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2009年12月3日木曜日

「Apples」メイキング 翻訳

(修正 2009年12月7日 :「CGトラッキング」で紹介され、このページを訪れた方が多かったのですが、つたない翻訳でわかりにくかったと思います。蛇足ながら、もうすこしましな日本語になるように修正を加えました。)
(追記 2009年12月7日 :トラッキングのアイデアがわかったので最後尾に追記しました。)


ブログ「CGトラッキング」にて、Mill_NYの作成したCM「Apples」の完成CMとメイキングの両映像を見ることが出来る。

トラッキングのアイデアがシンプル且つ秀逸だったので、もう少し詳しい情報を知りたくなり、MillのHPをみたら、解説があった。
(現在はトップページになっていますが、将来は無くなるか、別のページに移動すると思います。)



The Mill NY, Draftfcb NewYork Make Thanksgiving Apple Magic for City Harvest

(23rd November 2009)

-------------(以下 翻訳)---------------------------
MillニューヨークとDraftfcbニューヨークは、CityHarvestのためにサンクスギビングのリンゴの魔法を作りだした。

ボーイフレンドが、地下鉄でありえない乗客の洪水に驚く彼女の様子を撮影しています。
その間、都会では、どのぐらい食べ物が無駄にされ、どれぐらいの人々が飢餓に苦しんでいるかという放送がされています。
そして、人々にCity Harvestへの寄付を促すためのポスターへカメラはパンします。


一つのiPhoneを使ってワンショットで撮影されました。
「Apples」はMillニューヨークによって作られました。
City HarvestはDraftfcb社に沢山の食べ物がいちどにたくさん捨てられていることを伝えるためのコマーシャルを依頼しました。

iPhoneによって、人々が感情移入できる現実的な感じを持ち、バイラル映像としてデジタル・ライフにあるような、真にせまるコマーシャルを捉えることができました。


Millの3Dジョイント・ヘッドで「アップルズ」の副ディレクターであるYann Mabille氏は、
iPhoneがチームによって選択されたのは、「その実践的な再生機能、携帯電話ユーザーの中で圧倒的な人気をほこり、ユビキタスに近い存在だったからです。」と説明します。

Mabille氏は、以下のように話しています。
撮影は一日で行われ、完成まで3週間を費やしました。
最終的な見た目は低解像度ですが、見た目と印象をまとめるために巧妙な専門技術を用い、その背後には革新的な技術があります。

Millのクリエイティブ・ディレクターで「アップルズ」の副ディレクターであるAngus Kneale氏は以下のように説明しています。
仮想カメラは物理的なiPhoneの動きにマッチしている必要がありましたが、CMOSセンサーのローリングシャッターのために、元フッテージは少しゆがんでいました。
そのため、通常のトラッキングソフトウエアは役に立ちませんでした。


撮影する前に、この知識で武装し、MillはiPhoneのために革新的なトラッキング用リグを開発しました。
リード3DアーティストのVince Baertsoenは以下のように付け加えました。
「このリグがなければiPhoneカメラの映像をトラックするのは不可能でした。」
「私たちは駅の構内にモーション・キャプチャーのセットアップを再構築しなくてはなりませんでした。セットでは、カメラを設置出来、そのリグを三角測量で計測可能な場所を探しました。
私たちは、すべてを同時にシンクロして記録するために3台のCanon5Dmk2を固定したカメラとして使いました。」


「リグはiPhoneの正確な位置と方向を3Dスペースの中ではっきりと見せるようにデザインされました」
Kneale氏は詳細をさらに説明します。
「3台のCaonon 5D Mark2は3つの異なる視点からiPhoneの動きを捉えました。」
リグの「トラッキング・ポイント」は暗いライトの中でもはっきりと見えるように複数のLEDライトが付けられました。
作業の80%はリグによって簡素化されましたが、沢山の微調整が手作業で、時にはフレーム毎で行われました。



