日本でハリウッドVFXを制作! 「経産省アイディアボックス」 結果:  
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2010年3月3日水曜日

経産省 アイディア・ボックスに関する活動と反響のご報告(2)

(2010年3月3日追記:CGWについて)


現時点でのご報告です。
すでにご存知かと思いますが、アイデアボックスでの
「ハリウッドVFXの仕事を日本で受注するための支援」の現状をお知らせします。

ここ数日で、数多くの投票とコメントが寄せられており、広報のご協力の効果と皆様の関心の高さが表れています。

カテゴリ「コンテンツ産業の振興」では
ポイント、注目度、コメント数のいずれもトップ。

「アイディア一覧(綜合)」でも
ポイントにおいてはトップ、注目度、コメント数ともに二位です。
これも時間の問題で、そのうちトップになることでしょう。

貴重なコメントが数多くよせられており、質の良いブレインストーミングのようになってきたように思います。


私一人では、思いつかないようなこと、説明できなかったことなども個々のコメントでかかれており、
協力して考えることのすばらしさを感じるとともに、公の場にだしてよかったと思っています。

アイデアボックスが終っても、このような議論の場を作るのも、おもしろいなと最近思っています。
ただ、期間の限定もなくだらだらとやると、議論の熱も下がりますので、今のところ具体的に何かすることは考えていません。


それから今回、広めるのにご協力いただいた方全てに感謝しております。
本来は全ての方をリストすべきかと思いますが、大きく広めるのに貢献していただいたブロガーやサイトオーナーの方についてそのサイトのリストを「お礼と途中経過」に載せてあります。
このリストは、エントリ公開後も、新たにご協力いただいた方を逐次追加しています。

追記:そういえば忘れてました。
memlogのtai-Komatsuさんより最新号のCGWにこの活動(一番初期の経産省へのメール)が紹介されたそうです。
デジカメで写真を撮って送っていただき、読むことができました。
非常にタイムリーで、URLも載っていましたので、そこから今回のアイデアボックスへ来てくれた人がいたら大助かりです。
記事を書いて下さった方に感謝します。


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「ハリウッドVFXの仕事を日本で受注」というアイデアですが、いろいろと情報を得るうちにこのアイデアを持つ人はすくなくないということがわかった。
アイデアどころかすでに実践しているひともいる。

友人でもある映像ジャーナリストの鍋潤太朗氏は一年も前にCGworld(参照:withD)でその期待を口にされている。

私が最初に経産省へ意見を提出したのが1月23日でしたが、それからわずか2週間後の1月26日には氏のサイトで実際に思案されているこが書かれています。
(コラム:注目される日本のアニメ文化 / 「米人オタクの日本ツアー募集」からの考察(01/26/2010)

彼は私よりも遙かに業界経験が長く、この業界については知り尽くしている業界通であることはみなさんもご存知だと思います。
個人的には、なにか凄いアイデアが出て来るのではないかと期待しています。
現時点で、直接、本人に聞いたわけではないのですが、もし私が声を上げたことがきっかけになったのであれば、うれしいことです。

また、他にもいろいろな出会いで、この問題を考えている人と接する機会がありました。
昨今のハリウッドの状況や、世界情勢、日本の業界のことを知っていれば思いつく人がいてもおかしくはないと思っていたので、それがまさに裏付けられた形になりました。

こういったことはもしその人が事業を考えていれば、その計画の妨げなることもあり、利害関係になってくるので、詳しいことは書かないでおきます。

そして驚いたことに、これをすでに実践に移している方もいることがわかりました。
みなさんの興味あるところだと思いますが、現時点ではご本人の許可も取っていないのと、実際の事業に関係することなので、こでは割愛させていただきます。


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また誤解の無いように、もう少し説明を追加させていただきたい。
「ハリウッド」というと普通は、トランスフォーマーや2012、アバターといった大作をイメージする人が多いだろう。
しかしながら、ハリウッドには、それ以外に様々な映像媒体が仕事として存在する。
それには短期、長期が含まれるし、掛けられる費用も様々である。

ゲーム、TV、CM、Musicビデオ、プロモーション映像、Web配信用。

実際に仕事をとるのは難しいのではと思われる方も多いだろう。
もし金額のことを考えないのなら、それは真実ではないと思う。
以下は、実際に営業した経験がないのでわからないが、私のLAでの中小プロダクションでの経験とそこのプロデューサーなどを見ていて推測したことである。
おそらく、ハリウッドの大手プロダクションでアーティストとしてお勤めの方はご存知ないと思われる角度からの観察結果なので、あまり知られていない部分もあるのではないかと思う。
また推測が多いので、間違いもあるかもしれないが、まるっきり外れてはいないと思っている。

無料でもいいからVFXの経験がしたいというならインデペンデント系のプロダクションがすぐにでも使ってくれるだろうし、仕事を依頼してくるだろう。
実際、こちらで仕事をしていると、友達の友達からという感じで、どこからから依頼されたりすることが時々ある。
個人で、経験や趣味としては良いのだが、これでは商売にならない。
物によっては、後述するように将来クライアントに見せるデモとしては使える可能性も無いとは言えない。
しかし通常は、予算無しでは難しい。
ただ無名の駆け出しプロダクションでは、見せる物が無いので、何か作る必要はあるとも言える。

