日本でハリウッドVFXを制作! 「経産省アイディアボックス」 結果:  
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2010年6月12日土曜日

現在の仕事

先週からMethodで仕事をしてますが、Houdiniはまだ触っていません。
映画ではなく、CM部門に雇われたということもありますが、Maya+Vrayでの作業です。
この後にもいくつかCMのプロジェクトが控えているので、そのときにHoudiniに触らせてもらえるのかもしれません。


Vrayはほとんど触ったことがないので、最終的な部分はVrayアーティストに任せて、自分の担当はnClothと、破壊系エフェクトのシミュレーションです。
仕事としては今までやってきたこととさほど違いはありませんので、nClothのシミュレーションがうまくいけばOKでした。
しかし、 nClothでの作業はいままで、いつも不必要なストレッチ(伸長)と、スプリングの効きすぎになやまされ、それらをコントロールする方法を見つけ出していませんでした。

毎日のように変更がはいり続け、シミュレーションのトライ&エラーにかけられる時間は1~2時間、最初の4日ほどは、初めてチュートリアルをやったものよりもヒドイ物しか見せられませんでした。
その日のクライアントに見せるムービーを送らなくてはいけないので、ジョイントを使ったキーフレームアニメーションでごまかすのがやっとという有様でした。

クロスがコンストレインしてあるオブジェクトが、かなり高速で移動しているのと、実スケールでの作業になれていないためにおきたことですが。
実際には、まったくの初心者には無理だと思います。
しかし、プロデューサーにはその違いはわからないでしょう。

nClothは通常1ユニットが1mで計算されますので、モデルを1ユニット1cmで作った場合、nucleusノードのSpace Scaleを0.01にしてやる必要があります。
しかし、それをやっても、うまく行かない部分が多く。
急激なスピードでゴムのように伸び縮みしたり、ぐちゃぐちゃになってしまうシミュレーションと戦い続けました。



プロのエフェクツアーティストであるならば、これらは運任せではなく、すべてコントロール下に置いている必要があります。

プロデューサーの「こいつ大丈夫か?」というような、どことなく冷たい目線を気にしながらも、間に立ってくれていたおだやかで理解のあるVFXスーパーバイザーによって何とか過ごすことができました。

このままでは、仕事のチャンスを逃してしまうと危機感を感じたのと、プロとして全てをコントロール下に置くために、自宅でもDigital Tutorsのビデオを見直してみたりして、アトリビュートの要点をつかむことに専念しました。
最終的には、スケールもデフォルトの大きさのままでやることで大きく改善。
まだ理由はわかりませんが、どうやらSpace Scaleを0.01にするだけでは駄目らしいです。
伸長とぐちゃぐちゃになるのも、どのアトリビュートを調整すればいいのかをClothの挙動をみて推測ができるようになりました。
まだ完全ではないですが、 なんとかコントロール下に置くことができるようになりました。



そうやって作ったシミュレーションは初めて最後まで見せられる質のものでした。
それをプロデューサーに見せたら、安心したらしく態度が突然かわり、任せてくれるようになりました。

今は、やっと最終的な物に落ち着いてきたところ、今週中には仕上げなくてはいけないのですが、おそらく大丈夫そうです。

現在は高解像度メッシュでのシミュレーションを、練り直しているところですが、Substep値もさほど高くしなくても良いので、シミュレーション速度も容認できるので、これなら高解像度メッシュでもいけそうです。

これをあと1日か二日で終わらせて、あとは、地面のひび割れのエフェクトを作成です。
すでにひび割れは、テスト作業を終えました。
ひび割れ系のエフェクトは、前の会社ではブラストコードというプラグインを使っていたのですが、この会社にはそのようなプラグインはありません。







幸い、何度も使っていたおかげで、大体基本の作業はわかっていましたので、ポリゴン・プレーンを直接、ひび割れ形状に分割したモデルにして、そこから各ピースを手作業で作り出しました。

今現在の課題は、ひび割れ時に発生したデブリが落下したときの地面とのインタラクションです。
パーティクルとインスタンサーを使おうと思っていましたが、これでは回転が擬似的な物になってしまいます。
nParticleもインスタンサーの回転がサポートされたのは2011からで、会社で使っているのは2011ではありません。



nClothを使ったリジッドボディーにしようかと思っていたのですが、小さな不安定な動きが発生し修正が大変そう。



ちょっとこのあたりは、何か対策が必要ですが、まぁ何とかなるでしょう。
 
あとは、おそらく土煙にフルイドを使えと言われなければ、それほど苦労することはな胃かなと思っています。

毎日、プロデューサーに見せるために、movファイルを作成するのですが、この作成のために初めてNukeを使いました。
まだ、さほど複雑なことはしていないので、なれながらNukeを覚えるには良いかなと思います。

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