日本でハリウッドVFXを制作! 「経産省アイディアボックス」 結果:  
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2010年10月3日日曜日

本「スタジオプロジェクトDynamics」への補足 (その13)

Pg65
ステップ13

分離ジオメトリとは、ステップ3で抽出によりわかれたジオメトリです。
sinkhole3.maファイルでは「breakaway」という名称になっています。
シーンを開いたときにはオブジェクトレイヤーのBREAKAWAYがオフになっているので見えません。


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Pg66
ステップ15

おわかりと思いますが「三角」とは三角ポリゴンのことを指しているのだと思うのですが図3.34をみると三角ポリゴンは残っているのでちょっと意味がわかりませんね。

ジオメトリのスカルプとツールのところで「制限された軸方向に・・・」とあるのは
このジオメトリの場合は平面方向、すなわちXとZの方向ですね。

震央(Epicenter)」とは震源の真上の地表の一点のことを指します。
これは地震ではなく陥没なのですが、地震とは「地面からくる衝撃である」と考えれば、「陥没」は局地的な地震と考えることも出来ます。


ステップ16
個人的には手順の検討があまいように思います。
間違いではないのですが、すっきりしない手順になっているように感じます。

一度ステップ13で分離ジオメトリをパッシブコライダーにしてnParticleの初期状態を設定しています。 これをいちど削除して再度、このステップ16で、パッシブコライダーに設定し直すという二度手間になっています。

その理由の一つはステップ15で、分離ジオメトリのポリゴンを分割する必要があったからなんですが、先にステップ15の内容はステップ13の前にするか、ステップ7の直後にすれば良かったように思います。


Pg67
・・・分離ジオメトリを無効にします」と書いてありますが、これは分離ジオメトリのnRIgidShapeノードの一番上の「Enable」のチェックを外すだけです。


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Pg68
ステップ19

ここで分離ジオメトリの厚さのことを説明していますが、どこにも設定した覚えがなく、この問題がどこから出てきたのか意味不明です。
これはちょっとした実験をしてみるとすぐにわかります。

1)ポリゴンのプレーンを1つ作成し、スケールxyzに20を入力します。
2)もうひとつポリゴン・プレーンを作成し、スケールxyzに20を入力後、中心部分の4x4のポリゴンフェイスのみ選択してメッシュ→抽出(Extract)で分離します。
ヒストリを削除し、周囲のポリゴン部分も削除します。
スケールが1に戻っていることに注意してください。
3)もうひとつポリゴン・プレーンを作成し、ChannelBoxのInpuptsにあるwidthとHeightに20を入力します。
これで3つのポリゴン・プレーンができました。
 プレーンA)スケールxyzが20
 プレーンB)スケールxyzが20だったが抽出してスケールは1に戻っている。
 プレーンC)スケールは1ですが、widthとHeightで大きさが20なので、Aのプレーンと同じです。
4)これら3つにそれぞれパッシブコライダーの作成を適用します。
5)ここで、各「nRigidShape」にある「Collisons」オプションから「Thickness(厚み)」を見てみます。
 プレーンA) 0.085
 プレーンB) 0.034
 プレーンC) 0.085
6)これでわかるのは、ジオメトリをパッシブコライダーにしたとき、そのThicknessは自動で決まり、それぞれのジオメトリの大きさによって値はことなるということです。
そして、もう一つはジオメトリのScaleXYZの値は関係ないと言うことです。
7)次に「Remove nCloth(nClothの削除)」で、すべてのパッシブコライダーを取り除きます。
8)それぞれのプレーンに「Create nCloth」を適用します。もういちど今度は「nClothShape」の「Thickness」を見てみます。
 プレーンA) 0.141
 プレーンB) 0.057
 プレーンC) 0.141
9)自動で「Thickness」が設定されることや、オブジェクトの大きさによってそれが異なるのは同じですが「nCloth」と「nRIgidShape(パッシブコライダー)」ではその値も違うことがわかります。
「 nRigidShapeのThickness < nClothShapeのThickness 」
という関係になっています。

こうなってしまう理由はわかりませんが、nClothのほうがコリジョンの判定がシビアな状況が多いのでデフォルトでThicknessの設定を厚めにしているのかもしれません。
とりあえずそれがこのステップ19で修正が必要となっている事柄です。


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Pg69
ステップ21

翻訳:「砕けた断片がジオメトリの破片のように見えます
原文:「the crumbling pieces look like shards of geometry.
訳は間違いではありません。元々の説明がわかりにくいというか言語の違いによるものというべきか。
ようするに「コンクリートの破片のはずが、ポリゴンのフェイスに見えている」と言うことです。
そのために厚みをnClothと同じ(0.156)にしているのですが、その程度ではまだポリゴンにしか見えないのは言うまでもありません...。


翻訳:「これは最初としてはよいのですが、改善の余地があります
原文:「This is a good starting position, but it does not have to be maintained.
意訳すると「取りかかりとしては良い感じですが、無理に維持する必要はありません。


翻訳:「・・・分離を追加するとよいでしょう。
原文:「you can ・・・add divisions.

・・・分割を加えることも出来ます。」としたほうが良いように思いました。


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補足:この練習では、シミュレーションを維持してジオメトリの変更をする方向性ですが、低レゾリューションでシミュレーションされたポリゴンをそのままデティールアップする方法ではは限界があると思います。
低レゾリューションのオブジェクトを使ったnClothシミュレーションを、高解像度のジオメトリのアニメーションに置き換えるのは、今のところ自分には手間のかかる方法しかおもいつきません。
それもあって、あまりそのあたりには触れていないのかも知れません。
何か簡単な方法があると良いのですが...。

いくらシミュレーションで良い感じのができても、最終レンダリングで使えるジオメトリとデティールを手に入れることが出来ないと、意味がないように思います。
そのあたりの説明があまりされていないのは残念です。
というわけで、入門用の練習としては良いのですが、この手順全てそのままで、使うことができないケースもあるということを心にとどめて起きましょう。
いつでも、自分なりの方法を考えることを忘れないようにした方がよいです。

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