はじめてパーティクルシステムのスプライト機能を耳にしたとき、昔持っていたFM-7のスプライト機能を思い出した。
それ以来、スプライトと聞く度に頭の片隅で「FM-7のスプライトと同じなのか違うのか?」というかすかな疑問がつきまとっている。
あとは、飲み物の「スプライト」
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(1)スプライト(妖精)
Wikipediaによると、「スプライト」とは以下の意味を持つ。
ヨーロッパの民間伝承における伝説の生物。
妖精の一種とされるが、時には亡霊のことを指す場合もある。
また、風の精霊とされシルフと同一視されたり、水の精霊とされることも。
名前の語源はラテン語の「spiritus」から。
英語版Wikipediaには以下のように説明されている。
「Spirit」という単語の代りに使われた。
15世紀以来「亡霊」の意味で使われ、エリザベス朝時代からは、さらに広くフェアリーやエルフといった伝説的なクリーチャーに使われた。
他のサイトなども同様の定義です。
妖精、空気の精や海の精の総称。一般的に地下の妖精、精霊はこれに含まれない。
(参照:Fantapedia~幻想大事典)
スプライトは、これらフェアリーやピクシーなどを含む妖精の総称として使われます。
語源はラテン語で精神を意味する「スピリタス(Spiritus)」です。
このスピリタスからの派生語として、他にはケルトの妖精「スプリガン(Spriggan)」などもあります。 (参照:Tiny Tales)
語源のラテン語のspiritusには以下のような意味がある。
spiritus 男性
1. 呼吸。
2. 微風。
3. 精神、霊、霊感。
4. 自負。
5. アルコール、酒精。
まとめると、元々、魂や霊を意味するSpritから派生して、妖精などを示す言葉として定着したということですね。
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(2)スプライト(炭酸飲料)
では炭酸飲料のスプライトはどうか?
これも語源は上記の妖精を意味する「スプライト」からとられていました。
(Wikipedia)
スプライトという名前は元気という意味のSpiritと、妖精という意味のSpriteから来ている。
ボトルやロゴのデザインに、妖精をイメージする物はないように思います。
(参照:昭和の時代に消滅した・・・スプライト1リットル瓶)
YouTubeにあったこのCMを見ると、英語圏の人には、両方(飲み物と妖精)の意味に親しみを持っていることがわかります。
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(3)スプライト(コンピュータ)
コンピュータで使われるスプライトは、まだ3Dが存在しないころのゲームには無くてはならない技術だった。
FM-7発売当時、ライバル期には搭載されていない機能(と聞いた)で、FM-7ではゲームを作るのに向いていると言われた。
初期のファミコンなどで、スーパーマリオなどの自由に画面内を移動するキャラクタを、よくみているとキャラクタの周りに四角い枠がみえることがあった。(特に処理が重いとき)
これがスプライトである。
キャラクター自体は小さなセル画にかかれたようなもので、その位置を移動してキャラが動いたようにみせていた。
そこに表示される、ドット絵自体は動かす必要がないか、その場で走っているようなアクションをアニメートしていれば良い。
実際には32x32、64x64ピクセルなどの正方形をしていた。
背景にかさねてもキャラのない部分はうまく処理されて背景が透けて見える、これがスプライト機能の利点であった。
(スプライト画像の見本:Sprite City 0)
この機能は、画面表示における映像の情報を記憶しているビデオRAMとは別に、多数の小さな画像を用意しておき、画面上の任意の位置(1ピクセル単位で指定可能)にハードウェアで合成して表示する物である。
(Wikipedia)
スプライトとは、ゲーム背景とは別に動く画像を指す言葉です。
たとえば、RPGのキャラクター、ブロック崩しのブロック、ボール、シューティングの飛行機、ミサイル、爆弾などは全部スプライトです。(参照:スプライトの使い方)
スプライト 【sprite】 [名]
ドット絵でキャラクタ等を動かすために、背景の上に重ねる画面。
次世代機が発売されるまでは、スプライトをどれだけ1画面に表示できるかでそのハードの性能を問われていたが、3DCGが全盛になるとそれがポリゴンに取って替わられた。
(参照:ゲーム業界用語辞典)
ゲームなどで多用される画像処理の1つに「スプライト」処理があります。
このように描画内容の一部を変更したり、画像を部品化したりして、データを効率よく用いる際に使用される技術がスプライトです。
