VFXpro.comのJob掲示板で見つけたエフェクトハウス「Gradient Effects」。
この人材募集にきになる文がありました。
The Visual Effects business is dramatically changing. Smaller, experienced teams who can react quickly and communicate easily are becoming the norm.
(VFXのビジネスは劇的に変化しています。より小さい、素早い対応と容易なコミュニケーションができる経験を積んだチームであることがノルマになりつつあります)
最近、切実に思っていることでもあり、めずらしくポイントをついてくる会社だなと思い、どんなところかホームページをのぞいてみました。
http://www.gradientfx.com/
特にミュージックビデオ「Who's Gonna Save My Soul?」意外には、それほど有名な作品を手がけているようには見えませんが、(2012には関連しているようですが、ショット内容は不明)どちらかと中小プロダクションによくありがちな仕事内容ではないかと思います。
しかし、プロダクションのサイトにはめずらしく「Reserch And Development」というページがあり、しかもビデオでそれを解説しています。
それもとても興味を惹かれたのですが、特に「RigidBody System- Rigidbody Reserch」には、自分がやりたいと思っていたことが、ほとんどあります。しかも見た感じMaya上でやっているように見えます。
しかもJob掲示板で書かれていた考えを反映しており、企業自体の先見性や素早い行動力を感じさせ、経営者の考えがしっかりしているのではないかと思いました。
fxBulletSolver
*リアルタイム・リジッドボディー・ソルバー
*ユーザー定義のルールでアニメーションからシミュレーションベースへの切り替え
*安定しており、大量のリジッドボディーを操作可能
*サブレベルのリジッドボディーシステム
*クライアントの必要に応じたが調整可能(CとC++のソースコード)
*パーティクルとcfd(omputational Fluid Dynamics:計算流体力学)に作用
*GPL Bulletソルバー・ベース
*シンプルなMayaインターフェイス
ILM、ソニーやDDなどでは、もっと凄いシステムを作り出しますが、あまりにも自分のリアリティーとかけ離れています。
この会社のシステムは、それにくらべると見劣りするかもしれませんが、まだ理解しやすく、リアリティーがもてます。
とくに、サブレベルリジッド・ボディーは、自分でももう少し頑張ればできそうな気がします。
(気がするだけです)
アニメーションとシミュレーションの切り替えが簡単にできるのもいいですね。
もちろん、MelではなくAPIレベルでの開発ですが、処理速度は別としても、Melでも工夫すれば似たような機能を持たせることができるのではないかと思いました。
ベースとなっている物理シミュレーション・エンジン「Bullet」は映画「2012」でも使われましたね。
5~6年前は、PCのスペックと数が、生み出されるCGの成功に大きな役割をしていたように思いますが、これからは、リアルタイム性をもたせたシステム(最新ハードとソフトの連携)が必須ですね。
実際、BlastcodeはPhysx対応してますし、3dsMaxのreactorはHavok3.2ソルバ対応、RayFireToolsもPhysx対応。
まだそれほど踏み込まれていないのは、レンダリングとフルイドのエリアでしょうか。
次期バージョンのMayaは、是非Physx対応、DirectX対応でリアルタイム・レンダービューを実現してほしいです。
もしくはどこかRayfireのようなプラグインを開発して欲しい。
個人的にはRealFlowが対応してくれるとかなり嬉しいです。
特にスピードが必要とされるTV系には必須でしょう。
実際、ゲームなどのリアルタイムレンダリングもかなり質が向上しており、TVでモーションブラーかけまくりのシーンなどはプレイブラストでOKではないかと思うほどですw
それでも、ZoicやImageEngineでのNukeの使われ方を見ると、3Dの出番は少なくなっていくような気もします。
Nukeも3Dの需要があるならますますその部分の機能を強化するでしょうしね。
そのうち、3D側ではライティングとレンダリングはほとんど不要になるかもしれませんね。
しかしながらソフト更新もできない、先見性のあるプロデューサーがいない、体力(財力)のない弱小プロダクション(うちのことですが)では、そういったシステムを使えるプロジェクトがあり、かつコストの採算がとれなければ導入することはありません。
このような状況では、無料のシステムもしくはお試しで一度か二度つかえるものがないと検証も出来ません。
検証ができないと、そのシステムのノウハウもたまらないわけで、そうなるとますますR&Dなどに財力を避ける会社に置いて行かれるような気がします。
(そう考えると、うちは本気で危ないな・・・。)
VFX系で生き残るには、時間削減してコストを削減していくしかないようで、そうなるとアーティスト側の仕事は減っていくのは確実なように思います。
今回の不況もすぐには解消しそうにもないので、こういったシステムが一般化するまで十分時間はありそうです。
一度、一般化すると、不況が改善しても後戻りはしないでしょうから、プロデューサー以上の経営者サイドは得をすることはあっても使い捨てのアーティスト・サイドは不況が改善しても何も、状況は変わらないと言うことになるのではないかと思います。
しかも、海外の税優遇措置で仕事をとられ、さらに状況は切迫してきているように思います。
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