現在のLAのCG業界を見ていて、いつも思い出すのは
「現役デスクに聞くアニメ制作現場の”低賃金”と”海外流出”」
という記事。
「低賃金」ではないが「海外流出」の部分は当てはまるように思う。
ただ最近わかってきたのは「海外流出」にも2種類あるということ。
1)技術レベルはハリウッドと同じ。税制措置により、制作費が安価になる。
(ロンドン、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドなど。)
2)技術レベルはハリウッドより低い。安い労働力にものをいわせて、ロトなどの人海戦術がひつようなところに食い込んでくる。
(インド、中国など)
1については、まだつぶしがきく可能性はある。
2については先進国では太刀打ちできない。すでに日本のアニメと同じような状況だろう。
心配なのはそういった低賃金レベルの国のアーティストがどんどん力を付けていること。
これによって、ますます高レベルのVFX作業が海外へ流出していく可能性が高くなる。
アーティストが要求できる賃金は当然安くするしかなくなるだろうが、それでも国内の仕事量が少なければ取り合いになる。
海外へ働きに出るアーティストや、方向転換を強いられるアーティストも増えることだろう。
LAにいるアーティストも黙ってはいないだろうが、VFX業界には組合が存在しないので、立場はかなり弱い。(情報元:人材の雇用/解雇を繰り返すハリウッドの悪しき慣習 withD)
組合が存在しない理由は、「ポスト」プロダクションだからということを聞いたことがある。
我々の将来はプロでユーサーにゆだねられ、政府の対応に一喜一憂する日々が続く。
長年やってきたVFX業界の重鎮からも、何か決定的な動きがほしいところである。
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