スプライトは、1画面の絵を構成する要素を複数の細かい部品(画像)にし、それらを画面上の任意の位置で合成して、表示する技術です。
(参照:スプライトアニメーションはゲーム開発の超基本)
これまでの経緯でわかるように、これも語源は「妖精」の意味の「スプライト」である。
ブログ: 英語の時間 - へっぽこVersion 「"pamper"、"sprite"とはどういう意味か?」
実はこちらも同じ語源で、画面上を自由に動き回るグラフィックスを「妖精」になぞらえたものと言われています。
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(4)スプライト(パーティクル)
パーティクルで使われるスプライトですが、英語版Wikipediaの「スプライト」に詳しく書かれています。
現在ではスプライトは、3Dシーン内の特別なプレーン上にマップされた一部が透明の2Dアニメーションとして言及されることが多い。
テクスチャーマップと違い、スプライトのプレーンはカメラから伸びる軸に対し、いつも垂直をなしている。
イメージは、パースペクティブをシミュレートするためにスケールすることができ、2D面で回転し、他のオブジェクトにオーバーラップしたり、隠れたりすることが出来るが、たった一つの角度からしか見ることができない。
このレンダリング手法は、ビルボーディングともよばれる。
スプライトは以下のような時に効果的な錯覚を生み出します。
*スプライト内のイメージは、すでに3Dオブジェクトを再現した物である。
*アニメーションがコンスタントに変化しているか、回転を再現している。
*スプライトが短い時間しか存在しない。
*再現されたオブジェクトは、沢山の一般的なアングルからの見た目が似ている。(球状のようなもの)
*閲覧者から見て、再現されたオブジェクトは一つのパースペクティブだけを持つ。(小さな草や、葉っぱなど)
錯覚がうまく機能するとき、閲覧者はスプライトが平面であり、いつも自分の方を向いていることに気がつきません。
スプライトは火や、煙、または小さなオブジェクトや小さな植物(草の葉っぱのような)、特別なシンボル(「1-Up」のような)のような現象を再現するのに使われます。
上記にある「ビルボーディング」とは、道路沿いにある「広告掲示板」のことで、運転者に直面するように置かれること。
msdnのDirectXデベロッパーセンターのページには以下のように説明されている。
3D シーンを作成するとき、2D オブジェクトを 3D オブジェクトであるかのように表示することによってパフォーマンスを向上できることがある。この考え方が、ビルボード処理技術の基になっている。
通常の意味でのビルボードは、道路沿いの広告のことである。
Microsoft® Direct3D® アプリケーションでは、矩形ソリッドを定義してテクスチャを適用することで、このようなビルボードを簡単に作成およびレンダリングできる。
3D グラフィックスでの特殊な意味でのビルボードは、これを拡張したものである。
この意味でのビルボード処理の目的は、2D オブジェクトを 3D オブジェクトのように見せることである。
この手法では、オブジェクトのイメージを保持するテクスチャを矩形プリミティブに適用する。
このプリミティブは、正面が常にユーザーの方を向くように回転される。
このオブジェクトの画像は矩形でなくても問題ない。
ビルボードの部分を透明にして、表示したくないビルボード画像の部分を不可視にすることができる。
多くのゲームでは、アニメーションしたスプライトにビルボード処理を行っている。
たとえば、ユーザーが 3D の迷路を移動するとき、収集できる武器や褒美が表示される。
これらは、矩形プリミティブにテクスチャを適用した典型的な 2D 画像である。
ビルボード処理は、ゲームで木・潅木・雲の画像をレンダリングするために使われることが多い。
ビルボードに画像を適用するときは、最初に、正面がユーザーの方を向くように矩形プリミティブを回転しなければならない。
次に、このプリミティブを配置場所に平行移動しなければならない。
その後、このプリミティブにテクスチャを適用できる。
ビルボード処理は、対称的なオブジェクト、特に垂直軸に対して対称的なオブジェクトの処理に最適である。
また、ビルボード処理には、視点の高さがあまり上がらないことが必要である。
ユーザーがビルボードを上から見ることが許されている場合、そのオブジェクトが 3D ではなく 2D であることがすぐにわかってしまう。
上記のことから、スプライトの特徴をまとめると
●四角形
●2Dイメージである
●移動できる
●透明な部分をもっている。
パーティクルシステム(3D)においては以下の特徴も持つ。
●常にカメラ方向を向く
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