日本でハリウッドVFXを制作! 「経産省アイディアボックス」 結果:  
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2010年1月30日土曜日

中国のVFX事情

VFX Wagesというサイトに興味深い記事がありました。
中国のVFXの実情を書いた物ですが、海賊版ソフトの影響などがみられ、
安い人件費もあわせて、業界の価格破壊を招く可能性があることが伺えます。
その事については、下記の記事を思い出しました。
(「絵が無料で使われると困る件とそれに関して思い出した事について」)
唯一の救い(?)は、まだハリウッドのセンスを持っていないと言うことでしょうか。

しかし、最近は質も良くなってきたと言う話も聞きます。
まぁそれも時間の問題のような気もしますが。

また中国の「グァンシー(Guanxi)」というものについて初めて知りましたが、これは強力ですね。
カナダ政府もVFX業界を含むIT業界に対して、資金援助をする政府の銀行があるようですが、それ以上に強力に業界をささえているような気がします。

昨今のバブルによって、このしくみがますます多くの会社を作ることを加速し、一気に中国パワーが上がるような気がしました。





----------英語訳------------------------------
中国で働く

西洋の仕事をとってしまうという多くの不満がアジアへのアウトソーシング会社対してあります。
そして、東洋の低い給料は西洋の仕事を危機に落としいれるという多くの恐怖があります。
経済の低調が多くのプロデューサーに海外の安価なオプションを探させるようになり、アウトソーシングに向かう傾向があることに疑問はありません。

国内のアーティストが働くことと住むことを強いられている環境に少し光をあてて、彼らが私たちのことをどのように考えているのかをみてみます。



ここに少し状況を説明します。:
●ジュニアレベルから中間レベルまでのアーティストの月給は約440~730ドル。
シニアからスーパーバイザーレベルは1172~1465ドル。
ロト、ペイントアーティストやモデラーは、仕事毎、モデル毎、もしくは月々146ドルを得ます。

●健康保険や、解雇保険、退職金、年金などの恩恵はまったく得られません。
ボーナスはよく約束されますが、支払われることはまれです。

●勤務時間や残業代(沢山の人が1週間に7日働きます)の規則はありません。
すなわち組合や規則、ギルドもなく、作業者を守る法律的な決まりさえ有りません。

●事前の告知無しで解雇されたり、もし雇用者がその作業結果や仕事具合に満足していなければ支払いさえありません。公休日はありますが、もちろん給料はでません。
もし誰かが病気になって辞めたとしても同じことです。

●マッチムーブから、ロトスコープ、クリーンアップ、モデリング、テクスチャー、アニメーション、コンポジット、etcなんでもやらなくてはなりません。

●ジョブ・インタビューにデモリールやプレゼンテーションのようなものが含まれることはまれです。
こういった会社を経営する人達は、裕福な人かほとんどの場合はCG/VFX/Animationはすぐに見返りが得られる簡単なビジネスと考える不動産の人(real estate guy)です。

●雇用者にAE, Fusion, Shake, PFTrack, Boujou, Matchmover, Nuke, Flame, Realflow, 3DPaint, Mudbox, ZBrush, Dee Paint, Photoshop, Maya, 3Dmax, XSI, Houdini etc.を知っていると言える人は、通常仕事がもらえます。

●これが意味するところは、これらの人達は、自分のラップトップに無料で手に入れたそれらのアプリケーションを持っています。無料というのは、あなたが想像できるものならどんなアプリでも全てのプラグインを含めて、中国のサーバーからダウンロード出来ると言うことです。
政府は、中国での版権保護を実施しようとしているのは確かですが、私はクラック版のDVDを買うことができるときに、沢山の警官や政府関係者がDVDや最新のウインドウ・アプリケーションのコピーを買うことができることに驚きます。

●PCは安価で、中国のITおたくにとっての天国 ジョングアンツゥン(中国のシリコンバレー)。
これは、世界でももっとも大きなPCと電子機器の市場です。


●会社を開くには基本的に何もいりません。納税登録書を含む許可証のための732ドルだけです。
しかし基本的に居住地区の賃貸アパートから、繰り広げられる国内産業の巨大なサブカルチャーがあります。
多くの人達は、クラック版フレーム/スモークと風の吹きこむ建物、クーラーの効いたトイレに積み上げられたサーバーで、広告キャンペーンの仕事をしています。

●人材プールは巨大ですが、質に関する考えがなく、基準もありません。
ある英語ができる人が、会社がどのように経営され、実際のパイプラインがどのように働くのかをしらずに、海外で働こうとしたことがあります。
トラディッショナル・アートのスキル(コンセプトアート、油やインクのペインティング、マットペイント)は、とても優れており、中国では長い歴史があります。
アニメーションやコンポジティングについては、経験に欠け、劣悪な教育環境は西洋のセンスをもったプロになるためには、最大の障害となっています。


●アウトソーシングの仕事をしている会社のほとんどは、海外で勉強したり仕事をするだけのお金を持ち、西洋のスタイルをみにつけた中国人によって運営されています。
彼らが帰国したとき、多くの我々が夢見るだけのような、多くのお金とリソースがあります。
ちょっと例を挙げてみましょう。
CCTV(中国中央テレビ)の資産は全国的で、そのお金を得ることは、適切なコネクション(「guanxi」の権利を持っているということ)を持った人々にとって問題ではありません。
アニメーション・ビジネスを始めるためには、395億ドル(約4兆円)という資産が利用可能なのです。
一般的な言葉では、世界でも最高の金持ちである政府が、共産主義者によって所有され、数兆ドルに昇る資金を利用できるとも言えるでしょう。

-------------訳 終わり---------------------------
(原文は後半がありますが、疲れたので省略します)

***********訳注
<<Guanxiについて>>
TAKUYA’s FLIGHT RECORDER より)

「グァンシー(Guanxi)」は中国語で互いに利益を享受できる関係を意味し、これはかの国で成功するために非常に重要な概念だ。中国では、純粋なビジネスだけの関係はありえない。事業で成功するためには、公的な関係と私的な関係を融合させなければならない。「グァンシー」はそうした関係を築き、育てるための精妙な手法を意味している。
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