日本でハリウッドVFXを制作! 「経産省アイディアボックス」 結果:  
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2010年5月25日火曜日

Mothon theory からラブコール

昨日、いきなりMotion Theory から仕事のオファーのメールが届いた。
Motion Theoryは、LAのベニスにあるプロダクションで、CMやミュージックビデオなどを主に手がけており、数多くの賞をとっている。
その作品は、美しい表現が多く、最近のものだとIBMのData BabyというCMでその質の高さが伺える。



さて、レジュメを送ったこともないので、新手のスパムかと思い、注意深く読んでみると3年ほど前に、一緒に働いたことがある知人が紹介してくれた。
彼とは計1週間ほど働いただけだが、LAのアメリカン人にしては、珍しく仕事熱心。
集中力もすばらしく、仕事も確実で速く、無駄がない。
自分よりはかなり若いのだが、アメリカに来て初めて会った、尊敬できる人物だった。
自分でAV clubという情報サイトを運営し、自主制作の短編ムービーの 監督もしているせいか、仕事の全体を見て、物事をすすめる力に長けており、将来を見据えて人生を歩んでいる感じがする。

私のこの印象が通じているのか、あちらも私に親しみを持ってくれているようだった。
彼はもっと親しい知人が多いだろうに、言葉もままならない私とも定期的にコンタクトをとってくれている。
1年ほど前に、ベンジャミン・ボタンのタグボート・シーンでリアルフローのアーティストとして働いたが、それを最後に、FXはしばらくやらないと言ってその会社を辞めた。
最近、「リアル・フロー5はいまいちでおすすめできない。」とTwitterでつぶやいていたので、もしかしたらまたこの業界に戻ってきたのかもしれない。




まぁそんな彼の紹介なので、Motion Theoryの信頼感も高い。
ただ仕事はトラッキング。
もともとトラッキングの正確な知識はなく、まともに複雑なトラッキングに取り組んだこともここ数年ないので、いまいち自信がない。
Methodからの返事が水曜日まで延期されたので、とりあえずMethodの仕事が始まるまでということで返事をだしておいた。

ここ最近、実感するのは、信頼できる人からの紹介であれば、仕事が得られる可能性はぐっと高くなると言うことだ。
まだ実際に仕事につながったわけではないのだが、 相手の出方、話し方をみているとそれが感じられる。

LAで最初に就職活動セミナーに出席したときに、言われたのはネットワーキングの重要性だ。
確かに今まで得た仕事は、ほとんど友達の紹介などで仕事を得ているのだが、小さなところが多く、大手には無理だろうと思っていた。
卒業時には、ネットワーキングに躍起になり、LAシーグラフの小イベントなどに名刺をもっていっては配っていたが、いっこうに効果なし。
ネットワーキングもそれほど効き目がないなというのが第一印象だった。

おそらく自分のデモリールの質も上がってきたのが大きな理由の一つだと思うが、最近は知り合いの人に助けられての紹介が増えてきた。

全体の傾向として、まだはっきりとした成果には結びついてないが、悪くない傾向である。

最近は、Houdiniの勉強なども精を出し、自分のスキルアップに努めているのもプラスに働いているのかもしれない。


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そんなことをいうと、自分が今自宅でやっているスキルアップが就職活動の返事に結びつくことはないだろうと、いぶかる人もいるかもしれないので自分の考えを少し紹介したい。

何かに行き詰まったとき、何も打つべき手がないと感じる時というのは人生において何度か経験してきたし、これからも経験するだろう。
そんなときに一番重要なのは、まず自分の内面にとどまらず、外部に対して何かを発信するということが打開策になることが多かった。
これに付随して、次に重要なことは、自分から発信されるものの質を向上させるために何かする。


漠線としてるのだが、たとえば就職活動で結果がでないとする。
それでも知人にメールを送り、機会があるごとにレジュメやデモリールを送付、自分のホームページを改善したりする。
やったことはないが、メーリングリストや、SNSで仕事がないかどうか訴えても良い。
求人募集をしていなくても、デモリールを受け付けている会社も多い。
定期的にアップデートした情報を送ることで人事の人が覚えてくれ、次に人が必要なときに声をかけてくれることもある。
そして何も発信すべき相手がなくなるまであらゆる手を尽くす。
ここで、根拠もないのにだめだろうと考えるのは御法度である。

