日本でハリウッドVFXを制作! 「経産省アイディアボックス」 結果:  
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2010年1月7日木曜日

Zoicスタジオ「ZEUS」: 21世紀のVFXパイプライン

Zoic Studios’ ZEUS: A VFX Pipeline for the 21st century
(Zoicスタジオ「ZEUS」: 21世紀のVFXパイプライン)
を少し訳してみました。

TV番組「V」のデジタルセット用に構築したパイプラインについて話しています。要点は
●既存のシステムを組みあわせて利用
●Pythonを使った独自ツールを開発。
●Shotgunによるデータ管理
Nukeの3Dコンポジットを活用して3D作業を大幅削減
これにより、「時間削減」「質の向上」に大きく役立つVFXパイプラインを構築したという内容です。

最近、Pythonの開発話をよく聞くので、Melはもう廃れていく運命にあるのかなと思いました。
しかもNukeの3Dコンポジットで、3Dの仕事がますます減っている。
TVの仕事も無くなったら、もう食っていけない。
まぁそれでも、いまのところ自分にはこれ(3DとMel)しかないので続けますがw
仕事が無くならないのは、アニメーションなどのフルCG系かな。

それにしても、最近はますますTV番組のコストは下がっていると聞きますが、ZOICといえどもその影響から逃れられているわけではないのですね。
CGをそのままつくってOKの時代はもう終り、いかに早くきれいに作れるパイプラインを構築するかによってプロダクションの生死がきまる時代になりそうです。

ZOICスタジオと言えば、英語チュートリアルを日本語化する「Acombee社を立ち上げた今泉隼介さんのところですね。
今回の「V」は1983年のTVシリーズのリメイクで、たしかに宇宙船内部のショットが多く、広い宇宙船の内部や都市の空に浮かぶ巨大な宇宙船がきれいに再現されており、TVシリーズという限られた時間でも高い質を保っています。(今泉さんが「V」に関係しているかどうかはわかりません。)




しかしながら、読んでいる内に知りたいことがわかり、興味が無くなったのと、時間をこんな事にいつまでもつかいたくないので、翻訳は途中やめです。
見直しもしてないので、途中変なところがあるかもしれませんがご容赦ください。
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以下翻訳
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VFXのプロフェッショナル達は、あるエフェクト・ショットを生み出すために使われた一連のプロセスとテクノロジーを「パイプライン」とよびます。これはトラディッショナルな製造工程とコンピュータ技術の両方からとられた言葉です。

昨年、Zoicスタジオは「ZEUS」というユニークなパイププライン・プロダクトを開発しました。
ZEUSは、撮影時にバーチャルセットをリアルタイムにレンダリングしてグリーンスクリーン・セット上に見せてくれます。

Zoicスタジオのパイプライン・スーパーバイザー「Mike Romey」は以下のように話してくれました。「ZEUSの元となったパイプラインは、ABCのSFシリーズ「V」のために開発されました。
パイロット版を制作中に、膨大なバーチャルセットを作る必要があることに私たちは気がつきました。
(中略)
ZEUSは「V」のバーチャルセットをサポートするために構築されたパイプラインです。


「その構成要素の一つには、異なる構成のパイプラインであるバーチャルセット・トラッキング・システム「Lightcraft」があります。
これはモーショントラッキング「InterSense」を含み、これは、数種の特別なNVIDIAグラフィックス・カードをI/Oアウトプットのために、またカメラの回転情報用の特別仕様の慣性センサも組み込んでいます。
(参照:Intersenseの日本代理店「Creact」のサイト