「フルHDR画像が撮影場所で撮られました。」とKneale氏は続けます。
「Spheron Cameraが360度、準備されたサーベイデータと、地下鉄のプラットフォーム全体と電車のライティングの状況をスキャンをしキャプチャーしました。
このデータは正確なバーチャル・エンバイラメントを構築することや、モデリングからテクスチャリング、ライティングまでその他の全てのことに使われました。

**訳注:Spheron Camera社 :1度に完全な球体イメージとHDRの輝度を高解像度で撮影可能なカメラSpheroCamHDRを販売している。
(リンク1:国内Microcomの製品ページ。)
(リンク2:Spheron Cameraのデモ映像。ピクセルを2点選択すれば正確な距離がはかれるようです。)


CGIはリード・フレーム・アーティストのCole Schreiber氏によって、オリジナルのライブアクションにコンポジットされました。
ネイティブなiPhoneの解像度で作業し、コーデックの圧縮からくるアーティファクトを一致させるのはとても重要でした。

Kneale氏は述べます。
「Cole氏は、iPhoneのダイナミック・レンジとホワイト・バランスをエミュレートすることで、注意深く、リンゴがフッテージになじむようにしています。リンゴの色彩は完璧にマッチしています。
グリーンカラーのスピルや影、リフレクションといった、細かなデティールも追加されました。
iPhoneのダイナミックな自動露出による変化もマッチさせる必要がありました。
トラッキングは、CGイメージをライブアクションに完全に一致させるためにFlame内で、ひとつだけ最後の微調整がおこなわれました。


CM「アップルズ」の結果には、路上で撮影した雰囲気があります。
広告業界で、ユーザーが作成した内容が影響する好例でもあります。
iPhoneとリンゴの品質に感謝します。


「今年のキャンペーンにおける我々のゴールは、
ニューヨークにおける二つの問題、大量の食品が棄てられ、沢山の人々が飢えることになるという飢餓問題における数を可視化することです。
Draftfcb社のエグゼクティブ・クリエイティブ・ディレクターのKeith Loell氏は
「数百万個のリングで一杯の地下鉄という視覚的効果が、潜在的な寄付者の注意を引くことを規定しています。」と述べています。

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一番知りたかったトラッキング作業のことは書いてませんでした。残念。
まぁトラッキングの微調整はMillのような会社でも、やっぱり2Dでやることがあるんだなとわかってなんとなく安心。
 
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(追記:2009年12月7日)
このトラッキングテクニック、どこかでみたことがあるなとずっと気になっていたが、ふと思いついた。
ようするに光学式モーション・キャプチャーである。
モーションキャプチャは通常専用のカメラを複数設置するところが、これは最低数である3台をCanon5Dmk2で代用している。
おそらくモーションキャプチャーのアイデアを軸に発展させた物だろう。
専用スタジオでないため、いろいろな制限があり、専用カメラでなく5Dを使用したのもそこからくるのだろう。
iPhoneのリグにLEDを使っているが、LEDのライトが周りへ不必要なライト効果を生み出すことも考えられるが、そこはLEDの明るさを調整し、不必要なライトにならない程度で、かつ5Dで十分キャプチャーできる程度のものにしたのだろう。
通常のモーキャプでは、光を反射するマーカーを使うが、専用カメラではないので、LEDのライトによる周りへの意図しないライティングを犠牲にしてまで(もしくは計算ずくで)のことだと思われる。
あとは5Dで撮影されたムービーファイルをモーキャプの専用ソフトで、解析したのだろう。
おそらくこの映像のコアとなるテクニックであるために、他者との差別化をはかるために、あまりくわしくは説明しなかったか、難しい事を書いてもわからない可能性もあるので、説明しなかったかのどちらかだろう。
それにしても疑問なのは女性をグリーンバックで撮影して、専用のモーキャプスタジオで撮影すれば他はすべてCGで作成してもよさそうなのに、なぜこのような手間がかかる方法をとったのかといこと。
このほうがより臨場感があると踏んだのか? このほうが予算が少なくて済むと考えたのか? たんに計画のミスか。













 

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