もちろん、あきらかにだめなものは、単なる無駄になるどころか、悪い印象を与えることもある。
たとえばアニメーターしか募集していないところに、プロデューサーとして応募したらどうだろう?
時として必要なこともあるし、それでうまくいく場合もあるかもしれないが、大体は、そうではないだおる。


だいたいこれぐらいやれば何らかの反応はあるが、それが自分が期待するものではないことが大半だろう。

普通は、何らかの解答や反応があっても自分の発信したものとは関係ないと考えていることがほとんどだが、つぶさに人生を観察していれば絶妙に関連している。
また、おもしろいことに自分がコミュニケートした相手からではなく、巡り巡って思いがけない方向から何らかの接触がくることもある。


この反応の質を向上させて自分の期待するものに近づける方法が二番目にあげた「、自分から発信されるものの質を向上させるために何かする」ということだ。
これには、もうひとつ重要な点がある。
それは自分から発信されたものの質に応じたものしか帰ってこないということだ。


例えば、現時点での自分のスキルレベルに応じたものしか帰ってこない。
また、タイミングが悪ければ就職には結びつかない。
そのことから、スキルレベルが低いほど、仕事に結びつくことは少ないことがわかる。
自分がほしい見返り(返事)が高いレベルにあればあるほどそうである。

なので、自分からなにか発信(コミュニケート)することをやり尽くしたなら、自分から発信されるものの質を向上させることに手を尽くす。
幸い日本人はこれには長けている人が多い。
今回、新しいコンピュータを購入したのも、現在Houdiniの勉強をしているのもそれにつながる。

こういった外からは見えにくい自分の活動でさえ、外部に発信できると巡り巡って自分のところに戻ってくる。
もう、おわかりかもしれないが私がブログを書いているのは、それが目的ではないが、その効果を期待している部分は少なからずある。
 時々、自分のCG作品の制作工程を掲示板などに定期的に投稿している人もいるが、そいういったものも一つの手段だと思う。
ほかにもできることはたくさんある。
自分の人生プランを立てることもそうだろうし、普段交流していない人と交流することや趣味に精を出すという気分転換はその人自身を豊かにしてくれるだろう。
心の豊かな人からでてくるものは、ここちよいものだ。

これは個人的に、感じていることだが人生というのは「発信されたものの質に応じたものしか帰ってこない」というルールに、非常に厳密に従っているような気がすることがある。


自分から発信するものが曖昧であれば曖昧な返事が来る。
どうでもいいものを発信していれば、どうでもいいものが返ってくる。
まじめに仕事をしてなければ、(仕事で生み出されるものを発信していないので)首になる。
人に優しい人の周りには、良い人が集まる。
人に何も発信しない(コミュニケートしない)殻に閉じこもった人は、孤立化(コミュニケーションが得られない)する。
最高のプロダクト(作品)作りをする人には、その能力を生かす仕事が来る。
2chで適当なことを書いたら、批判が集まる。(私は2chに書き込んだことはない)

自分が意識して発信しているものだけでなく、無意識に発信しているその人の個性というものもある。
発信するものに私利私欲があまりにも多く混在すると、おそらく他人の私利私欲に振り回されることになると思う。

 またデモリールで、卒業制作全体よりも自分が応募したい内容の要点を押さえた ショットをみせたほうが良いというのもこれに従う。

そして最後にもう一つ。
見返りを期待するのはしょうがないと思うが、強く求めすぎるとうまくいかないこともある。
自分がこれだけやったのにたいした結果も得られなかったとなるのが落ちである。

人事を尽くして天命を待つ
この言葉が、私の言いたいことを、言い表していると思う。
人事というのは「力のあらん限り」を尽くすことである。


以上で、すべてをうまく説明できたとは思わないし、反対の意見の人もいると思う。
これに従わないケースもあるだろうし、異なる理論もあるだろう。

しかし、とりあえず自分が、よりどころの一つとしている考えが、何か煮詰まっている人の助けになればと思い書いてみました。

参考:「リッチな人」の対外関係の鍵は「多様性」:研究結果 (wiredVision)

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