。
となっているが、これはパルナッソス山のふもとにあった古代ギリシアの都市国家であり、今も存在し世界(文化)遺産として指定されている。
(写真:Wikipediaより)
ここに神(ガイア)からの予言を伝える場所、すなわち神託所があり、ピュトンはその番をしていたということになる。
ちなみに、別の文献では、ガイアからの神託を伝える信託者の役割をしていたと書かれていた。
こんな感じで、Pythonとうい語源自体が「大蛇」という意味を含むことがわかる。
ちなみに日本語のニシキヘビの由来は「錦蛇」すなわち「体の斑紋が錦のように美しく光ることからつけられた」とされる。
たしかにその模様の美しさから、革製品でよく使われていますね。
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