日本でハリウッドVFXを制作! 「経産省アイディアボックス」 結果:  
●まとめエントリはこちら ●FAQ ●お問い合わせは左のメールフォームから

2010年6月25日金曜日

自作ステディカム(その1)

予定していた仕事が突然なくなって、急遽就職活動しつつ、家では時間があるのでこんなものを子供と一緒に作っていました。
(仕事がないものはいくらあせっても無い。最大限に就職活動に労力を使う必要は、ありますが、無駄に悩んでも仕方がありません。)



いよいよ本格的にMelスクリプトどころか、VFXからも道を踏み外し始めたなと思われるかたもいるかもしれませんが、まるっきり外れてはいないと、言い訳させてください。

写真をみて、もうおわかりの方もいるかもしれませんが、今回トライしたのはこれです!
 

 ご存じない方も、映像を見ればご理解いただけると思いますが、手ぶれの少ない非常に安定した映像をとることができます。
(注:ステディカムを使えば 誰でもこのように撮影できるというわけではなく、ぶれの少ない安定した画像を撮るには慣れがある程度、必要だそうです。)

私がステディカムの存在を知ったのは、スターウォーズ・ジェダイの復讐。
スピーダーバイクのチェイス・シーンのメイキングを読んだときだ。
 当時、映画用カメラと言えば、かなり巨大な物が多い中で、それを手持ちで撮影することができることにまず驚いた。
スピーダー・バイクのシーンでは、森の中を歩いて撮影し、高速で飛行する効果を出すために、コマ撮り技法と低速度シャッターを使いスピード感を出したという。



ステディカム自体はジェダイの復讐で初めて使われたのではなく、歴史は意外と古く、「シャイニング」で、廊下のシーンや、最後の迷路のシーンなどで使われ一躍有名になったらしいのですが、そのときは知りませんでした。
 

ステディカムの存在とそこから生み出される自由自在に動く映像を見たときに、これならドリーなど不要になってしまうんじゃないかとさえ思った。

-------------
さて、いくら小型といえども、当時のステディカムはまだまだ大がかりな物というイメージが大きかった。
しかし、上動画の「ステディカム・マーリン」は小型のハンドヘルド用に開発された物で、その構造のシンプルさから、まねをして自作する人が多く、自作ステディカムの代名詞といってもよいほどです。


このハンドヘルド用ステディカムの普及率は、かなりのもので最近はiPhone用のステディカムが発表され話題となりました。
http://www.tiffen.com/smoothee_home.html

映像の安定性という点では、大がかりな物には劣るようですが、アマチュアや家庭用としては十分とも言えます。

-------------
さて自作ステディカムですが基本的には
1)やじろべえのようにバランスをとる部分
2)支点で支えるジンバル部

から構成されます

自作ステディカムの作例を見てみると、ジンバル部には、通常ボールジョイントや、ユニバーサルジョイントが使われ、アーム部は金属や塩ビパイプ、木など人それぞれです。

今回は本格的に作る前に、原理の検証のために、手元にあった木材で作ることにしました。
原理の検証のため見た目は、まったく考えていません。
カメラも両面テープで固定しています。
材料費は、以前からあった物だけを使ったので、新たにかけた費用はゼロです。

アーム部も、手でノコギリをひいて板を切っているので、よく見ると波打っています。
ちょうつがい部分は、3mmの穴を開けて、竹ヒゴを通して作っています。
ドリルの刃も竹ヒゴも先日、帰国時に購入した物で、早速活躍してくれました。
おもりには、25セント硬貨を使い、おもりを入れるカップは子供用の風邪薬を計量するカップをピンで止めています。
ジンバル部は、ヤジロベエと同じで、3mmの竹籤の先をとがらせた物をつかい、グリップ部のトップに少しへこみをつけて乗せているだけです。
なので、バランスが崩れると落下します。


さて気になる結果ですが、大失敗です。

バランスをとることができず、安定しません。

その一つの原因として、アーム部がおもりによってどんどん下がっていき、それによりバランスが変わることがあります。
アーム部の固定は意外と重要で、少し角度が変わっただけでバランスが崩れます。
ピンと輪ゴム、テープなどで固定しましたが、それでは変更したいときにうまくいきません。

当初の予定では動かない予定でしたが、やはり竹ヒゴの軸だけでは限界があるようです。
これはネジなどでしっかり固定する必要があるようです。
(参照:科学的に安全なホウキの乗り方?


カメラの固定は今回、両面テープをつかましたが、以外とわずかな位置の差でバランスが崩れるので、左右前後に0.5mm程度の単位で移動できる方法を検討する必要がありますが、これはまだ先でもよいでしょう。

また、詳しくは調べてみないと正しいかどうかわかりませんが、
安定させるためにはカメラは支点の上にあること、アーム先端のおもり部分は支点よりも後方(撮影者側)まで伸びていることが必要なようです。

次回のバージョンまでの改善点は、
1)アーム部を蝶ネジで固定する。
2)アーム部にもう一関節追加し、おもり部分を後方まで伸ばす。

の二点です。

これが、うまくいったら、次はジンバル部にユニバーサルジョイントなどを使ったバージョンを作ってみたいですね。

0 件のコメント:

コメントを投稿