そして会社が運営できるだけの費用を要求する仕事なら、ライバルも増え、とたんに受注が難しくなる。
大作となると駆け出しの企業にはかなりハードルが高い。

これの救いとなるのが、もしある映像が気に入ってもらえれば次の仕事に結びつくということだ。
クライアントはそのプロダクションの過去の作品をみて仕事を依頼するかどうか判断する。
これは一つの案だが、その作品が次の仕事に結びつくので大作映画に必要な要素を徐々に取り入れることができる仕事を受注していけばよいと思う。

いったん良い仕事をすれば、同じクライアントから仕事がもらえる可能性は高いし、質が良ければ他のクライアントからも依頼が来る可能性が高まる。

これを繰返して、徐々にクオリティーを高め、大作映画にかかわっていくことになる。
これを綿密に計画することは重要で、このステップアップに真剣に取り組まない、もしくは取り組むことが出来ないプロダクションには険しい道となるだろう。
また、その道を慎重に選ぶ必要もある。
どんな仕事でも良いからと簡単にとれる(と思われる)、ワイヤーリムーバブルやペイントワークばかりをとると、デモで見せられるのはそのような仕事ばかりになる。結果としてそのような仕事しか舞い込まない。
いくら、キャラクタアニメーションや、リアリスティックな自動車を作るような仕事がやりたくても、そういった仕事をやらなければ、むこうからやってくることはない。
ようするに相手がそのプロダクションの潜在能力を期待して依頼してくることは、ゼロではないとおもうが、ほとんどないと思う。

この方向性を変える物として各プロダクションが行うのは自社で作るショートフィルムや実験映像だ。


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日本でもそうかもしれないが通常、映画のVFX制作には複数のプロダクションが関わることが多い。
VFXがそれほど多くない映画であれば1社でこなすが、ある程度複雑になってくると複数のプロダクションに配分される。
その細分方法は、担当する人の考え方や予算、スケジュール、ショットでのVFXの難易度、ショットのつながりなどによって異なってくる。
大作映画でも、十分スタンダードなソフトで対応できるショットもある。
そのような仕事は中小のプロダクションで処理されることが多いのではないかと思っている。

マイケルジャクソンのThisIsItをご覧になった方も多いと思うが、それほどCGの質が高いわけでもない。
日本でも十分対応できる質である。
しかしながらスケジュールの都合もあり、数社が関わっていることはエンドクレジットでもわかる。
しかも、それほど大きなプロダクションで作られたわけでもない。
中にはコンプも含めて二人程度で作られているショットもある。

このように仕事を選ばなければいろいろとあるわけで「ハリウッド=大作」という公式が必ずしも成り立たないことはご理解いただけると思う。
そして、よく言われるように一大映画産業の地である。それ映画に止まらず映像全般にひろがっているのがハリウッドだ。
一般にハリウッドといわれているが正確には「ロサンゼルス映像産業界」といったほうが現実に沿っているだろう。
毎年大量の映画が作られており、日本に入ってこないものも大量にある。

このように、日本では知られていない、小さな仕事もたくさんあるのがハリウッドだ。

先ほど、すでに実践されていると述べたが、最初はどうしてもこのような仕事から始めることになってしまう。
そしてそれにはこのような状況があることを、ご理解いただけたらと思う。
こうしてみると、仕事をとるのは、さほどむずかしいことではないように見えてくる。
(実際は、そう簡単にはことは運ばないので難しい事には変わりないが)
もっと重要なのは、交渉力のほうかもしれない。
英語能力とプレゼンテーション能力。
前のエントリでも書いたように、日本とは異なるプレゼンテーション能力が求められる。
(参照エントリ:メモ:映画の仕事を得るためのTips


そういう意味では、ハリウッドのことを知り尽くした有能な人を交渉の接点におくことができれば、事はうまく進むように考えている。


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色々と思いつくままに書いてしまったので、またいつものように焦点の定まらない文章になってしまいました。もうしわけない。

ここで言いたかったことは、とりあえずハリウッドの仕事といっても日本と同じように様々であり、実践されているという方も、必ずしも楽にできているわけではないし、大きな仕事をとってきているわけではない。
簡単に言えば、現時点では日本の方が今回の提案に期待していたようなことが起きているわけではない。
しかしその前触れというか面影は見え隠れし始めている。
 
そして、解決すべき問題はあるものの、仕事を選ばなければ不可能ではないことを理解していただければと思う。

今回のエントリが、現実的なステップを考えるための糸口となれば幸いである。


経過報告3: 経産省 アイディア・ボックスに関する活動と反響のご報告(2)
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おねがい
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studioMomoのフォーラムで、
日本の会社でも「2012」や「トロン」に参加したVFXプロダクションがあるとおっしゃる人がいました。
その方の情報によると東京と、大阪に1社ずつあるそうです。
もし、会社名やサイトをご存知の方はmelonまでご連絡いただけないでしょうか?
ご連絡には左にあるメールフォームをご利用ください。
メールアドレスの入力は必須ではありませんので匿名性は維持されます。

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