これは、ロジャーラビット(1988)のアニメーション監督:リチャード・ウィリアムスがアニメーション・デパートメントの全アーティスト向けに送ったメモだそうです。(情報元: Letters of Note)
------------以下 翻訳----------------------------
1987年8月
Memo To
全アニメーター
全アシスタント
その間にいる人全て
[視線]
大きな問題が我々の前に飛び出してきた...
アニメキャラと実写の俳優との間の視線は
信じられないほど重要であることが判明しつつあります。
(メリーポピンズがこの点に関してひどいことは驚きに値しない)
もしアニメの人物が実写俳優の視線から彼自身を外してしまうと、
すべてのトリックは台無しとなってしまう。
たった2~3フレームの間違いはイリュージョンを吹き飛ばすのに十分なようです。
これは、明らかにぶち当たったことのない問題であり、過去に正しく解決されておらず、我々がそれをしなくてはならないことです。
特別な注意をはらいましょう。
Dick
------------翻訳 おわり----------------------------
いまではフォトリアルなCGキャラが使われるようになって、当たり前になった事柄ですが、当時は実写とのアニメをうまくマッチさせることなどは確かに無かった時代。
ロジャーラビットを見たときには両者が同じ空間に存在しているように感じました。
ロジャーラビットはすべて手描きだったはずですから、ちょっとしたカメラの視差や位置もすべてアニメーターがちゃんと描く必要があり、気遣いは相当のものだったと思います。
また、「ほんの2~3フレームがイリュージョンを吹き飛ばすのに十分」という言葉は、「アニメ」、「視線」という事柄に限らず現在のフォトリアルCG合成全般に言えることだと思いました。
リチャード・ウィリアムスはアニメーターズ・サバイバルキットという本を書いていますが、その中で新人アニメータ(だったかな?)が熟練アニメータにどん な音楽を聴くのか質問するというマンガがあったと思います。
熟練アニメータは大声で「(集中しなくてはいけない仕事なのに)音楽を聞くだと!」とどなりま す。
自分は、耳を圧迫するのと、作られた音(ヘッドフォンの音)があまり好きでないので、CGやっているときには、音楽は聴かないのですが、たまに聞くとたしかに集中力が妨げられてイライラすることがあります。
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