「私たちは、Lightcraftをサポートできるパイプラインを構築しました」


「私たちのスタジオでは「ショットガン(Shotgun)」と呼ばれるプログラムを使っています。
(参照:Inter-BeeのSIGGRAPH2009でのshotgunに関するレポート
プロジェクトのショット管理に合わせた汎用データベースシステムで、バーチャルセット・トラッキング・テクノロジーをサポートするために仕立て直すことができました。
(中略)
あるアーティストがシーンのセットアップやレイアウトが必要なとき、我々はショットガンに照会するためのツールを構築しました。
現在のプレート、セットで作られた現在のコンポジット、現在のアセット、そして現在のトラッキングデータ、そしてそれらを編集の選択をベースとしたタイムコードに一致させています。
ショットガンは、全てのデータが保存された場所でした。
(訳注:ショットガン自体はWebブラウザベースの情報管理システムで、データ保存のシステムではありません。おそらくここでは比喩的に使われていると思います。ショットガンにはデータの保存場所がパスで保存されるので、ショットガンにアクセスするだけで目的のデータを簡単に見つけることができます。もしかしたら独自のプログラムによって、ショットガンを通してデータを簡単にインポートできるようなシステムをつくったのかもしれません。)

私たちは3Dデータの通り道としてMayaを使いました。それにより、すべてのレイアウト・シーンをMayaからNukeへ転送するカスタムツールを作る事が出来ました。


RomeyはNukeで3Dシーンを作る事に関する理論的根拠を説明します。
「これらの連続したTV番組を見るとき、大量のクローズアップのショットと、若干のエスタブリッシュ・ショットがあります。
私たちは、Nukeを3Dレンダリングをするために使うことができました。
Mayaでは、私たちはトラディッショナルな、レイトレースのパイプラインを使いますが、Nukeでは同じ時間を必要としないスキャンライン・パイプラインでレンダーできます。
また、これはコンポジット・チームがショットをより早くコンポジットするために必要なツールへ即座にアクセスすることを可能にしました。
なので、3Dチームはスキャンライン・レンダーのクオリティー制限の必要性を持たなくてよいエスタブリッシュ・ショットをうけ持つことができます。」


沢山の3D作業を2Dに荷下ろしすることで、ショット毎にコストを削減することができました、なぜなら私たちは3Dのサポートを提供する必要がないからです。

これがZEUSのパイプライン発展の過程です。この前提において、
いかに私たちは、銀行強盗をすること無しに、クライアントのコスト以上の仕事をできたのでしょうか?
私たちがやってきたこと全てに関し、ZEUSパイプラインを通して、時間を削減し、質を向上させ、クライアントによりよし結果をわたせる方法論を見つけようとしました。


ある手段としては、私たちはI/Oの時間を削減するために開発を行いました。
私たちは、複数のプレートが必要とされる多くのショットをやっていたことに気づきました。
私たちが探した新たな構成要素は、丁度リリースされたばかりのプロダクトでした。
それはAJA社の「KI pro」と呼ばれる物です。

私がこのプロダクトについて耳にしたとき、即座にAJAにコンタクトをとり私たちのパイプラインについて説明しました。
私たちは大量のオンセットデータを持っています。
取得され続けているトラッキングデータ、グリーンスクリーン、コンポジット、キーイングのためのデータ。
問題は、プロダクションに戻ったとき、すべての異なるプレートを管理するために関係するI/Oの時間は天文学的な量になります。

フッテージを記録のにPanasonicD5のデッキを使うかわりに、われわれはテープを使用せずオンセットで、AppleProResコーデックで直接記録できるKi Proを使う事ができました。
ユニットはコスト効率が良い物で、1ユニットあたり$4000だったので、ステージでは複数のユニットを使い、記録する事が出来ました。
(略)

その他の重要な構成要素は、汎用のハイレベルなプログラミング言語Pythonです。
私たちのパイプラインはそれを使う人達をトレーニングするよりも早く成長しています。
ZEUSのパイプラインを私たちが持っている方法を使い、1ヶ月以内で構築できた理由は、Pythonのようなツールを使ったからです。
これは、プロダクションに前もって対応できる、すばやく反復性のある開発をさせてくれました。

  

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