以前のエントリのタイトルにも引用させてもらった本「My Job Went to India」
ブログのエントリを書く間にみつけた書評などを読んでいるうちに、今一番自分の考えの方向性に似ていると感じ、即、Amazonで日本語版を購入した。
その本が木曜日に届き、さっそく読み始めました。
購入時はよくある、ノウハウなどの本だと思っていたが届いたのを見てびっくり。 細かい文字がぎっしり、これはかなり腰を入れて読まないといけないなと感じながら、最初のイントロダクションを読んでみると、見る間に引き込まれてしまいました。
中国やインドのIT業界における進行度も大変参考になります。
またオフシェアリングで両国が仕事をとれたのは、英語ができるからだそうです。
この点、日本は弱いですね。
今のところイントロダクションを含めて10ページほど、読んだばかりですが、 これからの状況は変わらないという点、個人もいろいろな経済の知識が必要であるということなどは、ほぼ自分の考え方の方向性は間違ってなかったことがわかりました。
違いがあるとすれば、私のほうは状況をネガティブにとらえ、この本の著者はポジティブに捕らえていたところ。
本自体はプログラミングとプログラマーについて書いていますが、 そのままCG/VFXアーティストに入れ替えても内容的には通じるようなことがらばかりです。
職種は多少違うとはいえ、アメリカのCG業界もプログラマの状況に非常に似ていると思いました。
そして、うまく先陣をきれば、この状況を乗り越えることもできるし、この逆境を逆手にとることもできるということです。
(ただし、CGアーティストとしてという意味ではないのでそのあたりはもっと読み進めて適用できるノウハウがあるかどうか見てみないといけません)
よく、成功法則を書いた本や、現代社会の傾向について書かれた本がありますが、どちらかというと一般論的で、この業界にそのまま適用できる内容の物はほとんどありませんでした。
この本を少し読んだ感じでは、少なくともプログラム業界をよく知っていて、その傾向も2010年までも見通してかかれています(出版は2005年)。
これがこのまま適用できるとすれば、CG業界も、そこに書かれているような危機的状況に陥る可能性が十分ある。
一部を引用すると、
2000年から2004年の4年間の間にアメリカのプログラマは17%減少。
21世紀の到来に伴いIT産業で働く人間は騎士から従者に格下げされた。
ピークから数年が過ぎてもオフシェアリングは確実に増加しており、2004年にはIT業界のアウトソーシングは37%の成長を見せた。
しかし、結局の所、企業をせめても何の解決にもならない。米国の企業社会は簡単には変わらない。
政府や大企業への非難は恐れや不安の慰めにはなるかもしれないが不毛でしかない。攻めるべきは、ほかでもない自分自身だ。(中略)労働組合を結成してデモをするのも敗北主義だ。(中略)
どれも問題の責任(および解決のためのアクション)を誰かにおしつけようとしている。
どれも耳の痛い話ばかりである。
CG業界が、プログラム業界ほどひどくなるかどうかはわからない。
もしかしたらもっとましかもしれないし、もっとヒドイかもしれない。
それは誰にもわからない。
しかしCG業界もプログラム業界と同じように、このままでは失業が増える方向へ進んでいることは否定のしようがない。
生き残るための対策は今からやっていくしかない。
これは久しぶりに、読み応えがある本で、緊急に必要な情報を手に入れることができそうな感じがする。
CGアーティストとしての生き残りにはもちろんのこと、これからTDやプロデューサーを志す人は必読だと思う。
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