日本でハリウッドVFXを制作! 「経産省アイディアボックス」 結果:  
●まとめエントリはこちら ●FAQ ●お問い合わせは左のメールフォームから

2009年10月17日土曜日

2012

11月13日に公開予定の「2012」の冒頭5分28秒分のムービーが、約2週間前に公開されたが、そのときに感じたこと。
映画を期待している人は読まないことをおすすめします。


まず、VFXはとにかくすごい。
どれだけの人や技術が動員されたのかわからないが、すさまじいリアリティーと迫力の映像が続く。
これから先、数年分のリファレンスがぎっしり詰まっていると考えたのは職業病かw
とにかく、細部まで十分作り込まれていて文句の付けようがない。


<<注意: ここ以降は、映画を楽しみにしている人は読まないことを強くおすすめします>>

そして、しばらくストーリーと映像との関連についてちょっと注意を向けてみた。

....なにかおかしい。

けちを付けるつもりはないんだけど、違和感を感じる。

よく考えてみると、主人公が危機に陥りすぎ。
そしていずれもかすり傷一つおわず、助かる。

車の衝突、崩れ落ちるビル、道路の崩壊、隕石の雨、いずれも危機をくぐり抜ける。

この5分半のえい像含まれていないショットが途中にあるのかもしれないが、今のところ、この映像では、そのような場面しかみれない。

観客に、危機感を感じさせるための演出なのだろうが、事故寸前で助かるような場面が続くと、「この人は絶対に死なない。」という確信がでてきて、逆にギャグに見えてきた。

大金をかけて最新VFX満載のギャグにしか見えない。
VFXはシリアスな映像を描いているが、演出はトム&ジェリーと同じw
もしかしてねらってんのか?とも思ったが、それにしては長すぎる。
でもこの監督どことなくシリアスさを描ききれないというか、どこか的外れな感じのギャグともそうでもないともいえる微妙な演出を入れてくる、それがこの映画ではこれなのか?

ちなみに、微妙な演出とは、ID4で、瀕死の宇宙人にあたりちらすウィルスミスのセリフとか、ゴジラの子供が大量に孵化するとか、マジともそうでないともいえない演出のこと。
これは個人的に感じているだけなのかもしれないが。




そう考え出すと、いろんな崩壊のスピードが遅く感じる。
物が落ちてくるのもスローモーションのようにゆっくり。
もちろん、現実世界でも、高いところから長い距離、物が落ちるときなどゆっくりに感じることがあるのは認めるし、映画の演出で、スピードに緩急をつけているのもわかる。
しかし、その演出が鼻につくほど、多い。
しかも崩壊がこれまた、ことごとく、細かいし、美的な壊れ方をする。

リオのキリスト像の崩壊、など、腕が先に壊れているが、地震にあったとしてもあれほどもろくないだろうと感じる。

このあたりを感じだすと、もう歯止めがきかなくなってしまった。
演出のための嘘が目白押し。
あまりにも作り物ぽいし、みせすぎで、緩急が感じられなくなってしまっている。

VFXを大量に見せれば観客動員できると考えていたのだとしたら観客を馬鹿にしている。
スピルバーグならもっと押さえた演出で、効果的に見せるのではないかとさえ思ってしまう。


そのうち、以前の予告編で現代技術で作ったノアの箱船みたいな船が、ちらほら出ていたのも思い出した。
自明のことだが、ストーリーも、結末もなんとなく予想がついてしまった。


自分は「スターゲイト」「インデペンデンス・デイ」のファンでもあるので、決してこのローランド・エメリッヒ監督が駄目だとはいいたくない。
しかし「GODZILLA」以降、あまりパットしないのも事実。

自分の中では、「GODZILLA」は設定がおもしろいと思ったので、まぁまぁだったが、「デイアフタートゥモロー」からは、ストーリー展開が退屈になってきたように感じる。

今回の2012を見に、映画館へ足を運ぶ気持ちはなくなった。
もちろんVFXの迫力映像だけを期待していっても十分だとは思うが、それだけで見に行くには時間もお金ももったいない。
後ほど、DVDでも買って、ゆっくりVFXを研究する程度で自分には十分かなと思った。
多分、借りて終わると思うがw


ローランド・エメリッヒの、次回作は「ミクロの決死圏」だ。

これは個人的に好きな映画のリメイクなので、期待している。
それに、久しぶりに地球規模の崩壊から離れた映画になるので、もしかしたら良い演出が期待できるかもしれない。

この映画、当初ジェームスキャメロンが監督に興味を示した物の、Avatorの制作で降板し、次は脚本家協会のストで制作が延期になったためローランド・エメリッヒは、「2012」の制作に集中したということだった。
Wikiを見る限りでは2010年の公開予定だし、ジェームスキャメロンも何らかの形で制作に関わっているらしく、2007年に脚本にだめ出ししたらしいので、演出にもキャメロン独自の、スリリングなテンポが期待できる。


今回、TRON2には参加できなかったが、今から頑張ればこの思い出の映画のリメイクには参加できるかな?(参加したいな)
 

0 件のコメント:

コメントを投稿