ブログ「VFX PLANET」よりの引用です。
「District9」を手がけた「Image Engine社」の施設拡張のために政府関連の銀行が約2億円の融資を行ったとのこと。
カナダ政府は、税金優遇措置だけでなく、こういった企業融資も国のサポートがあることがわかります。
そして、Image Engine社の最高経営責任者(CEO)が、企業としての経営をきちんと考えていることが、そういったサポート環境をうまく活用できたことにつながったんだとわかります。
またDistrict9における成功がさらに、国からの支援をうけることを助けているのでしょう。
これによりImage Engine社が、より大きなVFXプロダクションとなることは確実になりました。
CGワールド2010年一月号(137)に、鍋 潤太朗さんによるVES主催「プロダクションサミット」のレポートがあるが、pg65で最近の海外(アメリカ国外)への仕事流出問題についてふれられている。
これを読むと、国の税金優遇措置などのサポート体制がいかに大きな影響を与えているかがわかる。
そして今回のImage Engine社の件で、以下にそのサポート体制の元に中小プロダクションが仕事を確保でき、そして拡大できるのかということが少しながら見えてきた。
もちろん、優れたアーティストや、それをささえるエンジニアやプロダクション管理者が居てこそだが、その質とノウハウも一昔前に較べれば、他国でも獲得することが可能に時代になったということが言える。
特にそれは、カナダやインドでは顕著なのかもしれない。
(カナダもインドもIT業界と関連学校に対してかなり以前から国が援助している)
カナダのプロダクションは、おそらく第二、第三のImage Engine社になろうと躍起になっていることだろう。
私たちは、そうしてますますアメリカ国外へ仕事が流出していくのを指をくわえて眺めていることしかできないのでしょうか?
実際のところ、ポスプロ部分だけの問題として、考えた場合はあまりにも対抗措置が無いようにおもえてきます。
監督やプロデューサそして配給会社などは、自社プロダクションを持たない場合、やはり最終的にはより安価なところか、同じ金額でより多い資産(時間と人)がさける会社を選ぶでしょう。
政府の力を得られないなら、各プロダクションがそれに見合った金額にまで受注金額を引き下げるか、プロダクションの人件費を下げる、もしくは施設に掛けるお金を減らすなどの工夫をするしかないと思います。
どちらにしてもそれでは、働く人に負担がかかってくるのは見えているように思えます。
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以下は記事を翻訳した物です。
(いつもながら意訳です。
どうしてもわからないところは適当にごまかしてますので途中、要点を得ないところがあります。
すべては英語力の無さからきていますが、ご勘弁を。)
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「District9」のVFXスタジオが拡張 - 銀行が220万ドルを融資
12月17日バンクーバー/CNW Telbec発/
映画のビジュアル・エフェクトを手がけるバンクーバーのプロダクション・スタジオ「Image Engine Design Inc.」は、今日、成長するビジネスの要求に応えるためにスタジオ施設を拡張することを発表した。
新しい建物の獲得には、カナダ・ビジネス開発銀行(BDC)から220万ドル(約1億9800万円)の貸し付けローンが投入されたと見られる。
訳注: カナダ・ビジネス開発銀行(BDC:the Business Development Bank of Canada)
大和総研のpdf資料「政策金融機関の独立性とガバナンス」によると
「BDC は中小企業金融機関としてカナダ政府が全額出資している公共企業体であり、1994 年に設立された産業発展銀行を発祥とし、カナダ産業省の所管の下にある。
政府との適度な距離を保ちつつ「商業上の採算を基本として運営されている」。」
カナダ政府のページ「税制上の優位性」におけるBDCの説明:
BDC ベンチャーキャピタル: 「カナダ事業開発銀行 (BDC) は、技術力を持ち、持続可能な市場志向の事業計画を持った企業に資金を貸し付けています。 」
Image Engineは1995年に設立され、2006年に劇場映画のためのビジュアル・エフェクトを提供し始めた。
この初期においてもっとも注目に値するのはマーベル・スタジオの「インクレディブル・ハルク」でのすばらしい仕事がある。
テレビの仕事から始めた会社は、ポピュラーなTVシリーズ「スターゲート」の仕事では、
待望のVESアワードをそのクリーチャーの仕事において獲得したスティーブンキング原作の番組を含む他のいくつかのテレビ・プロダクションと同様に、経験と関心を集めた。
転換期はNeill Blomkamp氏 脚本/監督によるブレイクアウトした映画「Distrct9」へのビジュアル・エフェクトを提供する機会に起きた。
このフィルムは、ImageEngineにカナダのバンクーバーにある施設が、きつい予算と、極限まで挑戦的な日程で達成したことを知らしめるチャンスを与えた。
今年8月にこの映画が公開されて以来、
ImageEngineによって作成されたエイリアンのショットは、ビジュアル・エフェクト業界から
District9のプロデューサー(ロードオブザリング・シリーズで有名な)「ピーター・ジャクソン」からの承認を含み、喝采をもって受け入れられた。
ImageEngineのCEO「Greg Holmes氏」は「会社の拡張計画へのBDCのサポートと理解は将来の成功へ準備を助長するカギであった。」と語った。
BDCはとても支えとなり、リスクを和らげることができ、その伝統的な銀行と異なる特徴を示した。
彼らの長年にわたる起業家をサポートしてきた経験と設備の獲得機会のきちんとしたビジネスモデルは、我々がどこへいこうとしているかについての理解を助けた。
バンクーバーのBDC融資口座のマネージャー「Kobie Lofty-Eaton氏」は、
「リスク要素の堅実な評価は、プロジェクトを成功への道へ導くことができた。
これは我々がBDCで提供する専門的報告の一部です。
映画業界が良い例です。
私たちの顧客が、彼らの専門技術は世界に二つと無いものであることを見せることができる正しいツールがあれば、そのプロジェクトがいかに大きいか、いかにリスクがあるかは関係ありません。」と話します。
「Greg Holmes氏(Image EngineのCEO)」は
「このとても競争力の激しいビジネスにおいてハイレベルな戦いをすることから、レッスンがあることを学びました。」と指摘します。
リスクと実行力に対する自分の欲求と能力を知ることはとても重要です。
この業界は、天分豊かなアーティストと有能な人々によって営まれています。
しかし、そのリスクの重さに対する堅実なビジネスのバック・ボーン無しには、
継続できる結果を達成するのは難しいのです。
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関連エントリ:「最新Nuke事情 「Dsitrct9」メイキング」
2009年12月17日木曜日
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